ファン代表!
ギャスパー・ノエ監督から異例のメッセージ動画到着。
2020年7月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開される実録スリラー映画『アングスト/不安』。
本作は、『ヘンリー』『セブン』『ハウス・ジャック・ビルト』を抑えて第1位を記録するなど比類なき傑作にも関わらず、あまりにも異常、あまりにも危険過ぎてほとんどの人の目に触れずにいた1983年製作のオーストリア映画です。
画像:ギャスパー・ノエ監督
この度、本作のファンというギャスパー・ノエ監督からメッセージ動画が届きましたのでメイキング時の写真とともにご紹介します。
ギャスパー・ノエ監督からのメッセージ動画
本作の大ファンであることを公言しており、『カルネ』(1994)や『CLIMAX クライマックス』(2018)など、自身の作品で本作へのオマージュを捧げているギャスパー・ノエ監督より、これまでの映画製作において強烈な影響を受けたという『アングスト/不安』の魅力と、これから劇場で鑑賞する日本人へ向けたメッセージ動画が到着。
自身の作品でないにもかかわらずここまで語り、日本初公開のためだけにメッセージを寄せるという異例の事態です。
公開当時、あまりにもサイコティックな内容にフランスでも上映が禁止され、後に発売されたVHSも極わずかしか出回っていない中、「今までに60回は観た」と驚きの発言。
当時からこの作品に打ちのめされた1人だったんです。
さらに、世界各国で上映が禁止されたことにより、「この映画は観た人がほとんどいない、全く無名の作品であることもこの映画の魅力だ」と語り、「常に素晴らしい作品が影を潜めていて、再評価されるべきものがある。」と本作が再び日の目を浴びることに、喜びと期待をあらわにしました。
ちなみにノエ監督が過去に人生ベスト5にピックアップした映画は、『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)、『2001 年宇宙の旅』(1968)、『イレイザーヘッド』(1976)、『ソドムの市』(1975)、そして『アングスト/不安』です。
斬新なカメラワーク
画像:『アングスト/不安』メイキング
また、ノエ監督は注目すべきシーンとして、斬新なカメラワークを挙げ、「見事なテクニックと映像の捉え方は絶対に観てほしいところだ。映画史上最も重要なカメラワークと言えるだろう」と撮影を担当した世界的な映像作家ズビグニェフ・リプチンスキの撮影技術を絶賛。
アカデミー賞最優秀短編アニメ賞を受賞した『タンゴ』(1981)やジョン・レノン、ミック・ジャガーのMVで知られる彼の独特なカメラ表現は、ノエ監督の他『ブラック・スワン』(2010)の監督ダーレン・アロノフスキーにも影響を与えるなど、スリラー映画におけるカメラワークの根幹を築いたともいえます。
ドローン撮影などない時代に、一体どこから撮影したのかと思うほどの高度なショットや俳優の体にカメラを取り付ける撮影手法は、主人公の感じる不安や焦燥を観る者にも感じさせ、そのリアルな表現と芸術性の高さに世界中の映画監督らを虜にしました。
これから劇場で鑑賞する日本人へ
画像:『アングスト/不安』メイキング
公開から37年経った現在でも、世界で再上映された例は少なく、この度の日本劇場公開はかなりレア。
すでに配給会社にクレームが入るなど、とにかく残虐な殺人鬼映画では?と噂される本作ですが、これから劇場で鑑賞する日本人へ、ノエ監督は「暴力行為を目の当たりにする一方で、加害者(=主人公)からの被害を耳にする。とても複雑で魅力的な映画だ」と単なる殺人鬼映画ではないことを主張します。
また日本独自のチラシのデザインについて「素晴らしい!」と絶賛、「遂にこの映画史上に残るマスターピースが日本で公開されることを知りとても嬉しく思う」と語りました。
映画『アングスト/不安』の作品情報
【日本公開】
2020年(オーストリア映画)
【原題】
ANGST(不安)
英題:FEAR(恐怖)/仏題:SCHIZOPHERENIA(統合失調症)
【日本VHS発売時題】
鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜
【監督】
ジェラルド・カーグル
【キャスト】
アーウィン・レダー、シルヴィア・ラベンレイター、エディット・ロゼット、ルドルフ・ゲッツ
映画『アングスト/不安』のあらすじ
刑務所を出所した狂人が、とたんに見境のない行動に出ます。
まとめ
これまでに自身の作品でも本作へのオマージュを捧げてきたギャスパー・ノエ監督から、自身の作品でないにもかかわらず、日本初公開のためだけにメッセージを寄せるという異例の事態!
公開当時から本作の大ファンであり、「これまでに60回は観た」と生涯最高の映画ベスト5にも挙げる心酔っぷりが動画からも溢れ出ていましたね。
ノエ監督を虜にした実録スリラー映画『アングスト/不安』は2020年7月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開です。