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NETFLIX映画『シャフト(2019)』ネタバレあらすじと感想評価。続編からシリーズを通して見えてくる変化とは

  • Writer :
  • 糸魚川悟

世代を越え受け継がれる、「シャフト」の遺伝子

全世界の黒人俳優たちの映画進出の礎となった「ブラックスプロイテーション映画(ブラック・パワー・ムービー)」と呼ばれる映画があります。

その先駆けとも言われる映画『黒いジャガー』(1972)を、広い世代から支持を得ている名優サミュエル・L・ジャクソン主演でリブートした『シャフト』(2000)も世界で大人気となりました。

そして2019年、およそ20年ぶりにシリーズの最新作がNETFLIXに登場

ギャグ全開で軽いノリながらも、20年で変化した社会の中の「黒人」のあり方についてもしっかり描いた最新作を、ネタバレあらすじを交えご紹介させていただきます。

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映画『シャフト』の作品情報

NETFLIX映画『シャフト』

【公開】
2019年(NETFLIX独占配信)

【原題】
Shaft

【監督】
ティム・ストーリー

【キャスト】
サミュエル・L・ジャクソン、ジェシー・アッシャー、レジーナ・ホール、アレクサンドラ・シップ、リチャード・ラウンドトゥリー

【作品概要】
2000年の映画『シャフト』の続編として、「ファンタスティック・フォー」シリーズのティム・ストーリー監督が製作した最新作。

サミュエル・L・ジャクソンの他に、「X-MEN」の新シリーズにおいてストームを演じたアレクサンドラ・シップなど若い世代の実力派俳優も出演しています。

映画『シャフト』のあらすじとネタバレ

1989年、ニューヨーク市警に勤める破天荒な刑事シャフトは妻のマヤと共にハーレムにいるところを麻薬の売人ゴルディトの手下に襲われます。

危険が慣れっこであるシャフトはゴルディトの手下を難なく返り討ちにしますが、マヤはシャフトといることで子供に危害が及ぶと考え距離をとることになります。

30年後、不動産王の息子ウォルターが起こした殺人事件の捜査をきっかけにニューヨーク市警を辞職し私立探偵となったシャフト。

一方で息子のJJは父の破天荒さとは真逆にFBIの情報分析官として真っ当な人生を歩んでいました。

FBIではハーレムを拠点としアフガニスタンにも出入りしているとされる、ラシャド・モスクを一斉検挙するための作戦が始まりました。

幼馴染のカリムに呼び出され、同じく幼馴染のサーシャと共に久々に3人で飲み明かそうとするJJは、退役軍人であり薬物依存症だったカリムが同じ境遇の退役軍人のためにリハビリのビジネスを始めようとしていることを聞きます。

仕事に呼び出されたと言ってその場を抜けるカリムの様子を不審に思いカリムを追いかけ話すJJでしたが、カリムはJJに今までいろいろなことで心配をしてくれたことに感謝を述べると去っていきました。

翌日、母のマヤからの連絡でカリムが死体で発見されたと聞き葬式に駆け付けるJJ。

FBIの権限を使い死亡診断書を見るJJはカリムの死因が薬物の過剰摂取による中毒死であったことを知ります。

薬物依存症の定期検査にも合格し、薬物をすでに断っているはずのカリムの死因に疑問を持ったJJはたった1人でカリムといざこざのあった麻薬の売人マニーのもとに向かいますが、頭を殴られ病院に運ばれてしまいます。

看護師のサーシャに司法解剖の結果を見せると、彼女はカリムの死体から発見された薬物の量では打っている間に中毒死すると言い、カリムの死が他殺であることを確信します。

警察には頼れない状況下で、JJはある人間の手を借りることにしました。

「ジョン・シャフト探偵事務所」に訪れたJJは父のシャフトと対面し、優等生であり服装面でも清楚な自分を「白人のようになった」と嘲笑されますが、彼にカリムの死についての捜査の協力を依頼。

身内や家族は中毒死と言う現実に耐えられず他殺にしようとする、と言うシャフトに対し致死量の10倍以上のヘロインが検出されたことや139番通りで死体が発見されたことを告げるとシャフトは顔色を変えます。

マニーといざこざがあったことをシャフトに話すと、シャフトは武装をしたうえでマニーに会うと言い出し、無理やりJJを連れて139番通りへと向かうことになります。

銃を持たないJJの主義とは裏腹にマニーの部下2人の足を撃ちあっさりとマニーを追い詰めるシャフトは、捕らえたマニーの指を折るなど過激すぎる方法でマニーを拷問していきます。

マニーからカリムとの取引が既にかなり昔に終わっていたことを知ったJJとシャフトは、カリムの行なっていたビジネスの拠点である退役軍人への支援会である「男同士見守る会」へと足を運びます。

カリムと同じく退役軍人である責任者のカットワースからカリムが彼女のアナムに誘われ宗教にハマっていたと聞いたJJは、カリムがFBIも注目するラシャド・モスクと繋がっていたことに疑念を募らせますが、一方でシャフトはカットワースの側近ドミンゲスがシャフトが長年追い続けている売人ゴルディトと繋がりを持っていそうな事に感づいていました。

シャフトがJJをクラブに誘い泥酔させた翌日、ラシャド・モスクに潜入する2人の前にサーシャが現れ同行することになります。

モスクの中でアナムに話を聞く3人はカリムが薬物依存を克服し、モスクの建設する青少年育成センターに打ち込んでいたことを知りますが、アナムの父でありモスクの指導者でもあるファリクがアナムとの会話を中断させ、3人を追い出してしまいます。

青少年育成センター建築の資金源に疑問を持ったJJはシャフトの事務所のパソコンを使いモスクのデータベースに侵入し、最近オープンしたばかりのスーパーがファリクに対し50万ドルもの寄付をしていたことを突き止めシャフトと共にスーパーに向かうことになります。

スーパーのオーナーのベニーはあっさりとモスクへの送金を2人に認めますが、あくまでも地域コミュニティに対する善意という態度を崩しませんでした。

シャフトはベニーに見覚えがあり事務所中のファイルを捜索すると、ゴルディトとベニーが一緒に写っている写真を発見。

モスクがゴルディトを通しヘロインの売買で利益を得ており、カリムはそのことに気が付いて殺害されたという仮説を組み立てたシャフトはベニーの張り込みをしようと考えますが、既にJJが小型カメラをベニーの部屋に仕込んでおり、翌日に確認することでまとまります。

サーシャとディナーの約束をしていたJJはサーシャと会い、シャフトに良い感情を抱いていない彼女に、シャフトは狂ってはいるが根は良い人間だと諭します。

一方、シャフトはJJとマヤの電話越しの会話から、マヤが新しい男とデートをすると聞いていたためデート先のホテルに張り込んでいました。

マヤが新たな男である富豪のロンと食事しているところに現れたシャフト。

マヤとシャフトは喧嘩になり揉めている最中に、ホテルに現れた刺客にシャフトはマシンガンで襲われます。。

あっさりと刺客を返り討ちにするシャフトでしたが狙いが自身とJJであることを悟ったシャフトはJJの身にも危険が迫っていることを確信します。

そのころ、JJとサーシャもレストランの中で銃撃されていました。

銃を持たない主義のJJでしたが、サーシャが護身用に持っていた銃を借りると刺客全員を射殺。

シャフトも到着しJJの銃の腕前を称えると、JJは刺客の持っていたスマートフォンから刺客を差し向けた人間がベニーであることを突き止め、ベニーとモスクとの繋がりも導き出します。

シャフトはマヤに脅され、これ以降の捜査はFBIに委ねるべきだと信念を曲げ、JJもそれに納得しました。

JJの通報によりFBIがモスクの強制捜査に乗り出しますがこれといった強力な証拠が出てこず、世間はイスラム教差別だとマスコミを中心に激しいFBIバッシングが始まってしまいます。

JJの上司はこの件の責任をJJに取らせ辞職を迫り、JJはバッジを置きFBIを出ていきました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『シャフト』のネタバレ・結末の記載がございます。『シャフト』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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一方、シャフトはクラブのオーナーの情報網を使い「男同士見守る会」のドミンゲスの従妹がベニーであることを突き止め、ドミンゲスが海外で麻薬を仕入れ、ベニーが資金洗浄をするという一連のルートを見出していました。

しかし、その場にJJが現れ、宿敵のゴルディトを倒すために自身を利用したとシャフトを罵倒すると、1人で片を付けようと事務所を去っていきます。

職務や正義のために家族をないがしろにしてきたことを悔やむシャフトはマヤに会いに行き謝罪すると、JJを守れと激励を受けます。

JJはサーシャと共に「男同士見守る会」の拠点に夜間に侵入。

中ではドミンゲスがカットワースに対しカリムを殺害したことが誤りだったと言い自首しようと言い寄っていました。

しかし、それを聞いたカットワースはドミンゲスを射殺。

「男同士見守る会」の倉庫にある軍用車のタイヤに大量のヘロインが詰まっていることを写真に収めるJJはドミンゲスの射殺現場を目撃し、驚いて携帯を落としたことからカットワースに気が付かれてしまいます。

サーシャを人質に取られどうすることもできないJJの前にシャフトが現れ、カットワースは仲間と共に車でサーシャを人質に取ったまま逃走。

サーシャの持つ携帯の電波を探知して殴り込みをかけようと提案するJJ。

タクシーで移動中、シャフトとJJはこの事件の全容を話し合います。

カットワースたちがヘロインを軍用車に紛れ込ませ海外から輸入し、ゴルディトがハーレムでヘロインを販売後、ベニーが利益を洗浄する。

そして、カットワースたちの犯罪に気が付いたカリムにカットワースは協力を求めたが断られたため殺害したという事件の全体像が明らかになり、カリムへの分け前としてモスクへの送金が行われていただけでモスクは無関係だったことも分かります。

ゴルディト率いる武装集団が相手だと確信したシャフトはJJの祖父である自身の父を訪ね、武器を求めます。

大量の銃器を所持している父から銃を借りると、退屈を持て余している彼も同行することになり、3世代をまたにかけた戦いが始まります。

カットワースの逃げ込んだゴルディトのアジトのタワーに正面から乗り込もうとするシャフトたちでしたが、エレベーターの監視カメラの映像から侵入したことがバレたことを悟るシャフトたちは窓から突入し壮絶な銃撃戦が始まります。

シャフトの父の戦闘能力は凄まじく、ゴルディトの配下は次々と射殺。

サーシャを追い逃げるカットワースと格闘戦になるJJはテーブルに投げ飛ばされた挙句銃を向けられ窮地となりますが、テーブルの破片をカットワースの足に突き刺し、カットワースの持っていた銃で彼を射殺します。

その後、銃を持って現れたゴルディトは、かつて刑務所に入れられたことの復讐のためシャフトの大事にするものを狙うと言い発砲。

JJを狙った弾をシャフトが自身の身体で受け止めると、シャフトの父がゴルディトにナイフを投げ動きを封じ、シャフトがショットガンを撃ち込みます。

窓にたたきつけられたゴルディトは窓ガラスを破り高層階から地面へと落下していくのでした。

すべてが終わり、JJを庇って銃弾を受けたシャフトはその場に倒れ、病院で目を覚まします。

駆け付けたマヤを加え全員が無事に事件を解決したことを安心するシャフトの前で、JJはサーシャにキスをします。

資金洗浄と殺人の疑いでベニーは逮捕され、FBIはJJを英雄として復職させようとしますが、JJはそれを固辞。

今まで嫌っていた「シャフト」と言う名前を名乗ると、シャフトとシャフトの父と共に新たな事件へと向かうのでした。

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映画『シャフト』の感想と評価

参考:NETFLIXの公式ツイッター

シリーズ好きにはお馴染みの「黒いジャガーのテーマ」が序盤から流れるシリーズ最新作

前作や原作のシリーズに比べシリアス要素が薄れ笑いが多めとなった本作ですが、主にスポットが当たることになるシャフトの息子JJとシャフトの掛け合いは非常に楽しく、バディムービーとして安心出来る作品になっていました。

自身の破天荒さを最大限に活かし生きていた男と、その破天荒な遺伝子を封じて生きてきた息子、主義も趣味も性格も全く違う2人の凸凹ぶりがコメディ要素たっぷりで描かれた本作。

前作からおよそ20年、『黒いジャガー』からは50年近くが経過した最新作では人種による「差別」の表現も大きく変わり、むしろ「白人」的な生き方をしているJJを親のシャフトが嘲笑するシーンすらあります。

シリーズを連続して鑑賞することで、世間が多様性を受け入れる時代になったからこその変化がありありと分かる「シャフト」シリーズ。

前作同様、『黒いジャガー』の主演リチャード・ラウンドトゥリーもジョン・シャフト役で再び登場し、3世代の「シャフト」が集結するトンでもなく熱い展開も用意されたファン必見の作品でした。

まとめ

先日、「Amazon Echo」に搭載されるAIアシスタント「アレクサ」の声優として起用されたことでも世間を騒がせた俳優サミュエル・L・ジャクソン。

彼の得意とする陽気で罵詈雑言を連発する演技が最大限に引き出されているといっても過言ではない本作。

軽い気持ちでの鑑賞にも最適な『シャフト』をぜひNETFLIXでご覧になってみてください。

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