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Entry 2020/04/26
Update

映画『新幹線大爆破』あらすじネタバレと感想。フランス再編集版が異例のヒットを飛ばしたパニックサスペンス超大作

  • Writer :
  • 松平光冬

爆弾を仕掛けられたまま疾走する新幹線をめぐるノンストップ・パニックサスペンス

乗客1,500人の生命と恐怖と緊迫を乗せた新幹線が疾走する、1975年製作の巨大パニック映画『新幹線大爆破』

演出は『君よ憤怒の河を渉れ』『人間の証明』『柳生一族の陰謀』の佐藤純彌監督。再編集版はフランスでも異例のヒットを飛ばしたことでも知られています。

新幹線に仕掛けられた爆弾をめぐって、犯人と捜査当局の対決を描いたサスペンス邦画『新幹線大爆破』をご紹介します。

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映画『新幹線大爆破』の作品情報


(C)東映

【日本公開】
1975年(日本映画)

【原案】
加藤阿礼(坂上順)

【監督・共同脚本】
佐藤純彌

【脚本】
小野竜之助

【撮影】
飯村雅彦

【キャスト】
高倉健、山本圭、宇津井健、丹波哲郎、北大路欣也、志村喬、渡辺文雄、永井智雄、鈴木瑞穂、織田あきら、郷鍈治、竜雷太、小林稔侍、藤田弓子、田中邦衛、岩城滉一、宇津宮雅代、多岐川裕美、志穂美悦子

【作品概要】
犯人、鉄道職員、警察の息もつかせぬ攻防劇を描いた、1975年の東映パニック・サスペンス映画。高倉健、千葉真一、宇津井健、丹波哲郎、北大路欣也などといった、当時のオールスターが総登場した娯楽大作として製作さ。公開時の国内興行成績は不発に終わるも、海外では『The Bullet Train』、『Crisis Express 109』といったタイトルで公開され、ヒットを記録しています。

映画『新幹線大爆破』のあらすじとネタバレ


(C)東映

ある日の朝、国鉄に「本日東京駅を出発した“ひかり109号”に爆弾を仕掛けた」と、男から脅迫電話がかかります。

約1,500人の乗客を乗せた東京発博多行きのひかり109号は、9時48分に定刻通り発車。

犯人の男曰く、109号に仕掛けられた爆弾は、スピードが時速80キロ以下に減速すると自動的に爆発するというものでした。

実行犯は、沖田哲男、大城浩、古賀勝の3人。

爆弾が本物であることを証明すべく、彼らは同型の爆弾を北海道・夕張発の貨物列車にも仕掛けて爆発させ、乗客全員の命と引き換えに、500万ドルの身代金を要求します。

経営していた精密機械工場が倒産し、妻の靖子と息子の賢一に去られた沖田と、工場の従業員で沖田を慕う大城、そして沖田の旧知である元過激派闘士の古賀は、現状を打破すべく、爆弾を作成して大金強奪を計画。

そして、国外逃亡用のパスポートを、偽造のプロである藤尾に用意させていました。

沖田たちの要求に、運転指令長の倉持は、新幹線の運転士である青木に詳細を伝え、警察庁の須永刑事部長、公安本部長の宮下らと共に対策本部を設けます。

新幹線の制限速度を自動で制御する役割を持つ「自動列車制御装置(ATC)」に度々苦しめられながらも、青木は速度80キロ以上を維持します。

500万ドルを用意したという捜査本部からの連絡を受け、沖田は金の受け渡し場所に渓流の長瀞のライン下りを指示。

大城が現金を受け取りにバイクで向かいますが、張り込んでいたパトカーの追跡に遭い、事故死してしまうのでした。

大城を失った沖田は、改めて本部に身代金を置く場所に、首都高速の神田橋インターチェンジを指定。

一方、警察は夕張の貨物列車爆破の現場に落ちていたタバコの吸い殻から、古賀の指紋を検出。

沖田の工場に向かっていた古賀は警察に追われて足を撃たれるも、なんとか工場へ逃げ込みます。

「誰も死なない、誰も殺さない」完全犯罪を目論んでいたはずなのに、大城を亡くして意気消沈する沖田でしたが、古賀を工場に残して現金を受け取りに向かいます。

道路作業員の扮装をして警察の目をごまかし現金強奪に成功し、工場へ戻ろうとした沖田。

ところが、爆弾の製造技術から沖田の工場を突き止めた警察が、あたりを包囲していました。

工場に近づけない沖田の姿を確認した古賀は、ダイナマイトで自爆するのでした。

大城と古賀の偽造パスポートを燃やした後、沖田は、爆弾除却方法を記した図面を指定した喫茶店に置いたことを知らせます。

ところが、その喫茶店が不慮の火事を起こし、図面が焼失してしまうのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『新幹線大爆破』のネタバレ・結末の記載がございます。『新幹線大爆破』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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倉持は、テレビ放送を通じて、沖田に図面が燃えてしまったことと、乗客の中に産気づいた女性がいるとして、一刻も早く爆弾解除の方法を教えるよう呼びかけます。

その頃、全く停車せずにパニック状態となる新幹線の乗客の中には、ミスをして逮捕され、警察に護送されていた藤尾もいました。

藤尾の自白で、沖田が海外へ高飛びしようとしていることを掴んだ一方で、捜査本部は高速度カメラで109号の車輪部を撮影し、爆弾がある箇所を特定。

爆弾が仕掛けられた床を焼き切るべく、109号と並行して新幹線を走らせ、ドア越しに酸素ボンベと溶接器を運び入れます。

青木がバーナーを使って床を焼き切り、ついに爆弾の除去に成功。

しかし、撮影映像に爆弾らしき物がもう一つ映っていると伝えられた国鉄新幹線総局長は、全て自分が責任を取るとして、新幹線の停止を命令します。

局長に代わって倉持が青木に停止を命じると、彼は安堵の表情で減速をします。

徐々にスピードが落ちていっても新幹線は爆発することなく、無事に停車に成功し、本部や車内で歓声が上がります。

しかし、乗客の無事を公表せずに沖田を泳がせて捕まえるという捜査本部の策を不服とし、倉持は辞職を申し出るのでした。

そんな中、新幹線が止まったことを知らない沖田は、空港ロビーのテレビに映る倉持の呼びかけ映像を見て、電話で爆弾の外し方を教えます。

警察は「タケダ シュンスケ」という偽名を使う沖田を探すも、彼は密かに別名義のパスポートを用意しており、コペンハーゲン行きの航空券を入手します。

しかし、保安検査場に急いだ沖田の前には、警察に連れられた靖子と賢一の姿が。

父親の姿を見た賢一が思わず靖子に駆け寄ったために、ついに刑事の花村に見破られてしまいます。

空港を出て必死に逃走する沖田でしたが、追い詰めた警察官たちからの銃弾を浴びます。

崩れ落ちていく沖田の頭上を、コペンハーゲン行きの旅客機が飛び立つのでした――

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映画『新幹線大爆破』の感想と評価

本作『新幹線大爆破』は、当時の東映社長・岡田茂が、『大地震』(1974)や『タワーリング・インフェルノ』(1975)などの大ヒットパニック映画に便乗する狙いで企画されました。

ところが国鉄は、『新幹線大爆破』というタイトルに難色を示した上に、映画を観て模倣犯が増えることを恐れ、一切の撮影協力を拒否してしまいます。

そこでスタッフは、実際に新幹線を作っているメーカーから本物のパーツを調達しただけでなく、なんとデザイナーを実際のコントロール室に侵入させ、内部を盗み撮りをしてセットを作るという、今では考えられない手段を駆使。

特撮美術においても、ウルトラマンのデザイナーで知られる成田亨を迎えるなど、リアルな演出にこだわっています。

そして何よりも、高倉健、千葉真一、宇津井健、丹波哲郎、北大路欣也といった、当時の日本映画界を背負っていたキャスト陣の豪華さが目を引きます。にもかかわらず、劇場公開時は不入りとなってしまいます。

2時間32分というランニングタイムの長さや、国鉄へのゆるぎない信頼感を損なったなど、不振の理由は諸説あるようです。

しかしながら、犯人グループの犯行動機などの描写を大幅カットして短縮し、『The Bullet Train』や『Crisis Express 109』といったタイトルが付けられた海外版は、フランスなどで大ヒットを記録しています。

まとめ

劇場公開時こそ不評だった本作『新幹線大爆破』。

高倉健ら犯人グループが抱える悲哀や、爆破を阻止すべく奮闘する千葉や宇津井ら国鉄職員たちの暑苦しくも熱い演技は見逃せません。

ハリウッド映画『スピード』(1994)の元ネタになったと言われたり、タレントの関根勤が千葉と宇津井の一人二役ネタにするなど、後年になって、あらゆる面で再評価された作品でもあり、どっしりと腰を据えて観てみるのも一興かもしれません。

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