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【ネタバレ】大長編 タローマン 万博大爆発|あらすじ感想と結末の評価解説。岡本太郎の作品がスクリーンで暴れまわる奇抜な一作

  • Writer :
  • 谷川裕美子

岡本太郎の世界が銀幕で大暴れ

『大長編 タローマン 万博大爆発』は、岡本太郎の言葉と作品をモチーフに制作された特撮活劇の劇場版。2022年の平日深夜に全10話で放送された特撮テレビドラマ『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』を映画化しました。

日本を代表する芸術・岡本太郎と、日本を代表するエンターテインメント・特撮の組み合わせが話題をよびました。

幾何学的な建物、透明なパイプで空中を移動する自動車、宇宙と交信する未来都市。昭和のこどもたちが目を輝かせ、心を躍らせた、あの頃に思い描いていたワクワクとした未来が映し出されます。

監督・脚本は映像作家の藤井亮が務めます。ロックバンド「サカナクション」の山口一郎が出演。

藤井監督のハチャメチャな脳内に圧倒される一作です。マニア的人気を誇るタローマンの魅力が炸裂します。

映画『大長編 タローマン 万博大爆発』の作品情報


(C)2025「大長編 タローマン 万博大爆発」製作委員会

【公開】
2025年(日本映画)

【監督・脚本】
藤井亮

【編集】
奥本宏幸

【キャスト】
山口一郎

【作品概要】
「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組」というコンセプトのもと、芸術家・岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作され話題を呼んだ2022年の特撮テレビドラマ『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』を映画化。

1970年代の日本と、当時想像されていた未来像としての2025年「昭和100年」の日本を舞台に、夢と希望に満ちた未来の世界で戦うタローマンの活躍を描き出す。

監督・脚本はテレビ版を手がけた映像作家・藤井亮。自らアニメーションやキャラクターデザイン、背景制作なども担当して独自の世界観を構築しました。

テレビ版に引き続きロックバンド「サカナクション」の山口一郎が出演し、タローマンマニアという体裁でタローマンと岡本太郎について語ります。

映画『大長編 タローマン 万博大爆発』のあらすじとネタバレ


(C)2025「大長編 タローマン 万博大爆発」製作委員会

時は1970年。万博開催に日本が沸いていたその時、2025年の未来から恐ろしい奇獣が万博を消滅させるためにやってきました。

でたらめな奇獣に対抗するにはでたらめな力が必要でした。

しかし、未来は秩序と常識に満ちあふれ、でたらめな力は絶滅寸前になっていました。

CBG(地球防衛軍)は万博を守るため、でたらめだらけなタローマンと共に未来へ向かいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『大長編 タローマン 万博大爆発』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『大長編 タローマン 万博大爆発』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2025「大長編 タローマン 万博大爆発」製作委員会

一行は秩序に守られた美しい2025年に到着しました。別の場所にタローマンも到着し、街にはでたらめが広がり始めます。

CBGはなかなかタローマンを見つけられませんでした。しかし、ある日、常識的になったタローマンがテレビでニュースになります。

一流常識機械人類のエランの脳が、実はタローマンと入れ替わっていました。

エランを連れて逃げたCBGは、ある男に捕らえられます。彼は過去においてきた少年隊員が成長した姿でした。

CBGこそが機械常識人間を開発していたこと、そして少年は地下に戻り原始同盟となって、寄獣と共に抵抗していたことがわかります。

一方、タローマンはエランの娘と一緒にいました。彼女はタローマンをモラルマンだと信じ込んでいました。

原始同盟と常識人間たちの戦いが始まります。でたらめではないタローマンは、常識的な攻撃を受けて倒れてしまいました。

未来の常識人間のトップは、なんとCBGの隊長でした。でたらめになれなかった彼は、生き方を変えて常識人間を作り出していました。

エランを吸収したタローマンはスーパーでたらめロボットとしてよみがえり、激しい闘いを繰り広げて敵を倒します。

その後、タローマンがエネルギーを放出すると、周囲の人間は皆でたらめを浴びたことにより、タローマンの顔になっていました。

タローマンは去り、タローマンに同化していたエランは戻って娘と再会します。

CBGは70年代に戻り、少年隊員と再会しました。万博を守れたことを喜びつつ、「人類は進歩なんかしていない」という岡本太郎のメッセージは伝わっていないかもしれないと言います。

その時、太陽の塔が脱走したという連絡が入ります。CBGはただちに出動しました。

映画『大長編 タローマン 万博大爆発』の感想と評価


(C)2025「大長編 タローマン 万博大爆発」製作委員会

魅力溢れる70年代のキャラクターたち

とにかくシュールな怪獣特殊撮影映画です。画面も登場する怪獣たちも、とても古いのにとてもスタイリッシュ。その素晴らしいチャーミングさを見たら、タローマンマニアが存在するのもうなずけます。

でたらめの根源で、へそ曲がりのタローマンは本当に魅力的です。

呼ばれなければ来るのがタローマン、あえて危険な道を進むのがタローマン、応援されると力を失ってしまうのがタローマン。まるでやんちゃで言うことをまったく聞かない幼い少年に思えてきます。

でたらめだった70年代には、「ノン」「水差し男爵」「縄文人」ら数々のキュートな怪獣たちが登場して楽しませてくれます。

タローマンは地球防衛軍CBGと共に、2025年の秩序正しい世界にでたらめをばらまくためにタイムワープ。

昭和100年として映し出される2025年は、カラフルで夢の世界のように美しく秩序に守られた世界として描かれます。

「べらぼう」と連呼する隊員らや、タローマンと脳が入れ替わってしまう秩序機械人類エラン、タローマンをモラルマンだと思い込むエランの娘など、ほかの登場人物もとても個性的で魅力たっぷりです。

心揺さぶる岡本太郎の金言


(C)2025「大長編 タローマン 万博大爆発」製作委員会

作中では、岡本太郎が発した数多くの奥深い言葉が紹介されます。

「流行というのは文字通り流れていくもの」「忘れるからこそいつも新鮮でいられる」といった、万人に通じる金言から、「死の本能が私を強烈に引っ張るからこそ、生命の歓喜が燃え上がるのだ」という普遍的な人間の生命について語った言葉。

そして、「自分の足で踏み分け、荊に顔をひっかかれる戦いを自分に課すのだ」「自分自身に打ち勝って、自分の生きがいを貫くこと、これが一番美しい」という、芸術家の性(さが)を言語化したかのような重い金言まであります。

岡本太郎は奇人変人として見られていますが、実際は自分の才能を花開かせるためにすべてを投げ打った真の芸術家だったことが伝わってきます。

「芸術は呪術である」そう語った岡本太郎。芸術家の自分は呪術をかけられたと感じたのか、芸術を生み出すのは呪術を身につけるのと同じ意味を持つと言いたかったのか。彼の真の胸の内を深くのぞき込みたくなることでしょう。

まとめ


(C)2025「大長編 タローマン 万博大爆発」製作委員会

シュールな世界感に圧倒される奇天烈映画『大長編 タローマン 万博大爆発』。

制作陣は「なんだこれは!」を体感してほしいと語っていますが、本作を観て「なんだこれは!」と思わない観客はいるのでしょうか。とにかくぶっとんだ作品です。

1970年代の混沌とした空気感を感じながら、確かにあの頃はでたらめが今より大分認められていた時代だったと実感します。フィクションのタローマンも、70年代だからこそ存在が許されているように思えてなりません。

どの時代にも良し悪しあると知りつつも、「あの時代に戻りたい」とつい思わされてしまうことでしょう。


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