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『コール・ミー・ダンサー』あらすじ感想評価レビュー。インド人ダンサーが歩む厳しい道のりを追った異色のドキュメンタリー

  • Writer :
  • 桂伸也

映画『コール・ミー・ダンサー』は2024年11月29日(金)より全国順次公開!

一人の才能あふれる若きダンサーの姿より、その道を志すことの厳しさを変わりゆくインドの姿とともに描いた映画『コール・ミー・ダンサー』。

芸術分野を志すにはまだ大きなハンデを背負っている、インドという国に生まれながらも、自身の持つあふれる才能を信じて突き進む姿を、彼を思う周囲の人々の表情とともに追います。

隆盛を示すボリウッド映画などのエンタテインメントがあふれた国、という印象とは矛盾したこの国における芸術分野への道の厳しさに対し、あえて挑戦する一人の青年の姿を通して変わりゆく空気感を表現したこの作品は、世界各地の映画祭で多数の賞を受賞し高い評価を得ています。

映画『コール・ミー・ダンサー』の作品情報


(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

【日本公開】
2024年(アメリカ映画)

【原題】
Call Me Dancer

【監督・脚本】
レスリー・シャンパイン、ピップ・ギルモア

【出演】
マニーシュ・チャウハンほか

【作品概要】
類まれなる才能を持ちながら、インド出身、遅咲きというハンデを抱えたバレエダンサーが、数々の試練に立ち向かいながら夢に向かって奮闘する姿を描いたドキュメンタリー。

物語の焦点となる登場人物は、2020年のNetflix映画『バレエ 未来への扉』に本人役で出演したインド出身ダンサーのマニーシュ・チャウハン。彼のダンスとの出会いから成長までの人生におけるドラマチックな半生を追います。

ドキュメンタリー作品を中心に手がけてきたレスリー・シャンパイン、ピップ・ギルモアがダブルネームで監督を務めます。

映画『コール・ミー・ダンサー』のあらすじ


(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

ムンバイに住む青年マニーシュは、ヒップホップなどの音楽に合わせ踊るストリートダンスに興味を抱き、独学で練習を始めます。

ある日テレビのオーディション番組に出演したことでその才能に多くの注目を浴びた彼は、周囲よりその才能を伸ばすことを勧められ、両親から反対されながらもダンススクールへ入学、大学生活と並行して腕を磨くことになります。

そこでバレエを教える情熱的なイスラエル人・イェフダと出会ったことから、マニーシュはバレエの魅力にとりつかれていきます。

優れた運動能力と向上心を持つマニーシュは、彼にほれ込んだイェダフの尽力もあり、短期間で驚異的な成長を見せていきました。

しかしあふれる才能があるながらも、彼はバレエダンサーとして活躍するにはスタートが遅過ぎて……。

映画『コール・ミー・ダンサー』の感想と評価


(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

近年目覚ましい経済発展を遂げながらも、未だ発展途上国という立場を抜けきれていない、インドという国。

物語の中心人物であるマニーシュ・チャウハンは、そのインド社会においては、どちらかというと中流の家庭環境にありながらも、未だ国にはびこる「現実的な生活を求めるべき」という社会観により、夢を追うことに大きなハンデを抱えた人物であります。

物語の冒頭ではこの彼の人生における背景にふれる箇所が多く、作品としては社会問題、社会課題に対するメッセージを含んだものである印象を感じさせます。

しかし作品を通してみると、変わりゆくインドという国の今、発展途上、貧困というさまざまな問題を抱える一方で、国自体の風土、風習が持つ魅力の一端のようなものを感じることもできます。

そして一方でマニーシュの奮闘する姿を通して、努力を続けることへの意義を改めて問うようなテーマ性も見えてきます。


(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

物語の展開に従いマニーシュの立ち位置、その見え方に変化が見られ、作品の主題的なポイント自体が違うものへと大きく変わっていくところに大きな驚きが見られます。

見る側としては、序盤はマニーシュ自身の「インド出身」という境遇に関してのさまざまな考えを想起させられます。

ところが、彼は途中からは国籍も何も関係のない「世界を渡り歩く一人のダンサー」へと変貌します。その姿からは道を志すことの厳しさと、その道に向き合うことによって得られる大きな意義の両方が見えてきます。

一方、もともとインドという地での仕事を望まなかったというイェダフは、マニーシュとの交流を通してインドという地を知り、その優しさ、尊さを感じていきます。

彼の感じるその空気は、見る側にもそのまま伝わってくるような感覚があり、インドという国の持つ変わらぬ特性と、若者が夢を追うことへの理解を深める現代的な流れの両方を感じ取ることができるでしょう。

まとめ


(C)2023 Shampaine Pictures, LLC. All rights reserved.

監督の一人であるレスリー・シャンパインはもともと長年にわたってダンサーとして活躍したキャリアがあり、引退後にプロデューサーとして数々のドキュメンタリー作品に携わってきた経歴があります。

そのためダンスというジャンルに対しての見識も深く、作中に見られるダンスシーンは目を奪われるような魅力にあふれた映像美を披露しています。

一方でダンスシーンを中心に原色をカラフルにまぶした華やかなシーンと、物語の中心人物であるマニーシュの練習場面などにおける、煤けたような色彩のシーンが織りなすコントラストは印象的でもあります。

その意味で本作はさまざまな社会課題を訴えるドキュメンタリーという側面を持つ中で「美しい映像」としても非常に目を引く魅力を持った作品であると言えます。

映画『コール・ミー・ダンサー』は2024年11月29日(金)より全国順次公開!





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