第71回アカデミー賞視覚効果賞ほか3部門ノミネートされたSFアクション超大作!
マイケル・ベイが製作・監督を務めた、1998年製作のアメリカのSFアクション超大作『アルマゲドン』。
アメリカ・テキサス州並みの大きさを誇る小惑星の接近により、18日後に人類滅亡の危機に瀕した地球を救うべく、宇宙へ飛び立った14人の男たちの姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
60億の人類の明日を託された14人の男たちの死闘を描き、1999年第71回アカデミー賞視覚効果賞ほか3部門ノミネートされた、ブルース・ウィリス主演のSFアクション映画『アルマゲドン』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『アルマゲドン』の作品情報
【公開】
1998年(アメリカ映画)
【脚本】
ジョナサン・ヘンズリー、J・J・エイブラムス、ロバート・タウン、アン・ビダーマン、スコット・ローゼンバーグ
【監督】
マイケル・ベイ
【キャスト】
ブルース・ウィリス、ベン・アフレック、リヴ・タイラー、ウィル・パットン、スティーヴ・ブシェミ、ピーター・ストーメア、キース・デヴィッド、ウィリアム・フィクトナー、マイケル・クラーク・ダンカン、オーウェン・ウィルソン、ビリー・ボブ・ソーントン、クリス・エリス、ジェイソン・アイザックス、ケン・ハドソン・キャンベル、ジェシカ・スティーン、グレイソン・マッコーチ、ショウニー・スミス、マーシャル・R・ティーグ、ウド・キア、J・パトリック・マコーマック、グレイス・ザブリスキー、ジョン・メイホン、スタンリー・アンダーソン
【作品概要】
「バッドボーイズ」シリーズや「トランスフォーマー」シリーズなどを手掛けた、マイケル・ベイが製作・監督を務めたアメリカのSFアクション作品。
1999年第71回アカデミー賞視覚効果賞ほか3部門ノミネートされ、同年に第22回日本アカデミー賞外国作品賞にノミネートされた作品です。
「エクスペンダブルズ」シリーズや「RED」シリーズ、「ダイ・ハード」シリーズなどに出演しているブルース・ウィリスが主演を務めています。
映画『アルマゲドン』のあらすじとネタバレ
恐竜が跋扈していた頃の地球は、緑濃い豊穣な惑星でした。けれど、幅10キロの巨大な岩が降ってきたことで、その緑の惑星を変えました。
その破壊力は核爆弾1万個分です。1兆トンの土と岩が大気中に飛び散り、厚い塵の層となって千年もの長い歳月、太陽光線を遮りました。
これと同じことが必ず、もう一度起きます。問題は、それがいつ起こるかです。
それから6500万年後。アメリカ航空宇宙局「NASA」と交信していたスペースシャトル「アトランティス」が、人工衛星を修理中、突如交信が途絶えてしまいます。
NASAの総指揮官ダル・トルーマンの指揮の下、NASA全職員で事故直前の映像を解析・調査した結果、彗星が小惑星帯に突入し、小惑星片を四散させた流星群が直撃し爆発したことが判明。
さらに、その流星群は地球の大気圏を突破し、フィンランド方面から北米海岸へ隕石の雨を降らせ、アメリカ・ニューヨークなどの都市に壊滅的打撃を与えたことが分かりました。
さらなるNASAの調査の結果、テキサス州並みの大きさを誇る小惑星本体が、時速3万5000キロで地球に接近し、18日後に地球に衝突することが判明したのです。
この小惑星が地球に衝突すれば、どこに落ちようと人類の滅亡は必須。そう予測したトルーマンたちは、小惑星が地球に衝突するのを回避するべく、アメリカ海軍総司令官キムジー将軍や国防省、NASAに所属する宇宙物理学の天才科学者ロナルド・クインシー博士と小惑星対策会議を開くことにしました。
小惑星が地球に衝突するまであと17日。NASAで開かれた小惑星対策会議で、クインシー博士は「小惑星に穴を掘り、核爆弾を埋め込んで爆破する」と提案しました。
この案を採用したトルーマンたちは、アメリカ空軍とNASAが極秘裏に共同開発した、頑強なチタニウム製の精密を極めた宇宙船であるスペースシャトルX-71型、「フリーダム号」と「インディペンデンス号」の2機を発射させ、67分後にロシアの宇宙基地(ステーション)とドッキング。
単独で18ヵ月宇宙飛行しているロシア人宇宙飛行士レヴ・アンドロボフ大佐の指示の下、燃料である液体酸素を補給。補給後は月に向けて60時間飛行し、月を一周して背後から小惑星に近づく。
シャトルは岩肌が切り立った小惑星の中で軟らかい地表に着陸し、2班に分かれて掘削作業を開始。小惑星の地面240m掘って核爆弾を埋め込み、その場から脱出してから遠隔操作で爆破させる。
そうすることで、破壊された小惑星は軌道がズレて、地球にぶつからないはずと、計画を立てました。
任務に赴く優秀な宇宙飛行士6人を揃えたところで、トルーマンたちは任務遂行に欠かせない掘削のプロを召集することにしました。
トルーマンたちが声を掛けたのは、その業界で知らない者はいないほどの腕前を持つ石油採掘の達人、ハリー・スタンパーです。
トルーマンは当初、ハリーに宇宙飛行士たちに掘削の訓練をつけてもらう予定でしたが、彼らが掘削の素人であることを知ったハリーは、小惑星の掘削作業は自身が三代目社長を務める石油会社「スタンパー・オイル」で働く石油掘削員と自分でやると言い出しました。
トルーマンたちがこれを承諾し、ハリーがNASAに呼んだ石油掘削員は7人。まず1人目は、大柄な黒人で通称ベアーと呼ばれているジャスティーン・カーリー。
2人目は、腕に「大好きなママ」とタトゥーを彫るほどのマザコンで、肥満気味なマックス・レンナート。
3人目は、猟犬みたいに女を追う女たらしな一方で、12歳でウェスティングハウス科学賞を受賞するほどの頭脳を持つ地質学者のロックハウンド。
彼が石油掘削員になった理由は、「2年半教鞭をとっていたプリストン大学よりも今の仕事の方が報酬が良く、爆薬を使えるから」でした。
4人目は、地質学に詳しいカウボーイ気取りの男オスカー・チョイ。5人目は、優秀なエンジニアでハリーの右腕的存在“チック”・チャールズ・チャップル。
6年間アメリカ海軍の特殊部隊にいたことがある彼は、趣味のギャンブルが理由で妻と息子と別居中。6人目は喧嘩っ早いフレディ・ヌーナンです。
7人目は、ハリーが結婚を反対しているグレースの恋人A.J.フロスト。石油を探し当てる才能がある彼は、自分の勘だけを頼りにスタンドプレイに走ってしまうため、よくハリーに怒られては反抗しています。
ハリーたちは、NASAで身体検査と心理テストを受けた後、共に宇宙へ飛び立つチームメイトである、インディペンデンス号の機長デイヴィス大佐と副操縦士のタッカー。
フリーダム号の機長ウィリアム・シャープ空軍大佐と副操縦士のジェニファー・ワッツ、核爆弾の取り扱いを担当する乗組員のグルーバーとハルジーと顔合わせを行いました。
そして、ハリーたちは彼らを入れて2班に分かれ、800ターボ馬力のドリルを取りつけた掘削装置「アルマジロ」を使った掘削訓練や、宇宙飛行に欠かせない訓練に明け暮れる日々を送っていきました。
そんな中、特大プールを使って無重力状態を想定したアルマジロの掘削訓練中、A.J.が自分の勘だけを頼りにスタンドプレイに走ってしまい、変速機を壊してしまいました。
激怒したハリーは、反抗するA.J.と衝突。その後、幾分か落ち着いたハリーは、トルーマンとシャープ大佐にこう言いました。
「訓練に疲れたせいで皆、任務の重要性を見失いかけている。しかも無理にNASAに連れてこられて、精神的にも限界だ」
「地球での最後の夜になるかもしれないから、出発まで10時間休息を与え、皆に家族の顔を見させてやってくれ」
計画実行の前日。10時間自由の時間を得たチックたちは、思い思いの時間を過ごしました。チックは別居中の妻子の元を訪れ、妻にこう言いました。
「今までの全てのことを君に謝りたかった。これから君が誇れるような仕事をしてくる」
「誰からとは言わなくていいから、あの子にこれ(スペースシャトルのおもちゃ)を渡しておいてくれ」
その日の夜。NASAは東アジアに隕石が接近していることを観測。その11分後に、隕石は中国・上海に落下し壊滅的打撃を与えました。
これにより、アメリカが機密情報扱いとして秘匿していた小惑星のことと、小惑星を破壊する計画が世界中の人に知れ渡ってしまいました。
計画実行日、フロリダ州にあるケネディ宇宙センター。スペースシャトルの打ち上げ12時間前、ハリーはグレースとある約束をしました。
「(母親が出て行って以降、石油採掘場で屈強な男たちに育てられたことで、ハリーに反抗していたことを)謝りたいの」
「謝ることなど何もない。お前をあちこちの石油採掘現場に連れて行ったりして、俺は酷い父親だった」
「私は楽しかったわ。ママのこともハリーのせいではない、私たち2人のせいよ」
「愛しているわ。必ず戻ると約束して」「ああ、約束する」「もう1つお願い、彼を連れて戻ってきてね」
映画『アルマゲドン』の感想と評価
凄腕の石油掘削員たちが、まさか滅亡の危機に瀕した人類を守るために小惑星を掘削しに宇宙へ飛ぶとは、誰も予想できない展開と設定でした。
ハリーも当初、トルーマンから協力を依頼された時は「嘘だろう!」と驚いていましたが、正義感が強い彼はその場で協力することを決めました。
それからというもの、ハリーとNASAからの召集で集まったチックたちは、「ハリーが言うなら」と皆危険を承知の上で、彼と共に宇宙へ行くことを決めます。
怖くて誰か1人辞退してもいいぐらい危険な任務であるはずなのに、チックたちがそれを言うところを見ると、ハリーがどれだけ仲間に慕われているか、そのカリスマ性と統率力の高さを感じられます。
それに何より、任務中にマックスが死んだ時、インディペンデンス号が墜落した時、ハリーは誰よりも悲しんでいました。A.J.が燃料区画に取り残されてしまった時も、彼が1人小惑星に残ることになった時も、ハリーは彼を救おうと必死でした。
そんなハリーの姿を観ていると、彼も自分を慕ってくれている仲間のことをとても大切に想っていることが分かって、彼らの絆の強さに感動します。
互いに信頼し合い助け合うハリーたちが全員、無事に帰還して欲しいと思うほど彼らに魅了されるため、作中でマックスたちが死んでしまったことや、最後ハリーが起爆スイッチを押した場面は悲しすぎて涙が止まりません。
まとめ
石油掘削の達人とその仲間たち、優秀な宇宙飛行士と核爆弾の取り扱いを担当する乗組員14人の男が、滅亡の危機に瀕した人類を救うために宇宙へ飛び立つアメリカのSFアクション作品でした。
大統領の命令に従い、「小惑星の地表で核爆弾をリモート爆破させる」という現場にいる人間の命を蔑ろにした第2案を遂行しようとするシャープ大佐たちアメリカ空軍。
一見協力関係にあると思われたシャープ大佐たちの思わぬ行動に、ハリーたち同様、観ている人も作中で一番驚かされたことでしょう。
緊迫した空気が流れた両者の対立とは打って変わり、グレースとA.J.の愛と2人が戯れている姿はとても微笑ましいです。
エンドロールでは、グレースとA.J.の結婚式に、出席したベアーたちの隣に、この任務で殉職したハリーたちの写真が飾られていました。
そしてハリーの分まで、ベアーたちがグレースたちの結婚を目一杯祝福している姿と、それを笑顔で受け取る2人の姿が描かれていました。
石油掘削員が小惑星を掘削する危険なミッションと、ミッションを通して絆を紡ぐ男たちの姿に感動させられるSFアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。