Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

Entry 2019/01/19
Update

映画『マチルダ禁断の恋』あらすじネタバレと感想。ロシア皇帝と伝説のバレリーナの実話物語

  • Writer :
  • もりのちこ

その魅惑の踊りを見たら最後、誰もが恋に落ちるプリマ彼女は、ロシアの伝説のバレリーナ、マチルダ・クシェシンスカヤ

ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世もまた、マチルダの魅力に翻弄された男性のひとりでした。

許されない身分違いの恋に夢中になり、己を見失っていくニコライ。激しくも儚い2人の愛の行方は。美しきバレリーナ、マチルダは天使なのかそれとも悪魔なのか。

実話に基づくストーリーは、皇帝の名誉を傷つけるとして、ロシアで上映妨害まで起こった話題作です。

ロシア最大のスキャンダルにして最大のタブー映画『マチルダ 禁断の恋』を紹介します。

映画『マチルダ 禁断の恋』の作品情報


(C)2017 ROCK FILMS LLC.

【公開】
2018年(ロシア映画)

【脚本・監督】
アレクセイ・ウチーチェリ

【キャスト】
ラース・アイディンガー、ミハリナ・オルシャンスカ、ダニーラ・コズロフスキー、ルイーゼ・ボルフラム、トーマス・オスターマイアー、インゲボルガ・ダプクナイテ

【作品概要】
ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世と、伝説のバレリーナ・マチルダとの許されない恋を描いた恋愛映画『マチルダ 禁断の恋』

実話に基づくストーリーは、ロシア最大のスキャンダルにして最大のタブーと上映妨害まで起こりました。

監督はプーチン大統領も彼の才能を認めるアレクセイ・ウチーチェリ監督。ニコライ2世を演じるのは、ドイツを代表する実力派男優ラース・アイディンガー。

伝説のバレリーナ、マチルダは『ゆれる人魚』など、ポーランドの新進気鋭の若手女優として期待大のミハリナ・オルシャンスカが演じています。彼女の美しくも魅惑的なバレエ姿は、必見です。

映画『マチルダ 禁断の恋』のあらすじとネタバレ


(C)2017 ROCK FILMS LLC.

1800年代後半のロシア・サンクトペテルブルク。今まさに、ロシア帝国に新たな皇帝が誕生しようとしています。

王位継承の戴冠式が行われています。

ロマノフ朝ロシア皇帝アレクサンドル3世の息子で、後継者のニコライ2世は、父の後を継ぎ皇帝になることを決意していました。

王冠をかぶろうとするニコライの元に聞こえた声は、恋焦がれた女性の声でした。

その声に倒れ込む皇帝。その声の女性の正体は、マチルダです。

マチルダは、世界的にも有名なマリインスキー・バレエ団のトップを争うスターダンサー。

彼女の華麗で魅惑的なバレエは、見るものを惹きつける力がありました。

皇帝も出席するバレエの公演の日。マチルダはライバルから嫌がらせを受けます。

衣装を身に着け舞台に向かうマチルダに、ライバルは抱き着くふりをして、肩紐に切り込みを入れました。

何も知らないマチルダは、華やかに踊り出します。見事なダンスに注目が集まります。

その時、衣装の肩紐が外れ、片方の乳房が見えてしまいました。

会場がはっと息を飲む中、一瞬驚くマチルダでしたが、何事もなかったかのように踊り出します。微笑みさえも浮かべ踊るその姿は、美しくも官能的でした。

男性の誰もがマチルダに惹かれます。ニコライもまた彼女の魅力の虜になりました。


(C)2017 ROCK FILMS LLC.

そして、帝国旅団のための競技会の日。ニコライの視線の熱さに気付きながらも彼を翻弄するマチルダ。

2人の距離が近づいた瞬間、マチルダに一方的に付きまとう男、ヴァロンツォフ大尉が現れニコライに襲い掛かります。嫉妬に狂った男は身も心もボロボロの状態で取り押さえられます。

一方、ロシア帝国にも危機が訪れます。

王室一家が乗った汽車が横転、大事故へとつながります。家族を助け出そうと、父アレクサンドル3世が重傷を負ってしまいました。

まだ若いニコライに、王位継承の重圧が押し迫ります。

大変な時でありながら、ニコライのマチルダへの愛はさらに燃え上がります。

血筋を何よりも大事にする王室では、バレリーナと付き合うなどもっての外。

身分の違う禁断の恋に溺れていく2人。周りの者たちが二人の仲を引き裂こうと動き出します。

ニコライの王位継承に向けて、政略結婚の相手、イギリスのヴィクトリア女王の孫娘アリックスがザルツブルクに到着します。

王室のスキャンダルをもみ消すべく裏の組織も乗り出します。マチルダがいかに危険人物であるか聞き出したいフィッシェル医師は、嫉妬で狂ったヴァロンツォフ大尉を拷問していました。

しかしヴァロンツォフ大尉は、皇帝を襲った理由を聞かれるも、マチルダへの愛を貫き口を割りません。

いよいよ王位継承、戴冠式の日が迫ってきました。

以下、『マチルダ 禁断の恋』ネタバレ・結末の記載がございます。『マチルダ 禁断の恋』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2017 ROCK FILMS LLC.

ニコライは愛を取るか、王位を取るか、いまだに悩んでいました。

戴冠式の前日には、バレエの公演も予定されていました。主役の座を何としてももぎ取ったマチルダは、32回転のフェッテを成功させるべく血のにじむ特訓をしていました。

しかし戴冠式にマチルダを出席させたくない王室は、マチルダを誘拐し主役を変更させます。

舞台の時間ギリギリに間に合ったマチルダは、ライバルを差し置き舞台に立ちます。それを見守るニコライ。

後からライバルも舞台に駆け付け、W主演となってしまいます。シーンはラストのフェッテ。

2人のバレリーナが同時に回り出します。

途中で倒れ込むマチルダ。翼を失くした天使は悲し気に舞台を去ります。

その様子にニコライの心も動きます。マチルダを支えたい。2人で生きて行きたい。

公演後、お互いの心を確認し合ったニコライとマチルダは、戴冠式を辞め2人で旅立つことを約束します。

戴冠式の日。

こっそり抜け出しマチルダの元に向かうニコライ。

ニコライの到着を約束の場所で待つマチルダ。

約束の場所に現れたのは、愛の囚人と化したヴァロンツォフ大尉でした。彼は、フィッシェル医師を殺害しマチルダを狙っていたのです。

拘束され連れ出されるマチルダ。川にかかる渡しボートに乗せられ時、仕組まれていたかのように火が放たれ、あっという間に燃え盛ります。

そこに駆け付けたニコライ。大きな爆発音とともに姿を消したマチルダ。愛する人の死。

ニコライは、喪失のまま戴冠式へと参列します。隣には皇妃アリックスの姿もあります。ロシア中の人々が押し寄せ新たな皇帝誕生を祝福しています。

厳かに式が進む中、紛れ込んだ女性がいました。マチルダでした。

あの爆発の中、情けで帝国の護衛に助けられていたマチルダは、どうしてもニコライに伝えたいことがありました。

護衛に見つかり追われるマチルダ。何とか声の届くところまでやってきます。

そしてシーンは冒頭へと戻ります。

今まさに王冠をかぶろうとするニコライの元に、女性の呼ぶ声が聞こえます。

その声はマチルダ、死んだと思っていた恋焦がれる女性。

その声を聞いたニコライは倒れてしまいます。彼女の声は届いたのでしょうか。

立ち上がり自ら王冠を被ったニコライ。新たな皇帝ニコライ2世の誕生です。

戴冠式が終わり、ニコライの耳に入ってきたのは、集まった群衆に起こった悲劇でした。

祝賀会場となった広場に押し寄せた群衆が、混乱し将棋倒しとなり2000人以上もの死者・負傷者が出る大事故でした。

今後の皇室の命運を予期するかのような悲惨な事故を前に、ひとり立ち尽くすニコライでした。

映画『マチルダ 禁断の恋』の感想と評価


(C)2017 ROCK FILMS LLC.

ロシア皇帝と伝説のバレリーナの禁断の恋が、実話をもとの描かれた問題作ということに驚きです。

聖なる宮殿で繰り広げられる官能的な世界、身分違いの禁断の恋のスキャンダルとなれば国中大騒ぎになるのも納得です。

皇帝もただの男だったのか、それともマチルダが皇帝をも惹きつける魅惑の女性だったのか。

マチルダは当時の女性としてはめずらしく、願望を貫く女性です。欲しいものは欲しい、やりたいことはやりたい。一見わがままで大胆な姿も、彼女の魅力のひとつだったのではないでしょうか。

その後のロシア帝国は、ロシア革命がおこり皇帝ニコライ2世は家族ともども虐殺されてしまいます。

一方マチルダはというと、ニコライの従弟アンドロレイ・ウラジーミロヴィチ大公と結婚。子供も授かり、幸せと身分も手に入れ、なんと100歳まで生きたというからこれまた驚きです。

ロシアの伝説のバレリーナ・マチルダは、革命の時代を生き抜き、ロシアで初めてプリマ・バレリーナ・アッソルータとなり、パリにバレエの学校まで設立しました。本当に強い女性です。

そんなマチルダを演じたポーランドの新進気鋭の女優ミハリナ・オルシャンスカの演技力にも注目です。

彼女はバレエの経験がなく、撮影をしながらバレエを習得しロシア語も学んだという、マチルダに負けないくらい強い女性です。

バレエのしなやかな踊りと何と言っても妖艶な表情から目が離せません。激しく感情のまま突き進むマチルダを体当たりで演じています

まとめ


(C)2017 ROCK FILMS LLC.
ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世と、伝説のバレリーナ・マチルダとの許されない恋を描いた恋愛映画『マチルダ 禁断の恋』を紹介しました。

禁断の恋の現場エスカリーナ宮殿や、マリインスキー劇場、ボリジョイ劇場で踊られるバレエ団の壮大な舞台、そして戴冠式はウスペンスキー聖堂と映し出される映像美にも注目です。

まるで絵画を見ているかのような豪華絢爛なシーンに圧巻です。

ロシア国内では「聖人」として神格化されているニコライ2世の知られざる恋。彼を狂わせた伝説のバレリーナ、マチルダは天使なのか悪魔なのか。禁断の恋が、いま明かされます。

関連記事

ラブストーリー映画

映画『君の名前で僕を呼んで』あらすじとキャスト。公開日と上映館は

“誰もが胸の中にある柔らかな場所を思い出す…。” 1980年代のイタリアを舞台に、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の恋の行方を描いたラブストーリー。 映画『君の名前で僕を呼んで』がいよいよ4月27 …

ラブストーリー映画

映画『ひるなかの流星』あらすじとキャスト一覧。【永野芽郁×三浦翔平×白濱亜嵐出演】

“はじめて人を好きになった瞬間、はじめての告白、はじめての失恋、そしてはじめての…” 究極の三角関係を描いた胸キュン度200%のラブストーリー『ひるなかの流星』をご紹介します。 CONTENTS映画『 …

ラブストーリー映画

映画『彼女がその名を知らない鳥たち』ネタバレ感想【白石和彌監督】

『ユリゴコロ』などで知られる沼田まほかるのベストセラー小説を、映画『凶悪』の白石和彌監督が映画化。主演は蒼井優と阿部サダヲ、共演に松坂桃李、竹野内豊。 第22回釜山国際映画祭に正式出品された本作は、か …

ラブストーリー映画

映画『君は月夜に光り輝く』ネタバレ感想とレビュー評価。恋愛ラブストーリーで死生観を見つめる

「発光病」細胞異常により皮膚が発光し、その光は死が近づくにつれて強くなるという。 佐野徹夜のデビュー作にして累計発行部数30万部を突破したヒット作『君は月夜に光り輝く』の実写映画化です。 監督・脚本は …

ラブストーリー映画

映画『仕立て屋の恋』あらすじネタバレ感想とラスト結末の考察。大人の恋愛ラブストーリーを名匠パトリス・ルコントが描く

今回ご紹介する映画は、フランス映画らしい恋愛映画『仕立て屋の恋』。 1989年に制作されたのですが、日本公開されたのは1992年。パトリス・ルコント監督の『髪結いの亭主』がヒットしたことで、前作も急遽 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学