連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第125回
深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。
そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第125回は、ジョシュ・ルーベン監督が演出を務めた、映画『ハートアイズ』です。
ここ数年、バレンタインデーになると、「ハート・アイズ・キラー」と呼ばれる連続殺人鬼によるカップルを標的とした殺害事件がアメリカの各都市で起きていました。
そんな中、広告業界で働くアリーとジェイは、バレンタインデーというのにレストランで新たなロマンスキャンペーン企画について話し合っていました。
レストランから出てきて、一緒にタクシーに乗り込んだ彼らの姿を遠くから見ていたハート・アイズ・キラーは、彼らをカップルだと勘違いして………。
ロマンティック・コメディ・スラッシャー映画『ハートアイズ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
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映画『ハートアイズ』の作品情報

(C)2025 Spyglass Media Group, LLC and CBS Studios Inc. All Rights Reserved
【公開】
2025年(アメリカ・ニュージーランド合作映画)
【脚本】
フィリップ・マーフィ、クリストファー・ランドン、マイケル・ケネディ
【監督】
ジョシュ・ルーベン
【キャスト】
オリビア・ホルト、メイソン・グッディング、ジジ・スンハド、ミカエラ・ワトキンス、デボン・サワ、ジョーダナ・ブリュースター、ヨソン・アン、ブロンウィン・ブラッドリー、ジェームズ・ゲイリン、ローレン・オハラ、ベン・ブラック、クリス・パーカー、ジョシュ・ルーベン
【作品概要】
『人狼ゲーム 夜になったら、最後』(2022)のジョシュ・ルーベンが監督を務めた、アメリカ・ニュージーランド合作のロマンティック・コメディ・スラッシャー作品です。
『ステータス・アップデート』(2018)や『ハロウィン・キラー』(2023)のオリビア・ホルトと、『FALL フォール』(2023)や『スクリーム』(2026)などに出演するメイソン・グッディングが本作の主演を務めています。
ちなみに、ジョシュ・ルーベン監督もドライブインシアターの客役でカメオ出演しています。
映画『ハートアイズ』のあらすじとネタバレ

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2025年、アメリカ。ここ数年、バレンタインデーになると、「ハート・アイズ・キラー(別名HEK)」と呼ばれる連続殺人鬼が、カップルを標的に殺害する事件が起きていました。
2年前はボストンで3組のカップルが殺され、昨年はフィラデルフィアで4組のカップルが殺害されました。
そして今年のバレンタインデーは、シアトルのワイナリーで1組のカップルと、カップルのプロポーズ写真を撮っていたカメラマン、助けを求めたワイナリーの従業員がHEKによって殺害されました。
HEKは標的を殺すことを邪魔する者は、誰であろうと殺す。シアトルでの事件のように…。
さらに2組のカップルが、ダウンタウンのスパで殺害されました。
後にシアトルの犯行現場から、「J・S」というイニシャルが刻印された結婚指輪が発見されました。
「クリスタル・ケイン・ジュエリー」という指輪を売る広告会社のマーケティング担当者アリー・マッケイブが提案した、死で終わるカップルがテーマのロマンスキャンペーン企画は、一連の事件を鑑みて不適切だと社内外で批判され、嘲笑の的となってしまいます。
アリーの上司クリスタルは、彼女の大失態によって陥った会社の危機を打破するべく、ロマンチックなキャンペーンでクリオ賞を最年少で受賞したBMYニューヨークの元チーフ・クリエイティブ・ディレクターのジェイ・シモンズと手を組み、新たなキャンペーン企画を作るようアリーに命じました。
ジェイはその夜、新しいキャンペーン企画について話し合おうと、アリーをディナーに誘います。
アリーは内心彼に心ときめきながら、レストランでジェイと愛について意見交換しました。
しかしアリーはリアリストで、ジェイはロマンチストと恋愛に対する価値観が違うことが判明。ジェイは気分を害し、レストランを出てしまいます。
アリーは慌てて彼の後を追いかけ、最近恋人と別れたばかりで八つ当たりしてしまったと謝罪。そこへ、アリーの元恋人コリンと、コリンの新しい彼女シエナがやってきます。
アリーはそれに嫉妬し、コリンに見せつけるようにジェイにキスをしました。
アリーたちはひとまず恋人のふりをし、レストランに入っていく2人と軽く話をして別れました。
アリーとジェイはタクシーに乗って帰路へ。その様子を、HEKが遠くから見ていたとは知らずに…。
アリーはジェイと仲直りできないまま、タクシーから降りて自宅アパートへ。しかし肝心の鍵を忘れてしまい、立ち往生してしまいます。
その様子を車内から見ていたジェイは、アリーのアパート侵入を手助けするも、その過程で手に怪我をしてしまいました。
アリーは慌てて散らかった部屋を片付けながら、救急キットを使ってジェイの傷の手当てをします。
家族が重い病気で、自分も人を救えると思っていたアリー。医学部出身で、ネフロロジー(腎臓)の医学分野に進むはずでしたが、血液恐怖症(ハモホビック)のため夢を諦め、医学部を中退し広告業界に入りました。
彼女の意外な一面を知り、彼女のことが気になり始めるジェイ。2人がいい雰囲気になったところで、HEKが2人を襲撃。
HEKは、レストランの前でキスをして一緒にタクシーに乗り込んだアリーとジェイをカップルだと勘違いし、彼らの後をつけてきたのです。
アリーが助けを求めたタクシードライバーは、HEKによって殺害されました。ジェイはアリーを守るためにHEKに立ち向かいますが、気絶させられてしまいます。
必死に逃げるも、どこまでも追いかけ襲ってくるHEKによって絶体絶命のピンチに陥るアリー。とそこへ、シアトル警察が駆けつけ、HEKが姿を消したことで事なきを得ます。
シアトル警察のジーク・ホブス刑事と彼の相棒ジェニーン・ショウ刑事はアリーを保護。発見時にHEKのマスクを着用し、そばには凶器のクロスボウがあったという理由でジェイを署まで連行しました。
映画『ハートアイズ』の感想と評価

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リアリストなアリーと、ロマンチストなジェイ。恋愛に対する価値観が正反対な2人が、言い合いをしながら徐々にお互いのことを知り距離を縮めていく過程が自然で、彼らの恋を応援したくなります。
アリーとジェイの甘い雰囲気から一転して、恐怖に変わるテンポの良さが特徴。2つのドキドキを味わえて面白いです。
しかも物語がアリーとジェイがただ連続殺人鬼から逃げるだけではなく、HEKは一体誰で、何でバレンタインデーにカップルを殺すのか推理する「フーダニット(犯人探し)」の要素もあります。
犯行現場から見つかった「J・S」というイニシャルが刻印された結婚指輪。ホブスたちがジェイを捕まえた時は、確かにイニシャルが同じで、フリーランスの広告マンでもある彼がここ数年訪れた場所はHEKが出没した場所と合致するなと誰もがそう考えたことでしょう。
でも、ジェイもアリーと一緒にHEKに命を狙われている。それにジェイが取調室に手錠で拘束されている時に、HEKが現れ再びアリーたちに襲い掛かってきたことを考えると、彼はシロ。
しかもジェイとアリーが命懸けで倒したHEKは、彼らの知り合いではなかったのです。となると、彼らの知り合いという説はなくなり、カップルを妬み強い殺意と執着心がある人間が犯人か。

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ところがどっこい、物語の終盤で明かされたHEKの正体は、なんとジェイとアリーを助けようとしていた刑事のショウと、アリーをデートに誘うも断られたシアトル警察のIT担当者デヴィットという、誰も予想していなかった意外な人物たちだったのです。
しかもHEKの正体の次に気になっていた、バレンタインデーにカップルを殺害する動機。ショウが聖バレンタインの物語が好きで、聖バレンタインの命日であるバレンタインデーに、ショウとデヴィットが交互に狩りと殺人をして楽しんでいただけという…。
狩りと人殺しが大好きなショウとデヴィットのカップル、恋愛観が違うものの相性は良いアリーとジェイのカップル。2組のカップルが、どちらの愛が強いか対決する場面は本作の見どころの一つです。
まとめ

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毎年バレンタインデーにカップルを殺している連続殺人鬼「ハート・アイズ・キラー」に、カップルだと勘違いされてしまった男女が、1年で最もロマンチック夜を命懸けで過ごす姿を描いたアメリカ・ニュージーランド合作のロマンティック・コメディ・スラッシャー作品でした。
アリーとジェイはもちろん、彼らを演じている本作の主演オリビア・ホルトとメイソン・グッディングの相性も良く、ホラー映画でありながらロマンティック・コメディとしても成立していました。
ジェニーン・ショウ役のジョーダナ・ブリュースターと、デヴィット役のヨソン・アンの相性もグッド。特に、「ワイルド・スピード」シリーズの主人公の妹ミア・トレット役とは一転、刑事でありながら人殺しが大好きな猟奇殺人鬼HEKの1人を演じたジョーダナ・ブリュースターの怪演っぷりが、とても素晴らしいです。
そしてなんと、実は本作の続編が現在制作されており、2028年2月11日に劇場公開される予定!
エンドクレジットの途中、ジェイへの逆プロポーズを成功させたアリーのもとに、HEKがかけてきたような不気味な電話がかかってきます。
電話の主は、彼らの幸せを祝福するモニカでした。幸せを掴んだ友人にイタズラ電話をしたモニカでしたが、途中で電話が切れてしまいました。
残酷描写もあるけれど笑えるところもある。ホラー映画は苦手だけれどエンタメとして楽しみたい人や、ミステリー映画好きな人、ロマンティック・コメディ映画好きな人はぜひ一度ご鑑賞ください。
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