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Entry 2018/06/01
Update

河瀬直美映画『Vision』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • 村松健太郎

『あん』『光』の記憶も新しい河瀨直美監督の2018年公開作品は、『Vision』は6月8日より全国ロードショー

2017年のカンヌ国際映画祭で監督と偶然の出会ったフランス人女優ジュリエット・ビノッシュ。『あん』『光』でもタッグを組んだ永瀬正敏のダブル主演で贈るファンタジーロマン。

夏木マリ、田中泯のベテラン組に森山未來や美波、そして俳優としても活躍するEXILEの岩田剛典が出演。エグゼクティブプロデューサーにEXILEのHIROも参加しています。

映画『Vision』の作品情報


(C)2018「Vision」LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

【公開】
2018年(日本映画)

【脚本・監督】
河瀬直美

【キャスト】
ジュリエット・ビノシュジャンヌ、永瀬正敏、岩田剛典、美波、森山未來、白川和子、ジジ・ぶぅ、田中泯源、夏木マリ

【作品概要】
海外でも広く活躍する永瀬正敏と名女優ジュリエット・ビノシュを主演に、河瀬直美監督が生まれ故郷の奈良でオールロケを敢行したヒューマンドラマ。

ジャンヌ役をビノシュが演じ、山守の智役を永瀬正敏が演じており、その脇を岩田剛典、美波、森山未來、田中泯、夏木マリたちが出演しています。

映画『Vision』のキャラクターと配役


(C)2018「Vision」LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

ジャンヌ(ジュリエット・ビノッシュ)
フランス人エッセイスト、ビジョンと呼ばれる植物を求め吉野の森にやってきます。

智(永瀬正敏)
猟犬コウと森に暮らす山守。

アキ(夏木マリ)
不思議な感覚を持つ女性、実は盲目。

鈴(岩田剛典)
ある日森にやってきた青年。智の手伝いをするようになる。

映画『Vision』のあらすじ


(C)2018「Vision」LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

フランス人エッセイストのジャンヌは、通訳兼助手の花を伴って吉野の森にやってきます。

ビジョンという植物を探しに来たのです。

一方、山守の智は何かと世話を焼いている不思議な女性アキから、明日春日神社へ行くようにと言われます。

翌日、春日神社で智はジャンヌは出逢います。

そして、しばらくの間、智の家の離れでジャンヌたちが寝泊まりすることにします。

言葉の壁があるものの、互いに心を通わせるようにあなる智とジャンヌ。

そして、智は森の薬草に詳しいアキをジャンヌに紹介します。

ジャンヌの存在がいずれ森に訪れるであろう“何か”だと知ったアキは、笑顔でジャンヌを出迎えました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『Vision』ネタバレ・結末の記載がございます。『Vision』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
一方でアキは智に関して、森と山に大きな変化が起き始めていることを告げます。

そのことには智も感じていました。

互いの距離が近づいていく智とジャンヌを残して、アキは森の中へと姿を消します。

アキは1000年に一度の時が迫っていると感じていました。

その後、一度ジャンヌは仕事の関係で日本を離れるが、すぐに智の元に戻ってくると強く約束します。

また、一人になった智は、ある日、森の中で鈴と名乗る青年と出会います。

素性も分からず言葉少なめ鈴ですが、智に馴染むと彼の仕事を手伝うようになって行きます。

秋、ジャンヌは帰ってきた。鈴の存在に驚くものの三人の生活が始まる。

ジャンヌは過去を思い出していました。

ジャンヌはこの森で岳という猟師に出逢い、愛し合うなかで命を授かります。

しかし、岳は老猟師の源の誤射を受けて命を落としてしまいます。

1000年に一度の時が森に訪れる。森で舞う鈴の姿に、岳とアキが重なります。

かつて、森で産み落としたジャンヌの子は、アキの手で育てられ、そして岳の実家に預けられます。

1000年に一度の奇跡が、大きなめぐり逢いを生んだのです。


(C)2018「Vision」LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

映画『Vision』の感想と評価


(C)2018「Vision」LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

ポスト是枝一番手の最新作

5月に映画界にビッグニュースが飛び込んできました。

是枝裕和監督の『万引き家族』がカンヌ国際映画祭最高賞のパルムドールに輝きました。

日本人監督として4人目の快挙で、5回目(今村正平監督が2度受賞)となります。

『万引き家族』で受賞するかどうかは分からなかったものの、是枝監督のカンヌでの実績を考えると、次はパルムドールしかなかったのが事実。

さて、次に日本人監督でパルムドールに近いのはと考えると、その一番手に挙がるのが本作『Vision』の監督河瀨直美監督。

これまでに、デビュー作の『萌の朱雀』で新人監督賞のカメラドール、『殯の森』で監督賞のグランプリ、『光』でエキュメニカル審査員賞を受賞しています。

カンヌで残されているのは、もはやパルムドールしかありません。

精力的に創作活動を行っている河瀨監督。もしかしたら、朗報は思いのほか近い話かもしれません。

まとめ


(C)2018「Vision」LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

2017年のカンヌ国際映画祭で河瀬直美監督と、偶然に出会うことになったフランス人の女優ジュリエット・ビノッシュ。

『あん』や『光』で河瀬監督とタッグを組んだ永瀬正敏がジュリエットとダブル主演で贈るファンタジーロマン『Vision』。

夏木マリ、田中泯のベテラン組に森山未來や美波も共演を果たし、なかでも若手俳優注目の岩田剛典の演技も見逃せません。

映画『Vision』は、6月8日より全国ロードショー

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