名匠ポランスキー監督が描く鮮烈で残酷な悲劇
『ローズマリーの赤ちゃん』(1969)『戦場のピアニスト』(2003)のロマン・ポランスキー監督が手掛けた傑作ハードボイルド。
浮気調査を依頼された私立探偵が、思わぬ政治的陰謀に巻き込まれていく姿をスリリングに描きます。
主演は『カッコーの巣の上で』(1976)『恋愛小説家』(1997)のジャック・ニコルソン。
『俺たちに明日はない』(1968)のフェイ・ダナウェイが共演。
主人公のジェイクが巻き込まれた水の利権をめぐる巨大な陰謀とはどんなものだったのでしょうか。ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイの魅力の虜になる傑作です。
映画『チャイナタウン』の作品情報

TM & COPYRIGHT (C)1974 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
【公開】
1975年(アメリカ映画)
【監督】
ロマン・ポランスキー
【脚本】
ロバート・タウン
【編集】
サム・オースティン
【キャスト】
ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、ペリー・ロペス、バート・ヤング、ベリンダ・パーマー
【作品概要】
『戦場のピアニスト』(2003)の名匠ロマン・ポランスキー監督作品。
1930年代のロサンゼルスを舞台に、私立探偵が水の利権をめぐり巨大な陰謀に踊らされていく様を描くフィルム・ノワールです。
脚本は『さらば冬のかもめ』(1976)のロバート・タウン。本作でアカデミー脚本賞を受賞しました。
主人公のジェイクを演じるのは『カッコーの巣の上で』(1976)『恋愛小説家』(1997)でオスカーを受賞した名優ジャック・ニコルソン。
ミステリアスな未亡人イヴリンを『俺たちに明日はない』(1968)のフェイ・ダナウェイが魅惑的に演じます。
イヴリンの父役に『マルタの鷹』(1941)の監督を務めたジョン・ヒューストン。
映画『チャイナタウン』のあらすじとネタバレ

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第二次世界大戦前のロサンゼルス。私立探偵のジェイクは、ダム建設技師ホリス・モーレイの妻を名乗る女性から、夫の浮気調査を依頼されました。彼は早速ダム建設に反対するホリスの身辺調査を始めましす。
ジェイクはホリスが若い女性と会っている様子を写真に撮りますが、すぐにそのスキャンダルはすっぱ抜かれて新聞に掲載されました。
そんな中、本物のモーレイ夫人であるイヴリンが現れます。ジェイクに調査依頼した女性は偽物でした。
その後、ホリスは溺死体となって貯水池で発見されます。
映画『チャイナタウン』の感想と評価

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ニコルソンとダナウェイの圧巻の演技
アカデミー脚本賞を受賞した傑作ハードボイルドです。浮気調査という他愛ない依頼を受けた私立探偵ジェイクが、思いがけず巨大な陰謀に巻き込まれていきます。
独特の世界観の中で展開するスリリングなストーリーが素晴らしい本作ですが、傑作たらしめているのは、主演のジャック・ニコルソンと謎めいたヒロインを演じるフェイ・ダナウェイの魅力にほかなりません。
ジェイクは警察官から転身した私立探偵で、好奇心が強く、肝の座った男です。危ない現場に飛び込んでは痛い目に遭いますが、ひるむことなく真実を掴むために突き進みます。ニコルソンの見せる子供のような純真な笑顔と、死地をくぐり抜けてきた老獪な面がとびきり魅力的です。
フェイ・ダナウェイも、未亡人イヴリンをスタイリッシュに好演。秘密を抱えたミステリアスな女性イヴリンの一挙手一投足から目が離せません。彼女が最後に告げる残酷な真実、そして迎えたあまりにも鮮烈な死。いつの間にかイヴリンに感情移入していた方たちは、混乱の末に胸を締め付けられることでしょう。
脇を固めるのはハードボイルド作品の巨匠ジョン・ヒューストン。彼が演じる、極悪男のノア・クロスからも目が離せません。カメオ出演のポランスキー監督も、非情なナイフ男として登場するのでどうぞお見逃しなく。
タイトルに込められた深い意味

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作中では、「チャイナタウン」は昔警察官時代にジェイクが務めていた町としか情報がありません。しかし、イヴリンに過去を話す口調からは、とても苦い経験をしたことがうかがえます。
チャイナタウンは当時アメリカの治外法権にあったため、管轄の刑事は下手に手を出さず、怠慢でいることが最善の方法とされていたようです。おそらくジェイクはそんな世界に嫌気がさし、私立探偵となって新たな人生を歩み出したと思われます。
イヴリンが最期にたどり着いたのは、悲しいことにチャイナタウンでした。ジェイクはノアが黒幕だという真実をエスコバー警部に話そうとしますが、「怠惰」に慣れきっている警部はまったく耳を貸しません。下手に首を突っ込めば、自身を破滅に導くことになりかねないからです。
ジェイクの焦燥感は募り、最終的に「この町はチャイナタウンだ」という絶望的な事実を突きつけられます。
利権を振り回す権力者と、目、耳、口を塞いで形だけ仕事をまわす警察官によって、イヴリンは命を奪われてしまいました。本作のタイトル「チャイナタウン」の意味を理解していれば、この悲しい結末が必然だということが予測できたかもしれません。
「チャイナタウン」ではすべてを諦めるしかないことを理解したジェイクの表情は、本作にふさわしいラストと言えるでしょう。
まとめ

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名匠ロマン・ポランスキー監督が素晴らしいキャストと作り上げたフィルム・ノワールの傑作『チャイナタウン』。
悲劇にしたいポランスキー監督と、ハッピーエンドを望んだ脚本のタウンが争った末に、監督の意見が通ったそうです。今となってはポランスキー監督に軍配が上がります。
この苦い結末だったからこそ、本作は燦然と輝く傑作として今尚世界中から愛され続けているように思えてなりません。



































