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【ネタバレ】ブルース・ブラザース|あらすじ感想解説と結末評価。名曲×豪華キャスト陣が繰り広げる最高にクールな《お祭り映画》

  • Writer :
  • 谷川裕美子

ド派手なアクションと極上音楽シーンで酔わせる大名作!

アメリカのコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが演じた人気キャラクターを映画化した『ブルース・ブラザース』。

黒いハットにサングラス、黒いスーツを身にまとったブルース・ブラザーズが巻き起こす大騒動を、笑いとアクション、極上の歌と踊りを散りばめながら描いた名作コメディです。

ゲスト出演するジェームズ・ブラウン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンら豪華ミュージシャンたいの演奏にも聴きほれる一作となっています。

全編ひたすら楽しい名作の、今なお色あせない魅力をご紹介します。

映画『ブルース・ブラザース』の作品情報


(C)1980 Universal Studios All Rights Reserved

【公開】
1980年(アメリカ映画)

【監督】
ジョン・ランディス

【製作】
ロバート・K・ワイス

【脚本】
ダン・エイクロイド、ジョン・ランディス

【音楽】
アイラ・ニューボーン

【キャスト】
ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、キャリー・フィッシャー、キャブ・キャロウェイ、ジョン・キャンディ、ヘンリー・ギブソン、チャールズ・ネイピア、ジェフ・モリス、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ジェームズ・ブラウン、ツイッギー、キャスリーン・フリーマン、ポール・ルーベンス、チャカ・カーン、フランク・オズ、スティーヴ・ローレンス、スティーヴン・スピルバーグ

【作品概要】
アメリカのコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にて、ジョン・ベルーシと『ゴーストバスターズ』(1984)のダン・エイクロイドが演じた人気キャラクターを映画化。

自分たちの育った孤児院を救うために、主人公であるジェイクとエルウッドのブルース・ブラザーズが、バンドを再結成して金を手に入れようと奮闘。音楽だけでなく、警察やネオナチと繰り広げる激しいカーチェイスも大きな見どころとなっています。

ブルース・ブラザーズの演奏シーンに加え、ジェームズ・ブラウン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンら豪華ミュージシャンの演奏は圧巻です。またキャリー・フィッシャー、ツイッギーら豪華キャストも見逃せません。

映画『ブルース・ブラザース』のあらすじとネタバレ


(C)1980 Universal Studios All Rights Reserved

刑務所から出所したジェイクを、弟のエルウッドが迎えに来ました。全身黒づくめにサングラスというソックリな出で立ちのふたりは、固く抱き合います。

かつて世話になった孤児院を訪れた彼らは、母親代わりのシスターから孤児院が経営難に陥っていることを聞かされます。

そして教会で牧師の圧倒的な音楽パフォーマンスを見たふたりは、「バンドをやるべきだ」という啓示を受けます。

かつてのバンド仲間たちと再会し、孤児院のためにコンサートを開催し一獲千金を目指そうとしますが、道中で信号無視をしたエルウッドは警察に見つかってしまいます。

出所したてで免停中だったのがバレたエルウッドは、そのまま車で逃走。激しいカーチェイスを繰り広げます。

なんとか振り切り、エルウッドのボロアパートにたどり着いたものの、ドアの前で謎の女から砲撃を受けて危うく殺されかけます。

ひと晩眠った翌日、警察がふたりを追ってきます。そんな中、女はアパートをリモコンで爆発。ジェイクとエルウッドはまたもや無傷で抜け出し、逮捕を免れます。

兄弟はかつてのバンド仲間を探してまわります。現役で演奏活動をしていた5人は、再結成に賛成しました。

一人は高給レストランに勤務しており、バンドに入りたがりませんでしたが、兄弟からのひどい嫌がらせに音を上げていやいや了承します。

また橋の上の道路を封鎖してしまった、ネオナチ党のデモに行き合った兄弟は「気に入らない」という理由で車でど真ん中をつっきり、車に追いやられた党員たちは全員橋から川へと落っこちました。

党員たちは兄弟の車のナンバーを確認し、怒りを募らせます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『ブルース・ブラザース』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『ブルース・ブラザース』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)1980 Universal Studios All Rights Reserved

兄弟はそのまま、妻とレストランを営むマットをバンドに引き入れようと迎えに行きます。妻に猛反対されながらも、マットと従業員マリーニはバンドに参加しました。

レイの中古楽器店で、兄弟はツケ払いで楽器を調達。

ライブの手配をしてもらおうと電話ボックスに入った彼らのもとに、またもや謎の女が現れ、ふたりに向けて火炎放射器をぶっ放します。ボックスは燃え上がりましたが、ふたりはまったく無傷のままでした。

ブルース・ブラザースはたまたま通りかかった酒場に乗り込み、そこで演奏する予定だった「グッド・オール・ボーイズ」だと嘘をついて演奏を始めてしまいます。

荒くれ者ばかりの客に受け入れられ、おおいに盛り上がりましたが、飲み代の方が出演料を上回ってしまいます。そこに本物の「グッド・オール・ボーイズ」が到着しますが、ジェイクはうまくいいくるめて金を払わずに逃げ出しました。

店の主人と「グッド・オール・ボーイズ」がすぐさま彼らを追いかけますが、兄弟を張っていた警察と鉢合わせして衝突事故を起こしてしまいます。

旧知のエージェントに無理を言って、ジェイクらは翌日のパレスホテルの宴会場を押さえました。孤児院の子どもたちとともに、コンサートの宣伝をして回ります。

拡声器をつけて派手にシカゴ中で宣伝を続けた兄弟は、すぐに警察やネオナチ党、「グッド・オール・ボーイズ」らの目に留まりました。会場にはブルース兄弟のファンや兄弟を追う者たちが一堂に会し、満席となります。

ガス欠で遅れて会場に到着したジェイクとエルウッドは、追手の目をかいくぐってステージにたどり着きました。兄弟はとびきりの歌とダンスで聴衆をわかせます。

レコード会社社長からレコード化を持ちかけられ、前金で1万ドル受け取ったジェイクたち。兄弟は警察から逃げなければならない事情を話し、社長から抜け道を教えてもらってステージから逃げ出します。

ところが地下道では例の謎の女が待ち構えており、銃で撃ってきました。実は彼女はジェイクの元婚約者で、結婚式当日に自分を捨てた彼に深い恨みを抱いていました。

ジェイクはバカげた言い訳をした末に、彼女の目をじっと見つめてキスします。しかし女に隙ができた瞬間、ジェイクは彼女を突き飛ばしてエルウッドと逃げ出しました。

逃げる兄弟の車を数え切れないほどのパトカーが追いかけますが、エルウッドの腕についていくことができず自滅していきます。さらに追ってきたネオナチ党員たちも、エルウッドは見事に振り切りました。

税務署に到着した兄弟は、ドアにバリケードを築いてから事務所に駆け込みます。その間にも、何百人もの警察官、SWAT、兵士らが建物に殺到しました。

途中途中にバリケードを作って敵に先んじ、兄弟は無事孤児院の納税金を納めます。領収印をもらった瞬間、無数の銃に狙われた彼らは逮捕されました。

監獄に入ったブルース・ブラザーズは、エルヴィス・プレスリー『監獄ロック』を歌います。

受刑者たちは皆立ち上がり、熱狂。監獄に入れられても、兄弟とバンド仲間たちのライブは終わらないようです……。

映画『ブルース・ブラザース』の感想と評価


(C)1980 Universal Studios All Rights Reserved

超一流ミュージシャン集結の極上お祭り映画

本作の見どころは、何といっても連続して登場する圧巻の音楽シーン次から次へと超一流ミュージシャンが登場し、極上の演奏を聴かせてくれます。

老若男女問わず、誰もが歌とダンスを全身で楽しむ様子を見ていたら、一緒にスイングせずにはいられなくなることでしょう。

最初に登場するのは、教会の牧師役のジェームズ・ブラウン。革新的なファンクを生みだした偉大なシンガーが、信者たちの前で圧倒的なパフォーマンスを見せます。それを見たジェイクが神の啓示を受ける姿に笑いながらも、思わずうなずいてしまうことでしょう。

昔のバンド仲間マットを引き入れるために、ブルース・ブラザーズは彼の働くレストランを訪れます。レストランを経営するマットの妻が猛反対しながら歌う『Think!』には度肝を抜かれるに違いありません。

バラエティなどでもよく使用され、誰もが一度は聞いたことがあるであろうほど有名な曲ですが、実際に歌っている姿を見たことがある人は少ないのでは。初めて観た人は「これはいったい何者なのか!」と脳みそがぶっとぶほど圧倒されることでしょう。

彼女こそは、“ソウルの女王”アレサ・フランクリンです。このシーンだけでもこの作品を観る価値は充分あると思わせるほど、素晴らしい歌声で酔わせてくれます

その直後のシーンにはレイ・チャールズが中古楽器店の店主役で登場し、ブルース・ブラザーズと見事なコラボを見せます。

その後も、酒場やパレスホテルのホールで演奏する兄弟。彼らの最高のステージに聴衆らは、皆立ち上がって熱狂します。その中のひとりになりきって、ぜひ一緒に踊りながらステージを楽しんでください

ラストには、プレスリーの名曲『監獄ロック』をミュージシャンらがリレー形式で歌う豪華おまけショット付きです。

激しく繰り広げられる壮大な追いかけっこ


(C)1980 Universal Studios All Rights Reserved

もうひとつの大きな見どころは、壮大でド派手な「追いかけっこ」です。

物語は、刑務所から出てきたジェイクをエルウッドが迎える場面から始まります。黒づくめにサングラスをかけたふたりのクールな姿にしびれます。

エルウッドが乗ってきたのは、ボロボロの中古のパトカー。ところが「ブルースモービル」と名付けられたこの車が、とんでもない大活躍をします。

エルウッドは信号無視をしたところを警察に見つかり、免停中とバレて逃げ出します。ここで最初のカーチェイスシーンに突入しますが、ショッピングモール内を駆け抜ける激しい展開に思わず息をのむことでしょう。ハチャメチャにスケールが大き過ぎて、ただただ圧倒されます。

なんとか振り切った彼らがアパートに着くと、今度は火炎放射器をぶっ放すイカれた謎の女性が登場します。演じているのはなんとキャリー・フィッシャー、『スター・ウォーズ』のレイア姫です。

彼女は何度も登場しては、アパートを爆発させたり、電話ボックスごと火炎放射器で燃やしたりと、無茶苦茶な攻撃をしかけてきます。

その後も兄弟はネオナチやら、カントリーバンド「グッド・オール・ボーイズ」やらを敵に回し、警察らを含め何百人もの人たちから追われることとなります。

映画終盤、ホテルでのライブを成功させた後に起こったカーチェイスの迫力は、凄まじく圧巻です。エルウッドの神がかった運転に誰もついていけず、次々にパトカーが大破していきます。

兄弟を追って大勢の敵が税務署になだれ込むシーンには、もう笑うしかありません。それでもジェイクらは見事に勝負に勝ち、納税を無事に済ませて孤児院を救ったのです。

まとめ


(C)1980 Universal Studios All Rights Reserved

ハチャメチャなストーリー展開と本格ミュージシャンの演奏がたまらなく楽しい名作『ブルース・ブラザース』。

主演のジョン・ベルーシとダン・エイクロイドの息の合ったかけ合いが素晴らしく、コミカルなシーンとカッコよすぎる歌とダンスシーンのギャップにしびれます

一緒に踊りながらひたすら楽しく観てほしい、極上の一作です。




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