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映画『ボン・ボヤージュ』ネタバレ感想と評価レビュー。“家族旅行は大暴走”で絆の再生と成長を描く

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

ハートフルでエキサイティングな密室コメディ。

夏休みのバカンスに出かけた家族が、停車不能の暴走車両に乗り込んだ事から起きる騒動を描いたコメディ映画『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』。

主人公の家族を軸に、個性豊かなキャラクターが多数登場する他、カーアクション要素も入った異色の作品となる、本作をご紹介します。

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映画『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』の作品情報


(C)2016 Chic Films-La Petite Reine Production-M6 Films-Wild Bunch

【日本公開】
2017年(フランス映画)

【原題】
A fond

【監督・脚本】
ニコラ・ブナム

【協同脚本】
フレデリック・ジャルダン、ファブリス・ロジェ=ラカン

【キャスト】
ジョゼ・ガルシア、アンドレ・デュソリエ、カロリーヌ・ビニョ、ジョゼフィーヌ・キャリーズ、スティラノ・リカイエ

【作品概要】
監督は、フランスで大ヒットを記録した『世界の果てまでヒャッハー!』など、一風変わったコメディ作品に定評のあるニコラ・ブナム。

主演に、フランスで数々のコメディ作品に出演し、2000年の映画『Jet Set』でトップスターとなった、ジョゼ・ガルシア。

映画『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』のあらすじ


(C)2016 Chic Films-La Petite Reine Production-M6 Films-Wild Bunch

整形外科医で大儲けしているトムは、精神科医で妊娠中の妻ジュリアと、反抗期の娘リゾン、ヤンチャ盛りの息子ノエと4人で暮らしていました。

夏休みのある日、トムは家族と1週間の旅行に出かけますが、リゾンは完全に嫌がっています。当初はノリ気だったジュリアも、トムの父親ベンが一緒である事が分かり、あからさまに不機嫌に。

それでも、強引に家族旅行を決行しようとするトムは、新型のシステム「メドゥーサ」を搭載した新車に、家族を乗せて出発。

目的地のビーチに向かう途中、妊娠している子どもの名前にベンが口出ししてきた事で、ジュリアは更に機嫌が悪くなり、車内は険悪なムードになります。家族旅行を盛り上げようとする、ベンの明るさも完全に空回りしていました。

家族が立ち寄ったサービスエリアで、ベンはメロディという女性と出会います。母親とヌーディストビーチに向かう途中で置き去りにされたメロディを、ベンは勝手に車に乗せて荷台に隠しました。

サービスエリアから出発したトム一家ですが、ベンの無神経な発言の数々にジュリアの怒りが爆発、自宅に帰る事を望むようになります。

ベンはジュリアをなだめながら運転を続けますが、「メドゥーサ」が突如不具合を起こし、加速はできても減速ができなくなってしまいます。

トム一家の車は、停車が不可能な暴走車となりました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』ネタバレ・結末の記載がございます。『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2016 Chic Films-La Petite Reine Production-M6 Films-Wild Bunch

トムが運転する車は高速道路を暴走し、停車していたBMWのドアを破壊。BMWのドライバーは怒って、トムの車を追いかけて来ます。

また、高速道路警備隊が、暴走するトムの車を停車させようとしますが「車が停まらない」と力説するトムを信じ、サポートを開始。

トムは自動車を売りつけたディーラーに助けを求めて電話をしますが、適当にあしらわれてしまいました。

さらに、身の危険を感じたメロディが車内でノエの水中銃を振り回したり、トムがスズメバチに刺されたり、ワイパーが壊れたりと、大ピンチが続きます。

数々のピンチを切り抜けながら運転を続けるトムですが、60キロ先に渋滞の列が発生している事が判明。このままでは渋滞の列に突っ込んでしまうピンチを迎えたうえに、追いかけて来たBMWのドライバーが、トムの車にぶつかって来てしまいます。

ノエがBMWのドライバーの足に水中銃を打ち込み、BMWはキャンプ場に突っ込みました。BMWのドライバーは撃退しましたが、渋滞を避ける事は不可能と思われ、家族は死を覚悟しします。

リゾンは「パパはママの秘密を知らなーい」と歌い始め、その歌にトムは反応しますが、ジュリアはとぼけます。

そこへ、トムの部屋の下の階に住んでいる若い画家から、ジュリアの携帯電話に連絡があります。ベンが出発前にトイレを使い、トイレットペーパーを詰まらせた事で、水漏れが起きていました。

その水漏れを訴える電話でしたが、ジュリアの携帯電話に直接連絡が入った事をトムは怪しみ、ジュリアの携帯電話を外に投げます。ジュリアは、画家と不倫関係にあった事を告白します。

ですがトムも、整形外科の若いアシスタントの女性と不倫をしていた為、ジュリアは「お互い様よ!」と開き直ります。トムとジュリアが口論を続ける間も、車は渋滞の列に迫っています。

高速道路警備隊は、隊長に状況を伝え、ヘリコプターの出動を要請。さらにリゾンとノエ、メロディを、高速道路警備隊が運転する車に避難させます。

ジュリアは、高速道路警備隊のヘリコプターに救出されます。

車内で2人になったトムは、ベンからこれまでトムの車を勝手に運転して暴走していた事、トムの整形外科の資金を拝借していた事などを聞かされます。ベンに「俺の人生から消えてくれ」と怒るトムに、ベンは最後の言葉として「お前の父親で良かった」と告げます。

そこへ、ヘリコプターの救助隊が車に乗り込み「2人まとめて助ける」と伝えます。

ついに、渋滞の列が見えてきました。突っ込んでしまう事を覚悟したトムですが、ヘリコプターが車ごと持ちあげ、渋滞の列を回避させます。

さらに、落下した衝撃で車は停まり、助かったトムとベンは抱き合って喜びます。

2人の無事を確認したジュリアは、子どもが産まれそうになり、そのままヘリコプターで病院へ。ジュリアは無事に出産し、家族の絆は深まります。

トムの一家は、エレベーターに乗って帰ろうとしますが、今度は最新鋭のエレベーターが誤作動を起こします。

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映画『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』感想と評価


(C)2016 Chic Films-La Petite Reine Production-M6 Films-Wild Bunch
家族崩壊を起こしかけている一家が、暴走車両に乗り込んだ事から起きる、騒動を描いたコメディ映画『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』。

家族をテーマにした、ロードムービーと言えば、2006年の『リトル・ミス・サンシャイン』などがありますが『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』では、加速しまま停車不能となる、暴走車両を登場させる事で、アクション映画の要素を強くしている事が特徴です。

車の暴走シーンは、ニコラ・ブナム監督の「本物を撮りたい」という希望から、実際に130キロで車を走らせて撮影しています。

実際に130キロで走りながらの撮影の為、俳優たちも鬼気迫るリアルな演技となっており、主演のジョゼ・ガルシアは、撮影現場での事故の多さから「俺は今、アクション映画の撮影現場にいるのか?」と思った事を語っています。

そんな危険と隣り合わせの撮影で作られた本作ですが、車を停車できないトムの家族を襲うピンチの数々は、スズメバチやワイパーの破損、トムとジュリアの不倫騒動など、実に地味で身近なものになっています。

ロードムービーコメディだと、必ず話をややこしくするキャラクターがいますが、本作ではトムの父親、ベンがその存在です。

ベンは、10年で30人の女性に振られており、トムの車を勝手に使用したスピード違反の常習犯だったり、トムの整形外科のお金を私的に流用するなど、めちゃくちゃなキャラクターです。

このベンを、クロード・ルルーシュやジャン=ピエール・ジュネ、クリストフ・ガンズなど、フランスを代表する監督作品に数多く出演している、アンドレ・デュソリエが演じており、どこか憎めないベンを熱演しています。

本作のテーマは、家族の絆の再生で、特にトムとベンの親子の物語でもあります。

主人公のトムは、ベンの息子でありながら、2人の子供の父親でもあり、ジュリアの夫という、さまざまな立場を使い分けなければならず、どこか自分中心で空回りしている印象がありました。

ですがラストには、子供を守る父親であり、ジュリアを愛する夫となり、また、父親を尊敬する息子へと変わります。トムが家族の中心として立派になったからこそ、バラバラになりかけていた家族が1つになるのです。

本作は、トムの成長を通して、家族の形を問いかける作品でもあります。

まとめ


(C)2016 Chic Films-La Petite Reine Production-M6 Films-Wild Bunch

本作に登場するキャラクターは、トムの家族を始め、トムの苦情を全て受け流す自動車ディーラーや、能力は高いですが、口が悪く卓球好きの高速道路警備隊の隊長など、どれも個性豊かです。

特に、トムの車にBMWを破壊され、執拗に追跡してくるドライバーが強烈で、トムの車を追いかけて、料金所を突破したり、高速道路警備隊を振り切ったりと、めちゃくちゃな追跡を続けます。

執念の追跡を見せるBMWのドライバーと、それに気付いてないトムとの、全く噛み合わない関係も見どころとなっています。

コメディ作品に、アクション要素を入れた本作は、カーアクション部分も見応えがあり、最高級のエンターテイメント作品としておススメですよ。

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