全編即興芝居で綴られた青春映画の傑作がついに公開。
MOOSIC LAB2018長編部門にて女優賞(南沙良)とベストミュージシャン賞(西山小雨)を受賞した、大崎章監督の映画『無限ファンデーション』が2019年8月24日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開が決定致しました。
第37回ヨコハマ映画祭4冠に輝いた『お盆の弟』(2015)の大崎章監督が、シンガーソングライター・西山小雨の楽曲『未来へ』を原案に、未来へ向かう10代の少女たちの即興芝居で紡いだ本作。
主人公・未来を堂々と演じきったのは、ブルーリボン賞ほか新人賞を続々と受賞している女優・南沙良。共演の原菜乃華、小野花梨など、10代の実力派女優たちによる瑞々しくも緊張感あふれるアンサンブルと、それらを優しく包み込むまっすぐな西山小雨の音楽、そしてベテラン・猪本雅三、伊藤裕規による撮影と録音が、少女たちのかけがえのない一夏を見事に切り取りました。
本作のポスタービジュアルと、西山小雨の楽曲『未来へ』のミュージックビデオの制作プロジェクトが発表されましたのでご紹介します。
CONTENTS
映画『無限ファンデーション』のポスタービジュアル
今回解禁された、世界で一番熱くて尊い青春映画『無限ファンデーション』のポスタービジュアル。
カラフルなゴミの山の前に佇み、こちらを見つめる南沙良がとても印象的です。
尚、ポスタースチールは『少女邂逅』(2017)の枝優花監督が担当しており、枝優花監督による本スチール以外も後日発表される予定とのこと。
『未来へ』ミュージックビデオ制作プロジェクトについて
さらに本作の制作のきっかけにもなった、原案とも言える西山小雨の楽曲『未来へ』ミュージックビデオの制作に向けたクラウドファンディングが始動。
そもそも西山小雨より同曲のミュージックビデオを作りたいという話を受けた大崎章監督が、松本花奈監督(『21世紀の女の子』『脱脱脱脱17』)にプロットを書いてもらい、映画化の話を音楽×映画のコラボ映画祭「MOOSIC LAB(ムージック・ラボ)」に企画を持ち込んだのが映画制作のきっかけでした。
そのプロットとは別で映画化が進み、ミュージックビデオ自体は未完成だったため、公開を記念し制作が決まったんです。
目標金額は1,000,000円。
集まった資金はミュージックビデオの制作費などに使われ、完成した作品は8月10日に行われる、西山小雨の単独ライブでお披露目となる予定だそう。
詳細につきましては『無限ファンデーション』クラウドファンディングページをご覧ください。
主演・南沙良のコメント
本日ニコラを卒業しました🎉
たくさんの愛を分けてくださった皆さまに心から感謝申し上げます。愛を込めて。
さら pic.twitter.com/yeiGwY5ZFj— 南沙良 (@lespros_sara) March 28, 2019
いま一番活躍が期待される若手女優、南沙良。
初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018/湯浅弘章監督)で第61回ブルーリボン賞新人賞を受賞したほか、第43回報知映画賞新人賞、第33回高崎映画祭最優秀新人女優賞(共にW主演のひとりとして)を受賞しています。
そんな南沙良は、本作の劇場公開について、そして楽曲『未来へ』ミュージックビデオの制作によせてこう述べました。
台本がない中で作られた「無限ファンデーション」の物語を、これからご覧になられる方がどんな想いで受け取ってくださるのか、今からとても楽しみです。この映画で、あなただけの感情や言葉と出会えますように。
そして「未来」へ は私にとっておまじないのような音楽です。 夢を持つことはきっととても素敵なことだけど、時に呪いと変化してしまうことだってあるかもしれない。 その一瞬一瞬の変化を肯定して、自分に繋がっている鎖を解いてくれるこの自由な音楽が、music videoでどんな風に表現されるのか楽しみです。 あの宇宙的な声で、激しさと癒しが交差する「今」を限りなくストレートに語り綴る小雨さんが大好きです。 撮影後も仲良くさせて頂いているのですが、飾らず、とてもとても可愛いらしくて、愛おしくなってしまうほど魅力的な女性です。
台本が無く、即興で作られた本作。演じた南沙良にとって、特別な作品だった事が伝わってきます。
また、西山小雨への信頼と尊敬が感じられ、これはぜひとも南沙良主演でミュージックビデオを制作して欲しいですね。
出演・音楽・西山小雨のコメント
貴景勝関と、西山小雨#前ヶ崎の城ふれあい祭 #西山小雨 #無限ファンデーション pic.twitter.com/dsRa09YPXQ
— 大崎章_無限ファンデーション(MOOSIC LAB 2018) (@boosakira) May 3, 2019
本作で音楽を担当し、出演もしている個性派シンガーソングライターの西山小雨。
以前は人気インディーズバンド“雨先案内人”のキーボーディストとして活動していましたが、「自身の想いを自身の声で伝える人の歌が一番心に刺さる」んではないかという思いから、バンドを脱退し、2014年より西山小雨としてのソロ活動を開始しました。
西山小雨は楽曲『未来へ』に込めた思いと、それが映画となって公開される喜びをこう綴ります。
『未来へ』は、とはいえ右も左も分からず不安しかなかった当時の私が自分自身を鼓舞する為に綴った応援歌であり、ソロ活動で一番最初に書いた「はじまりの歌」でもあります。 そんな大切な歌が今回、大崎章監督によって『無限ファンデーション』という映画となりMOOSIC LAB2018で公開され、新たな出会いや、新しい歌の種や、それを目に耳にした沢山の人たちの想いを届けてくれました。はじめは自分に向けて歌っていた小さな歌が、いつのまにかそれを聴いた誰かの歌になっているという実感がそこにはあり、2019年8月の全国公開で、この映画が更に多くの方の元に届くのが今から楽しみです。 5年前の私に『思い描いた未来は、叶い続けているよ』と教えてあげたい気持ちです。
不安を抱えた自身の為に作った初めての曲が映画になり、多くの人に届くだなんて、信じられないくらい素敵な出来事ですね。
5年前に西山小雨がまいた種が大きく花開く瞬間を見届けましょう。
参考映像:西山小雨セカンドCD『連れてけるのはひとつだけ』
監督・大崎章のコメント
平成最後の撮影。麺類のような鉄資源。 pic.twitter.com/xkvBRnat0w
— 大崎章_無限ファンデーション(MOOSIC LAB 2018) (@boosakira) April 26, 2019
『ソナチネ』(1993/北野武監督)『2/デュオ』(1997/諏訪敦彦監督)などで助監督、『リンダ リンダ リンダ』(2005/山下敦弘監督)では監督補を務め、『キャッチボール屋』(2006)で監督デビューを果たした大崎章。
監督作の『キャッチボール屋』は第16回日本映画批評家大賞新人監督賞受賞、渋川清彦と光石研を主演に迎えた『お盆の弟』(2015)はヨコハマ映画祭で4冠に輝きました。
そんな大崎章監督が、本作を製作した経緯について以下のように語ります。
全てはシンガーソングライターの西山小雨の「未来へ」という曲のミュージックビデオを創りたいという想いから始まりました。 当初のミュージックビデオの企画、脚本から色々な道をへて、新たに全編即興(インプロビゼーション)の長編映画作品として「無限ファンデーション」が生まれました。 台本は粗筋しか無く、その場面、その沈黙、その瞬間に発せられたありのままの言葉、言いたくてもなかなか言葉に出来ない苦しさ、表情、空気、光、影、はまさにリアルで、それぞれの違った輝きを秘めた宝石であり原石である未来の日本映画界を担う若い俳優達を中心にそれを捉えるスタッフ全員で一丸となって完成させました。 俳優達の持つ個性の輝きを見て下さい。そして感じて下さい。世代や男女を問わず多くの人達に観て欲しい映画ですが、特に夢がある人、夢を追う人、これから何かをはじめる人、今までの自分をリセットしたい人への想いを込めた作品です。
西山小雨の楽曲があってこそ、映画製作に至ったと語る監督。
楽曲『未来へ』が、西山自身を鼓舞し、大崎章監督の心を動かし、そして観客にまで大きく波打って広がっていくさまが伝わってきます。
これは何としても、原点である『未来へ』のミュージックビデオを制作していただき、歌と映画の持つ、無限の力を感じたいものです。
映画『無限ファンデーション』の作品情報
【日本公開】
2019年(日本映画)
【監督】
大崎章
【音楽・主題歌】
西山小雨
【キャスト】
南沙良、西山小雨、原菜乃華、小野花梨、近藤笑菜、日高七海、池田朱那、佐藤蓮、嶺豪一、片岡礼子
【作品概要】
第37回ヨコハマ映画祭4冠に輝いた『お盆の弟』(2015)の大崎章監督が、シンガーソングライター・西山小雨の楽曲『未来へ』を原案に、未来へ向かう10代の少女たちの即興芝居で紡ぎました。
主人公・未来を堂々と演じきったのは、ブルーリボン賞ほか新人賞を続々と受賞している『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018)『もみの家』(2020)の南沙良。
共演は原菜乃華、小野花梨など、10代の実力派女優たちによるアンサンブルが瑞々しく光ります。
猪本雅三、伊藤裕規による撮影と録音が少女たちのかけがえのない一夏を見事に切り取りました。
映画『無限ファンデーション』のあらすじ
人付き合いが苦手な女子高生・未来は、服飾デザイナーになる夢を胸に秘め、誰にも打ち明けることなく退屈な日々を過ごしていました。
ある日の帰り道、リサイクル施設から聴こえる澄んだ歌声に導かれ、ウクレレを弾きながら歌う不思議な少女・小雨と出会います。
さらには未来が描いた洋服のデザイン画を目にした演劇部のナノカたちに誘われ、舞台の衣装スタッフとして入部することになる未来。
戸惑いつつも小雨やナノカたちに心を開いていく未来でしたが、彼女たちの一夏はやがて思いがけない方向へと走り出していき…。
まとめ
無限ファンデーションが全編即興と言っても構成台本(19ページ)がちゃんとあるしカット割りも想定して撮影しました。台詞はお任せ。キャラ設定や背景もイン前のリハで構成台本にない場面を想定して各々が確認。スタッフ側がコントロールしたくないので現場ではテスト無し本番。役者達を信頼した。 pic.twitter.com/dUWEw7LyES
— 猪本雅三 (@gazott) November 25, 2018
MOOSIC LAB2018長編部門にて女優賞(南沙良)とベストミュージシャン賞(西山小雨)を受賞した、大崎章監督作『無限ファンデーション』。
即興映画ですが、構成台本をもとにつくられた、きちんと計算された上での即興芝居だったそう。
しかし、セリフは俳優にまかされていたとのことで、監督やスタッフが、俳優に信頼を置いていたことが窺えます。
10代の実力派女優たちによる瑞々しくも緊張感あふれるアンサンブルと、それらを優しく包み込むまっすぐな西山小雨の音楽が、少女たちのかけがえのない一夏を見事に切り取りました。
映画『無限ファンデーション』は2019年8月24日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開です。