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Entry 2017/03/06
Update

映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • 西川ちょり


ランサム・リグズによるベストセラー小説『ハヤブサが守る家』をティム・バートン監督が映画化。ティム・バートンらしさが随所に現れた傑作に仕上がっています。

以下、あらすじやネタバレが含まれる記事となりますので、まずは『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』映画作品情報をどうぞ!

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映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』作品情報


(C)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.

【公開】
2017年(アメリカ映画)

【原題】
Miss Peregrine’s Home for Peculiar Children

【監督】
ティム・バートン

【キャスト】
エバ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L・ジャクソン、ルパート・エベレット、アリソン・ジャネイ、クリス・オダウド、テレンス・スタンプ、エラ・パーネル

【作品概要】
祖父の遺言に従ってイギリス・ウエールズの小島にやってきた少年は、幼い頃、祖父から聞かされた不思議な力を持った子どもたちと出逢います。彼らは”ループ”の中で生活していましたが、危機が訪れようとしていました。

映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』あらすじとネタバレ


(C)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.

島へ

フロリダに住む少年ジェイクは、幼い頃から祖父エイブの不思議な物語を聞かされて育ちました。

祖父は透明人間や体の中に蜂を住まわせている少年など、奇妙な古写真を持っており、当時小学生だったジェイクはすっかり信じて、学校で発表したのですが、誰も信じてくれず皆の笑いものになる有り様。

それでも祖父が大好きなジェイク。ある日、受話器のむこうで祖父がとても取り乱しており、心配したジェイクは祖父の家に駆けつけました。

家の中はすっかり荒らされ、外に出てみると、裏庭のフエンスが破れていて、その向こう側に祖父が倒れているのが見えました。

思わず駆け寄ると祖父はジェイクの腕をつかみ「ループへ行け。鳥が全てを説明する。もっと前に話しておくべきだった」と呟き息絶えてしまいます。

祖父の顔をよく見ると、目玉が抜きとられていました。そして後ろを振り返ったジェイクは大きな化物が蠢くのを目撃します。

ジェイクの両親はジェイクにカウンセリングを受けさせていました。祖父の死因は心臓発作で、目玉がなかったのは野犬のせいだろうと納得させられます。

ジェイクは、昔祖父がよく話をしてくれたイギリス・ウエールズの小島のことを想いだしていました。そこには特殊な能力を持った子どもたちの施設があり、ミス・ペレグリンが彼らを守っているのです。エイブもそこでモンスターたちと戦ったそうです。

誕生日に、ジェイクは祖父の遺品を受け取りました。『エマーソン詩集』という分厚い本です。開いてみるとケルン島の絵葉書がはさまれていました。それはミス・ペレグリンからの手紙で「また訪ねて来てください」と書かれていました。

ジェイクが島に行きたいと言うと、思いがけずカウンセラーのゴランが、ジェイクの気晴らしになるかもしれないと、島に行くことを勧めてくれました。ジェイクは父と一緒にケルン島を訪ねることになりました。

異能の少年少女たち

島に渡る船の上空を一羽のハヤブサが飛んでいきました。ペルグリンというのはハヤブサのことだと父が教えてくれました。父はバードウォッチングをライフワークとしているのです。

島の小さなホテルに荷物を置くと、ホテルの前にたむろしていた若者に父は息子の案内を頼みました。彼らに施設のことを訪ねたジェイクですが、彼らに言われた通り進んだ道の向こうに現れたのは、廃墟となった建物でした。

施設は1943年9月3日にドイツ機に爆撃され、居住者は全員死亡したというのです。

翌朝、諦めきれないジェイクは地元の若者と遊びに行くと父に嘘を行って再び廃墟を訪れました。父は祖父とは折り合いが悪く、祖父の話を全く信じていないのです。

ジェイクは偶然にも別世界へと続く道をみつけます。美しい庭と大きな屋敷が目の前に現れました。祖父が話していた通り、特殊な能力を持つ”異能の子どもたち”がそこで暮していたのです!

体が宙に浮いてしまうため巨大な重いブーツを履いているエマ、指先から火を放ちヤカンのお湯を沸かせるオリーブ、無生物に命を吹き込む能力を持っているイーノック、体の中に蜂を飼っているマイロなど祖父が持っていた写真のとおりの少年少女たちです。

そしてついにジェイクはミス・ペレグリンと対面します。ミス・ペレグリンは鳥に姿を変えることができるといいます。船からみたハヤブサは彼女だったのです。

さらに彼女は時間を自由に操ることができ、空爆から子どもたちを守るため、空爆される直前に、時間を巻き戻し、永遠に1943年9月3日を繰り返す「ループ」を作っていました。

そのループの中で彼らは幸せに暮らしていました。エイブの孫であるジェイクは歓待され楽しい時間を過ごします。エイブはこの屋敷の屋根裏部屋に住んでいたのだそうです。軍隊にはいるために、この地を跡にしたといいます。

ジェイクもまた何か特殊な能力を持っているのだと聞かされます。そもそも能力のない人間にはこの施設は見えないらしいのです。

父が心配しているかもしれないからと一度ジェイクは現代へ戻っていきます。その際、ミス・ペレグリンのテーブルに置かれていた手紙を拝借していきました。

手紙は祖父からのもので、ブラックプールにあるループが敵にバレそうなので、他の場所に移るようにと書かれていました。

父のところに戻ると、地元の少年と出かけたのは嘘であることがばれていました。さらに、農場では羊が倒れており、ジェイクがやったのかと疑われてしまいます。勿論否定しましたが、父は怒ってこれからは一人での外出を禁止、明日は自分とバードウォッチングに行くようにと命じます。

翌朝、父とともにしぶしぶバードウォッチングに出かけたジェイク。海岸にはラモンドという写真家がいて、鳥の豪華写真集を出版する予定なのだと語ります。そんな写真集が出てしまえば、自分の写真など見向きもされないだろうと父は落ち込み、酒をあおるとホテルで眠ってしまいました。

父が眠っているすきに再びジェイクはペレグリンのところに戻っていきました。エマが秘密の場所に案内するといいます。それは昔沈没した豪華客船で、二人は泳いで中へはいっていきました。

エマは、空気を自在に操るという能力も備えていました。船内の水をなくしてしまうと二人は船内に置かれた古写真やループポイントの地図に目を通しました。

ホローズの脅威

見覚えのある男の写真が目にとまります。エマが言うにはその男はバロンといい、子どもたちを脅かす悪人のリーダーなのだそう。彼らは私欲のために子どもたちを狙っているというのです。

海からあがると、ミス・ペレグリンが海岸の崖の近くでホーガンを構えているのが見えました。そこに祖父が殺された時に見たのと同じ怪物が現れます。ミス・ペレグリンは懐中時計で時間を確認しながら冷静に怪物を打ち抜きました。

彼女の作ったループは急場しのぎのため、一部に綻びがあり、その怪物の侵入をゆるしてしまったのです。そして、その怪物の姿はエマにもミス・ペレグリンにも見えておらず、ジェイクにだけ見えるのです。それが祖父から受け継いだジェイクの特殊能力でした。

ジェイクはミス・ペレグリンに手紙のことを聞きます。彼女は重たい口を開き始めました。

異能者たちは各地にループを作り現実世界とは別の世界で生きてきたのですが、バロンたち一部の異能者はループでの生活を嫌い、外に出て不死の力を得ることを望みました。しかし、彼らが試みた実験は、彼らを怪物(ホローズ)に変えてしまいます。

バロンは人間の目玉、特に子どもの目玉を食べると体が元になることを知り、人間たちを襲い始めます。たくさんの目玉を食べたお陰で人間らしい体に戻ったバロンは、ホローズのために目玉を斡旋する仲介役をしているのでした。

その上、不死への夢を諦められない彼は、異能者を集めて再び実験を行おうとしており、子どもたちを付け狙っているのです。

彼らの手が迫り、ミス・ペレグリンは、この地を出て行く決心をし、子どもたちに荷造りをするように言い渡しました。

ジェイクが現実世界に戻ると、海岸で目をくり抜かれた死体を発見しました。恐らく羊が死んでいたのもホローズのせいなのでしょう。このことを伝えるために彼は再び、施設にもどろうとしますが、海岸にいた写真家が後を追ってきます。

驚いて立ち止まると、なんと写真家の顔はカウンセラーのゴラン先生の顔になり、バロンが正体を表しました。彼はいろんな人間に化けられる特殊能力の持ち主なのでした。ゴラン先生に成りすまし、ジェイクをこの地に呼び入れたのです。

バロンはミス・ペレグリンに接触すると、彼らの実験材料になることを要求します。ミス・ペレグリンは子どもたちを守るためにあとをジェイクに託すと、ハヤブサに姿を変え、人質となってバロンに連れさられてしまいました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』ネタバレ・結末の記載がございます。『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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ミス・ペレグリンがいなくなったため、タイムループすることが出来ません。戦闘機がもうすぐやってきます。子どもたちは懸命に脱出するのでした。

ミス・ペレグリンを救うためには次のフェリーまで待たなくてはいけません。しかし、待ってはいられません。彼らは自分たちの能力を総動員して沈没船を引き上げると、バロンたちを追うのでした。

着いたのはブラックプールです。子どもたちは懸命にホローズと闘います。イーノックによって生命を吹き込まれた骸骨の戦士たちが遊園地で大暴れします。

ホローズが見えるジェイクはホーガンを持って闘っていました。ミス・ペレグリンや他の異能者たちを助け出すと、バロンを退治に向かいますが、バロンは手強く、子どもたちの特殊能力を次々と破っていきます。

しかし、ジェイクたちは諦めず、ついにバロンを追い詰めます。窮地にたったバロンはジェイクに成りすまし、エマとイーノックは本物と偽物のみわけが付かず混乱してしまいます。

そこにホローズが侵入してきました。それが見えるのはジェイクだけです。ジェイクはホローズを避け、ホローズはバロンをジェイクだと思って目をえぐりとってしまいました。

さらにジェイクたちを襲ってきたホローズにジェイクがホーガンを射ち込み闘いは終わりました。

ホローズが死んだからあなたのお祖父さんは生きているはず。お祖父さんに会いに行ってとエマはジェイクに言います。二人にはいつしか恋心が芽生えていました。

エマたちは2016年の世界では暮らせません。別れはつらいものでした。

祖父は生きていました。祖父はジェイクに告げます。「1943年に戻るのだ」。その方が異能者である彼には幸せなのです。ジェイクは躊躇なく頷きました。

エマは埠頭で物思いにふけっていました。そこへジェイクが現れます。「ここまで来るのに随分苦労したんだ」。カリフォルニア、東京、軍隊にまで入り、彼はエマたちの世界にやっとたどり着いたのです。

二人は再会を喜び、キスを交わすのでした。

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『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』の感想と評価


(C)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.

いつも突拍子もない話を聞かせてくれる祖父、というと、ティム・バートンの2003年の作品『ビッグ・フィッシュ』を想い出す方も多いでしょう。

『ビッグ・フィッシュ』の場合は、ほら話のようなものを何度も何度も聞かせる父に「嘘ばかりだ」と反発していた息子が、最後に父に愛されていることを知り、父とその「物語」を理解するというお話でした。

本作では父と息子の関係は修復されず、祖父は孫に不思議な物語を聞かせています。祖父と孫の間には「物語」を通しての深い絆があります。

「物語」が持つ無限のロマン、「物語を語る」「物語を聞く」ことの関係性という点ではまさに『ビッグ・フィッシュ』の再来と言ってもいいかもしれません。

他にも、子どもたちが住む施設の庭の樹木がゾウやティラノサウルスの形に剪定されていたり、歪な体を持った生命を持ったおもちゃのデザインなど、過去のティム・バートンの作品を思い出させるエッセンスが多数散らばっています。

不思議な能力を持って生まれてしまったために、普通の世界では生きていけない人々。その特殊な様を、映画は実に魅力的にとらえています。

空高く飛んでいかないように、自ら紐で体をくくって、ジェイクに持ってもらい、まるで凧あげでもしているかのように空中に浮かんでいるエマ。なんと素敵なショットなのでしょうか!

他の子どもたちも個性豊かで、可愛らしく、ミス・ペレグリンに守られながら成長していく姿が描かれます。異能の人々に対する温かい視点が全編に感じられます。

ある環境では欠点にしかとられないものが別の場所では利点になる、そんな可能性や多様性を映画のテーマとして感じ取ることも出来ますが、ちょっと不気味で、ちょっと怪しく、そしてかなり愉しいこの物語を素直に楽しむのがベストでしょう。

まとめ


(C)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.

主人公のジェイクを演じるのは、エイサ・バターフィールド。マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』で注目され、最近では自閉症の天才数学少年を演じた『僕と未来の方程式』など、出演作品が目白押しの若手俳優です。

ジェイクは、おとなしく気弱な少年なのですが、自分がリーダーになって子どもたちを守るという使命を与えられます。頼りないながらも、みんなを引っ張っていくジェイクはエイサ・バターフィールド以外考えられないほど適役です。

エマを演じたのはエラ・パーネル。ディズニーの『マレフィセント』で若き日のマレフィセントを演じるなどの注目株です。

二人以外の子どもたちもそれぞれ魅力的で皆に見せ場が用意されています。夢をスクリーンに映し出せるホレース(ヘイデン・キーラ=ストン)などまさに映画愛の象徴ともいうべきキャラクターです。

本作は、ランサム・リグズの原作を映画化したもので、日本でも『ハヤブサが守る家』というタイトルで翻訳されています。

ティム・バートンは原作をさらにファンタジックに、ユーモラスに仕上げています。ブラックプールの遊園地で骸骨とホローズが戦っているシーンは、一般の人にはホローズが見えないため、骸骨が踊っているように見え、まるでダンスパーティーかのような軽妙洒脱ぶりです。

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