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Entry 2020/12/26
Update

映画『デッドヒート(2020)』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。クライムアクションにバルキルマーとルークゴスが挑む!

  • Writer :
  • 秋國まゆ

強盗犯と保安官の激しい銃撃戦のクライムアクション映画『デッドヒート』

2020年10月2日に公開された映画『デッドヒート』は、麻薬組織の資金を狙う強奪犯と、犯人を逮捕すべく追う保安官が激しい銃撃戦を繰り広げる、犯罪スリラー・アクション映画です。

35年ぶりに続編が出た、大ヒット作『トップガン マーヴェリック』の公開を控えたバル・キルマーと、『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』などのアクション映画で活躍するルーク・ゴスが共演する本作は、果たしてどんな内容のものなのでしょう。

今回は、映画『デッドヒート』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

映画『デッドヒート』の作品情報

(C)2020 Buried X Movie, LLC

【公開】
2020年(アメリカ映画)

【脚本】
クリスチャン・セスマ

【監督】
クリスチャン・セスマ

【キャスト】
ルーク・ゴス、ヴァル・キルマー、マイク・ハットン、ポール・スローン、マーサ・ミシェル、ベロニカ・ボーズマン、ミュリエル・テリオ、ジェイ・モンタルボ、ニック・バレロンガ、メルセデス・キルマー

【作品概要】
アクション映画で活躍する俳優ルーク・ゴスと、大ヒット作の35年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』の公開を控えるヴァル・キルマーが共演した、犯罪スリラー・アクション映画です。

本作の脚本・監督を務めるのはクリスチャン・セスマ、ルーク・ゴス主演の『タイムリミット-72』『デス・クルー』(2015)などのアクション映画を手掛けてきました。

さらに本作には、ヴァル・キルマーの娘メルセデス・キルマーも出演しており、キルマー親子の共演と、長年一緒に映画を作ってきた監督と俳優が再びタッグを組んだ作品でもあります。

映画『デッドヒート』のあらすじとネタバレ


(C)2020 Buried X Movie, LLC

5年前、ダミアン・ブルックスと一癖も二癖もある仲間たちは、エル・ゴード率いる麻薬組織「シナロア・カルテル」の麻薬資金、3300万ドル(35億円相当)をソルトン湖への輸送中、強奪して砂漠のどこかに埋めました。

それを知ったエル・ゴードは、手下と雇った業者を使ってソルトン湖付近の砂漠を捜索させましたが、掘り起こした地中深くからは金ではなく、バツ印付きの泥袋が発見されて思わず悪態をつきます。

一方、麻薬捜査を行う保安官ウィリアム・タッカーは、エル・ゴードと手を組み、大麻を密輸するダミアンを捕まえようと執念深く追いかけていました。

ようやくアジトを突き止め、ダミアンを逮捕したタッカーでしたが、強制捜査によって繰り広げられた銃撃戦のせいで、カルテルメンバーを含めて4人を死なせてしまいました。

しかも、押収できた大麻はわずか4.5キロ分と少量の武器だけ、タッカーはこの麻薬捜査の不手際が原因で、免職処分になってしまったのです。ダミアンには、大麻を密輸した罪によって5年の実刑判決が下ります。

それから5年後、ダミアンの仲間の女性ジャネルと彼女の恋人シシは、同じ仲間のトニーから、ダミアンが仮釈放されたことを聞きます。

免職処分を受けたタッカーは、ダミアンが仮釈放されることを知り、ダミアンのせいで免職処分を受けた恨みと当時の事件を解決すべく、彼を監視します。

この5年で大麻は合法化され、仮釈放されたダミアンは密売者扱いされないものの、仮釈放中は保護観察官レイラ・ロペスによる監視と、出所後の再就職に向けた活動をしなくてはなりません。

その頃、シシ・ジャネル・トニーは、組織のブレーンであるジェフ・ベントレーと再会します。ジェフは過去に、エル・ゴードの娘であるオリヴィアと寝たことがあり、彼女の兄であるクコとその手下と揉めたことがありました。

駆けつけたダミアンたちによってその場を脱したものの、苦い思い出である当時の事を思い出したジェフとトニーは、改めて自分たちがシナロア・カルテルに命を狙われていることを自覚します。

その頃ダミアンは、カジノを運営する昔の仲間リオ・キャップとゴルフ場で再会し、例の計画を実行すると声をかけました。

ダミアンは、ソルトン湖で待つトニーたちと再会を果たし、「DEAや移民税関捜査局(ICE)は、密売ルートを制圧したからか、かつての気概はないため、俺たちはその隙を突く。エル・ゴードは雲隠れし、組織も解散しており、彼の手下はそう多くはない。今こそ5年前に隠した3300万ドルを手に入れよう」と話し、収監中に画策してきた計画を実行に移そうとします。

ダミアンはまず、シシとジャネルに、5年前の強制捜査の後、DEAを早期退職した捜査官2人と接触するようにと命じ、トニーとジェフには、DEAの倉庫に忍び込み、ハードドライブと当時の捜査記録を入手せよと、命じました。

そんなダミアンは、レイラと共に就職活動をしていましたが難航し、彼女の紹介で会ったリオのカジノで働くことになりました。

一方、バハカリフォルニア州メヒカリに豪邸を築き、そこで保護観察を受けるエル・ゴードは、手下から「仮釈放されたダミアンが昔の仲間と会っている」と報告を受けます。

エル・ゴードはオリヴィアを介して、手下たちにダミアンを捕まえるよう命じました。

以下、『デッドヒート』ネタバレ・結末の記載がございます。『デッドヒート』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2020 Buried X Movie, LLC

カリフォルニア州南端部・エルセントロにあるDEAの資料倉庫、そこに清掃員に扮したトニーとジェフが忍び込み、サーバー室にあるハードディスクと当時の捜査記録を奪取しようとしました。

サーバー室に到着後、トニーはジェフから、実はオリヴィアと寝たのは、エル・ゴードの注意を金からそらすために仕組んだダミアンの策略だったことを知ったのです。

ダミアンは5年前、わざとジェフにオリヴィアと寝させ、エル・ゴードが娘とジェフの関係に注意がいっている隙に、輸送中だった麻薬資金3300万ドルを強奪したのです。

トニーたちは、当時の捜査記録とハードディスクを奪取しましたが、部屋から出た瞬間、警備員に扮していたエル・ゴードの手下に見つかります。

シシとジャネルは、バーに潜入して元DEA捜査官2人を誘惑し、人気が少ない駐車場で彼らを気絶させました。しかしその直後、エル・ゴードの手下たちを連れて現れたオリヴィアに捕まってしまいます。

ダミアンもまた、レイラの誘惑に負けて夜のドライブに向かいますが、レイラに睡眠薬を盛られてしまいました。その後タッカーの元に、レイラから「リオが経営するカジノに来て欲しい」と連絡がきます。

タッカーは、自分が5年前の事件を追っていることを知った上で、レイラを介して自分を呼び出したリオに会います。そこでタッカーは、リオからその事件の決着がつく場所の座標を教えられ、カリフォルニア州サーマルへ向かいました。

トニーたち4人と元DEA捜査官2人は、オリヴィアとエル・ゴードの手下に捕まり、エル・ゴードの豪邸の敷地内にある大農園に拉致されます。そして、実はエル・ゴードの娘だったというレイラに捕まったダミアンも、大農園に連れて行かれました。

ジェフに惚れていたオリヴィアは、組織を裏切ったダミアンと、自分に連絡をくれなかったジェフに怒りをぶつけながら尋問します。そこへ、車椅子に乗った保護観察中のエル・ゴードが現れました。

エル・ゴードは、息子同然のように思っていたダミアンに裏切られたことに怒り、仲間の命が惜しければ金の在り処と目的を話せと脅迫します。

ダミアンは、この場にいる全員で金を埋めた場所へ行くことを条件に、彼らを金の隠し場所へ案内することにしました。

タッカーが到着した後、オリヴィアたちとクコたちエル・ゴードの手下、ダミアンたちがサーマルへ到着します。ダミアンはジェフに、ハードディスクに記録された金の在り処を示す正確な位置情報を、オリヴィアたちに見せるよう指示しました。

だが、そのために必要なコードが入力される間、少し動いただけの元DEA捜査官2人が、エル・ゴードの手下によって射殺されてしまうのです。

その様子を目撃したタッカーは、警察に「負傷者が出た。自分の位置を逆探知して割り出し、応援に来てくれ」と報告し、ダミアンたちが揉めている隙を突いて銃を発砲します。

激しい銃撃戦が繰り広げられた末、その場にいたエル・ゴードの手下は全滅、オリヴィアたち姉妹は車で逃亡し、トニーたちはダミアン名義の車に乗って逃亡しました。

トニーたちを逃がしたダミアンは、こちらに銃口を向けるタッカーに、「シナロア・カルテルはFBIの標的であり、娘のタブレットから、彼らの居場所を特定するIPアドレスを辿れる」という情報を打ち明け、事件の幕引きをしようと要求します。

タッカーはダミアンの情報が正しければ、シナロア・カルテルを壊滅に追い込める、そうすれば自分の名誉を回復できると考え、ダミアンの逮捕と金の捜索を渋々諦めることにしました。

後日、タッカーは地方検事に就任した娘と会い、「もう普通の父親に戻りたい」と自身がつけていた保安官のバッジを渡し、5年前の事件を追わないことを宣言します。5年前の事件に終止符を打つことを決め、普通の親子に戻ったタッカー親子を、ダミアンは遠目で眺めていました。

エル・ゴードの後を継ぎ、シナロア・カルテルのボスになったレイラは、トニーと無事合流したダミアンから連絡を受け、オリヴィアが裏切ったと知って悪態をつきます。

ダミアンとトニーは、リオの所有する飛行機の前で待つリオ・シシ・ジャネルと合流しました。ジェフと結ばれたオリヴィアは、皆で乗ったリオの飛行機の中で、ダミアンとジェフから今回の事件に関する彼らの計画を聞かせて貰いました。

エル・ゴードの麻薬の密輸を手伝っていたダミアンたちは、ある日、DEAによる強制捜査を知りました。

運送業の組合長・ポールと交友があるリオに頼んで、洗車場を隠れ蓑にしてトラックにある金と泥袋を交換し、泥袋を積んだトラックは砂漠へ迂回させます。これを成功させるための犠牲として、ダミアンは自身の引退が必要だと感じ、わざと捕まったのです。

ハードディスクには金の正確な位置を示すデータがあるのではなく、カルテルの居場所を特定する追跡装置となっていたのです。人身売買がバレて失職した元DEA捜査官2人は、元々カルテルの手先であり、金が消えた地点を知っていたため、始末しようとしただけでした。

ダミアンは、執念深く自分を追いかけるタッカーと、エル・ゴードに命じられて保護観察官として現れたレイラを利用し、トニーたち仲間やエル・ゴードたちをサーマルへ集めます。シナロア・カルテルを壊滅させることによって、タッカーの名誉を回復でき、さらにダミアンたちは自分たちを狙う組織がいなくなるという、両者が得をする結末に導いたのです。

ダミアンはオリヴィアが組織から抜け、自分たちの仲間になった事で、とりあえず金の力でレイラから逃げ切れると確信しました。肝心の3300万ドルはDEAやFBI、地元警察の手が届かない居留地に集め、リオが5年かけて資金洗浄をし、5120万ドルまで増やしたのです。

見事大金を得たダミアンたちは飛行機に乗ってどこかへ逃亡し、エル・ゴードはレイラから、娘の裏切りを知って愕然としていました。

映画『デッドヒート』の感想と評価


(C)2020 Buried X Movie, LLC

物語の冒頭では、男たちが砂漠の中から泥袋を発見したシーンが描かれているのですが、最初はこれが何を意味するのか全く分かりません。

ですが、物語が進むにつれて、徐々にその謎が解けていきます。あれは、ダミアンたちが金を強奪した挙句、泥袋をエル・ゴードたちに見つけさせたシーンだったのです。

タッカーもまた、家庭を蔑ろにしてまで5年前の事件を追い続けていましたが、ダミアンを逮捕するべく動いたことさえ、彼の想定内の出来事だったという事実は衝撃的でした。

しかも、ダミアンはただタッカーに追い詰められて逮捕されたのではなく、自らの引退が必要だったことを考えて、わざと逮捕させています。

エル・ゴードやオリヴィアたち、タッカーの動きまで予測して考えたダミアンの計画は、本当に素晴らしく、観客もまんまと騙されることでしょう。

また、頭脳明晰な策士であったダミアンとジェフの、5年間に及ぶ3300万ドル強奪計画はとても大掛かりなものであり、ドキドキハラハラする展開ばかり。

アクションシーンが物語の前半にある強制捜査の時と終盤の銃撃戦の時だけだったのが少し残念ですが、最後に大どんでん返しがある犯罪モノの映画としては面白い作品です。

まとめ


(C)2020 Buried X Movie, LLC

映画『デッドヒート』は、ダミアンが一癖も二癖もある仲間たちと共に、保安官や麻薬カルテルを出し抜き、3300万ドルという大金を強奪する犯罪スリラー・アクション映画です。

ダミアンたちも物語の後半で、エル・ゴードたち「シナロア・カルテル」に捕まり、さらには執念深く事件を追いかける保安官・タッカーまで現れ、彼らの計画もここまでかと誰もが思ったことでしょう。

それも全て、ダミアンの計画のうちだったというのだから、本当によくこんなことまで考えたなと感心します。

ダミアンの策士っぷりを悟ったタッカーが、今まで蔑ろにしていた家庭に戻り、普通の父親に戻りたいと言うシーンは、本作で一番感動できます。

物語のラストシーンには、ドタバタ劇を繰り広げたダミアンたちが、事の顛末を明かす種明かしがあります。

映画『デッドヒート』を楽しく鑑賞するためには、最後までお見逃しなく

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