Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2021/02/26
Update

尾野真千子映画『茜色に焼かれる』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。石井裕也最新作は母子の愛と希望を描く

  • Writer :
  • 大塚まき

主演は尾野真千子、共演に和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏らキャスト解禁。

社会のゆがみがいよいよ表面化している現代なればこそ生まれ得た、激しくも深い魂の軌跡。これは、あなた自身の現実、今日を生きる私たち自身の物語。

石井裕也監督の最新作となる映画『茜色に焼かれる』が、2021年5月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開されることが決定しました。

公開決定に併せて、石井裕也監督と尾野真千子、和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏らキャストのコメントが届きましたのでご紹介します。

映画『茜色に焼かれる』について


(c)2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

あえてまさに今の世相に正面から対峙することで、人間の内面に鋭く向き合ったのは、『舟を編む』(2013)、『バンクーバーの朝日』(2014)、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017)、『町田くんの世界』(2019)など、毎年のように質の高い作品で今や日本映画界を牽引する石井裕也(いしい ゆうや)監督

傷つきながらも、自身の信念の中でたくましく生きる主人公・良子の姿を通して、観るものに時に衝撃を、時に温もりを与え、これまでのどの作品よりも自由にして、同時にどこまでも優しい世界を作り上げました。

多難の時代に逆風を受けながらも前向きに歩もうとする母親・田中良子を演じるのは、尾野真千子(おの まちこ)

『萌の朱雀』(1997)、『クライマーズ・ハイ』(2008)、『そして父になる』(2013)、『いつまた、君と ~何日君再来(ホーリージュンザイライ)~』(2017)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017)と多くの代表作を持ち、さらに2020年は『ヤクザと家族 The Family』『明日の食卓』と出演作の公開が続く、実力派女優の尾野が厳しい社会を生き抜く母親を驚くべき存在感で体現

彼女の履歴にまたひとつ、新たな代表作が加わわりました。

共演陣には和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏ら映画界の注目株から実力派まで豪華キャストが集結。

13歳の息子・純平を演じるのは『ミックス。』(2017)でも存在感を出した次世代の注目株・和田庵(わだ いおり)

その純平が憧れを抱く良子の同僚・ケイには『あの頃。』(2021)の新進女優・片山友希(かたやま ゆき)

そして、交通事故で命を落とす夫・陽一をオダギリジョー、良子とケイを見守る風俗店の店長を永瀬正敏(ながせ まさとし)が演じ、それぞれ確かな人間力を見せてくれます。

映画『茜色に焼かれる』キャストのコメント

この度、主演の尾野真千子、共演の和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏らキャストからコメントが寄せられました。

尾野真千子のコメント

拝啓皆様いかがお過ごしですか。
私は、この度、どうにもやりにくいこの世の中で、映画の登場人物達が戦うように私ももがき、あがき、力の限り戦ってみました。
どうぞごらんください。

和田庵のコメント

初めて台本を読んだ時、役の重要さにプレッシャーと気合い、そして感謝という色んな感情が同時に溢れたのを覚えています。主演の尾野さんは、とてもやさしく面白い人で、殆どの時間を一緒にいて、本当の親子のように接していたのでクランクアップの時はとても寂しかったです。石井監督は普段はとても気さくで話しやすいお兄さんという感じですが、いざ撮影が始まると怖いくらい集中して別人のようになります。
そして監督の良い映画を作りたいという強い想いが現場全体に伝わり、僕も拙いながら「このチームの一員として良い作品を作りたい」と意欲が湧きました。今回、この素晴らしい作品に役者として参加出来たことを僕は誇りに思います。
母と子を取り巻く矛盾や理不尽さの中でコントロール出来ない感情に振り回されながら、それでも幸せになりたいと願う親子を描いた作品です。純平を演じて僕自身も精神的に成長出来たと思います。その親子の姿は皆さんにとって、きっと忘れられない作品になると信じています。

片山友希のコメント

完成した映画を観ている最中、これで良くなかったら私はやめた方がいいんだろう。縁がなかったんだろう。
とふと、思いました。が、そんな事どうでも良くなりました!
映画ってかっこいい!映画を作ってる人達ってかっこいい!まだまだ私の熱は冷めません!
ここには書ききれない毎日がありました。
時間が経って、今になって監督は私を信じてくれたんだと気づき涙が出ました。

オダギリジョーのコメント

一生懸命に生きることって、何よりも大事だと思う。
そして時には、闘うことも必要だ。
自分の為にも。大切な人の為にも。

永瀬正敏のコメント

石井裕也監督の世界に触れさせていただきたい、、、
その想いだけでした。
素晴らしい体験、感謝しています。

映画『茜色に焼かれる』監督:石井裕也のコメント

本作の公開決定に伴い、石井裕也監督は以下のようなコメントを寄せています。

とても生きづらさを感じています。率直に言ってとても苦しいです。悩んでいるし、迷っています。明らかに世界全体がボロボロになっているのに、そうではないフリをしていることに疲れ果てています。コロナ禍の2020年夏、しばらく映画はいいやと思っていた矢先、突然どうしても撮りたい映画を思いついてしまいました。
今、僕がどうしても見たいのは母親についての物語です。人が存在することの最大にして直接の根拠である「母」が、とてつもなくギラギラ輝いている姿を見たいと思いました。我が子への溢れんばかりの愛を抱えて、圧倒的に力強く笑う母の姿。それは今ここに自分が存在していることを肯定し、勇気づけてくれるのではないかと思いました。
多くの人が虚しさと苦しさを抱えている今、きれいごとの愛は何の癒しにもならないと思います。この映画の主人公も、僕たちと同じように傷ついています。そして、理不尽なまでにあらゆるものを奪われていきます。大切な人を失い、お金はもちろん、果ては尊厳までもが奪われていきます。それでもこの主人公が最後の最後まで絶対に手放さないものを描きたいと思いました。それはきっと、この時代の希望と呼べるものだと思います。
  これまでは恥ずかしくて避けてきましたが、今回は堂々と愛と希望をテーマにして映画を作りました。と、まあこうやってつらつら書きましたが、尾野真千子さんがその身体と存在の全てを賭して見事に「愛と希望」を体現しています。尾野さんの迫力とエネルギーに心地よく圧倒される映画になっていると思います。尾野さんの芝居に対する真摯な姿勢には心から敬服していますし、共に映画を作れて、とても幸せに思っております。

映画『茜色に焼かれる』の作品情報

(c)2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

【日本公開】
2021年(日本映画)

【監督・脚本】
石井裕也

【キャスト】
尾野真千子、和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏

映画『茜色に焼かれる』のあらすじ

この世界には、誰のためにあるのかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりがあふれています。

誰もが自身を偽り、まるで仮面の生活を強いられているかのように。そんな、まさに弱者ほど生きにくいこの時代に翻弄されている一組の母子がいました。

哀しみと怒りを心に秘めながらも、わが子への溢れんばかりの愛を抱えて気丈に振る舞う母。

その母を気遣って日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子。

果たして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

まとめ

本作は、もがきながらも懸命に生きようとする母子のその勇気と美しさに、きっと誰もが心を揺さぶられ、涙することでしょう。

キャスト群にはフレッシュかつ充実の面々が集結し期待が高まります

石井裕也監督最新作となる映画『茜色に焼かれる』は、2021年5月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショーです。




関連記事

新作映画ニュース

映画『太陽と踊らせて』内容解説/公開日/上映館。実在のイビサ島のDJを追ったドキュメンタリー

息をのむような島の映像とバレリアックな音楽にのせて贈る、あまりにも自由で極上な音楽ドキュメンタリー。 リリー・リナエ監督作『太陽と踊らせて』が、2021年7月24日(土)より新宿K’s cinema、 …

新作映画ニュース

松本動監督の映画一挙上映!『WiFiを捨てよ 渋谷へ出よう』2月18日に渋谷ユーロライブにて開催

全世界累計139の映画祭を席巻!! グランプリ11冠を含む全50冠の作品群!! 2021年2月18日(木)渋谷のユーロライブにて、国内外の映画祭を席巻して来た実力派の新鋭、松本動(ゆるぐ) 監督の作品 …

新作映画ニュース

シアーシャ・ローナン主演“若草物語”を映画化『ストーリー・オブ・マイライフ』予告編動画と劇場公開の情報

エマ・ワトソン、シアーシャ・ローナンら豪華4姉妹がはしゃぐ姿に胸躍る。 世界中で愛され続ける大ベストセラー作家、ルイーザ・メイ・オルコットが自らの生き方を重ねて書き上げた、ジョー・マーチの物語として描 …

新作映画ニュース

アジア映画の注目キャストや監督(韓国/香港/台湾など)が来日して舞台挨拶!大阪アジアン映画祭2020ゲスト情報

第15回大阪アジアン映画祭のゲスト情報。 2020年3月6日(金)から15日(日)に開催される第15回大阪アジアン映画祭。 本映画には、2月25日現在、上映作品全58作中、46作品のゲストが来場の予定 …

新作映画ニュース

映画『オードリー・ヘプバーン』あらすじ/キャスト/公開日。ドキュメンタリーで時を超えて愛される永遠のヒロインの素顔に迫る

永遠の妖精オードリー・ヘプバーンの本当の姿とは? 『ローマの休日』をはじめ、銀幕で数々の名作を残し、世界中の人々から時を超えて愛され続ける大スター、オードリー・ヘプバーン。 しかし、私たちが彼女の本当 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学