サム・ライミ監督が描く超感覚サスペンス・ホラームービー!
サム・ライミが監督を務めた、2000年製作のアメリカのサスペンス・スリラー映画『ギフト』。
アメリカ・ジョージア州の小さな町で子供3人と暮らす未亡人のシングルマザーが、人の運命を見通す超能力「超感覚(ギフト)」を使って、息子の教師の婚約者であり町の実力者の娘でもある1人の女性が失踪した事件の謎を解き明かしていく姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。
ケイト・ブランシェットやキアヌ・リーヴスら豪華キャスト陣で贈る、全米が震撼したホラー色の強い超感覚サスペンス・スリラー映画『ギフト』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
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映画『ギフト』の作品情報
(C)2000 LAKESHORE ENTERTAINMENT CORP.
【公開】
2000年(アメリカ映画)
【脚本】
ビリー・ボブ・ソーントン、トム・エッパーソン
【監督】
サム・ライミ
【キャスト】
ケイト・ブランシェット、ジョヴァンニ・リビシ、キアヌ・リーヴス、ケイティ・ホームズ、グレッグ・キニア、ヒラリー・スワンク、リンジー・プロバンス、キム・ディケンズ、ゲイリー・コール、マイケル・ジェッター、ローズマリー・ハリス、J・K・シモンズ、チェルシー・ロス、ジョン・ビーズリー、エド・レディック、スチュアート・グリア、ダニー・エルフマン
【作品概要】
「死霊のはらわた」シリーズや「スパイダーマン」シリーズなどを手掛けるサム・ライミが監督を務めた、アメリカのサスペンス・スリラー作品です。
「エリザベス」シリーズや「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなどに出演するケイト・ブランシェットが主演を務めるほか、「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーヴスや『プライベート・ライアン』のジョヴァンニ・リビシら豪華キャスト陣が出演しています。
映画『ギフト』のあらすじとネタバレ
(C)2000 LAKESHORE ENTERTAINMENT CORP.
人の運命を見通す超能力「超感覚(ギフト)」を持つ未亡人のアナベル・ウィルソン(愛称はアニー)は、その力を使って占い師となり、アメリカ・ジョージア州にある「ブリクストン」という小さな町で、3人の子供とひっそりと暮らしていました。
そんなアニーの元には、神経質でキレやすい性格の夫ドニーからのDVに悩むヴァレリー・バークスデイルや、精神を病んだ自動車整備士のバディ・コールなど、町の様々な住人が助言を求めに来ていました。
バディのようにアニーを慕う者もいれば、中にはアニーのことをあまり快く思わない者も………。ドニーはヴァレリーに離婚を勧めているアニーを、魔女だ悪魔だと罵り嫌がらせをしてくるのです。
そんなある日の夜、アニーは奇妙な夢を見ました。それはまるで、1年前に夫のベンが勤めていた工場の爆発に巻き込まれ、死んだ日の前夜に見たような恐ろしい夢でした。
その翌日、4月8日土曜日。アニーの息子マイクの担任の教師であるウェイン・コリンズの婚約者ジェシカ・キングが、突如失踪するという事件が発生。
ジェシカは町の実力者であるケネス・キング牧師の娘でもあるため、占いなどを信じていない町の保安官パール・ジョンソンは、アニーに捜査に協力して欲しいと頼みます。
最初は気が進まなかったアニーでしたが、酷く落ち込み憔悴しているウェインを気の毒に思い、事件の捜査に協力することにしました。
しかしアニーが見たのはジェシカの姿ではなく、とても大きな柵と、その向こうに柱とゲートがあること、沢山の白い花があるという不鮮明なイメージでした。
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その日の夜、アニーはまた奇妙な夢を見ました。沢山の白い花が両脇に咲いているとても大きな柵、その向こうに進んでいくと大きな池があり、男がヴァイオリンを弾いていました。
そこで目覚めたアニーは、眠れなくなってしまい、飼っている愛犬ブッチと一緒にホットミルクを飲んで戯れることに。
その時、アニーは半裸の状態でチェーンに巻かれ、梢に漂うジェシカの姿が見えました。4月9日、アニーは警察署へ行き、そのことをパールに話しました。
するとヴァイオリンを弾いていたのはヴァイオリン奏者のトミー・リー、そして池がある土地の所有者は彼の隣人のドニーであることが判明。
早速アニーは、パールたち保安官と共に池を捜索しました。しかし、池から見つかったのは古い自転車でした。
そこへ、友人と釣りに出掛けていたドニーが車を飛ばして現れます。勝手に池を捜索したことを怒るドニーに対し、パールは彼の腕に引っ搔き傷があることを指摘しました。
アニーたちがドニーと揉めていると、池の中からチェーンを体に巻いたジェシカの水死体が見つかりました。
それを見たパールは、ドニーに手錠をかけ警察署へ連行。娘の惨たらしい姿を目の当たりにしたキング牧師はその場で心臓発作を起こし、救急搬送されました。
池から引き上げられたジェシカを司法解剖した結果、彼女の爪からドニーの皮膚が検出されました。
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映画『ギフト』の感想と評価
(C)2000 LAKESHORE ENTERTAINMENT CORP.
アニーが持つ人の運命を見通す超能力「超感覚(ギフト)」は、バディやヴァレリーのように感謝し慕う者が多いですが、中には占い自体信じない公務員や、魔女だ悪魔だと罵るドニーのような人も少なからずいました。
ジェシカ殺害事件の捜査に協力したことで、いわれのない誹謗中傷を受けることになり、アニーが心身ともに落ち込んでいく姿は見ていられません。
しかもアニーの中で、まだ工場爆発の事故に巻き込まれ死んだ夫という悲しい過去を引きずったままです。
ドニーから酷い嫌がらせを受けた際、息子たちに「こんな時パパがいてくれればいいのに」と言われた時のアニーの心情を考えると、シングルマザーならではの苦悩を感じ胸が痛くなります。
それでもこのジェシカ殺害事件は、アニーがいなければ解決できませんでした。
アニーが見た映像も夢もどれも心臓が凍るほど怖いですが、占った相手に降りかかる災難や不幸を予知し、回避する方法を助言したり、このように事件を捜査し解決できるその能力は本当に凄かったです。
対して事件の被害者であるジェシカは、婚約者がいようと関係なく男遊びするほどの性悪女で、いつだれに刺されてもおかしくありません。
ウェインはそれを知るまで、本気でジェシカを愛していました。ですが浮気を指摘されて開き直り、コソコソと嗅ぎ回っていたことを逆に責められ、挙句の果てには「パパのために我慢していただけ」とまで言われてしまう始末………。
ウェインの中で愛が殺意に変わってもおかしくないです。それで精神を病んだウェインは、今度こそ真実の愛を見つけるべく、同じ境遇のアニーに目をつけます。
結局、アニーにも拒絶されてしまったウェイン。それまで良き婚約者、良き教師であった彼に下される判決はどうなったのか、残念なことに作中では描かれていませんでした。
まとめ
(C)2000 LAKESHORE ENTERTAINMENT CORP.
3人の子供を育てる未亡人のシングルマザーが、人の運命を見通す超能力「超感覚(ギフト)」を使って、小さな町で起きた殺人事件の謎を解き明かしていくという、アメリカのサスペンス・スリラー作品でした。
本作の見どころは、超能力を持つ者としてシングルマザーとして苦悩するアニーの姿と、アニーが自身の力を使って殺人事件の真相と真犯人を暴いていくところです。
作中では、アニーが裁判のことで頭がいっぱいで、父を殺す一歩手前まで追い詰められていたバディの話をちゃんと聞いてあげなかったことが原因で、2人の間にあった友情が壊れてしまいました。
ですが逮捕されてもなお、バディは今まで自分の心に寄り添いさせてくれたアニーを慕っていたのでしょう。バディがあの場に現れたのは、アニーに恩返しをしたかったからだと考察します。
そしてバディは、あの時は興奮状態だったからつい罵倒してしまったけれど、アニーを慕う気持ちが変わることはないこと、これからも自分のように助けを求める人たちの助けになって欲しいと伝えるために、彼女の前に姿を現したのではないでしょうか。
そんなアニーとバディの友情、バディが死してもアニーを守りたかった気持ちを考えると感動して涙が止まりません。
心臓が凍りつくほどの恐怖映像の中に、超能力を持つ占い師と彼女を慕う友人による心温まる場面も描かれている、未体験の「超感覚」サスペンス・ホラー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。