トップガンにあの伝説のパイロット、
マーヴェリックが帰ってきた。
トム・クルーズの出世作、1986年公開の映画『トップガン』の続編。36年の時を経て、トム・クルーズ演じるマーヴェリックが帰ってきました。
アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校「トップガン」。トップガン史上最高のパイロットと称されながらも、常識破りな性格で組織から追いやられたマーヴェリック(トム・クルーズ)。
そんなマーヴェリックが再びトップガンに教官として戻ることに。新世代トップガンの中には、かつて訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿がありました。
マーヴェリックを恨み、対峙するルースター。父親のようにルースターを心配するマーヴェリック。パイロットたちは、世界の安全を守るため絶対不可能な極秘ミッションに挑みます。
もう誰も死なせない。果たして彼らは生き残れるのか。映画『トップガン マーヴェリック』を紹介します。
映画『トップガン マーヴェリック』の作品情報
【公開】
2022年(アメリカ映画)
【監督】
ジョセフ・コジンスキー
【キャスト】
トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、ジョン・ハム、グレン・パウエル、ルイス・プルマン、チャールズ・パーネル、バシール・サラディン、モニカ・バルバロ、ジェイ・エリス、ダニー・ラミレス、グレッグ・ターザン・デイビス、エド・ハリス、バル・キルマー、リリアナ・ウレイ、アンソニー・エドワーズ、メグ・ライアン
【作品概要】
1986年公開のトム・クルーズのヒット作『トップガン』の続編。主人公のマーヴェリックをトム・クルーズが再び演じます。
監督は、『オブリビオン』(2013年)でトム・クルーズとタッグを組んだ経験があるジョセフ・コジンスキー。前作『トップガン』の監督を務め、2012年にこの世を去ったトニ―・スコット監督に捧げるものとなりました。
新世代トップガンたちには、かつてマーヴェリックの相棒だったグースの息子ルースター役に『セッション』(2015年)のマイルズ・テラーや、そのルースターのライバル的存在ハングマンにはグレン・パウエルが登場。
また、前作でマーヴェリックのライバル、アイスマンを演じたバル・キルマーが、癌を患い治療を続ける中でありながら再出演を果たしています。
映画の主題歌は、レディー・ガガの「Hold My Hand」。劇中歌には、前作でお馴染みのケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン~TOP GUN THEME」や、ベルリンの「愛は吐息のように」など懐かしい楽曲も使用されています。
映画『トップガン マーヴェリック』のあらすじとネタバレ
ピート・ミッチェル(コールサイン:マーヴェリック)大佐は、アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校「トップガン」史上、最高の腕を持つ伝説のパイロットです。
これまで数々のミッションを成功させ出世してもおかしくない立場でありながら、今はカルフォルニアの砂漠で、最新戦闘機のテストパイロットをしています。飛ぶことは彼自身であり、空は彼の居場所でした。
戦闘機「ダークスター」のプログラムの打ち切りを聞かされたマーヴェリックは、本部の決定を無視し、世界最速マッハ9へ挑戦します。
尋常では耐えられないGに耐えたマーヴェリックは、目標をさらに超えるマッハ10を叩き出しますが、機体が破損し脱出を余儀なくされます。
最高の腕を持ちながら、常識破りな性格で組織から追いやられたマーヴェリック。相変わらずの無茶ぶりに上官は苛立ちながらも、彼の力がどうしても今必要なのでした。
米海軍「トップガン」では、かつてない世界の危機を回避するため、極秘ミッションが計画されていました。
とある国で開発が進む核兵器開発プラントの破壊を目的としたミッションは、絶対不可能と予測されるほど難易度の高いものです。
この作戦を成功させるため、トップガンの精鋭たちが集められ、マーヴェリックは教官として呼び戻されます。この任務に彼を押したのは、かつてのライバルで現在海軍大将となっているアイスマンでした。
3年振りに戻ったサンティエゴのダウンタウンで、馴染みのバーに顔を出すマーヴェリック。父から娘のペニーへと代替わりしたバーは、今でも海軍のたまり場となって賑わっていました。
ペニーとは3年前別れたきりです。久々の再開に胸を高鳴らせるマーヴェリックとは反対に、ペニーは戸惑いをみせます。ペニーは彼の寂し気な目つきに弱いのでした。
訓練開始日。教官として現れたマーヴェリックに、若いエリートパイロットたちはざわつきを隠せません。伝説のパイロットと言えど、今の戦闘機では時代遅れだからです。
その中に、マーヴェリックがトップガンにいた頃、訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿がありました。
マーヴェリックはルースターの海軍志望願書を捨て、パイロットになるのを止めたことがあります。父の死はマーヴェリックにも原因があるとし、彼を恨むルースターは目を合わせようともしません。
初日から実力を図るために空中戦を持ちかけるマーヴェリック教官。最新の戦闘機で鍛えてきたトップガンたちでも、マーヴェリックの腕には誰一人適いませんでした。
ルースターとの確執が解けないマーヴェリックに、アイスマンは「過去のことは水に流し、ルースターを訓練してやれ」と背中を押します。
マーヴェリックがルースターのパイロット願書を捨てたのには理由がありました。グースの妻・キャロルが亡くなる時、マーヴェリックに「息子をパイロットにしないで」とお願いされていたのです。
恨むなら自分を恨めばいい。マーヴェリックは相棒グースの変わりにルースターの父親変わりになりたいと思っていました。
今回のミッションは、険しい山々に囲まれた核兵器開発プラントまで、強力な防空網をかいくぐるため低空飛行で接近し、破壊後は一気に上昇する驚異のGに耐え、追ってくる敵機の撃墜に当たらなければなりません。
生還の可能性はゼロ。マーヴェリックは厳しい訓練を続けます。目標タイムを更新できないトップガンたちは、苛立ちぶつかり合います。
練習飛行では、Gに耐えられずパイロットが意識を飛ばし墜落する事故がおこります。命は取り留めたものの、サイクロン中佐はマーヴェリックに飛行禁止を命じ、教官を退くよう命令します。後ろ盾となってくれていたアイスマンも死んでしまいました。
「飛べないのであれば除隊するしかない」と気を落とすマーヴェリックに、ペニーは「自分が育てたパイロットに何かあったら自分を許せないはず」と、彼を引き留めます。
サイクロン中佐の作戦は、レーダー感知高度を真っ向から進み、ミサイルの包囲網と敵機の攻撃を突っ切るというものでした。いくら鍛えられたトップガンといえども、無謀な作戦と言えます。
テスト飛行を行っていた上空に、マーヴェリックが乗り込んだF18戦闘機が姿を現します。自らの飛行で作戦を成功させてみせるマーヴェリック。これにはサイクロン中佐も認めざる得ませんでした。
いよいよ作戦決行の日。2機1組となり、2組で行動します。マーヴェリックは自ら編隊長として飛ぶことになりました。残る3機の中に、ルースターを選出します。
「もう誰一人死なせはしない」。マーヴェリックは命を賭けたミッションに飛び立ちます。
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映画『トップガン マーヴェリック』の感想と評価
1986年のヒット作『トップガン』から36年。続編『トップガン マーヴェリック』が公開となりました。
夕陽で空がオレンジに染まる海上。空母の艦上では、慌ただしくクルーが動き回り、戦闘機が現れます。エンジンから排気炎が噴き出し、勢いよく空へ飛び出すF18。BGMはケニー・ロギンス「デンジャー・ゾーン」。
前作『トップガン』を彷彿させるオープニングシーンに、早くもテンションは上がり、涙腺ウルウル状態。一気にトップガンの世界に引き込まれます。
当時23歳だったトム・クルーズもいまや59歳。レーバンサングラスに、パッチがいくつも縫い付けられたG-1ジャケットをはおり、バイクで走り抜ける姿は、当時となんら変わりなくカッコイイ!
そんな現役感バリバリのトム・クルーズが演じる、トップガン史上最高のパイロット・マーヴェリック。今作では、その後の彼がどんな人生を送ってきたのか。そして今も空を飛び続けているのか。気になる所です。
前作の若かりしマーヴェリックは、無茶な操縦をしたり、女性教官を口説いたりと破天荒な一面を持ちながら、仲間を失う悲しみを経験し立派なパイロットへと成長をとげます。
あれから数十年後、マーヴェリックは輝かしい実績を残しながらも「飛ぶことは自分自身だ」と出世を拒み、戦闘機から降りることはありませんでした。
人懐こい笑顔とどこか寂し気な眼差しは相変わらず魅力的で、恋人はいても結婚はせず、亡くなった仲間の家族を大事に思っています。
今作ではそんなマーヴェリックが、トップガンに教官として戻ってくることから始まります。
戦闘機の機能も格段にあがり、当時マーヴェリックが乗っていたF-14はもはや過去の遺物。無人のドローン戦闘機の開発でパイロットの必要性も危うくなっていました。
新世代トップガンたちは始め、マーヴェリックの実績は知っていながらも、時代が違うと認めようとしません。
腕試しとして挑んだ空中戦で、そんな若者たちを次から次へと倒していくマーヴェリックの姿に、胸が空く思いです。
危険なミッションへの訓練を重ねる中で、互いに切磋琢磨し絆を深めていくトップガンたち。時代は変われど、命を賭けて戦う者たちの熱い志が描かれています。
また今作では『トップガン』ファンが喜ぶ粋な演出が盛り込まれています。
かつて練習中に命を落としたマーヴェリックの相棒グースの息子・ルースターが、亡き父の跡を追ってトップガンとして成長していました。
マーヴェリックたちと通っていたBarでは、ピアノでジェリー・リー・ルイスの「Great Balls of Fire(火の玉ロック)」を演奏するなど、優しくてムードメーカーだったグース。
そんな父親を彷彿させるかのように、ルースターもまたBarで同じ曲をピアノで演奏します。その様子を陰から見たマーヴェリックが、当時を思い出すシーンは切なく印象に残りました。
父の死はマーヴェリックのせいだと恨みを拭えないルースターと、父親のようにルースターを心配するマーヴェリック。2人のわだかまりが解け、本当の親子のように信頼し合うラストは感慨深かったです。
他にも、当時のライバルだったアイスマンが海軍大将となり再登場したり、マーヴェリックの新恋人ペニーの存在など、時間の経過も見事に描かれ、マーヴェリックと共に歳を重ねた気持ちになります。
魅力的な登場人物の他にも、映画「トップガン」シリーズの見どころとして戦闘機によるスカイバトルの迫力があげられます。
登場する航空機はほとんど実際に使用されている実機であり、アクションシーンはアメリカ海軍協力の元、現役戦闘機を飛ばし撮影されています。
さらに今作では、最新戦闘機の「F/A-18」を使用し撮影。俳優たちは実際にコックピットに乗り込み時速1900キロの8Gに耐えうる訓練をうけ撮影に挑んだというから驚きです。
Gで歪んだ顔や苦痛のうめき声に、究極なリアリティーと臨場感を感じます。また最新技術のカメラの搭載で、コックピットのパイロット目線で戦闘機同士の空中戦を体感できます。
戦闘機の噴出炎の吹き出す音。空へと飛び出す瞬間。コックピットからの景色。映画館の大型スクリーンで味わってください。
まとめ
前作から36年、トム・クルーズ主演の映画『トップガン マーヴェリック』を紹介しました。
前作『トップガン』の世界観とトム・クルーズのカッコ良さはそのままに、新世代の若いトップガンたちの勇姿、そして最新の技術でより迫力を増した戦闘シーンが楽しめる続編『トップガン マーヴェリック』。
順番はどちらからでも良いです。ぜひ『トップガン』『トップガン マーヴェリック』と、どちらも鑑賞してほしい作品です。