名曲が彩る感動の傑作ミュージカル
『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)は、『ドレミの歌』『私のお気に入り』『エーデルワイス』など劇中で歌われる名曲の数々とともに、映画史に名を刻む傑作ミュージカルです。
リチャード・ロジャース作曲&オスカー・ハマースタイン2世作詞によるブロードウェイミュージカルを、『ウエスト・サイド物語』(1961)のロバート・ワイズ監督が映画化し大ヒットしました。
アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか5部門を受賞しています。
出演は『メリー・ポピンズ』(1965)のジュリー・アンドリュース、『ビューティフル・マインド』(2002)のクリストファー・プラマー。
音楽の喜びや温かな家族の絆に加え、切ない恋の行方、恐ろしいナチスとの攻防など、ドキドキのシーンも織り交ぜられた珠玉の一作の魅力をご紹介します。
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映画『サウンド・オブ・ミュージック』の作品情報

(C)2025 20th Century Studios.
【公開】
1965年(アメリカ映画)
【原作】
ハワード・リンゼイ、ラッセル・クローズ
【監督】
ロバート・ワイズ
【脚本】
アーネスト・レーマン
【編集】
ウィリアム・レイノルズ
【キャスト】
ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー、エリノア・パーカー、リチャード・ヘイドン、ペギー・ウッド、チャーミアン・カー、ヘザー・メンジース、ニコラス・ハモンド、デュエイン・チェイサ、アンジェラ・カートライト、デビー・ターナー、キム・カラス、ダニエル・トゥルーヒット
【作品概要】
リチャード・ロジャース作曲&オスカー・ハマースタイン2世作詞によるブロードウェイミュージカルを、『ウエスト・サイド物語』のロバート・ワイズ監督が映画化し、大ヒットした傑作ミュージカル。アカデミー作品賞、監督賞ほか5部門を受賞。
ナチスの手が伸びるオーストリア・ザルツブルクを舞台に、家庭教師のヒロイン・マリアとトラップ家の子供7人との絆、そしてトラップ大佐との恋が名曲の調べに乗って描かれます。
日本でも長年にわたり愛され続ける名作です。2003年には「ニュー・プリント・デジタルリマスターバージョン」でリバイバル公開、2015年には「製作50周年記念日本語吹替版」として、新録音された日本語吹き替え版が公開。また、2025年には製作60周年を記念して、初の4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開されています。
主人公マリアを『メリー・ポピンズ』(1965)ジュリー・アンドリュース、トラップ大佐を『ビューティフル・マインド』(2002)のクリストファー・プラマーが演じます。
映画『サウンド・オブ・ミュージック』のあらすじとネタバレ

(C)2025 20th Century Studios.
1938年、オーストリア・ザルツブルグ。お転婆な修道女・マリアは、修道院長の勧めにより、古風で厳格な教育方針のトラップ家の家庭教師となりました。
旧オーストリア=ハンガリー帝国海軍の退役軍人のトラップ大佐は、妻亡き後、7人の子供達を厳しく育てていました。マリアは子供には遊びが大切だと話しますが、トラップ大佐は彼女の言葉をはねつけます。
長女のリーズルは電報配達員のロルフと恋人同士でした。彼と逢い引きしていたリーズルは、門限を破って雷鳴の中で家を閉め出され、マリアの部屋に逃げ込みます。彼女は自分を受け入れてくれたマリアに心を開くようになりました。
雷を怖がってほかの子達も全員マリアのもとへ集まりました。マリアは彼らを楽しい歌で元気づけます。
トラップ大佐がウィーンに出かけている間に、マリアはカーテンで子供達に遊び着を仕立ててやり、町や森へ連れ出して思い切り遊ばせます。そして歌を知らないという子供達に、ドレミの階名から音楽を教えてやりました。
やがて、トラップ大佐は婚約者のエルザと友人のマックスを連れて帰宅しました。やんちゃな子供達の姿を見て大佐は激昂し、マリアに解雇を言い渡します。
しかし、子供達の美しい歌声を聞いて自分が間違っていたことに気づき、マリアに謝罪して家庭教師を続けてくれるよう頼みました。
プロデューサーのマックスは子供達の合唱に感動し、合唱団として売り込もうとしますが、大佐は承諾しません。
エルザの歓迎舞踏会が開かれ、テラスで子供達と踊っていたマリアに大佐がダンスを申し込みます。
彼とダンスをしながらときめきを覚えてうろたえるマリア。そんな彼女の様子に気づいたエルザは、マリアを追い出したいがために、大佐の気持ちを本気にしないようにとマリアに意地悪な忠告をします。
自分がトラップ大佐にひかれていることに気付いて恐くなったマリアは、手紙を置いて黙って修道院へ戻ってしまいました。
映画『サウンド・オブ・ミュージック』の感想と評価

(C)2025 20th Century Studios.
心揺さぶられる珠玉の名曲たち
傑作ミュージカルとして今尚多くの人々に愛され続ける『サウンド・オブ・ミュージック』。何度観ても変わらず胸に熱いものがこみ上げるという方もきっと多いことでしょう。
本作の素晴らしいところは、曲それぞれが名シーンと一体化していることにあります。歌を聴くだけで感動の場面が胸によみがえるのです。
美しい山々の上空から映像が迫っていく冒頭の珠玉の1曲『サウンド・オブ・ミュージック』。美しい自然の風景の中にマリアが現れ、生きる喜びを体いっぱいに表現します。
雷に怯える子供達をベッドの上で楽しく元気づける『私のお気に入り』、16才のリーズルが密かに付き合う恋人と喜びを分かち合う『もうすぐ17才』など、シーンにマッチした素晴らしい名曲が次々に登場します。
そして最も有名な1曲『エーデルワイス』。コンクールの会場が一体となり、消えゆく祖国への愛を声を合わせて歌うシーンには涙がこみ上げます。
本作一番の見どころは、『ドレミの歌』を美しい山の上で子供達と歌うシーンです。
マリアの愛情が詰まったカーテンで作った遊び着を着て、大はしゃぎする子供達。歌を知らないと話す子供達に、マリアはドレミの階名からわかりやすく教えてやります。
ドレミを初めて知った子供達は、音楽の楽しさ、素晴らしさをあっという間に吸収します。市場やミラベル宮殿を歌いながらマリアと子供達が歌いながら行進する場面は、音楽の喜びと共にザルツブルクの美しさを堪能できる名シーンです。
子供の澄んだハーモニーを聴いてトラップ大佐も心を開きます。高き所から低き所に水が流れるかのように自然な変化に、ワイズ監督の見事な手腕が光ります。
ヒロインを務めたジュリー・アンドリュースの類い稀な魅力。
すべてを明るく照らすかのような美しい声、歌唱力、そして軽やかなダンスの才能あって本作は成功したといえますが、加えて、マリアの子供のように清らかな面と、温かく子供を導く大人びた面、そして初めての恋にうろたえる初々しさと共に、運命を受け入れる芯の強さまでを表現した演技力にも圧倒されます。
そして、忘れてはならない1曲が、本作のテーマを深く表現する、迷えるマリアを導くシスターの『すべての山に登れ』です。「すべての小川を渡り、すべての虹を追いかけなさい あなたの夢がみつかるまで」という歌詞が、明日への勇気を奮い立たせてくれます。
困難に立ち向かう家族の絆

(C)2025 20th Century Studios.
初めてマリアと顔を合わせた子供達の姿はとても印象的です。彼らはマリアのポケットに蛙を入れて驚かせますが、それは冷淡な父親を振り向かせたい一心からでした。母を亡くした子供達は全員、愛情に飢えていたのです。
下から2番目のマルタは初対面のマリアのスカートをつかんで自分が来週7才になることを話し、末の5才のグレーテルは立派なお姉さんだと言われて、得意気な笑みを浮かべます。幼い少女達の母への思慕が伝わってきて、このシーンだけで胸が締め付けられることでしょう。
子供達全員が、優しく朗らかなマリアに心開くまでに時間はかかりませんでした。マリアの全身から放たれるエネルギーと愛情に子供達は魅了され、一緒に歌い踊りながら心を通わせていきます。子供達を解き放つ音楽の力は、私たちの心も明るく照らしてくれます。
愛を求めてカラカラに飢えていた子供達の心は、マリアの愛情と音楽の喜びで満たされていきました。
頑なで氷のようだったトラップ大佐の心も、音楽とマリアによってあっという間に溶かされます。やがて2人は結ばれ、マリアは子供達の母として喜びの内に迎え入れられました。
ナチスに併合されるオーストリアという厳しい状況下でも、家族の絆は揺らぐことはありませんでした。両親を心から信じる子供達は、恐怖に打ち勝ち、手を取り合って危険を脱出します。
険しくも美しい山を自らの足で歩いてスイスへと亡命する一家。その先には間違いなく明るい未来が待っていることでしょう。
まとめ

(C)2025 20th Century Studios.
生命力あふれる名曲で人生の喜びを伝える傑作『サウンド・オブ・ミュージック』。
明るく健気な7人の子供達、妻を亡くしてから一人で子供を守ってきた大佐、そしてそこに現れた妖精のようなヒロイン・マリア。彼らが積み重ねる濃厚な時間が胸を温めてくれます。
どんな辛いことがあっても、楽しいことを思い出したり、美しい歌を口ずさんだりすれば乗り越えられる。マリアの子供達への教えは、私たちの心の奥深くまでしみ、これからの人生を支えてくれることでしょう。




































