映画評論家、柳下毅一郎も激押し!
映画史にその名を刻んだ怪作、珍作、迷作、凡作、奇作がスクリーンに蘇ります。
「奇想天外映画祭 Bizarre Film Festival~Freak and Geek アンダーグラウンドコレクション2019~」(以下『奇想天外映画祭』)が、2019年6月8日(土)から21日(金)まで新宿 K’s cinemaにて開催。
また、本映画祭の推薦人である、映画評論家の柳下毅一郎氏からコメントも届きました。
本記事では映画祭の詳細と上映作品についてご紹介していきます。
CONTENTS
『奇想天外映画祭』について
本映画祭には、インターネット全盛の現在でも配信やソフト化も殆どされることのないヤバイ作品ばかりが集結。
本物の見世物芸人が多数登場した衝撃の問題作、トッド・ブラウニング監督『フリークス』。
ドラッグとアルコール中毒でサナトリウムに入院し、狂乱と死すれすれの状態を彷徨っていた自らの体験を目眩く現れるシュールな映像で再現した奇作、コンラッド・ルークス監督『チャパクア』。
見世物小屋に生きる人間模様を描いた群像ドラマ『見世物』。
アメリカ映画史上、最低の映画監督と呼ばれたエド・ウッドの、処女作にして女装趣味映画『グレンとグレンダ』、放射線で人間の超人化に挑むSFホラー『怪物の花嫁』、宇宙人が死者を蘇らせて9回目の地球征服を企む最低映画の金字塔『プラン9・フロム・アウタースペース』の3本を一挙上映。
シネマ・ノーヴォの誕生を世界に告げたブラジルの“狂気の映像作家”グラウベル・ローシャの荒々しくも繊細でパワー溢れる映像解体シンフォニー『大地の時代』。
『リアリティのダンス』、『エンドレス・ポエトリー』など今なお旺盛に映画制作を続けるアレハンドロ・ホドロフスキーが、1989年に撮った衝撃の神話的奇作『サンタ・サングレ/聖なる血』。
アメリカ中に突然殺人トマトが現れ人間を襲い始める不朽のカルト映画『アタック・オブ・ザ・キラートマト』。
強制的に身体を切り離されたシャム双生児たちの復讐譚『バスケット・ケース』。
デブの中年女と結婚詐欺師が愛と嫉妬にまみれた冷血な殺人事件を繰り返す実話をリアルに描いた衝撃作『ハネムーン・キラーズ』。
以上11本の上映となります。
映画評論家・柳下毅一郎コメント
映画評論家の柳下毅一郎氏は本映画祭開催にあたり以下のように語っています。
すぐれた演技、巧みなストーリーテリング、美しい映像、心地よい音楽、映画史的意義、完成度、感動……それら映画として求められることすべてに潔く背を向けてでも、追求せずにはいられないことがある。誰もやっていないこと、やりすぎてグロテスクになってしまうこと、誰も見たことがないものをスクリーンに映しだすために、ほかのすべてを犠牲にする。ごくまれにそんな映画がある。ただ個人的妄執のみによって、観客など無視して、個人的名声さえも求めず、ただやりたいようにやった結果生まれてしまう映画。そんな映画だけが本当の意味で人を驚かすことができる。そんな映画との出会いこそが、あなたの一生を変えてくれるかもしれない。
誰かに向けた作品では無く、監督自身の映画への欲望を純粋に追い求めた奇想天外な映画たち。
自己満足を超え、神聖な領域に踏み込んだ作品に、騙されたと思って挑戦してみて下さい。
『奇想天外映画祭』開催概要
開催日時
2019年6月8日(土)~6月21日(金)
開催場所
新宿K’s cinema
・JR新宿駅 東南口 徒歩3分/東口 徒歩5分
・東京メトロ丸の内線 新宿三丁目駅 A5出口 徒歩2分
・東京メトロ副都心線 新宿三丁目駅 E9出口 徒歩2分
・都営新宿線 新宿三丁目駅 C1出口 徒歩4分
『奇想天外映画祭』上映作品
映画『フリークス』の作品情報
©1932MGM
【製作】
1932年(アメリカ映画)
【監督】
トッド・ブラウニング
【キャスト】
ハリー・アールズ、ウォーレス・フォード、オルガ・バクラノヴァ
【作品概要】
“心の醜い人間こそが怪物だ”。
90年近くの時を経て今なお燦然と輝く“映画史上唯一 無二の存在”ともいえる奇跡の怪作。
映画『チャパクア』の作品情報
【製作】
1966年(アメリカ映画)
【監督】
コンラッド・ルークス
【キャスト】
コンラッド・ルークス、ウイリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグ、ジャン=ルイ・バロー
【作品概要】
「チャパクア」とは“流れる水の源”の意です。
ドラッグとアルコール依存により入院したサナトリウム。
そこで体験した世界を、目の眩むようなシュールな映像で再現したルークスの処女作にして唯一無二のビート・ムービー。
映画『見世物』の作品情報
©1927MGM
【製作】
1927年(アメリカ映画)
【監督】
トッド・ブラウニング
【キャスト】
ジョン・ギルバート、ルネ・アドレー、ライオネル・バリモア
【作品概要】
サーカス小屋出身の監督ブラウニングが見世物小屋に生きる“過去を持つ”さまざな人間たちを描いた群像ドラマ。
5年後の『フリークス』を予感させるシークエンスも登場します。
映画『グレンとグレンダ』の作品情報
©1953 Poly Film
【製作】
1953年(アメリカ映画)
【監督】
エド・ウッド
【キャスト】
ベラ・ルゴシ、ドロレス・フラー
【作品概要】
“とにかく映画大好き”な監督エド・ウッド、29歳の長編デビュー作。
筋金入りの女装マニア、エド・ウッドが手がけた処女作は女装趣味映画。
デヴィッド・リンチ最愛のエド映画として知られています。
映画『怪物の花嫁』の作品情報
©1955 Poly Film
【製作】
1955年(アメリカ映画)
【監督】
エド・ウッド
【キャスト】
ベラ・ルゴシ、トー・ジョンソン、トニー・マッコイ
【作品概要】
放射線で人間の超人化に挑むSFホラーですが、途中製作資金がなくなり完成に1年かかったそう。
クライマックスのベラ・ルゴシとぬいぐるみ巨大タコとの大格闘シーンには絶句させられること請け合い。
映画『プラン9・フロム・アウタースペース』の作品情報
©1959 Poly Film
【製作】
1956年(アメリカ映画)
【監督】
エド・ウッド
【キャスト】
トー・ジョンソン、バンパイラ、ベラ・ルゴシ
【作品概要】
映画を撮る才能が全く無かったエド・ウッド。
そして彼の作品は“中途半端な駄作”ではありません!
宇宙人が死者を蘇らせて9回目の地球征服を企むというこのSF映画は“最低映画の金字塔”の名を刻みました。
映画『大地の時代』の作品情報
© 1980 GRUPO NOVO DE CINENA E TV
【製作】
1980年(ブラジル映画)
【監督】
グラウベル・ローシャ
【キャスト】
マウリシオ・ド・バッレ、ジェス・バラダン
【作品概要】
シネマ・ノーヴォの誕生を世界に告げたブラジルの“狂気の映像作家”グラウベル・ローシャの荒々しくも繊細でパワー溢れる映像解体シンフォニー。
“ブラジルの肖像の脇に置かれた私の肖像画”という言葉を残したローシャ43歳の遺作です。
映画『サンタ・サングレ/聖なる血』の作品情報
© 1982 Medallion Media
【製作】
1989年(イタリア・メキシコ合作映画)
【監督】
アレハンドロ・ホドロフスキー
【キャスト】
アクセル・ホドロフスキー、B・ゲラ、アダン・ホドロフスキー
【作品概要】
“邪悪な悪魔の血でさえも天使の存在を思い浮かべる美しい瞬間がある”
伝説のヘッド・シネマの高僧ホドロフスキーが前作から8年ぶりに作り上げた衝撃の神話的奇作。
ホドロフスキーは“この映画は神の技だ。神が私に作らせた”と語っています。
映画『アタック・オブ・ザ・キラートマト』の作品情報
© 1978 KILLER TOMATO ENTERTAINMENT
【製作】
1978年(アメリカ映画)
【監督・製作・脚本・編集・音楽】
ジョン・デベロ
【キャスト】
デヴィッド・ミラー、ジョージ・ウイルソン
【作品概要】
アメリカ中に突然殺人トマトが現れ人間を襲います。
政府が極秘に開発していた巨大トマトが突然変異を起こして人間襲撃を始め…。
あまりに馬鹿馬鹿しいストーリー展開は公開当時“不朽のZ級映画”と揶揄されましたが、今や伝説を超えたカルト珍作。
映画『バスケット・ケース』の作品情報
© 1981 The Basket Case Co. All rights reserved.
【製作】
1982年(アメリカ映画)
【監督】
フランク・ヘネンロッター
【キャスト】
ケヴィン・ヴァン・ヘンテンリック、テリー・スーザン・スミス
【作品概要】
強制的に身体を切り離されたシャム双生児の兄ベリアルをカゴに入れて持ち運ぶ弟ドウェイン。
彼らは術後ベリエルを生きたままゴミ箱に捨てた医師たちへの復讐を始めますが…。
16ミリで撮られた映像が不気味なリアリティを生み出しています。
後世に語り継がれるホラー迷作です。
映画『ハネムーン・キラーズ』の作品情報
© 1969 ROXANNE CO. ALL RIGHTS RESERVED.
【製作】
1970年(アメリカ映画)
【監督・脚本】
レナード・キャッスル
【キャスト】
シャーリー・ストラー、トニー・ロー・ビアンコ
【作品概要】
デブの中年女ベックと結婚詐欺師フェルナンデスが愛と嫉妬にまみれた冷血な殺人事件を繰り返し、3年間で20人以上の女性を殺したとされる実在の事件をリアルに描き出した衝撃作。
F・トリュフォーが“最も好きなアメリカ映画”だと語ったこの作品はオペラ作曲家レナード・キャッスルが手がけた唯一の映画であり、半世紀を経て、今や“真の怪作”に昇華しました。
まとめ
【公式Twitter】「奇想天外映画祭 Bizarre Film Festival~Freak and Geek アンダーグラウンドコレクション2019~」映画史にその名を刻んだ怪作、珍作、迷作、凡作、奇作がスクリーンに蘇る!新宿K’s cinemaにて6月8日(土)~21日(金)開催! pic.twitter.com/MVuNEXWFux
— 奇想天外映画祭 (@kisotengai2019) 2019年3月27日
怪作、珍作、迷作、凡作、奇作ばかり11本を上映する、「奇想天外映画祭 Bizarre Film Festival~Freak and Geek アンダーグラウンドコレクション2019~」。
いずれの作品も、インターネット全盛の現在でも配信やソフト化も殆どされることのない、“ヤバイ作品”ばかりが集結しました。
本映画祭で新たな映画体験、してみませんか?
「奇想天外映画祭 Bizarre Film Festival~Freak and Geek アンダーグラウンドコレクション2019~」は新宿K’s cinemaにて6月8日(土)から開催!