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Entry 2024/04/06
Update

【ネタバレ】ハンニバル シーズン1|ドラマあらすじ感想結末と評価解説。サイコスリラーで表と裏の顔を持つ精神科医を描く

  • Writer :
  • 秋國まゆ

トマス・ハリス原作小説『レッド・ドラゴン』をテレビドラマ化!

デヴィッド・スレイドやギレルモ・ナヴァロらが監督を務めた、2013年製作のアメリカのサイコスリラードラマ『ハンニバル シーズン1』。

FBIの行動分析課長のジャック・クロフォードは、ミネソタ州で起きた連続殺人事件の捜査に行き詰まり、犯人に共感し犯行当時の感情を再現できる天才犯罪プロファイラーのウィル・グレアムに協力を求めます。

さらに精神科医のハンニバル・レクターに、彼と犯人の精神鑑定を依頼。ウィルとレクターは各地で猟奇殺人鬼が引き起こす事件の捜査を始めるも、彼にはもう一つの顔が隠されていて………。

ドラマ『ハンニバル シーズン1』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

ドラマ『ハンニバル シーズン1』の作品情報


(C) 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.

【放送】
2013年(アメリカドラマ)

【原作】
トマス・ハリス:『レッド・ドラゴン』

【監督】
デヴィッド・スレイド、マイケル・ライマー、ピーター・メダック、ギレルモ・ナヴァロ、ジェームズ・フォーリー、ティム・ハンター、ジョン・ダール

【キャスト】
ヒュー・ダンシー、マッツ・ミケルセン、ローレンス・フィッシュバーン、カロリン・ダヴァーナス、ヘティエンヌ・パーク、スコット・トンプソン、アーロン・エイブラムス、ララ・ジーン・コロステッキ、ラウル・エスパーザ、ジリアン・アンダーソン、エディー・イザード

【作品概要】
30デイズ・ナイト』のデヴィッド・スレイドや『ナイトミュージアム』(2007)のギレルモ・ナヴァロらが監督を務めた、アメリカのサイコスリラードラマ作品。

アメリカの推理小説家トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』をテレビドラマ化した作品です。

『恋する宇宙』(2009)のヒュー・ダンシーと、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のマッツ・ミケルセンが主演を務めています。

ドラマ『ハンニバル シーズン1』のあらすじとネタバレ


(C) 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.

第1話 Aperitif(アペリティフ)

天才犯罪プロファイラーであるFBIアカデミーの講師ウィル・グレアムは、自閉症スペクトラムの一種として、あらゆる犯人に共感し、その動機や犯行当時の感情を再現できる「純粋な共感力」という特殊能力を持っていました。

FBIの行動分析課長のジャック・クロフォードは、ミネソタ州で起きた女子大生連続殺人事件の捜査に行き詰まり、ウィルに協力を求めます。

ウィルの友人である元心理学教授、現在FBI顧問をしているアラーナ・ブルームは、ウィルの精神状態を危惧して反対しました。

ジャックは彼女を納得させるため、彼女の恩師である精神科医のハンニバル・レクター博士にウィルと犯人の精神分析を依頼し、ウィルを捜査に加えます。

犯行現場を見たウィルは、犯人にはもうじき独り立ちする一人娘がいて、彼女を失うことを恐れてほぼ同じ年齢・外見の女子大生8人を誘拐。

彼女たちを敬い愛する気持ちゆえに食べ、体内に取り込んでいる食人鬼だと分析しました。

ですが、8人目の被害者エリース・ニコルズは鹿の角に引っかけて吊るされ、食べられそうだった肝臓がガンだったことが発覚。犯人は元に戻しました。

事件解決の兆しが見えてきた頃、地元警官による情報漏洩により、模倣犯による殺人事件が発生。

ウィルとレクターは、エリースの服から見つかった配管工事で出る金属片と同じ金属を使っているミネソタ州内の配管工事現場を全て回ることに。

その結果、退職届に電話番号しか記載していなかった怪しい配管職人ギャレット・ホッブズが犯人だと断定。

駆けつけた時にはすでにホッブズは錯乱しており、妻を殺し、娘を手にかけようとしました。ウィルはそんな彼を射殺しました。

第2話 Amuse-Bouche(アミューズ・ブーシュ)

ウィルとジャック率いるFBIの行動分析捜査班のメンバー、ビヴァリー・カッツとジミー・プライス、ブライアン・ゼラーは、土壌から突き出たいくつもの手が発見されたエルクネック州立森林公園に到着。

現場検証を行い、現場から発見された9人の遺体の検死にも立ち会ったウィルはこう分析しました。

犯人は人には不可能なつながりに憧れている医療関係者で、9人を細工した薬で昏睡させ、キノコの肥料にするべく、ブドウ糖を入れた点滴につなげたうえで生き埋めにした、と。

その証拠に、被害者全員の死因は、ブドウ糖の過剰摂取で糖尿病になったことによる腎不全でした。

その後の調べで、薬剤師のエルドン・スタメッツからインスリンを処方された10人が失踪したことが判明。

ジャックたちはスタメッツの逮捕に向かうも、勤務場所である薬局にはおらず、彼のPCの履歴から、記者のフレディ・ラウンズのサイトを閲覧していたことを知ります。

ラウンズはFBI嫌いの地元刑事に嘘を言い、事件の捜査情報を聞き出してそれを記事にしていました。

それだけでなく、ラウンズは無断でホッブズの犯行現場を荒らしていたのです。

翌日。ラウンズの記事を見てウィルは自分の理解者だと感じたスタメッツは、彼女に突っかかっていた地元刑事を殺害。

アビゲイルの居場所を聞き出し、2人をつなげようと彼女を連れ去ります。

しかし偶然、アビゲイルの見舞いに訪れていたウィルに見つかり、撃たれてしまいました。

その後、ホッブズを撃ったショックで悪夢に悩まされていたウィルは、レクターのセラピーを受診した際、彼を殺したことは快感だったと告白しました。

第3話 Potage(ポタージュ)

事件の早期解決を望まれているFBIからの要望で、ウィルは模倣犯についてプロファイリングします。

切断された鹿の角に串刺しにされ、生きたまま肺を抉り取られた9人目の被害者キャシー・ボイルを殺した模倣犯は、ラウンズのサイトの熱心な読者。

ホッブズを熟知しており、彼の犯行動機や殺害方法を理解し再現してみせたこと。

ホッブズが妻を殺し、娘を手にかけようとする前、非通知で彼に電話をかけた人物こそ模倣犯であると確信している、と。

レクターの提案を受け、ジャックたちは昏睡から目覚めたアビゲイルを犯行現場へと向かわせました。

自宅に戻ったアビゲイルは、親友のマリッサと再会。そこにラウンズに唆されてやってきたキャシーの兄ニコラスに罵倒されるも、彼女が追い払ってくれました。

鹿狩りの仕方・捌き方を教えてくれた父親は、「命を無駄にすればただの殺しになる」と言って鹿の死体を大事に扱っていたことを思い出すアビゲイル。

その直後、何者かに鹿の角で磔にされ殺害されたマリッサが遺体となって発見されました。

親友の変わり果てた姿にショックを受けるアビゲイル。まさかと思って自宅のリビングにあるクッションをナイフで切り裂くと、大量の髪の毛が出てきました。

さらにそこへ、マリッサ殺しはしてないとニコラスが訴えにきます。パニック状態に陥った彼女は彼の腹を切り裂き殺してしまいました。

そしてニコラス殺しを知ったレクターと、彼が父親の電話相手だと知ったアビゲイルは、互いの秘密を守ると約束をしました。

第4話 Oeuf(ウフ)

一家惨殺事件が発生。最初の被害者ターナー一家には、1年ほど前に失踪した息子のジェシーがいました。

タナー家に残されていた指紋と一致した、10ヶ月前に行方不明になった13歳の少年コナー・フリストと、彼の家族も何者かに惨殺されてしまいました。

この2つの事件で使われた銃弾は1年前、メーン州で起きた殺人事件で使われていた銃弾と一致。被害者の13歳の息子C.J.リンカーンはその半年前に行方不明となっていました。

この3つの事件の共通点は、メーン州、コネチカット州スタンフォード、バージニア州レストンと、殺害現場が800キロずつ南下していること。

また行方不明者は未成年者で、他の兄弟との隙間がある真ん中っ子、裕福な家庭であることです。

その後、C.J.たちと同じ行方不明になっている少年行方不明の少年クリス・オハロランが謎の女と一緒にいる姿が映ったコンビニの防犯カメラの映像を入手したウィルたち。

その謎の女は子供たちに本物の家族を作ろうと唆し、不要な家族と引き離し、自分を愛してもらおうとしていたのです。

ジャックたちはノースカロライナ州ファイエットにあるクリスの家に駆けつけ、間一髪のところで彼の家族殺しを阻止し、クリスたちと誘拐犯の身柄を拘束しました。

第5話 Coquilles(コキーユ)

ジャックたちは、被害者の死体が天使に見立てられた連続殺人現場に出動します。

最初の殺害現場に残された嘔吐物を調べた結果、犯人は脳腫瘍を患っていることが判明。

ウィルとレクターは、脳腫瘍によってなにか恐ろしい幻覚を見た犯人は、死への抵抗として犯行に及んだのではないかと推測しました。

その後の調べで、釣りのライセンスを持つ35歳の運転手エリオット・ブディッシュが容疑者であると断定されました。

ブディッシュの妻に話を聞いたところ、彼は脳腫瘍だと宣告されて以降、家族を遠ざけ独りになりたがり、次第に正気を失っていったといいます。

また、彼は子供の頃火事にあって死にかけた時、「天使に守られた」と言っていたそう。

ウィルとジャックは、彼の故郷の農場で、被害者たちと同じ手口で自殺したブディッシュの遺体を発見しました。

以下、『ハンニバル シーズン1』ネタバレ・結末の記載がございます。『ハンニバル シーズン1』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C) 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.

第6話 Entree(アントレ)

ボルティモア州立精神障害犯罪者病院のフレデリック・チルトン博士は、収容中の囚人エイブル・ギデオンが看護師を殺害し、「チェサピークの切り裂き魔」を名乗っているとFBIに申し出ます。

「チェサピークの切り裂き魔」とは、長年FBIの手から逃れ続けている、被害者の臓器を切り取り遺体を晒しものにする連続殺人鬼です。

しかしギデオンはここ2年間模範囚で大人しく、彼が2年前に殺害した妻と親類への犯行手口と違いました。

その日の深夜。ジャックの自宅に、ミリアムという女性が電話をかけてきました。

2年前。切り裂き魔が起こした連続殺人事件の捜査に行き詰ったジャックが彼女の博識さと実力を見込んで捜査協力を求めた、FBIの訓練生ミリアム・ラスです。

しかし被害者の医療記録を調査中、ミリアムは失踪してしまったのです。

ジャックは、切り裂き魔がミリアムは生きていると自分に希望を抱かせるためにしたことだと推測。

ジャック・アラーナ・ウィルは本物の切り裂き魔を誘き出すために、ラウンズに切り裂き魔に関する記事を書かせることにしました。

2度目の電話の発信場所はジャックの自宅の寝室。電話機から指紋を採取した結果、3人目の指紋がミリアムのものと一致しました。

3度目の電話は使い捨て携帯からで、発信場所にはミリアムの切断された腕がありました

2年前。被害者の医療記録を調査中のミリアムは、ある人物に辿り着きます。

8人目の被害者オルムステッドの大腿部にある古傷を治療した救急外来(ER)の当直医レクターです。

そしてミリアムはレクターのオフィスから、オルムステッドの遺体にあらゆる工具が突き刺さっている場所と、同じ場所に矢が刺さっている男の絵を見つけます。

レクターは自分の正体に気づいたミリアムの首を絞めました。

第7話 Sorbet(ソルベ)

ウィルはジャックの依頼で、切り裂き魔についてプロファイリングをしていました。

切り裂き魔の被害者たちに共通点はなく、人種・宗教・性別はバラバラ。切り裂き魔は3人ずつ殺していました。

9日間で3人。さらにその1年半後にボルティモアで3人を殺害。

そのまた11ヶ月後に1人、その2日後にオルムステッドを作業場で殺害。被害者は全員、開腹して臓器と、その臓器につながる血管まで切除したのです。

その手口から見て、切り裂き魔は解剖学か外科の知識がある残虐な人物だと、ウィルは分析しました。

その後、ホテルの浴槽で腎臓を切り取られた男性の遺体が、スクールバスの中で腎臓と心臓、腎臓への血管まで切り取られた男性の遺体が発見されました。

さらに立て続けに、心臓と腎臓に加え、他の臓器も切り取られた3人の遺体が発見されました。

ウィルは最初の事件に関しては、犯人が被害者に心臓マッサージを施していたため、小遣い稼ぎに闇医者の真似事をした医学生か何かだと推測。

2件目以降の殺人は、ウィルとジャックたちは切り裂き魔が犯人だという意見で一致しました。

その後の調べで、最初の事件の犯人は医学部を受けたことがある、民間の救急医療隊員シルベストリであると判明。

ウィルたちは、民間の救急車の中で患者の腎臓を取ろうとしたシルベストリを現行犯逮捕。しかし彼は切り裂き魔ではありませんでした。

一方レクターは、大量に仕入れた食材で料理を作り、友人知人を招いて久しぶりにディナーショーを開催していました。

第8話 Fromage(フロマージュ)

ボルティモアの管弦楽団員が殺害された事件が発生。

声帯が露わになるほど切り裂かれた被害者の傷口にあった松脂の粉末に、犯行手口が羊の腸で弦を作る時と同じ方法であったことから、犯人は腕のいい音楽家であり、楽器を作る職人でもあるとウィルは分析しました。

一方レクターは、神経症の患者フランクリンから、ボルティモアで弦楽器の店を営む友人のトバイアスが、「誰かの喉を裂いて楽器のように弾きたい」と話していたと相談を受けます。

レクターはトバイアスを家に招き、探りを入れることに。すると彼は至って冷静に自分が楽団員殺害犯であると白状したのです。

さらにトバイアスは、以前人気のない道からスクールバスまでレクターを尾行していたことを明かします。

緊張感が漂うなか、ウィルがレクターに相談しにやってきました。レクターは彼に、トバイアスが楽団員殺害に関与していると話します。

何とか店まで逃げ帰ってこれたと安堵するトバイアスのもとに、ウィルが警官2人を連れてやってきました。

トバイアスは警官2人を殺害。ウィルも自作の弦で殺そうとするも返り討ちに遭い、逃亡。

レクターのオフィスに向かい、診察に来ていたフランクリンに全てを明かします。レクターは彼に自首を促すフランクリンを殺害。

トバイアスはレクターに襲い掛かります。死闘の末、正当防衛でトバイアスを殺したレクターのもとに、ジャックたちが駆けつけました。

レクターは自分の担当精神科医のベデリア・デュ・モーリアに、同じ趣味に同じ世界観を持つトバイアスではなく、ウィルに友情の可能性を感じたと話しました。


(C) 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.

第9話 Trou Normand(トゥルー・ノルマン)

ウェストバージニア州グラフトンの海岸にて、17人の遺体で作られたトーテム・ポールが発見されました。

17人の犠牲者を検死した結果、みな殺された年も年齢も、死因も他殺と偶発的な事故死や自殺とバラバラ。

トーテム・ポールの1番上にいた最後の犠牲者ジョエル・サマーズは心臓を一刺し。1番下にいた犠牲者フレッチャー・マーシャルは1973年に撲殺されたことが判明。

犠牲者全員の死因はすべて違うように見せかけたものであるものの、残虐性や拷問のあとがないことから、犯人は殺害方法より彼らが死んだ事実を重要視しており、また人知れず殺しを続けることに興奮していたのだとウィルは推測しました。

17人の犠牲者の共通点を調べていたジャックたちのもとに、ニコラスが死体で発見されたとの知らせが届きます。

森で凍っていた彼の死因は刺殺でした。ジャックはアラーナに同席を頼み、アビゲイルに彼の遺体を見せていくつか質問をします。

アビゲイルは、彼の死と自分は無関係であると主張。アラーナも、レクターが彼女の味方であることを理由に、彼女は無関係であると断言しました。

その後の調べで、サマーズとマーシャルは義理の親子であることを突き止めたウィルたち。ジャックとウィルは、当時マーシャル殺害の容疑がかかっていた男ローレンス・ウェルズに話を聞きに行きます。

するとローレンスは、自分が17人を殺害した犯人であり、あのトーテム・ポールは17人の遺体がFBIに見つかるように仕向けたものだと白状したのです。

独身で子供もいない自分が世間から忘れられないために、遺産を作り刑務所に入ることを選んだと語るローレンス。

そんな彼に、ウィルたちはサマーズの母は恋仲であった彼の正体に気づき、彼との子をマーシャルの子として育てていたのだと伝えます。

翌朝。ウィルはニコラス殺しの犯人をプロファイリングし、彼を殺したのがアビゲイルだと知ってレクターに伝えに行きます。

レクターから、ウィルに自分がニコラスを殺したことがバレたことを知って激しく動揺するアビゲイル。レクターに、自分が囮役となって父親の殺害を手伝っていたことを打ち明けます。

第10話 Buffet Froid(ビュッフェ・フロク)

デラウェア州グリーンウッドにて、ベス・ルボーという女性が顔を切られ、皮を剥がされ殺された事件が発生。

犯人に完全に共感し自分を見失ってしまうほど精神状態が不安定になっていたウィルは、初めて犯行現場を荒らしてしまいます。

ウィルは、レクターの知り合いの神経科医サトクリフを紹介してもらい検査してもらいました。

その結果、ウィルは右脳全体に炎症を起こしており、抗NMDA受容体脳炎という自己免疫性脳炎の一種にかかってきたことが発覚。しかしレクターたちはそのことを隠します。

その日の夜、1人犯行現場へ向かったウィル。そこで犯人と思われる謎の女と遭遇するも、彼女は酷く錯乱しており逃げられてしまいました。

謎の女は腕の組織が死んでいて血が巡っておらず、目は変色し、栄養失調で肝臓が機能しておらず黄疸もありました。

その後の調べで、現場で発見された皮膚組織と一致した、顔を認識する脳の領域と感情を伴わせる偏桃体が機能していない「コタール症候群」を患う女性ジョージアが犯人であると判明しました。

その日の夜。ウィルはサトクリフに頼んで再検査を行いました。しかし検査後、ウィルは何者かに顎を裂かれ殺されたサトクリフの死体を発見します。

駆けつけたジャックたちに、「あの夜、ジョージアに“君は生きている”と言ってしまったせいで、彼女は僕と間違えて彼を殺したのではないか」と話します。

深夜。ウィルのベッド下に潜り込んだジョージアは、彼に説得されそのまま病院へ。

無菌・酸素カプセルの中で、ジョージアは顔の見えない人物(レクター)に、サトクリフを殺した罪を擦りつけられたことを思い出します。

第11話 Roti(ロティ)

切り裂き魔を名乗っていたギデオンは裁判所への移送中、係員3人を殺害。彼らの臓器を彼らの血管で木の枝に吊るし、彼らから制服と銃を奪い逃亡しました。

さらにギデオンは、心理学の専門誌に自分のことを「病的なナルシスト」と書いた精神科医のカラザースを殺害。彼に成りすましてラウンズを捕らえます。

ギデオンは、アラーナも参加した2年前の調査で面会した総合病院の精神科医ナーンを、カラザースと同じ手口で殺しました。

ギデオンが彼らの臓器を置いていったのは本物の切り裂き魔の気を引くため、彼らの脳を切り取らずかき混ぜたのは自分がチルトンたち精神科医に切り裂き魔だと洗脳され、頭の中をぐちゃぐちゃにされたから。

そしてギデオンがボルティモアに逃亡したのは本物の切り裂き魔を捜すためだとウィルたちは推測しました。

ギデオンの逃亡劇を描いたラウンズの記事を見たレクターは、カラザースの片腕を切断し、ギデオンの居場所を知らせるためにある場所に置きました。

その場所は、ミリアムの切断された腕が発見された場所。そこでギデオンは、捕らえたチルトンに局部麻酔をし、彼の腹を裂いて臓器を切り取っていました。

ジャックは衰弱しているウィルを車内に残し、部下を引き連れて現場へ突入。しかしそこにいたのはラウンズと、瀕死の重体であるチルトンだけでした。

ウィルはギデオンにホッブズの幻影を重ね合わせ、彼を見つけ出し、レクターのもとに連れていきます。

そこで軽い発作を起こして意識を失うウィル。レクターはギデオンに、アラーナの居場所を教えます。

アラーナを殺そうとするギデオンでしたが、追いついたウィルに撃たれました。

第12話 Releves(ルルヴェ)

40度以上の高熱を出して倒れたウィルは、ジョージアと同じ病院に入院。彼女と話をした際、自分が医者を殺す夢を見たが顔は見えなかったと言われます。

その直後、ジョージアは無菌・酸素カプセルの中で焼死しました。無菌カプセルの中から彼女の腕に着けていたはずの静電気防止用のブレスレットと、静電気の原因となったプラスチック製の櫛の一部が発見されました。

ウィルはジョージアの死は、彼女に顔を見られたサトクリフ殺害犯による他殺だと主張します。

さらに模倣犯だと思われていたニコラスは実は無実で、別の人物がホッブズとジョージアの犯行手口を模倣したのだと、ウィルは言いました。

ジャックは捜査の基本に立ち返り、ビヴァリーたちとホッブズの事件を調べることに。

その結果、ホッブスの犯行時期に、彼とアビゲイルが被害者全員の大学の説明会に出ていたことや、エリースと同じ列車に乗っていたことが判明。

これでアビゲイルが囮役として、父親の犯罪に手を貸していたという確証を得たジャックたちは、彼女に話を聞こうとするも、既にウィルがミネソタに連れ出した後でした。

ウィルとミネソタへ向かったアビゲイルは、レクターから聞いているものだと思って、父の小屋でウィルに隠していた真実を打ち明けます。

実際、レクターはウィルに話していませんでした。ウィルに問い詰められたアビゲイルは、逆にウィルが模倣犯ではないかと糾弾します。

ウィルを小屋に置いてきたアビゲイルは、自宅にいたレクターの姿に安心するも、彼が模倣犯であると知って顔面蒼白。

ホッブズに「FBIの捜査の手が及ぶ」と警告したのは、彼がどうするか興味があったから。マリッサを殺したのは、アビゲイルがどんな反応をするか、ニコラスを殺して父と同類になるか興味があったからだと、レクターは言いました。

第13話 Savoureux(ザヴルー)

気絶したウィルの口から、アビゲイルの耳が吐き出されます。

さらに釣りが趣味なウィルの自作の毛針から、キャシーの骨と肺の一部、マリッサの爪と毛髪、鹿の角。サトクリフの歯と口の組織と顎の軟骨、そしてジョージアの毛髪と繊維が見つかりました。

ウィルは捜査状況と自分の不安定さを知っている誰かが嵌めたのだと主張するも、アビゲイル殺害犯および模倣犯であるという物的証拠があるため殺人容疑で逮捕されてしまいます。

レクターがやった、精神病理学の基本的な検査を行った結果、ウィルが自己免疫性脳炎を患っていることを知ったアラーナとジャック。

ウィルは移送中に銃を奪い逃走。アビゲイル殺害現場に連れて行けと、レクターを銃で脅します。

アビゲイルは父と同じく、自宅のキッチンで喉を切られ、大量に失血し殺されました。しかしその遺体は耳以外、未発見でした。

その現場を見たウィルはレクターに銃口を向け、アビゲイルは電話の男が貴方だと気づいたのではないか、彼女に正体がバレたから殺したのかと追求します。

レクターはただ、自分のように特殊な考え方を持つ人間の行動に興味があり、挑発してどうするか見ていたのだと推理したウィル。止めに入ったジャックに撃たれ、救急搬送されました。

翌日。ボルティモア州立精神障害犯罪者病院に収容されたウィルと、レクターは檻越しに対面しました。

ドラマ『ハンニバル シーズン1』の感想とシーズン2の見どころ


(C) 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.

シーズン1の見どころと感想

第1話の衝撃的かつグロテスクな猟奇殺人事件から始まり、話数を重ねるごとにどんどん過激さが増していき、思わずヒッと悲鳴を上げてしまうほど怖いです。

ですがそのうちその恐怖心も薄れ、犯人に共感することができる「純粋な共感力」をもつ犯罪プロファイラーのウィルが事件の真相を暴き、犯人をじわじわと追い詰めていく様が面白くて目が離せません。

また、チェサピークの切り裂き魔という異名を持つ殺人鬼レクターが料理する場面、ウィルやアビゲイルに見せる紳士的な一面に胸キュンしますし、捕まらないためには手段を選ばない冷酷さがあってゾッとします。

あと犯人側にも、冷酷で身勝手なサイコパスがいる一方で、病気ゆえに殺人を犯してしまった人や、父親に殺されたくないから協力してしまった人などもいました。

その人たちは結局救われず、非業の死を遂げてしまうのが少し可哀想に感じます。

シーズン2の見どころ

チェサピークの切り裂き魔かつ模倣犯であったレクターに嵌められ、彼の罪を擦りつけられ逮捕されてしまったウィル。

シーズン1の続編となるシーズン2では、彼がいかにしてジャックたちのレクターへの信頼を崩し、自分の無実を晴らすのか。

また、自分の正体に気づいたウィルを嵌めたレクターは、シーズン2ではどんな立ち回りを見せていくのか。

このウィルとレクターの心理戦と彼らの行動、そしてシーズン2ではレクターの格好良いところである料理を作る場面が、シーズン2の見どころとなります。

まとめ


(C) 2013 Chiswick Productions LLC. All rights reserved.

犯人に共感し犯行当時の感情を再現することができる天才犯罪プロファイラーが、自身の精神鑑定を依頼された精神科医とFBIと共に、各地で猟奇殺人鬼が引き起こす事件の真相を暴いていくアメリカのサイコスリラードラマ作品でした。

ウィル役を演じるヒュー・ダンシーや、紳士で冷酷なレクター役を演じるマッツ・ミケルセンら主要キャストはどれもハマり役で実力もありますし、映画版の「ハンニバル」シリーズとはまた違った魅力をみせてくれます。

ちなみにシーズン1のサブタイトルは、「アペリティフ(食前酒)」、「アミューズ・ブーシュ」「ポタージュ」、「ソルベ」など、フランス料理のコースの名前となっており、シーズン2では日本の懐石料理の流れがサブタイトルになっているようです。

シーズン1では精神科医とその患者、また一緒に事件を捜査していく仲間という関係性であったウィルとレクターがついに敵同士に。彼らの心理戦や、シーズン2ではどんな猟奇殺人事件が起こるのか、ジャックたちは真実に気づくことができるのか、とても楽しみです。





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