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Entry 2020/02/03
Update

映画『男と女(2020)人生最良の日々』ネタバレ感想とレビュー評価。ロケ地ドーヴィルの海辺を舞台に撮影10日間で描く

  • Writer :
  • こたきもえか

映画『男と女 人生最良の日々』は、2020年1月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー。

“愛の伝道師”クロード・ルルーシュ監督が紡ぐあの恋愛映画の金字塔が53年の時を経て、同じキャストで再び帰ってきました。

フランスの名匠クロード・ルルーシュ監督が1966年に手がけた『男と女』は、第19回カンヌ国際映画祭パルムドールとアカデミー外国語映画賞、脚本賞を受賞。

名作の中の名作のラブストーリー映画「男と女」のスタッフとキャストが再結集し、本作品『男と女 人生最良の日々』は完成させた続編です。

前作の主演アヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが同じ役柄を演じ、53年後の2人の物語に過去の映像を散りばめ、愛に真剣であることの尊さを、愛の機微を思う人々に向けてのラブレターのようである恋愛映画『男と女 人生最良の日々』をご紹介します。

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映画『男と女 人生最良の日々』の作品情報


(C)2019 – Davis Films – Les Films 13

【公開】
2019年 フランス映画

【原題】
Les plus belles annees d’une vie

【監督】
クロード・ルルーシュ

【キャスト】
アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン、モニカ・ベルッチ、スアド・アミドゥ、アントワーヌ・シレ


【作品概要】
監督は『男と女』(1966)でカンヌ国際映画祭パルム・ドールとアカデミー外国語映画賞を受賞、『愛と哀しみのボレロ 』(1981)で知られるフランスの名匠クロード・ルルーシュ。

キャストは前作『男と女』でゴールデングローブ賞主演女優賞と英国アカデミー賞外国女優賞を受賞、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1961)『8 1/2』(1963)、ジャック・ドゥミの『ローラ』(1961)などに出演する映画界を代表するアヌーク・エーメ。

そして『暗殺の森』(1970)や『狼は天使の匂い』(1972)で知られ『Z』(1969)でカンヌ国際映画祭男優賞受賞、ミヒャエル・ハネケの『愛、アムール』(2012)『ハッピーエンド』(2017)と晩年も精力的に俳優活動を続けているジャン=ルイ・トランティニャン。

また『マレーナ』(2000)『アレックス』(2002)『灼熱の肌』(2011)の“イタリアの至宝”モニカ・ベルッチも出演しています。本作は第72回カンヌ国際映画祭に正式出品されました。

『男と女 人生最良の日々』あらすじとネタバレ


(C)2019 – Davis Films – Les Films 13

元カーレーサーのジャン・ルイは現在老人ホームに入っていますが、施設のパーティーにも積極的ではなく、友人も作らないでいます。

記憶が戻ったり抜け落ちたりするジャンはある女性のことを毎日のように話していました。父の状態を心配する息子アントワーヌは父が語り続ける女性を探すことにします。

雑貨屋を経営する女性、アンヌのところに孫娘と獣医の娘、フランソワーズが訪ねてきています。そこに現れたのはアントワーヌ。50年前愛し合った男性の息子の登場に驚くアンヌ。アントワーヌはジャンのことを話し、父に会ってくれないかと頼みます。

戸惑いながらも老人ホームを訪ねたアンヌを見てジャンは誰だか気がつかないようですが、「人生で一番愛した女性にあなたはよく似ている」と告げ、一緒に逃亡しないかと誘います。無謀なことはできないと断るアンヌ。

ジャンはアンヌと共にドライブし、ゆっくり走ったり暴走したりして警官に捕まり、アンヌが彼らを撃つような夢を見ます。アンヌの家族の元をアントワーヌは再び訪ね、会ってくれたお礼を告げました。当時子供だったアントワーヌとフランソワーズも再会を喜び、彼らは思い出話に浸ります。

アンヌは当時ジャンと一緒にいられなかった理由は自分たちがあまりに完璧であったから、またレーサーだったジャンが女たらしであったのも理由だと語ります。アンヌはその後映画プロデューサーと結婚し、自身も映画を撮るようになったのだと言います。

以下、『男と女 人生最良の日々』ネタバレ・結末の記載がございます。『男と女 人生最良の日々』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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それからも度々ジャンの元を訪ねるアンヌ。昔のことをよく覚えていないジャンですが様々な詩を記憶しており、彼女や施設の職員に暗唱して聞かせます。

ジャンの次の妻の娘エレナも訪れますが、ジャンは覚えているか定かではない様子。ジャンは再びアンヌと思い出の地をドライブする夢を見、彼らは夢か現実か50年前愛し合った思い出のホテルも再訪します。

施設の職員はアントワーヌに、ジャンは記憶が抜け落ちているふりをしてからかっているのではないかと言います。

しかし、その真偽は彼にしか分かりません。

アンヌとジャンの逢瀬は続きます…。

ジャンが「こんな素敵な日々を前に過ごしたことがある気がする」というと、アンヌは「あなたの夢の中でね」と返しました。

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映画『男と女 人生最良の日々』の感想と評価


(C)1966 Les Films 13

夫を事故で亡くした女性、スクリプター・ガールのアンヌと妻を自死で亡くした男性、カーレーサーのジャン。子供を同じ寄宿舎に預けていた二人が出会い運命の恋に落ちる様をカラーとモノクロを織り交ぜた叙情的な美しい映像で綴った、1966年の前作作品『男と女』

同じキャストが集結したことに加え、2018年に逝去したフランシス・レイが楽曲を書き下ろし、また高齢の主演の二人の体力を考慮し、フランスのロケ地「ドーヴィル」の海辺を舞台に、出演シーンは10日間で撮影し完成した作品です。

年を重ねてなお輝くように美しいアヌーク・エーメの瞳と優しい声、仕草。もともと女性たらしだったというエピソード、ちょっかいをかけたりジョークを飛ばすつかみどころのないジャンという老人が似合うジャン=ルイ・トランティニャンの魅力。

海辺の陽光やみずみずしい緑、あたたかくロマンティックな映像に甘美な音楽、運命の恋人たちが交わす言葉すべてが愛おしく感じられます。

一番に愛し合った相手でありながら別々の道を選んでいた二人が53年後に再会を遂げ、再び物語が語られる…そんな『男と女 人生最良の日々』の原題“Les plus belles annees d’une vie(人生最良の日々)”

これは小説家ビクトル・ユゴーの言葉、オープニングでも映される「人生最良の日々とは、まだ生きていない日々だ」から引用されたものです。


(C)2019 – Davis Films – Les Films 13

男と女』には飛び抜けて“まるで映画のように刺激的な出来事、過激な感情の起伏などは描かれません

ただ男と女が出会い、少しずつ距離を縮め、自身の過去と葛藤し、それでも愛し合うことを選ぶ…愛が育まれていく過程に宿る幸福ひとつひとつを映画の魔法を使用して煌めかせる作品です。

高齢になってから再び誰かと出会う事、誰かと再会する事も“現在”であり、その“現在”の連続がまだ見ぬ日々へと変わっていく。それこそが人生最良の日々であり、幸福なのだとうたう、男女の愛にとどまらず人生の美しさを描いた映画でもあります。

ジャンが何度もアンヌとの逢瀬の夢を見るように、その夢がこの世で実現するかは分からない事ですがそれが悲しい事だとは本作は言いません。そうして生きる事がない日々、時間であっても美しく純粋なものだとロマンティックな余韻で満たしてくれるのです。

そして何よりも無機質な色が溢れる現代、愛や人生に誠実である事、愛に真剣である事の美しさを囁いてくれる本作は、自身も女性と映画を心から愛し生涯を捧げてきたクロード・ルルーシュの美徳が生み出したものでしょう。

まとめ


(C)2019 – Davis Films – Les Films 13

こんな風に運命の相手と出会えたら、ずっと一緒にいられなくてもそんな恋を経験する事が出来たら…。

この映画を観ている現在もやがては過去になり、再び現在が訪れて、まだ見ぬ時に人生最良の日々が訪れる。

名優たちの魅力が光る奇跡の作品『男と女 人生最良の日々』心にいつまでも流れるあのテーマソングを口ずさみながら、人生を彩る美しい物事と感情に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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