スピルバーグならではの圧倒的な映像美
「インディ・ジョーンズ」シリーズなどで知られる映画界の巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が、アーネスト・クラインによる小説「ゲームウォーズ」を映画化したSFアクション。
ポップカルチャー満載のVR世界での謎解きと、現実世界の大企業による陰謀がリンクする、スリルたっぷりなストーリーが展開します。
出演は『ヴォイジャー』(2022)のタイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン。
荒廃した社会から現実逃避する人々が集うVR世界「OASIS(オアシス)」。その所有権と巨額の報奨をめぐり、激しい戦いが繰り広げられます。現実と虚構が入り交じる本作の魅力をご紹介します。
CONTENTS
映画『レディ・プレイヤー1』の作品情報

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原作】
アーネスト・クライン
【監督】
スティーヴン・スピルバーグ
【脚本】
ザック・ペン、アーネスト・クライン
【編集】
マイケル・カーン、サラ・ブロシャー
【キャスト】
タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン、リナ・ウェイス、サイモン・ペッグ、マーク・ライランス、フィリップ・チャオ、森崎ウィン、T・J・ミラー、ハナ・ジョン=カーメン、ラルフ・アイネソン、スーザン・リンチ、パーチタ・ウィークス
【作品概要】
「インディ・ジョーンズ」シリーズ、『シンドラーのリスト』(1993)などで知られる巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督によるSFアクション大作。
原作はアーネスト・クラインによる小説『ゲームウォーズ』。人々が現実逃避するVR世界での謎解きと、大企業の陰謀が錯綜するサスペンスフルな作品です。
VR世界ではオマージュがふんだんに盛り込まれ、1980年代~90年代の映画やアニメ、ゲームなどの多彩なキャラクターが登場します。
主人公のウェイド役に『ヴォイジャー』(2022)のタイ・シェリダン。共演はオリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン。
日本で活躍する森崎ウィンが、ダイトウ役でハリウッドデビューを果たしています。
映画『レディ・プレイヤー1』のあらすじとネタバレ

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
貧富の格差が激化し、環境汚染や政治機能不全により多くの人々が荒廃した街に暮らす2045年。
若者たちは現実逃避して世界中の人々がアクセスするVRの世界「OASIS(オアシス)」に入り、理想の人生を楽しむようになっていました。
そんなある日、オアシスの開発によって巨万の富を築いた大富豪のジェームズ・ハリデーが死去。
オアシスの隠された3つの謎を解明した者に、5000億ドルの遺産とオアシスの運営権を明け渡す「アノラック・ゲーム」が開催されます。
それ以降、ハリデーが隠した「イースター・エッグ」を見つけるために世界中の人々が謎解きに躍起になり、17歳の孤独な青年ウェイドも、アバター名パーシヴァルとして参加します。
そしてある時、美女アルテミスと出会ったウェイドは、1つ目の謎を解き明かすことに成功します。
一躍オアシスの有名人となりますが、ハリデーの遺産を狙う巨大企業IOI社社長、ソレントの魔の手が迫ります。
映画『レディ・プレイヤー1』の感想と評価

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
現実と虚構が錯綜する迫力満点の映像
現実とVR世界「オアシス」の境目がわからなくなる、斬新でスピーディーな物語です。VR世界そのものを体験している感覚を味わえる、映像と迫力満点のアクションに驚愕することでしょう。
荒廃した現実の生活から逃れて、仮想世界オアシスに逃げ込む人達。現実が厳しければ厳しいほど、人は夢の世界に逃げ込むものですが、あまりのリアルな描写に恐怖を感じます。
「ここは夢の世界だ」と気づいた途端、現実で命を絶つ人も少なくないはずです。弱者に追い打ちをかけるように、借金のかさんだ人達を送り込む強制収容施設も存在します。
オアシスを生み出したハリデーはまるで教祖のような存在です。VR界の神であるかのように、死後も経営権と遺産をエサにして人々の心を操ります。
主人公のウェイドはサマンサたちと力を合わせて、ハリデーの残した謎に挑みます。そうするうちに、ハリデーの心の内に隠されていた深い意味に気づきはじめるのです。
現実世界から逃げ出す先だった楽園オアシス。しかし、ウェイドは現実にこそ存在する美しさに気づかされていきます。
近未来的な映像でありながら、人間が生きていくための考え方の根本を問われるようなストーリー展開に心揺さぶられます。
魅力溢れる80年代大衆文化へのオマージュ

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
本作のもう一つ大きな見どころは、ふんだんに使われる80年代から90年代の映像・ビデオゲーム作品へのオマージュです。
スピルバーグ監督は数々のクロスオーバーを実現させるために、交渉に数年を費やしたといいます。本作を観れば、それだけの価値があったことは、誰もが認めるところでしょう。
いったいどの映像作品からどんなキャラクターが現われるか、ワクワクしながら楽しめる一作となっています。
ウェイドが3つの鍵を探すように、皆さんも自分の宝探しをするような気持ちでオマージュ探しをしてみてください。日本の作品からも数多く登場します。
ただのゲームの頃に戻りたいと呟いたハリデーの言葉に、思わずうなずきたくなるかもしれません。
まとめ

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
ゲームに隠された3つの謎に挑むアドベンチャーゲームファンタジー『レディ・プレイヤー1』。
主人公ウェイドたちが見つけたのは、ゲームの謎の奥に隠された人間の心と、仮想世界には決して存在しない人の温もりでした。
辛く苦しいと思える現実にこそある幸せに気づいたウェイドは、オアシスに定休日を作るという斬新な手法を選びます。この施策一つとっても、彼には十分トップとしての資質があるといえるのではないでしょうか。
私たちの現代社会で問題のデジタル中毒も、彼のように大鉈をふるえば改善できるのかもしれないと羨ましくなります。



































