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Entry 2021/02/28
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映画『ヘンゼル&グレーテル』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。グリム童話を元にアクションホラーとして“魔女ハンター”となった2人を描く|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー25

  • Writer :
  • からさわゆみこ

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第25回

深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。

そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第25回は、映画『ヘンゼル&グレーテル』は、親に捨てられ森の奥で“お菓子の家”に迷い込んだ、グリム童話“ヘンゼルとグレーテル”の15年後の物語。

成長したヘンゼルとグレーテルは、“魔女退治専門”の賞金稼ぎとなり、魔女の悪だくみから、村の人々を助ける英雄となっています。

監督は『処刑山 デッド卍スノウ』(2010)で鬼才を放った、ノルウェー出身のトミー・ウィルコラ。映画『ヘンゼル&グレーテル』でハリウッドデビューを果たしました。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

映画『ヘンゼル&グレーテル』の作品情報

(C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

【公開】
2013年(アメリカ映画)

【原題】
Hansel & Gretel: Witch Hunters

【原作】
グリム兄弟

【監督/監督】
トミー・ウィルコラ

【キャスト】
ジェレミー・レナー、ジェマ・アータートン、ファムケ・ヤンセン、ピーター・ストーメア、トーマス・マン、デレク・ミアーズ、トミー・ウィルコラ

【作品概要】
ハート・ロッカー』(2008)でアカデミー賞主演男優賞にノミネート、「アベンジャーズ」シリーズのホークアイ役で人気のジェレミー・レナーと、『007/慰めの報酬』(2008)のボンドガール、『人生はシネマティック!』(2016)で主演のジェマ・アータートンが兄妹役で共演。

子供たちを誘拐する魔女ミュリエル役には、「X-MAN」シリーズのメインキャスト、ジーン役を好演したファムケ・ヤンセンが務めます。

映画『ヘンゼル&グレーテル』のあらすじとネタバレ

(C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

夜更けの奥深い森に明かりの灯る一軒の家があります。その家へ足早に帰っていく男がいました。家に入ると男の妻が神妙な面持ちで言います。

「子供たちを森へ……」

眠っていた男の子と女の子の兄妹は父親に起こされて、森の奥深くへと連れていかれます。そして、迎えに来るからとどまっているように言うと、父親は元来た道を帰ってしまいました。

待てど暮らせど父親は戻ってきません。残された兄妹は訳がわからないまま、“両親に捨てられた”と理解し、2人は森の中をさまよいます。

すると兄妹の目の前にカラフルな家が現れました。2人は、助けを求めて近づきドアをノックします。男の子は壁が柔らかく甘い香りがすることに気がつきます。

男の子はお腹が空いていたのでつい食べてしまうと、それはお菓子でできた家でした。女の子もむさぼり食べはじめると突然、家の扉が開き2人は導かれるように中へ入ります。

家の中はロウソクの灯りだけで薄暗く、怪しい雰囲気でした。2人は恐る恐る中へ入って行くと、目の前に恐ろしい顔をした老婆が現れ、男の子を牢に閉じ込め、女の子を召使のようにこき使うようになりました。

老婆の正体は魔女で男の子を太らせ食べようとし、無理矢理お菓子をたくさん食べさせます。

ある日、魔女は女の子にストーブの火を強めるよう命令します。男の子を料理し食べるためです。男の子がお菓子を食べるのを拒否すると、女の子を殺すと脅します。

とうとう、男の子が牢から出されます。女の子は隙を見て手に入れた釘で、手錠を解きナイフを持って魔女に立ち向かいます。

魔女は女の子に魔法をかけようとしますが、不思議なことに魔法は効きません。女の子は持っていたナイフで魔女を刺し、男の子が怯んだ魔女を薪で殴り、燃えたぎるストーブの中に魔女を叩き込むと、魔女は悲痛な叫び声をあげながら焼け死にました。

監禁されて学んだことは2つあり、男の子は言いました。「1つ目はお菓子の家には近づかないこと。2つ目は魔女を殺すなら火あぶりが一番だということ」

兄妹の名は兄を“ヘンゼル”、妹を“グレーテル”といい、このできごとはたちまち噂の的となり、身寄りのない2人は町から熱烈な歓迎をうけました。

町では子供が誘拐される事件が相次ぎ、兄妹は力を合わせて子供を救い出し、魔女を捕獲する“魔女専門ハンター”として生き、有名になっていきました。

以下、『ヘンゼル&グレーテル』ネタバレ・結末の記載がございます。『ヘンゼル&グレーテル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

何年か時が流れアウクスブルクという町では、短期間に何人もの子供が行方不明になり恐怖に陥っていました。

そんなある日、アウクスブルクの広場では子供たちを誘拐した魔女として、ベリンジャー保安官が1人の女性を公開処刑しようとしています。

そこに市長が現れ、「はやまってはいけない!証拠もない女性を」と、止めに入りますがベリンジャーは強行に刑を執行しようと、住民を煽り始めます。

そんなベリンジャーの後頭部に銃をあて「その女性を放しなさい。さもないと……」と、グレーテルが割って入りました。

処刑されかけた女性の名前はミーナといい、ヘンゼルは彼女の顔から眼、口の中までくまなく調べ魔女だという証拠を探します。

魔女の証拠は「魔術を操るものは心身が蝕まれ、顔は醜くやつれ、歯と肌、目にも影響が出る」と、ヘンゼルは言いミーナは潔白だと証明しました。

ヘンゼルとグレーテルは市長に雇われ、子供たちを誘拐している魔女の捜査をするために、アウクスブルクにやってきました。

ベリンジャーは邪魔をしたと2人を逆恨みし、対抗意識をあらわにしていきます。

市長は手始めに、北の森にある、誰も近づかない小屋が怪しいと調査するよう言います。

その小屋には魔女がいました。ヘンゼルとグレーテルは、魔女と格闘し捕獲しますが、その魔女は子供の行方不明事件と無関係でした。

しかし、魔女のいた小屋には手掛かりになる天文図があり、“血の満月”と書かれた「月食」を示す言葉が書かれていました。

月食は魔女たちにとって神聖な夜であり、その日が3日後であることも記されていました。動きが活発になり、目撃情報が増えていることから、事件と何か関係があると推理します。

市長は2人に目撃現場までは森の案内人ジャクソンと行くよう紹介し、夜の森は危険だと調査は明朝からとしました。

一方、ベリンジャー保安官はヘンゼルとグレーテルに手柄をとられまいと、賞金稼ぎを4人と犬2匹を雇い、48時間前にさらわれた少年の靴の匂いを手がかりに、夜の森へ出動させていました。

深夜の森で野営をする4人の賞金稼ぎと2匹の犬。犬は周囲に何かの気配を感じ落ちつきがありません。

男の1人が犬に餌を与えようと振り返ると、犬の姿が消えており、目の前に美しい女性が立っていました。2匹の犬は美女の隣りに座り懐いています。

「ここで何をしているのか? 夜更けの森に来るなんて」

男は誘拐された子供を捜しに来たことを言うと、美しかった女性の顔はみるみる崩れ、恐ろしい形相になり「子供なんていない。“死”があるのみ」と告げ、犬に男たちを襲わせます。

女の正体は魔女で神に救いを求める男に「神だってここに来るほど愚かじゃない」と、怪しい魔術をかけます。

その頃、町の酒場ではジャクソンが地図を広げて、子供たちがさらわれた辺りを説明しています。そして、誘拐にはトロールも関係しているようだと話しました。

不可解なことに父親と3人の子供がいましたが、その中の1人しかさらっていかなかったと言います。

そこにヘンゼルとグレーテルのファンだという、ベンジャミンと名乗る青年が話しかけ、2人の活躍が掲載された新聞記事のスクラップを見せます。

ベンジャミンが「魔女たちが2人を倒せないという噂は本当なの?」と聞くと、グレーテルは「魔法が利かないから、生きていられる」と教えました。

ヘンゼルが店を出ようと言った時、魔女に襲われた男たちの1人が入ってきて言います。

「魔女に仲間を殺された。伝えたいことがある」と言いかけて、彼の体はたちまち膨脹し始め、バラバラに破裂してしまいます。

グレーテルが「“虫を欲する呪い”だわ」と、男の体内にあった大量の虫を見てつぶやきます。

魔女の住処には誘拐された子供たちが牢に閉じ込められていて、それをトロールが監視しています。魔女の名前はミュリエル、他に赤い髪をした魔女とトゲトゲ髪の魔女が一緒にいました。

ミュリエルは2人に怪しい液体を飲ませると、1人の手を火にあぶります。ところが火を熱く感じないと言い、「もうすぐ私たちは無敵になる」と不敵な笑みを浮かべます。

その晩、グレーテルは夢に母親が出てきて、胸に手を当てたあと、父親が自分達を森に連れて行く光景を見ます。

窓から夜空を見上げ天文図を見ると、何かを思い出しそうなグレーテルでした。

翌日、ヘンゼルは市場でミーナと会います。ミーナは「殺すのが惜しい魔女はいた?」と訊ねると「この世に善い魔女なんていないさ」と即答します。

ヘンゼルとグレーテルは魔女の目撃現場に行くと、おとりの罠をしかけトゲトゲ髪の魔女を生け捕りにします。

2人は魔女に子供たちをさらう目的を聞き出そうと拷問し、「12個の月、全ての血がもうすぐ集まる。それが手に入れば、残る材料は“あと1つ”」と謎の言葉を口にします。

グレーテルはその言葉からヒントを導き出し、誘拐された子供の人数と性別、誕生月が関係していることに気がつきます。

残るは4月生まれの女の子だと知り、ヘンゼルは保安官事務所に行き該当する子供の保護を訴えますが、ベリンジャーは動きません。

町の上空にはミュリエルと赤い髪の魔女が、子供をさらうために町に火を放ちます。業火の騒ぎに紛れ、4月生まれの女の子はトロールに連れ去られていきました。

ミュリエルはトゲトゲ髪の魔女を見張っている、グレーテルの場所に行き襲いかかりますが、「おまえは私の欲しいものを持っている。最後の材料」と言います。

ジャクソンに攻撃されたミュリエルは、グレーテルを家の外に突き飛ばしジャクソンを殺してしまいます。

外に放りだされたグレーテルはベンジャミンが助け、自分の家にかくまいました。目が覚めたグレーテルは、町を襲った魔女は魔力の強さから大魔女だと言います。

そして、ベンジャミンの集めた魔女関連のスクラップブックを見ていると、夢で見た母親と同じ顏の似顔絵記事をみつけます。

ベンジャミンは「昔、町外れに棲んでいた人で、魔術を使ったと疑われて火あぶりにされた」と教えます。

グレーテルは捨てられた晩のことを思い浮かべ、母が胸に手を当てたあと「これでもう大丈夫」と言って、父親に「子供たちを森へ」と伝えていたことを思い出しました。

(C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

ヘンゼルを探しに森に入ったグレーテルは、ベリンジャー保安官に捕まりアウスブルクを燃やし、災いをもたらしたという罪をかぶせ、部下たちと暴行を加えます。

ところがその様子を見ていたトロールが突然、怒りだしベリンジャーと部下たちをやっつけて、グレーテルを助け出しケガの手当てもします。

トロールの名前はエドワード、なぜ助けたのか聞くと「トロールは魔女の使い」と言って去っていきます。

ヘンゼルはグレーテルを捜すため森の中を歩いていました。そして、一軒の廃虚にたどり着き、そこでグレーテルと再会しました。

家に見覚えのあった2人は、そこがかつて家族と暮した家だと思い出します。そして、家には地下があり魔女が使う道具などもありました。

グレーテルがその意味をヘンゼルと考えようとした時、ミュリエルが現れて母親のことを語り始めます。

2人の母はアドリアーナという白い魔女で、その家に住んでいました。アドリアーナに恋をした父との間に2人を儲けて、幸せに暮していました。

赤い月の夜、魔女は特別な薬を飲むと体が燃えなくなります。その材料に12カ月の子供の血と白い大魔女の心臓が必要でした。

しかし、さすがのミュリエルも白い大魔女の力を恐れ、同じ血を引く幼いグレーテルの心臓を狙っていたのです。

ミュリエルは町でアドリアーナの悪い噂を流し、町人は家に押し寄せるとアドリアーナは火あぶりに、父親は絞首刑にされました。

ヘンゼルとグレーテルの両親は町人から2人を守るために、森の奥に置き去ったあと死んだと知りました。

話し終えるとミュリエルはグレーテルを連れ去るため、ヘンゼルを刺して地下に突き落とします。

夜が明けヘンゼルはミーナに介抱され目が覚めます。ミーナも魔女で魔術でヘンゼルのケガを癒しました。警戒するヘンゼルにミーナは「善い魔女もいるのよ」と言います。

赤い月の夜、森の奥の魔女の集会場で儀式があると知ったヘンゼルは、町に戻りグレーテルを助けに行く準備をします。

ミーナは地下洞窟にあった魔法の本から、“防御の魔法”をみつけて薬を造り、ヘンゼルはそれを武器にふりかけ、ミーナとベンジャミンをつれて、集会場に出発します。

ヘンゼル達の作戦は成功して、儀式に集まった魔女たちを一網打尽にし、誘拐された子供たちを救い出します。

グレーテルはミュリエルに襲われそうになりますが、エドワードがミュリエルを攻撃して助けようとし、崖下に落とされてしまいます。

次第に夜が明け始め、儀式が失敗したミュリエルは逃走しました。ヘンゼルは後を追いますが、グレーテルは落下したエドワードを助けに行きます。

ミュリエルが逃げた先は、ヘンゼルとグレーテルが迷い込んだお菓子の家でした。ミュリエルはミーナを攻撃しベンジャミンを人質に取ります。

ヘンゼルはベンジャミンを助けますが、圧倒的な強さにやられそうになります。すると彼を守ろうとしたミーナが、ミュリエルに魔法で攻撃します。

ミーナの勇気も虚しく、彼女はミュリエルに殺されてしまいました。ヘンゼルが反撃をはじめると、そこにグレーテルも駆けつけます。

途中でヘンゼルが糖尿症の症状が出てピンチになりますが、グレーテルとの連携プレイで、黒魔女ミュリエルの首を切り落とし、町の住人達に火で焼かれ解決しました。

ヘンゼルとグレーテルはまた新たな旅に出ます。今度はベンジャミンとトロールのエドワードを連れてチームの旅です。

映画『ヘンゼル&グレーテル』の感想と評価

(C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』は改編された物語

グリム兄弟の童話は実は残酷物語としても有名で、時代の流れの中で子供たちへの戒めの寓話として、子供が読みやすい内容に改編され、現代の内容になって残っています。

童話『ヘンゼルとグレーテル』は、貧しい木こりの家の兄妹が口減らしのために、意地悪な継母に森に捨ててくるよう言われた父親が、泣く泣く子供たちを森の奥に置いてくることから始まります。

ところが初版では継母ではなく“実母”が、2人の子供を捨てるよう指示しています。あまりに残忍な設定のため継母に改編されました。

また、お菓子の家にいた優しい老婆は実は怖ろしい魔女でしたが、幼いグレーテルがかまどに突き飛ばした勇気と力は、自分達を捨てた“実母”への恨みからだと書かれています。

「魔女の顔が自分達を捨てた、実母の顔と重なったから」というのです。優しかった母親が自分達を捨てる、怖ろしい人に変わったことと重なったのでしょう。

現代版ではヘンゼルとグレーテルが自力で再び家に戻ると、継母は病気で亡くなり父子3人で幸せに暮したとなっていますが、初版作では「母は消えていた」としか記されていないのです。

母が消えていたのはなぜか?を考えた時、「実は・・・」という部分が、グリムの狙いだったのではないしょうか。

映画『ヘンゼル&グレーテル』は、その初版作に近い設定ともいえます。実母の指示で父が森へ連れて行き2人は危ない目に合い、事情を知るまで兄妹は両親を恨んでいました。

理由は“子供たちを守るため”という美談でしたが、母親が魔女であったことは、初版の最後と繋がるようにも読み取れます。

昔は世界のどこにでも貧しさから“口減らしのため”に、子供や老人が捨てられたり売られた時代もありました。グリムはそれを憂いで、親が子供から恨まれる悲劇を伝えたのでしょう。

本作は子を思う親の姿と親の心を知らない兄妹が、“恨み”を糧に生き続けたという設定でした。最後にヘンゼルは“善い魔女”の存在と“愛”を知り、グレーテルも白い魔女の意思を受け継ぎました。

本作はある意味、今の時代に沿ったメッセージに改編された、童話『ヘンゼルとグレーテル』といえるのです。

「現代病」と「心肺蘇生法」の演出

また、別のメッセージとして、ヘンゼルは子供の時に摂取した、大量のお菓子のせいで糖尿病を発症していたという設定が面白いです。

また、エドワードの心肺蘇生させるために使った、AEDの登場も使い方は原始的なのに、理にかなっているところが説得力を持たせています。

糖尿病はDC時代からあったと言われてますが、インスリンも電気もグリムの時代にはありません。作中でそれらがどのように誕生したのかもわかりません。

それでもお菓子の食べ過ぎは体に悪いこと、心肺蘇生の方法などを演出に取り入れた荒技は、童話の世界に現実的な要素をねじ込み、笑えるけど笑えない、大人へのメッセージ性を強くさせたものと納得させられます。

まとめ

(C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

映画『ヘンゼル&グレーテル』は、出演者や演出もアクションホラー作品として、見劣りしない仕上がりとなっています。

それでも日本の劇場では未公開の作品です。おそらく上映時間80数分間に残虐なシーン、暴力的なシーンが多すぎたからではないでしょうか。

現代童話の『ヘンゼルとグレーテル』からメルヘン要素を期待すると裏切られますが、それは大人目線でいうと痛快な裏切りです。

地位と名誉のためにでっちあげる行政、欲望のままに幼い子供を犠牲にする大人、金のための正義など、キレイ事では済ませれない現実をしっかり伝えた作品です。

そんな世知辛い映画『ヘンゼル&グレーテル』ですが、親の愛や兄妹愛、異人種の同志愛など、大切な面もしっかり抑えている隠れた秀作といえるでしょう。

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