初の悪役に挑むトム・クルーズから目が離せない
「ミッション・インポッシブル」シリーズなどで人気のトム・クルーズが冷酷な殺し屋役に挑んだクライムサスペンスです。
『インサイダー』(1999)のマイケル・マン監督が、殺し屋を乗せてしまったタクシー運転手の悪夢の一夜をスリリングに描きます。
『Ray レイ』(2004)のジェイミー・フォックスが共演。
深夜のロサンゼルスを走り抜ける、天井がひしゃげた一台のタクシー。腕利きの殺し屋と、彼に銃口を突きつけられたタクシー運転手が過ごす、スリルたっぷりの一夜を描く本作の魅力をご紹介します。
映画『コラテラル』の作品情報

TM & (C)2004 Paramount Pictures Corporation and DreamWorks LLC. All Rights Reserved.
【公開】
2004年(アメリカ映画)
【監督】
マイケル・マン
【脚本】
スチュアート・ビーティー
【編集】
ジム・ミラー、ポ-ル・ルベル
【キャスト】
トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット・スミス、マーク・ラファロ、ピーター・バーグ、ブルース・マッギル、イルマ・P・ホール、バリー・シャバカ・ヘンリー、ハビエル・バルデム、ジェイソン・ステイサム
【作品概要】
「ミッション・インポッシブル」シリーズや、「トップガン」シリーズなどで人気のスーパー・スター、トム・クルーズが生粋の悪役に挑んだ話題作です。
運悪く殺し屋を乗せてしまったタクシー運転手が、悪夢の一夜を過ごすさまを緊迫感あふれる描写で映し出します。
『インサイダー』(1999)『フェラーリ』(2024)のマイケル・マン監督が、夜のロサンゼルスをスリリングかつスタイリッシュに切り取ります。
共演は『Ray レイ』(2004)『ジャンゴ 繋がれざる者』(2013)のジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット・スミスが共演。ジェイソン・ステイサムがカメオ出演しています。
映画『コラテラル』のあらすじとネタバレ

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ロサンゼルスの平凡なタクシー運転手マックスは、ある晩、検事の女性アニーを客として乗せ、車内での会話を通して互いに好感を抱きます。アニーはマックスに何か困った時にと言って、連絡先を渡しました。
彼が次に拾ったのはビジネスマン風の客ヴィンセントでした。仕事のため一晩で5カ所を回らなければならないと話し、マックスに貸切りを持ちかけます。
規定違反だと言ってマックスは断ろうとしますが、ヴィンセントの強引さと高額の報酬にひかれて引き受けました。
しかし、実はヴィンセントの正体はプロの殺し屋で、麻薬組織から5人を殺害する任務を請け負っていました。
映画『コラテラル』の感想と評価

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息もつかせぬスリリングな展開
激しい展開から目が離せなくなるノンストップサスペンスです。
気の良い平凡なタクシー運転手のマックスが、殺し屋・ヴィンセントを客として乗せてしまい、殺しの手伝いをさせられるはめに陥った一夜をスリリングに描きます。
冷酷な殺しを見せつけられたマックスは何度も抵抗を試みますが、銃口を向けられてはヴィンセントの言うことを聞くしかありません。
トム・クルーズが底知れない恐ろしさを感じさせるアサシンのヴィンセントを好演。人を殺すことをまったく悪と思わない彼は、感情を動かすことなく殺戮を続けます。ターゲットを仕留めるためならば、周囲で邪魔になる人々を一緒に殺すこともまったく厭いません。
5人のターゲットのうち3人まで屠った後、物語は大きく展開。屋根のひしゃげたマックスのタクシーに気づいた刑事や、異変を怪しんだ殺人を依頼した麻薬組織のボスが、ヴィンセントの後を追ってきます。
そして、マックスも捨て身の行動で車を大破させ、ヴィンセントを追い出しました。本来ならここで警察に投降するところですが、検事アニーが最後のターゲットだと知ったマックスは、必死で彼女のオフィスを目指します。
悪鬼のごとくアニーのもと向かうヴィンセント。まるでターミネーターかのように無表情のままの彼は、生きる殺人マシーンのように見えてきます。
果たしてごく平凡なマックスはアニーを守り切れるのでしょうか。手に汗握るシーンの連続で、最後の最後まで展開が読めません。
いつもの爽やかな風貌は封印しながらも、アクションスターのトム・クルーズならではの体を張ったシーンは見どころたっぷりです。満杯のダンスフロアで繰り広げる激しい乱闘、敵を追う俊敏な脚力。ラスト近くのクライマックスシーンで、電車に飛び乗る体はキレッキレ。
サスペンス要素と共に、ハイクオリティのアクションシーンにも見惚れる一作です。
マックスとヴィンセントの濃密な関係

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マックスとヴィンセントの二人の間には、友情とは呼べないながら、濃密な時間が流れます。
まったく知らない相手だからこそ蟻をつぶすように無感情に人を殺せるヴィンセントと、恨みもない相手をなぜ殺せるのか理解できないまっとうな道徳心を持つマックス。
マックスから「自分に何もしていない相手を初対面なのに殺したのか?」と聞かれたヴィンセントが、「親しくなってから殺すのか?」と呆れたように聞き返すシーンは印象的です。
人と深く関わらずに生きてきたであろうヴィンセントにとって、たった一夜であってもマックスとの関係は濃厚な部類に入ったことでしょう。恐らく彼にマックスは殺せなかっただろうと思えてなりません。
いつも通りに過ごす方が疑われないという理由からでしたが、ヴィンセントはマックスの母の見舞いにも同行します。花はいらないと断ろうとしたマックスに、「お前を腹に9か月入れてた」と諭すヴィンセント。
その後、ヴィンセントは母が早くに亡くなり、自分に暴力的だった父を12歳の時に殺したことを告白します。母への深い思慕と、父との確執。幼い頃に父を殺したのをきっかけに、裏社会の住人になることを選んだのかもしれません。彼の底にある悲しみが透けて見えます。
マックス自身も、ヴィンセントに知らぬ間に感化されていきました。麻薬組織のボス、フェリックスと渡り合うだけの胆力が身についていた事実は衝撃的です。いつの間にかヴィンセントが彼の中に浸食していたのでしょう。
最後、電車の中で激しい撃ち合いをすることとなった二人は、まるで魂を交換しあっているかのようにさえ思えてきます。
ヴィンセントはマックスを果たして殺そうとしたのか。それとも彼に殺されようとしたのか。
いずれにしても致命傷を負ったのヴィンセントだけで、マックスはたいした傷も負いませんでした。それが事実です。
まとめ

TM & (C)2004 Paramount Pictures Corporation and DreamWorks LLC. All Rights Reserved.
トム・クルーズの初の悪役姿に魅せられるノンストップサスペンス『コラテラル』。タイトルの意味通り「巻き添えになる」タクシー運転手役のジェイミー・フォックスも素晴らしい演技を見せています。
冷酷な殺し屋と、気の良い平凡な男の対比が際立ち、物語は大きな求心力を持ったままクライマックスへ突入します。
「人間なら根本的に備わっている何かが欠けている」と、己の大きな欠落をマックスに正面から指摘されたヴィンセント。最後にマックスと打ち合った末にヴィンセントは命を落としますが、少しだけでも人間らしく死ねる可能性をマックスに求めたがゆえだったと思えてなりません。




































