メ~テレほかで放送されて大反響を呼んだドラマが再編集され劇場公開。
この度、『淵に立つ』『よこがお』の深田晃司監督が初めてコミック原作の映像化に挑んだドラマ『本気のしるし』(星里もちる/小学館、英題:The Real Thing)が第73回カンヌ国際映画祭の「Official Selection 2020(オフィシャルセレクション 2020)」作品に選ばれました。
コミック原作ものであり、地方局のテレビドラマを再編集した映画であるという点では、異色の選出です。
これは深田晃司監督のテレビドラマの枠から逸脱する演出力の高さを、カンヌ国際映画祭が認めた形になります。日本の映画史にとっても、まったく新たな地平を見せてくれたエポックメイキングな作品と言えるでしょう。
この快挙に、映画館での公開に向けてドラマを再編集した映画『本気のしるし≪劇場版≫』が2020年10月9日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国で順次公開されることも発表されました。
また、選出のニュースを受け、キャストの森崎ウィン、土村芳、そして深田晃司監督より喜びのコメントが届きましたのでご紹介します。
CONTENTS
映画『本気のしるし≪劇場版≫』について
参考動画:ドラマ『本気のしるし』
本作は、ラブコメ作品で知られる漫画家の星里もちるが描いた異色作を原作とし、平坦な日常を過ごしていた男が危うさと儚さに生きる女性と出会ったことで破滅と狂いへと足を踏み入れてゆくサスペンス恋愛ドラマです。
監督を務めたのは、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で準グランプリに相当する審査員賞を受賞した深田晃司。初の原作もの作品にして、初の連続ドラマ作品です。
深田晃司監督は、新型コロナウイルスの感染拡大により多くのミニシアターが閉館の危機に晒されている中、「ミニシアター・エイド基金」を濱口竜介
監督とともに立ち上げ、社会活動も積極的に行いながら、若手監督として日本映画界に貢献しています。
主演にはS・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』でハリウッド・デビューを飾り、映画『蜜蜂と遠雷』では第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞した注目の若手俳優森崎ウィン。
ヒロイン役には『3年A組-今から皆さんは、人質です-』連続テレビ小説『べっぴんさん』での活躍が目覚ましい土村芳。
そして宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉といったくせ者揃いのキャストが脇を固めています。
森崎ウィンのコメント
画像:ドラマ『本気のしるし』限定上映会にて
ドラマとしてスタートしたこの作品が劇場版として、こんな歴史ある映画祭に選ばれたことを誇りに思います。
純粋に嬉しいです!ありがとうございます。これをモチベーションに日々精進して参ります。
森崎ウィンのプロフィール
本作の主人公・辻一路役を演じる森崎ウィンは、1990年8月20日生まれ、ミャンマー出身。
近年の主な出演作は、ハリウッドデビューとなった映画『レディ・プレイヤー1』(2018/スティーブン・スピルバーグ監督)、『クジラの島の忘れもの』(2018/牧野裕二監督)、『母さんがどんなに僕を嫌いでも』(2018/御法川修監督)、声の出演『海獣の子供』(2019/渡辺歩監督)、日本語吹替版『キャッツ』(2020/トム・フーパー監督)など。
『蜂蜜と遠雷』(2019/石川慶監督)では第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞しました。スピルバーグ監督も認めた国際派俳優として今後も期待が高まります。
土村芳のコメント
参考:ヒラタオフィスのインスタグラム
この作品に携わった全ての人の思いがカンヌへ届いた事、素晴らしいチームに、浮世に出会えた事、感謝の気持ちでいっぱいです。
沢山の人達がこの物語と出会ってくれますように、、!
土村芳のプロフィール
本作のヒロイン・葉山浮世役の土村芳(つちむらかほ)は1990年12月11日生まれ、岩手県出身。
大学在学中に映画『弥勒』(2013/林海象監督)で主演。
NHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』で注目を浴び、近年はドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(2019)、『病室で念仏を唱えないでください』(2020)、映画『去年の冬、きみと別れ』(2018/瀧本智行監督)などに出演しています。
深田晃司監督のコメント
画像:ドラマ『本気のしるし』限定上映会にて
ただただ驚いています。共感度0.1%と銘打たれた4時間に及ぶ物語の0.1%がフランスまで届いたのは、俳優・スタッフの尽力、まさに「本気のしるし」に他なりません。これを機に辻くんと浮世さんのグズグズな恋愛が世界中で愛されることを願っています。
星里先生、やりました!
深田晃司監督のプロフィール
本作で監督をつとめた深田晃司は1980年生まれ。1999年、映画美学校に入学し、長・短編3本を自主制作。
2006年、テンペラ画アニメーション『ざくろ屋敷』でパリ第3回KINOTAYO映画祭新人賞受賞。
2008年、映画『東京人間喜劇』でローマ国際映画祭正式招待、大阪シネドライブ大賞受賞。
2010年には『歓待』が東京国際映画祭日本映画「ある視点」作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞。
2013年『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭グランプリ&若い審査員賞をダブル受賞。
2015年『さようなら』でマドリッド国際映画祭ディアス・デ・シネ最優秀作品賞受賞、2016年『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査委員賞受賞。
最新作『よこがお』(2019)はロカルノ国際映画祭コンペティション部門正式招待。
著書に小説著書に小説『淵に立つ』『海を駆ける』『よこがお』があります。特定非営利活動法人独立映画鍋共同代表。
映画『本気のしるし≪劇場版≫』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【原作】
原作:星里もちる「本気のしるし」(小学館ビッグコミックス刊)
【監督】
深田晃司
【脚本】
三谷伸太朗、深田晃司
【音楽】
原夕輝
【キャスト】
森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉
映画『本気のしるし』のあらすじ
その女、出会ったことが事故だった―。
退屈な日常を過ごしていた会社員の辻一路はある夜、踏み切りで立ち往生していた葉山浮世の命を救います。
そこから、不思議な雰囲気の女性・浮世と辻の泥沼の関係が始まりました。
辻は分別のない行動をとる浮世を放っておけず、浮世を追ってさらなる深みに嵌っていき、破滅への道を歩みだし…。
まとめ
画像:ドラマ『本気のしるし』限定上映会にて
深田晃司監督が初めてコミック原作の映像化に挑んだドラマ『本気のしるし』(英題:The Real Thing)が第73回カンヌ国際映画祭の「Official Selection 2020(オフィシャルセレクション2020)」選出。
ローカル放送のドラマの再編集版であり、コミック原作がカンヌに選ばれることは、異例中の異例ともいえます。
この快挙に、急遽、映画館での公開を進めているとのこと。
ドラマを再編集した映画『本気のしるし≪劇場版≫』は2020年10月9日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国で順次公開予定です。