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Entry 2020/01/30
Update

映画『シグナル100』ネタバレあらすじと感想。キャスト橋本環奈ほか36人が魅せた「デスゲーム」と“青春ドラマの妙味”

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

原作・宮月新、作画・近藤しぐれによる同名コミックを主演・橋本環奈で実写映画化

平和な高校生活を送っていた36人の生徒が、担任教師に「自殺催眠」をかけられた事で、生き残りをかけたデスゲームを開始する事になる映画『シグナル100』。

同名人気漫画を原作に、普段の何気ない行動が、命を奪われる「シグナル」に繋がる恐怖を描いた本作は、主人公・樫村怜奈を橋本環奈が演じ、担任教師の下部役を中村獅童が務めています。また共演に小関裕太、瀬戸利樹など若手キャストが多数出演。

『GANTZ』の渡辺雄介による脚本を、『さまよう小指』『春子超常現象研究所』で知られる竹葉リサ監督が演出を務めます。

36人の高校生が繰り広げるデスゲーム・スリラー映画『シグナル100』をご紹介します。

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映画『シグナル100』の作品情報


(C)2020「シグナル100」製作委員会

【公開】
2020年公開(日本映画)

【監督】
竹葉リサ

【原作】
宮月新、近藤しぐれ

【脚本】
渡辺雄介

【キャスト】
橋本環奈、小関裕太、瀬戸利樹、甲斐翔真、中尾暢樹、福山翔大、中田圭祐、若月佑美、前原滉、栗原類、恒松祐里、工藤綾乃、中島健、三上紗弥、鈴木つく詩、白石拳大、北村優衣、市川理矩、小出水賢一郎、中村獅童

【作品概要】
原作・宮月新、作画・近藤しぐれによる人気漫画『シグナル100』を原作に、主人公の樫村怜奈と周囲の生徒達による、命をかけたデスゲームを描いたスリラー。出演は、4年ぶりの映画単独主演となる橋本環奈を始め、小関裕太や瀬戸利樹など、日本映画注目の若手俳優が集結。

監督は、2014年に初の長編作『さまよう小指』が、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」で最高賞とシネガーアワードをW受賞するなど、注目の監督、竹葉リサ。

映画『シグナル100』あらすじとネタバレ


(C)2020「シグナル100」製作委員会
聖新学園の高校3年生、樫村怜奈は、親友の小泉はるか、サッカー部所属で、女子の人気が高い榊蒼汰たちと、楽しい学園生活を送っていました。

11月3日、文化の日の特別授業として、怜奈が所属するC組の生徒は、学校の視聴覚室に集まります。

視聴覚室では、担任の下部が作り出した、不気味な映像が流され、C組の生徒たちは全員、その映像を見てしまいます。

映像の上映が終了した後、その日、遅刻してきた生徒が、自ら教室の外に身を投げます。

突然の事に騒然とするC組の生徒たちですが、その後も次々と、生徒たちが自ら窓の外に身を投げて絶命していきます。

混乱するC組の生徒たちの前に、下部が姿を現します。

下部は、先程全員が見た映像には、生徒を「自殺催眠」にかける効果があった事を語ります。

「自殺催眠」は、「遅刻をする」「涙を流す」など、普段の何気ない行動がシグナルとなっており、シグナルが発動すると、自ら命を絶つ行動を取ってしまうという、恐ろしいものでした。

シグナルの種類は、100種類となります。

話を聞かされた、はるかは、スマホで助けを呼ぼうとしますが「スマホを使う」もシグナルの為、絶命します。

怜奈はショックを受けますが、泣く事もシグナルの為、涙を流せません。

下部は「これは、大人になった時の訓練である、大人になると少しのミスで大炎上する、だから動きを規制する必要がある」と、身勝手な言い分を並べた後、「自殺催眠」を解除するには「最後の1人になる」事が条件であると説明します。

下部に逆上し、殴りかかった生徒も、自ら絶命します。

「他人に暴力をふるう」もシグナルの1つでした。

下部の身勝手な言い分に、怜奈が反抗します。

下部は、怜奈に「ちゃんと進路を考えろ」と言い残し、自分も窓から身を投げました。


(C)2020「シグナル100」製作委員会

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『シグナル100』ネタバレ・結末の記載がございます。『シグナル100』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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残された生徒たちは、まずは、自分たちがかけられた、催眠の謎を探ります。

図書室に調査に行った井沢学は、該当すると思われる本を手にしますが、和田隼に奪われます。

教室内に戻った和田は、かけられた催眠は、アメリカのカルト団体が作り出したもので、最後の1人になれば、催眠が解けるのは事実であると説明します。

そして、図書室で発見した本に、50種類のシグナルが書かれていた事を話し、シグナルの種類を黒板に書いていきます。

そして、和田は「皆で協力して、この事態を乗り切ろう」と提案し、食料が必要である事を話します。

サッカー部の部室に、スポーツドリンクが大量に残されていた事を思い出したサッカー部員は、部室に向かいますが、なかなか戻ってきません。

部室に向かったサッカー部員が、戻らない事を不審に感じた、同じサッカー部の榊たちは、部室に様子を見に行くと、水を飲んだ部員たちは、首を吊った状態で絶命していました。

一方、和田は自分に好意を持っている、君津早苗を誘惑し、保健室に連れ込みます。

そこで、早苗に「興奮した状態で性器を握る」というシグナルを発動させます。

保健室で、早苗の死体を見た図書委員の、園田樹里は、積極的にゲームを進める事にした和田の意思を理解します。

一方、自ら命を絶ったサッカー部の部員を「和田の罠にかかった」と考える、サッカー部の桐野玄は、和田に疑念を抱いていました。

ですが、全員で協力する事の必要性を訴える怜奈は、サッカー部と協力し、姿を消した和田を探す事にします。

和田の捜索をする桐野は、廊下を歩いている和田に遭遇、理科室に追い込みます。

和田は「喉が渇いただろう?」と、桐野に水を飲ませようとしますが、桐野は和田を疑い、水を飲もうとしません。

そこへ、怜奈が理科室に入って来ます。

身の潔白を主張する和田は、自分が先に水を飲む事を提案し、水を自らの口に含みます。

和田を信じた怜奈は、和田から受けとった水を飲もうとしますが、桐野が水を奪い飲みます。

水を飲んだ瞬間、桐野は自ら命を絶ってしまいます。

実は「水を飲む」事もシグナルの1つで、和田は水を口に含んだだけで、飲み込んではいませんでした。

教室では、樹里が「シグナルは50ではなく、62種類、本に書かれていた」事をクラスメイトに伝え、全てを知っているのは和田と自分だけである事を伝えます。

クラスメイトは、残ったシグナルを教えてもらう為、和田と樹里の言いなりになるしかありませんでした。

和田は、クラスメイトと「同時に7人以上の人間から指をさされる」シグナルを発動させ、サッカー部の西園寺聖也の命を奪います。

一方、怜奈は、榊と共に和田を捜索していました。

怜奈は、教室に隠れていたカップルが、お互いに向き合った体制で、刃物を刺し合って絶命している所を目撃します。

怜奈は、その光景を見て、ある事に気付き、榊と2人で和田を探し、体育館に辿り着きます。

そこで待ち構えていたのは、和田と樹里に従っている生徒達で、特にサッカー部のマネージャー、箕輪紀子は、榊と仲良くしている怜奈を不快に感じており「お前が、邪魔だ」と言い放ちます。

紀子は、和田側についた生徒達と、怜奈を指さそうとしますが、そこへ他のサッカー部が集まり、和田側と怜奈側で、人数的には同じになります。

「どちらが先に、誰を指さすか?」という状況になりますが、そこで怜奈は、自分たちがかけられた「自殺催眠」について「全てのシグナルが分かった」と語ります。

和田たちが把握している62種類のシグナルの他に、新たに下部が38種類のシグナルを付け加えた事が判明します。

そして、下部が加えたシグナルは、教室の壁に貼られていた「3年C組38の掟」でした。

序盤で、自ら命を絶った生徒達は「教室でスマホを見ない」「教室でジャージを履かない」という、「3年C組38の掟」を破っており、教室内でお互いを刺して絶命したカップルも「教室内で10秒以上見つめない」という、ルールを破っていました。

そして、「3年C組38の掟」には「学校で朝を迎えない」というルールがあります。

シグナルの中には「学校の外に出ない」という暗示がある為、このまま朝が訪れれば、残った生徒全員、無条件で全滅する事が判明します。

そこへ、レインコートを着た和田が現れ、舞台の上からビールを噴射します。

シグナルの中には「お酒を浴びない」という暗示がある為、お酒が浴びせられた生徒たちは、次々と命を絶ちます。

その中には、樹里の恋人もいた為、逆上した樹里は和田に襲い掛かり「他人に暴力をふるう」のシグナルが発動し、絶命します。

生き残った榊と和田は、睨み合う形となり、和田は舞台上から逃げ出します。

榊は単独で和田を追い詰めますが、和田は榊を「蒼汰君」と呼びます。

和田と榊は、幼馴染でしたが、高校進学と共に、榊がサッカー部としか交流しなくなり、和田は寂しい気持ちを抱いていました。

和田の目的は、1人勝ち残る事ではなく、もう一度、榊と話をする事でした。

「もう耐えられない」と話す和田は、榊と一緒に「他人の血を飲む」シグナルを発動させようとします。

そこへ、和田を追いかけて来た、怜奈とサッカー部の藤春が現れ、藤春が和田を突き飛ばした事で、シグナルが発動し藤春も死亡。

残るのは、怜奈と榊、そして和田の3名となりました。

和田は再び逃走し、怜奈と榊は藤春の遺体を教室に運びます。

そこで、榊は「教室で洗脳を解く薬を見つけた」と怜奈に話しますが、薬は2錠しかありません。

怜奈は、和田と榊が薬を飲めば、洗脳された人間が怜奈1人だけになる為、3人が助かると考えます。

榊は、和田が逃げ込んだ屋上へ向かいます。

洗脳を解く薬の存在を知った和田は、屋上に来た怜奈を見て、榊から薬を奪い飲み込みます。

ですが、それはただの痛み止めで、榊は最初から怜奈を助けるつもりでした。

榊は和田が油断した隙をついて襲いかかり、2人は命を落とします。

結果的に、1人生き残った怜奈は、榊が自分宛てに残した動画を見て、涙を流します。

高校生の集団自殺というショッキングな事件は、世間的に話題になりましたが、すぐに鎮火します。

高校を卒業し、犯罪心理学を学んだ怜奈は、生きていた下部と遭遇します。

ですが怜奈は、下部へ逆に「自殺催眠」にかかる映像を見せて、その場を去るのでした。

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映画『シグナル100』感想と評価


(C)2020「シグナル100」製作委員会
高校生36人が、担任教師により「自殺催眠」をかけられた事で始まる、命がけのゲームを描いた『シグナル100』。

いわゆる「デスゲーム」を描いた作品で、有名どころだと、2000年に公開され、社会的に賛否両論が巻き起こおこった映画『バトル・ロワイアル』や、人気小説を題材に映像化された「リアル鬼ごっこ」シリーズがありますね。

ただ、本作が他の作品と違うのは、武器などを使用した戦いではなく、100種類ある禁じられた行動「シグナル」を発動させ、相手の命を奪っていくという点です。

「シグナル」が発動してしまい、次々と自ら命を絶っていく高校生の描写は、凄まじいものがあります。

また、『バトル・ロワイアル』や「リアル鬼ごっこ」シリーズと違い、ゲームを監視し、進めていく役割が存在しません。

生徒達に催眠をかけた張本人の下部は、作品の序盤で退場します。

つまり、ゲームの進行は、残された高校生達に任されている形となります。

突然、理不尽な状況となったのですから、主人公の怜奈のように「全員が助かる道」を探すのが当然かと思いますが、「シグナル」の発動条件を、半分把握した和田の存在により、ゲームを進めるしかない状況となります。

ゲームの勝ち方を知っている、たった1人の存在により、理不尽なゲームが進行され、参戦しなければならなくなった生徒達が、次々と命を落とす展開は、現在の競争化社会の構図のような、リアルさがあります。

下部の主張する「大人になれば失敗できない」という言葉は、あながち間違ってはいません。

また、本作は青春ドラマの側面も持っており、和田がゲームを始めたのも、幼馴染の榊が、高校生になってからサッカー部に集中した為、話ができなくなったという寂しさからでした。

サッカー部が、怜奈側に味方した理由もラストに明かされますが、実に高校生らしい理由で、失われてしまった、純粋な命の尊さを感じる、見事な演出となっています。

上映時間も88分となっており、凝縮した内容を、スピーディーに展開させた作品です。

まとめ


(C)2020「シグナル100」製作委員会
高校生が次々と命を落としていく本作は、嫌悪感を感じる方も多いかと思います。

ですが、登場人物の日常を描かなかったり、警察という組織の存在を感じさせないなど、本作は「リアルな部分」を全て排除し、まるで悪い夢でも見ているような感覚に陥ります。

特にラストの、怜奈と下部の地下室の場面は、地下室で豪快にラーメンを食べる下部を、冷たい状況で眺める怜奈という、かなりシュールな構図となっており、作中で描かれている事は「作り物である」事が強調されています。

それでも、命を奪われる極限状況の中で「どういう行動を取る事が正解か?」「自分ならどうするか?」などを考え、臨場感を味わう事が、こういった「デスゲーム」ものの醍醐味です。

本作を「楽しんだ」と言うと、不謹慎に思われるかもしれませんが、「作り物」の世界で、「本質」を感じる事が、映画の面白さの1つであると言えます。

悪夢のような88分を、是非、楽しんでいただきたいです。

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