元彫師の郵便屋と恋多き詩人の愛と暴力。
連合赤軍事件を題材にした『レッド Red』で第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した山本直樹の短編漫画『ファンシー』が実写映画化されます。
主演の彫師役に永瀬正敏、彫師の友人役に窪田正孝、そしてヒロインには三池崇史監督作品『初恋』(2020)でも窪田正孝と共演している新人の小西桜子という、見逃せないキャストが揃いました。
映画『ファンシー』は2020年2月7日(金)よりテアトル新宿ほかにてロードショーと決定し、特報予告映像も発表されましたのでご紹介します。
映画『ファンシー』について
映画『ファンシー』は、彫師の郵便配達員と詩人が詩人のファンの初心な女性を巡って奇妙な三角関係が巻き起こる愛と暴力の作品です。
山本直樹の短編漫画集『学校』(1998・文藝春秋)の中の一編『ファンシー』を原作にしています。
主演の彫師役の鷹巣明(たかすあきら)をジム・ジャームッシュ監督の作品などで世界的に活躍する映画俳優の永瀬正敏がほぼ全編にわたりサングラスをかけ、感情を消し去りながらも凶暴な男を演じきりました。
また共演の窪田正孝が永瀬演じる鷹巣の唯一の友人役で、鷹巣との友情を言葉や態度に表さない寡黙な人気ポエム作家のペンギンを演じています。
さらにヒロインには、三池崇史監督作品『初恋』でも窪田正孝と共演している新人の小西桜子が本作でデビューを果たしました。
また、鷹巣が務める郵便局の局長役に田口トモロヲ、鷹巣の父親役で宇崎竜童が共演し、物語に深みを与えています。
監督は、本作がデビュー作となる廣田正興。これまで、古厩智之、市川準監督の助監督や大根仁、三池崇史作品などのメイキングディレクターを担当。
永瀬正敏主演のテレビ版『私立探偵濱マイク』(2002)に参加しており、15年以上前の約束に永瀬が応えて本作の映画化が実現しました。
映画『ファンシー』の特報予告映像
解禁された1分間の特報予告映像は、タイトルが浮かび上がる中、「だってお前じゃあ、どうしようもねえじゃねえか」という永瀬正敏演じる彫師のセリフから始まります。
その後、永瀬正敏、窪田正孝、小西桜子の3人の主要キャストの紹介が。
小西桜子の大胆な濡れ場や、暴力描写、体に墨を入れていく場面など、エロスとタナトスが絡み合う濃厚な世界が垣間見える映像となりました。
映画『ファンシー』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【原作】
山本直樹『学校』より
【監督】
廣田正興
【キャスト】
永瀬正敏、窪田正孝、小西桜子、深水元基、長谷川朝晴、坂田聡、今奈良孝行、飯島大介、吉岡睦雄、澤真希、阿部英貴、ガンビーノ小林、つぼみ、尚玄、川口貴弘、榊英雄、佐藤江梨子、外波山文明、宇崎竜童、田口トモロヲ
映画『ファンシー』のあらすじ
寂れた温泉街。彫師で郵便屋の鷹巣とペンギンと呼ばれる恋多き詩人がいつものようにたわいのない会話をしています。
そんななんでもない一日を過ごしていた頃、月夜の星という名の女が詩人の世界に盲目的に酔いしれ、ペンギン宛てにファンレターを出し続け、ついには二人の前に姿を現しました。
“郵便屋”と“ペンギン”、そして間に割って入った“月夜の星”。孤独な3人の奇妙な三角関係が動き出します。
そして彼らは街で起きたヤクザ同士の抗争と会いまみれ、バイオレンスな事件とエロティシズムな世界が交錯し、それぞれの現実からの逃避が始まるのでした…。
まとめ
山本直樹の短編漫画『ファンシー』を原作として、廣田正興監督がデビュー作で描く世界観に惹きつけられる予告編となりました。
原作は40ページほどで、登場人物は“郵便屋”“ペンギン”“月夜の星”のみ。どのように膨らませて魅せてくれるのか楽しみですね。
また、原作では本当にペンギンの詩人“ペンギン”役を窪田正孝がどう演じて魅せてくれるのか、興味が尽きません。
映画『ファンシー』は2020年2月7日(金)よりテアトル新宿ほかにてロードショーです。