最近、テレビでも放送されたハリー・ポッターシリーズでセドリック・ディゴリーを演じたロバート・パティンソン。
本作ではまるで地方都市から飛び出してきた、頭の残念すぎる若者を熱演し、全部自業自得で大変な目にあう1日を、最高にカッコいい演出で描かれた作品『グッド・タイム』に出演しています。
1.映画『グッド・タイム』の作品情報
【公開】
2017年(アメリカ映画)
【原題】
Good Time
【監督】
ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ
【キャスト】
ロバート・パティンソン、ベニー・サフディ、バディ・デュレス、タリア・ウェブスター、バーカッド・アブディ、ジェニファー・ジェイソン・リー
【作品概要】
ニューヨークの貧しく生活水準の低い人生を送るコニーと、知的障がいをもつ弟ニックは銀行強盗を行いますが、逃げ遅れたニックだけ警察に捕まってしまいます。
弟を保釈させるために、お金を集めようとしますが、今度は刑務所で暴力を振るわれたことで、ニックは病院に搬送されたと知ったコニーは、密かにニックを連れ出そうとしますが…。
一歩間違えれば、ワイドショーで特集されそうな運の悪い展開を、最高にクールな演出で今までに見たことのないクライム映画となっています。第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品。
2.映画『グッド・タイム』のあらすじとネタバレ
知的障がいを持つ人々が通う施設で、ニックはカウンセラーからいくつものゲームになぞらえた質問を受けています。
カウンセラーはそこから、彼の生活でどんなことがあったかを知ろうとしますが、そこへニックの兄、コニーが突然部屋に入ってくると、診断書を破り捨ててニックを連れ出します。
エレベーターの中で、お互いがお互いを必要としているとニックを説得するコニー。
彼らは、黒人のマスクを被り、銀行へ訪れると、「6万5千ドル用意しろ」「我々は武装している」と言ったメモ書きを渡し、周りに気付かれることなく大金を手に入れます。
しかし、予定の場所で落ち合うはずの車がなく、コニーは戸惑います。
なんとか車を見つけて乗り込むと、今度は金の入った鞄からカラーのついた煙幕がたちまち広がり始め、コニーらは真っ赤に染まってしまいます。
ニックは顔が焼けると勘違いし、混乱を極めます。
慌てて入ったピザ屋のトイレで顔を洗い落とし、服を変えて移動しますが、強盗事件で出動していたパトカーに目を付けられます。
コニーは平静を装いますが、ニックはとっさに逃げ出してしまいます。
しかしニックだけ逃げ遅れてしまい、彼は刑務所へ連れて行かれてしまいます。
コニーはトイレに隠していた大金を持って再び逃げ出します。
刑務所では先のカウンセラーが面会に来て、ニックが起訴されないよう計らおうとしていました。
コニーの逮捕が必須ですが、カウンセラーはニックに何の問題もないと諭します。
しかし刑務所で囚人と揉めたニックは袋叩きにあってしまいます。
コニーはガールフレンドのコーレイの済むマンションに向かいます。
彼女は痴呆気味の母と2人で暮らし、ヒステリーを抱えていましたが、コニーのためにいくらか金を落としてくれる女性でした。
ニックは半ば強引に1万ドルの保釈金を貸してくれるよう頼み、しぶしぶコーレイもカードで払おうとしますが、母親にカードを止められていたことでヒステリーを起こします。
今夜のうちに保釈することにこだわるコニーですが、既にコニーは刑務所で暴力を受けて病院へ搬送されていました。
3.映画『グッド・タイム』の感想と評価
監督自身がインタビューで答えているとおり、今作の主人公コニーは、日本でいう「警察24時」みたいな番組で取り上げられる、お間抜けな犯罪者がモデルになっているそうです。
しかし、今作はそういった一歩間違えたらギャグみたいな人物・展開を、独特の映像や音楽でスタイリッシュかつ引き込まれる演出で見せ付けてきます。
そしてなにより、タイトルに反して、登場人物の殆どが不運に襲われるという展開も皮肉ながら面白いです。
バーガット・アブディ演じるダッシュにいたっては、もう殆ど通り魔にぶん殴られただけです。(シャ○漬けにもされるし)
ラストシーンのカオスな展開も、思い返せば返すほど魅力的で、OPNの曲をバックに、最高に天気がいい日に、最高に運のない男がビルから転落していく様は圧巻です。
そしてニックが施設で参加したゲームで、ニックの考えが分かったとき、コニーが無事?に金を工面できればグッド・タイムだったのでしょうが、結果的にニックにも誤解されたままで終わってしまうという、この作品でもっともバッド・タイムな瞬間が切ないです。
まとめ
あのころのセドリック・ディゴリーはどこへやら・・・
完全に低脳な若者を熱演したロバート・パティンソンの演技は最高でした。
監督の過去作『神様なんかくそくらえ』はホームレスの様子をリアルに描きすぎたゆえに、会話劇が長く退屈に感じてしまうところもありましたが、今作も無駄な会話こそあれど、そのシーンがリアリティとクライムサスペンスを見事に融合させていました。
過去作がいまいちという人も是非見て欲しい作品です。
サントラは絶対に日本版を買いましょう(映画と全く同じ曲が、同じ順番で使用されています)。
・あのセドリック役を、コニー役のロバート・パティンソンが演じています。
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