日本映画長編として初の選出にオダギリ監督「本当に光栄です」!
オダギリジョー長編初監督作品『ある船頭の話』が2019年9月13日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開となります。
このたび本作が、第76回ヴェネチア国際映画祭“ヴェニス・デイズ”部門に正式出品されることが決定致しました。
長編の日本映画としては史上初の快挙です。
正式出品を受け、脚本・監督を手掛けたオダギリジョー、出演の柄本明、川島鈴遥、村上虹郎、永瀬正敏、橋爪功から喜びのコメントが届きましたのでご紹介します。
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ヴェネチア国際映画祭“ヴェニス・デイズ”部門とは?
参考:『ある船頭の話』の公式インスタグラム
2019年8月28日に開幕する第76回ヴェネチア国際映画祭の“ヴェニス・デイズ”部門が発表となり、『ある船頭の話』が選出、正式出品作品(コンペティション)として上映が決定しました。
ヴェネチア国際映画祭はカンヌ国際映画祭・ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつで、世界最古の歴史を持つ映画祭。
なかでも、“ヴェニス・デイズ”部門は革新性や探求心、オリジナリティー、インディペンデント精神などに優れたハイ・クオリテイーな作品を紹介することを目的とした部門で、長編日本映画としては本作が史上初の選出です。
オダギリ監督は『蟲師』(2006/大友克洋監督)、『サッド ヴァケイション』(2007/青山真治監督)で俳優としてヴェネチア国際映画祭に参加していますが、今回は監督として邦画史上初となる“ヴェニス・デイズ”部門選出という快挙を成し遂げました。
オダギリジョーのヴェネチア国際映画祭参加歴
・2006年『蟲師』(大友克洋監督)コンペティション部門 ※本人ヴェネチア参加、『叫』(黒沢清監督)アウト・オブ・コンペティション部門
・2007年『サッド ヴァケイション』(青山真治監督)オリゾンティ部門 ※本人ヴェネチア参加
・2008年『プラスティック・シティ』(ユー・リクウァイ監督)コンペティション部門
柄本明のヴェネチア国際映画祭参加歴
・1995年『幻の光』(是枝裕和監督)コンペティション部門
・2003年『座頭市』(北野武監督)コンペティション部門
・2009年『よなよなペンギン』(りんたろう監督)アウト・オブ・コンペティション部門 ※声の出演
・2013年『許されざる者』(李相日監督)アウト・オブ・コンペティション部門 ※本人ヴェネチア参加
監督・キャストのコメント
第76回ヴェネチア国際映画祭の“ヴェニス・デイズ”部門正式出品を受け、脚本・監督を手掛けたオダギリジョー、出演の柄本明、川島鈴遥、村上虹郎、永瀬正敏、橋爪功から届いた喜びのコメントをご紹介します。
脚本・監督オダギリジョーのコメント
俳優として海外でも精力的に活動してきたオダギリジョー。長年温めてきたオリジナル脚本を、国際的なスタッフ、確かな演技力を持ったキャストで映画化しました。
そんな彼がヴェネチア国際映画祭出品に向けたコメントはこちら。
歴史ある映画祭に選んで貰えるなんて、本当に光栄です。
何より嬉しいのが、作家性を重視する部門である事。しかもイタリアの監督協会から選んで貰えた事。
もうイタリアに移住しちゃおうかな、ぐらいな感じです。
この作品を信じて力を尽くして頂いた全てのスタッフ、キャストの方々に心から感謝申し上げます。
作家性を重視した“ヴェニス・デイズ”部門に出品されたということからも、その脚本・監督としての手腕が認められたということ。
オダギリ監督の喜びと感謝の気持ちが伝わってきますね。
トイチ役・柄本明のコメント
主人公の船頭トイチ役を演じた、日本を代表する名優の柄本明はこう語りました。
光栄です。
オダギリジョー監督に感謝。
俳優・柄本明のイメージ通り、寡黙で言葉少ない中に、オダギリ監督への温かい信頼が見えてくるコメントです。
少女役・川島鈴遥のコメント
川島鈴遥は、とある山村で川岸の小屋に住み黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた船頭トイチ(柄本明)の前に現れる傷ついた少女を演じます。
100人以上の中からオーディションを重ねてヒロインに選ばれた川島鈴遥は、以下のように感謝の気持ちを紡ぎました。
初ヒロイン、そして沢山の方に支えていただきながら撮影したこの作品をヴェネチア国際映画祭という世界の舞台で皆さんに観ていただけること、とても幸せです。
作品を撮り始める前、オダギリ監督から「僕はこの作品に賭けている」というお話をいただきました。
その強い思いを今改めて感じています。
そして、この作品の一員として「ある船頭の話」に参加出来たことに感謝します。
名だたるスタッフ・キャストに囲まれた中で、ヒロインを演じるという重責はとても大きなものだったことでしょう。
それを軽々と飛び越え、魅力を開花させた川島鈴遥にご期待ください。
源三役・村上虹郎のコメント
トイチのもとに遊びに来る村人の源三を演じた村上虹郎。
映画やテレビ、舞台と出演作が目白押しの若手実力派の村上虹郎は、本作の出品を受けてこう語ります。
この上なく幸せなお知らせです。
世界最古の映画祭、胸がキュンキュンします。
監督おめでとうございます。
素直で伸びやかなコメントになごみますね。
作中でも人懐こい笑顔を見せる村上虹郎に、観客は胸がキュンキュンすること請け合いです。
マタギの仁平役・永瀬正敏のコメント
参考:永瀬正敏の公式インスタグラム
柄本明演じる船頭トイチの舟に乗り、向こう岸へ渡ろうとするマタギの親子。
細野晴臣がマタギの親方、永瀬正敏はそのマタギの息子・仁平を演じます。
オダギリ監督の世界が、様々な国の方々に観ていただける機会が拡がる、、、心から嬉しいです。
監督おめでとうございます!!
写真家としても活躍する永瀬正敏と、映画監督として世界に羽ばたくオダギリ監督。
俳優ならではの視点での“もの作り”は観る者を圧倒させます。
医者役・橋爪功のコメント
橋爪功も船の客人である、町医者を演じます。
これら村と町を隔てる山あいの河を往来する客にはトイチの舟に乗り込む理由があり、トイチは彼らを乗せて向こう岸へ舟を渡すんです。
橋爪は出品の知らせを受け、オダギリ監督にこう語りました。
完成した作品を拝見した時、ああこれは簡単にはコメント出来ないな、と思いました。人の営みに向けるあなたのまなざしが気になって、この映画は時間をおいて何度も見たくなるだろうなと思ったのです。今も様々な想いが頭の中に去来しています。オダギリ君、ありがとう。そして海外も含めお客様の反応を心から楽しみにしています。
舞台・映像と、この人を見ない日は無いと言っても過言ではない橋爪功。
数多の作品に出演し経験を重ねてきた橋爪が語る「人の営みに向けるオダギリ監督のまなざし」が一体どういうものなのか。公開まで待ちきれませんね。
映画『ある船頭の話』の作品情報
【日本公開】
2019年(日本映画)
【脚本・監督】
オダギリジョー
【音楽】
ティグラン・ハマシアン
【衣装デザイン】
ワダエミ
【キャスト】
柄本明、川島鈴遥、村上虹郎、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功
【作品概要】
俳優として海外でも精力的に活動してきた俳優のオダギリジョーの長編初監督作品で、超豪華な国際派スタッフが集結。
撮影監督は『ブエノスアイレス』(1997)『恋する惑星』(1994)などで知られるクリストファー・ドイル、衣装デザインには黒澤明監督作『乱』(1985)で米アカデミー賞®を受賞したワダエミ。
そして世界を舞台に活躍するアルメニア出身のジャズ・ピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦しました。
主人公の船頭トイチ役に日本を代表する名優、柄本明。主演としては2008年公開『石内尋常高等小学校 花は散れども』(新藤兼人監督)以来、11年振り。
そして人懐っこい笑顔でトイチのもとに遊びに来る村人・源三役には、映画・テレビ・舞台と出演作が目白押し、映画『銃』(2018)での演技も印象深い、若手実力派・村上虹郎です。
ヒロイン役には『望郷』(2017)の川島鈴遥を抜擢。
映画『ある船頭の話』のあらすじ
近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。
川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていました。
そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。
何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく狂い始め…。
まとめ
ひとりの船頭を通して、「人間の根源」を描いた本作。監督オダギリジョーが一流の才能を集め、比類なき作家性を発揮し、圧倒的な映像美と音楽で描く、極上の物語がここに完成しました。
オダギリ監督はヴェネチア国際映画祭“ヴェニス・デイズ”部門での上映に合わせて現地入りをする予定。
受賞結果は、映画祭最終日にあたる2019年9月7日(現地時間)に発表されます。
日本での公開を目前にした発表。良いニュースが届くと信じています!
映画『ある船頭の話』は2019年9月13日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開です。
一艘の舟。そこから始まる物語にご期待下さい。