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Entry 2019/10/07
Update

森崎ウィン×深田晃司ドラマ『本気のしるし』第1〜3話の限定上映会。ストーリーをテレビ放送前に語り合うトークイベント開催

  • Writer :
  • 河合のび

メ〜テレドラマ『本気のしるし』は2019年10月14日(月)より、東海三県・テレビ神奈川にて深夜0時54分から放送開始!

『淵に立つ』『よこがお』など、国内外で高い評価を得ている映画監督・深田晃司。そして2019年10月14日より、深田晃司監督初の“原作もの”にして初の“連続ドラマ”作品が放送されます。

それが、土村芳×森崎ウィンによるサスペンス恋愛ドラマ『本気のしるし』です。


(C)Cinemarche

そしてその放送に先立ち、10月5日・KADOKAWA神楽座にてドラマ『本気のしるし』1〜3話の限定上映会、そして森崎ウィンさんと深田晃司監督によるゲストトークショーが行われました。

本記事ではゲスト二人によるトークショーの内容を中心に、今回のイベントの模様をお届けいたします。

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ドラマ『本気のしるし』限定上映会&森崎ウィン×深田晃司トークショー・リポート

本作の監督を務めた深田晃司監督


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ついに実現した「深田晃司・初の連続ドラマ/原作もの」

ほぼ満席となった会場に、本作にて辻一路(つじ・かずみち)役を務めた人気俳優・森崎ウィンと本作の監督を務めた深田晃司監督が登壇。

ドラマ制作のクラウドファンディングに参加された方のみを対象としたイベントだったこともあり、ゲストお二人は客席に向けて、イベントに足を運んでくださったことはもちろん、無事作品が放送にまで至ることができたことへの感謝の言葉を述べました。

深田監督は本作の制作状況について、全10話の映像編集を終えたものの、今後も「仕上げ」の作業が控えていることを告白。集中すれば約2時間ほどで終えられる映画の編集作業に対し、かなりの時間を要するドラマ作品の編集作業に「初のドラマ作品制作」を実感できたと明かしました。

また原作である漫画家の星里もちるが描いた同名コミックについても、10代の頃に作者の別のコミック作品を読んだ時にその物語の転がし方に驚き、「面白い」と感じたとのこと。

その後読んだコミック『本気のしるし』に関しても、それまでのラブコメ作品とのギャップに「先生に何があったんだ」と衝撃を受けつつ、物語の転がし方や読者の掴み方、そしてキャラクターたちの魅力をありありと感じとったそうです。

さらにコミック『本気のしるし』を初めて読んだ映画美学校時代の時点で、「この作品は映画よりもドラマ向き」と確信していたことを告白。その瞬間からドラマ制作企画が始動するまでの期間を考えると、およそ15・16年を経てドラマ化が実現したと喜びをあらわにしました。

俳優・森崎ウィンの「新境地」へ

主人公の辻一路(つじ・かずみち)を演じた森崎ウィン


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本作では「生きることに真剣になれず、退屈を感じながらも職場の女性二人と二股を続けている」というまさに「クズ男」を演じることとなった森崎。

以前に鑑賞した映画『淵に立つ』での俳優・太賀の名演に衝撃を受け、「同作を監督した深田監督の演出を受けてみたい」という強い思いから本作へのオーディションに参加。

そして念願叶ってのオーディション合格および本作への起用に対し、「自身の芝居をみた上で決めていただけてうれしかった」とコメントしました。

深田監督も俳優・森崎ウィンの魅力について、「純粋に演技がうまかった」と指摘。また「ドラマ劇中における三つの場面を実演する」という方法で実施されたオーディションでも、三つの場面ごとでの“感情の時間経過”を違和感なく演じ切っていた点、共演者とのコミュニケーションを重視した演技作りをしていた点が起用の決め手になったと語りました。

その一方で森崎は、それまでの自身のイメージとのギャップが大き過ぎる一路というキャラクターに、出演するべきか否かを悩んだ時もあったと告白。起用が決定されてからも、本作で共演した女優陣にまでファンの反応を心配されていたと明かしました。

最終的には「自身の芝居次第」という結論に至り、「役者としての森崎ウィンが成長していくため」にも本作へのオーディション参加および出演を決断したという森崎。

そんな言葉に対し、深田監督は「SNS上では『本作を観たいけど、観るのがこわい』という森崎ファンの声も見かけたことに触れつつも、その決断に感謝の意を示しました。

深田監督の「ガッツポーズ」のために


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トーク内容がやがて実際の撮影現場の様子へと移る中、森崎はクランクイン前の心境について「どんな言葉によって演出されるのか?」と深田監督の現場に入ることへ緊張していたとコメント。

ところが実際に撮影をともにした深田監督はスイーツが大好きな甘党でノリも良く、その意外性を感じつつも改めて「深田晃司監督の人間力に惚れ直した」と明かしました。

そして現場全体の雰囲気に関しても、非常に楽しく、撮影が終わるのに寂しささえ感じた現場だったと森崎は言及。深田監督も森崎の言葉に同意し、「業界基準では穏やかな現場」で知られる深田組の現場の中でも、ドラマ『本気のしるし』のどんどん陰惨さが増してゆく物語展開に反して、特に穏やかな現場だったとコメントしました。

森崎はさらに、撮影中の深田監督の様子を言及。「人間のドロドロとした部分」が強く映し出された芝居をカメラのモニター越しに見ると、深田監督は「ふふ」と笑うこと、時にはガッツポーズまでして喜びをあらわにすることを明かしました。

また素晴らしい芝居をカメラに捉えることに喜ぶことを隠さない深田監督の姿に対し、キャスト陣の中では「監督にガッツポーズさせたい」という共通認識のもと撮影に臨んでいたことを、トークショーを通じて深田監督に伝えました。

そしてクランクイン前日の思い出として、ロバート・アルトマンの映画『ロング・グッドバイ』(1974)を深田監督と本作の撮影監督と自身を含む3人で鑑賞したとコメント。

深田監督は『ロング・グッドバイ』を鑑賞した理由について、同作におけるズームを多用した映像演出をドラマ『本気のしるし』にも採用しようと考え、撮影監督との情報共有のために鑑賞したと告白。また「男主人公マフィア(ヤクザ)の事務所に単身乗り込む場面がある」という本作と『ロング・グッドバイ』の意外な共通点についても触れました。

ドラマ1〜3話未公開映像&メイキング映像の上映


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そしてトークショー内では、今回のイベントで上映された1〜3話の未公開シーン&メイキング映像も上映。イベントでしか観られない貴重な映像に加え、深田監督と森崎による「生」オーディオコメンタリーという豪華過ぎるコーナー企画となりました。

1話劇中における踏み切りの場面でのメイキング映像では、「線路上での撮影許可は中々下りない」という事情から、踏み切り「付近」で撮影した映像と埼玉県・SKIPシティで撮影した映像を合成して作り上げられていたことが判明。その意外な撮影方法に観客は思わず驚きを隠せませんでした。

また踏み切りでの事故後、土村芳演じるヒロイン・葉山浮世と一路が雨中で警察官の事情聴取を受ける場面についても深田監督は言及。映像内の雨は実は予期せぬもので、その場面に登場する傘についても仕方なく持たせたものであると明かしました。

しかし森崎は、偶然ながらも一つの傘を登場させたことで、より浮世と一路の関係性を深く描くことができたとコメント。深田監督の現場におけるアドリブ的な演出力を感じとったと語りました。

次に紹介されたのは、一路の自宅アパート内での場面。二股相手の一人であり会社の先輩OL・細川を演じる石橋けいとの芝居の中、音声が使われないことから森崎が「遊び」のアドリブ台詞を多く発していたことがメイキング映像によって明かされ、客席は笑いに包まれました。

森崎のアドリブ台詞を笑うことなく受け切った石橋の演技力の高さに触れつつも、やがて「生」オーディオコメンタリーは一路が自室で飼育しているザリガニの話題へ。


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深田監督はザリガニの名前が「マーロウ」であり、先ほど登場した映画『ロング・グッドバイ』の主人公にして私立探偵「フィリップ・マーロウ」から由来していることを告白。スタッフ・キャスト陣が可愛がっていたものの、撮影期間中に子どもから大人へと成長してしまい、ドラマの映像をよく観察すると実はマーロウの大きさが場面ごとにバラつきがあると、ドラマ『本気のしるし』の小さな見どころを語りました。

そして最後に紹介されたのは、3話劇中の浮世と一路がファミレスで会話を交わす場面。長回しでの撮影に加え、土村は炭酸入りの飲料(劇中では「ビール」として描かれている)を飲んでから長台詞をこなさなくてはならないことから、幾度かNGも連発。しかしNGに対してもキャスト・スタッフ全員が笑みをこぼすなど、トークショーゲスト二人が語った「穏やかな現場」が垣間見えるメイキング映像でした。

ドラマ『本気のしるし』の作品情報

【放送日時】
2019年10月14日、毎週月曜・深夜0時54分〜1時26分

【放送地域】
東海三県(愛知県・岐阜県・三重県)、テレビ神奈川

【監督】
深田晃司

【脚本】
三谷伸太朗

【キャスト】
森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉

【作品概要】
『さようなら』『淵に立つ』『よこがお』で知られる深田晃司監督初の原作もの作品にして、初の連続ドラマ作品。

ラブコメ作品で知られる漫画家の星里もちるが描いた異色作を原作とし、平坦な日常を過ごしていた男が危うさと儚さに生きる女性と出会ったことで破滅と狂いへと足を踏み入れてゆくサスペンス恋愛ドラマです。

主人公の辻一路(つじ・かずみち)を演じるのは、日本の人気ダンス&ボーカルユニット「PRIZMAX」メンバーにして、近年ではその類い稀なる演技力とルックスから俳優としての活躍が目覚ましい森崎ウィン。

そして一路をはじめ周囲の人々を振り回す気質を持つヒロインの葉山浮世を演じるのは、舞台・ドラマを中心に女優活動を続け、森崎と同じくオーディションによって抜擢された女優の土村芳(つちむら・かほ)。

さらにその共演者には、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉など、若手・ベテラン交える実力派キャスト陣が集いました。

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ドラマ『本気のしるし』のあらすじ

中小企業に勤める辻一路は、仕事は無難にこなしつつも、どこか真剣になれず退屈な日常を過ごしていました。そして彼は、同じ会社の先輩・後輩OL二人と深い関係にありました。

ある日の晩、一路は奇妙な雰囲気をまとう女性・葉山浮世の運転するレンタカーが踏切で立ち往生した挙句、他の車両にぶつかってしまう現場に出くわす。

危うく事故死するところだった浮世を助けたものの、彼女とともに駆けつけた警察官の聴取を受ける一路。その最中、浮世は「車を運転していたのは辻だ」と言い出します。

浮世自身が「嘘」と撤回したことでその場は解決しましたが、二人の“関わり”は決して終わってなどいませんでした。

その後、街で浮世と偶然再会した一路は、浮世がやばいスジから借金をしていることを知ります。“関わりたくない”という思いとは裏腹に、分別のない、デタラメな行動によって周囲を振り回し続ける彼女を放っておけない一路は、浮世を追ってさらなる深みにはまってゆき、破滅への道を歩み始めます…。

まとめ

イベント会場前には、ゲスト二人の直筆サイン入りポスターが。


(C)Cinemarche

無事大盛況の中で幕を閉じた今回のドラマ『本気のしるし』限定上映イベント。上映されたのは全10話中の1〜3話までだったものの、その怒涛の物語展開に観客は圧倒されてしまいました。

脚本を読んだ森崎、そして自ら監督し編集も行なっている深田監督自身ですらびっくりしているという展開の速さ。しかしトークショーゲスト二人はその速さすらまだ「序の口」であり、これからさらに物語の展開は加速してゆくと明かしました。

またテレビの地上波放送は東海三県(愛知県・岐阜県・三重県)とテレビ神奈川のみであるものの、テレビ番組等の動画配信サービス「TVer」や「GYAO!」での本作の見逃し配信も決定済みとのこと。「本作を観たいものの、自分が暮らす地域では放送されない」と悩んでいる方でも、本作を観られるチャンスは十分にあります。

果たして、一路と浮世の物語は今後どのような展開を迎えるのか。破滅の道を進んでゆく二人は最後にはどこに行き着くのか。その結末は、ご自身の目でお確かめください。

メ〜テレドラマ『本気のしるし』は2019年10月14日(月)より、東海三県・テレビ神奈川にて深夜0時54分から放送開始!

ドラマ『本気のしるし』公式ページはコチラから→







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