映画『スイッチ 人生最高の贈り物』は2023年12月1日(金)よりシネマート新宿・心斎橋他で全国順次公開!
近年コメディ作品で頭角を現しているクォン・サンウが今回も「笑い」に果敢に挑戦、ポイントは「クリスマス」!
押しも押されもせぬ人気を誇る人気俳優が、ふとしたきっかけで全く違う人生を辿り、失われていたた自分の一面を取り戻していく姿を描いたコメディ映画『スイッチ 人生最高の贈り物』。
『探偵なふたり』で脚色を担当したマ・デユン監督が、同作で主演を務めたクォン・サンウと再タッグでまた新しいクリスマス・ストーリーを作り上げました。
映画『スイッチ 人生最高の贈り物』の作品情報
【日本公開】
2023年(韓国映画)
【原題】
스위치(英題:Switch)
【監督】
マ・デユン
【キャスト】
クォン・サンウ、オ・ジョンセ、イ・ミンジョン ほか
【作品概要】
人気俳優とその親友であるマネージャーの人生がクリスマスを境に突然入れ替わり、様々な騒動に巻き込まれながらも、多忙な毎日の中で忘れてきた大切なものに気付かされるハートフルコメディ。
監督は『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』『さまよう刃』など数々の脚色を手掛けてきたマ・デユン。
本作で主演を務めたのは、テレビドラマ「推理の女王」、映画『探偵なふたり』『ヒットマン エージェント:ジュン』と、近年コメディーに新境地を見出したクォン・サンウ。
主人公の友人を、『仁寺洞スキャンダル』『スイングキッズ』『エクストリーム・ジョブ』など、バイプレーヤーとして数多くの作品に出演するオ・ジョンセが担当、さらにヒロイン・スヒョンを韓流ドラマ「一度行ってきました」のイ・ミンジョンが演じました。
映画『スイッチ 人生最高の贈り物』のあらすじ
出演作は皆大ヒットし映画賞は総ナメ、オファーが絶えないトップ俳優パク・ガン(クォン・サンウ)。
若手女優との一夜限りの情事を楽しむような、華やかな独身生活を送っていた彼でしたが、クリスマスイブの夜、親友でマネージャーのチョ・ユン(オ・ジョンセ)と飲んだ後にとあるタクシーに乗ったのを機に、パラレルワールドに迷い込んでしまいます。
新しい人生でユンは超売れっ子俳優となっており、彼はユンのマネージャー兼売れない俳優。まるで人生が入れ替わってしまいました。
またこの世界でのガンは、かつて互いの成功のため別れたはずの恋人スヒョン(イ・ミンジョン)と結婚し、幼い双子の父親に。突然の人生の変わりように混乱しながらも、事態を受け止めようと悪戦苦闘する彼でしたが……。
映画『スイッチ 人生最高の贈り物』の感想と評価
そのシャープなルックスとクールな出で立ちで、「ポスト韓流四天王」的な存在と目されていたクォン・サンウですが、近年の出演作からは「本格演技派俳優」としての活躍が伺えます。
2017年のドラマ『推理の女王』ではクールな雰囲気を残しながらも、コメディタッチの物語をしっかりと紡ぐキーマンとして熱演。『探偵なふたり』シリーズや『ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズ』『ヒットマン エージェント:ジュン』とコメディ要素の高い作品に出演する一方で、韓国ノワールな2019年の映画『鬼手』にも出演しています。
これらの作品で興味深いのは、彼が演じている役が「うだつのあがらないダメ亭主」的な一面を持っていること。
『ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズ』では離婚を経験した元所帯持ち。その他の作品では妻もあり子もありという役柄で、得意な分野では抜群の能力を発揮する一方で、家では妻にお小言を言われっぱなしのダメ亭主ぶりを熱演し、人間臭く思わず笑ってしまう愛らしい人間を演じています。
そうした役柄の傾向は、2009年以降の彼自身のプライベートにおける生活の変化も大きく影響しているとも考えられる一方で、自身の出で立ちだけに囚われない、あるいは自身の出で立ちだからこそ生み出せる“ギャップ”という強みを生かせる演技の可能性を模索した結果とも見られるでしょう。
本作で演じる俳優パク・ガンのキャラクターもしかりです。パラレルワールドに迷い込んだ彼は、家庭では双子の子どもと生活を支える妻のもとで、自身は主人ながら家計を支えられない肩身の狭い立場に追い込まれてしまいます。
この作品の序盤からクライマックスまでの間で見られるクォンの姿は、「イケメン」的な存在からは程遠いもの。しかしエンディングではふっとドラマチックなシーンの中心となり、かつて華々しくこの世界に登場した時の姿を彷彿とさせます。
コメディという新しいジャンルで地盤を固めながら、自身の持ち味もしっかりとアピール。その意味で本作は、彼のキャリアをまた一歩前進させ、演技スタイルを大きく広げた作品となったと見ることもできます。
なお共演のオ・ジョンセは、韓流ドラマでは三枚目ポジションながらクールな雰囲気からお笑いキャラまで幅広くこなす人気バイプレーヤー。本作でもクォンとの絶妙な距離感が、笑いを誘いながらも物語のテーマ性を崩さず程よい空気感を作り出しており、相性の良さを感じさせています。
まとめ
『スイッチ 人生最高の贈り物』では「クリスマス」が重要なキーワードとして登場しますが、本作のストーリーはチャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』を原作とした1988年の映画『3人のゴースト』を連想させます。
『3人のゴースト』は金の亡者として皆から嫌われる男性が、クリスマスに3人の亡霊から自身の過去・現在・未来を見せられることで、自身の人生を見直すという物語。
『スイッチ 人生最高の贈り物』でガンがクリスマスに見せられるものは違った光景でありますが、「主人公の人生における過去の過ちを正し、新たな人生を迎えさせてくれる」という点では、二つの物語は共通したテーマで「王道のクリスマス・ストーリー」を描いています。
近年の単なる催し物的な見え方しかないクリスマスの存在価値を少し変えられ、なにか人生を見直す一つのタイミング、きっかけになっているようにも感じられるでしょう。
そして時に笑いをはさみながらも、ポジティブなイメージを最初から最後まで貫き通した『スイッチ 人生最高の贈り物』。新たな年をアクティブに迎えたいと願う人々にもぜひオススメしたい作品であります。
映画『スイッチ 人生最高の贈り物』は2023年12月1日(金)よりシネマート新宿・心斎橋他で全国順次公開!