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【ネタバレ】映画『アンジェントルメン』あらすじ感想と結末評価。ガイ・リッチー監督が描く第二次世界大戦中の特殊部隊の戦い|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー123

  • Writer :
  • 秋國まゆ

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第123回

深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。

そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第123回は、ガイ・リッチー監督が演出を務めた、映画『アンジェントルメン』です。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍の爆撃で供給網を破壊され、英国は窮地に追い込まれました。

ガス・マーチ・フィリップス少佐は英国特殊作戦執行部(SOE)に召喚され、SOEのコリン・ガビンズ准将と彼の部下イアン・フレミングから任務を言い渡されます。

英国軍にもナチス・ドイツ軍にも見つからずに、北大西洋上のUボートを無力化させるという高難度の極秘ミッション。

ガスは「イカレた」メンバーを集め、漁師を装って現地へ。潜入工作員たちや協力者と作戦決行に向けて着々と準備を進めていきますが、予想だにしない事態が………。

映画『アンジェントルメン』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

映画『アンジェントルメン』の作品情報


(C)2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

【公開】
2025年(アメリカ・イギリス・トルコ合作映画)

【原作】
ダミアン・ルイス著作本『The Ministry of Ungentlemanly Warfare』

【監督】
ガイ・リッチー

【キャスト】
ヘンリー・カヴィル、エイザ・ゴンザレス、アラン・リッチソン、ヘンリー・ゴールディング、ヒーロー・ファインズ・ティフィン、アレックス・ベティファー、バブス・オルサンモクン、ティル・シュヴァイガー、ロリー・キニア、ケイリー・エルウィズ、フレディ・フォックス、エンリケ・ザガ、ダニー・サパーニ

【作品概要】
「シャーロック・ホームズ」シリーズや『ジェントルメン』(2021)のガイ・リッチーが製作・脚本・監督を務めた、アメリカ・イギリス・トルコ合作のスパイアクション作品です。

第二次世界大戦中、ウィンストン・チャーチル英国首相の下で秘密裏に結成された史上初の「非公式」特殊作戦執行部(SOE)についての実話が元になっています。

『マン・オブ・スティール』(2013)のヘンリー・カヴィルが本作の主演を務め、『ベイビー・ドライバー』(2017)のエイザ・ゴンザレスや、『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023)やテレビドラマ「ジャック・リーチャー~正義のアウトロー~」シリーズのアラン・リッチソンら多彩なキャストが出演しています。

映画『アンジェントルメン』のあらすじとネタバレ


(C)2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

1942年。ナチスの指導者でありドイツの首相および総統のアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツは勢力を拡大し、ポーランドとベルギー、そしてフランスを陥落させました。

ヨーロッパをナチス・ドイツの支配から解放できるのは、英国のみ。しかし英国の同盟国アメリカの参戦を妨げているのが、ナチス・ドイツ軍の秘密兵器である潜水艦「Uボート」の存在です。

Uボートは北大西洋に出没し、無差別に船を撃沈させます。それが軍艦でも貨物船でも、民間人をのせた商船であろうとも……。つまりUボートの存在がある限り、米軍は英国の海岸に近づくことができません。

Uボートによる爆撃で供給網を破壊され窮地に追い込まれた英国。英国の首相ウィンストン・チャーチルは英国特殊作戦執行部(SOE)のコリン・ガビンズ准将(通称M)と、彼の部下のイアン・フレミング(元英国海軍情報部所属)と一緒にある作戦を考えました。

英国陸軍のガス・マーチ・フィリップス少佐はSOEに召喚され、Mとフレミングから、英国軍にもナチス・ドイツ軍にも見つからずにUボートの補給路を断てと、任務を言い渡されます。

無許可・無認可・非公式の任務「オペレーション・ポストマスター」。漁師のふりをした英国の工作員が爆弾を積んだ漁船で西海岸を下り、Uボートへの燃料と武器の補給を行っているナチス・ドイツ所有のタグボート2隻と、枢軸国イタリアの船「ドゥケッサ号」を沈める作戦。

敵が動くまで44日。ガスは共にオペレーション・ポストマスターを実行するチームのメンバーを選抜。

賢く物静かで策略家、船乗りとしての腕がピカイチなアイルランド人ヘンリー・ヘイズ。Uボートの魚雷でガスの親友であった彼の兄を殺され、ナチスを心底憎んでいます。

爆破のスペシャリスト、潜水工作員のフレディ。趣味は破壊活動で、放火で逮捕歴があるものの、泳ぎで彼の右に出る者はいません。

クマやヘラジカと格闘しながら育ったデンマーク人の怪力男アンダース・ラッセン。ナチスに兄を殺され、18歳で家を出て復讐のため英国に。ガスの仲間となった猟刀と弓の名手です。

ガスと2週間ダンケルクで過ごした究極のサバイバーでありナイフの名手、チェスの名人、イギリス陸軍将校のジェフリー・アップルヤード大尉。

しかしチームの「頭脳」であるアップルヤードは、現地で情報を集めていたことがナチス・ドイツ軍に見つかって捕まってしまい、現在ナチス・ドイツ軍の駐屯地カナリア諸島のラ・パルマ島で拘束されています。

ラ・パルマ島は、ドゥケッサ号の係留地フェルナンド・ポーに行く途中にあるため、ガスは彼を救出してからオペレーション・ポストマスターを実行することにしました。

フェルナンド・ポーまで18日。ガスたちはナチス・ドイツ軍に見つかってしまうも返り討ちにし、軍艦を1隻爆破して沈めました。その後、ガスはヘイズたちにオペレーション・ポストマスターのこと、アップルヤードの救出について話しました。

ナチス・ドイツ支配下の西アフリカ・コートジボワール。SOEの潜入工作員リカルド・ヘロンとマージョリー・スチュワートは、マージョリーの魅力を使ってドイツ兵の鞄を回収。

中に入っていたドゥケッサ号の積み荷目録を暗号化してSOEに報告しました。

英国首相別邸において、チャーチルはガビンズたちから、ドゥケッサ号にUボートへの補給物資を満載しているとの報告を受けます。

ラ・パルマ島に到着したガスたちは、5、60人駐屯兵がいるナチス・ドイツの駐屯地を、消音機付きの銃と弓矢を使って潜伏し襲撃。アップルヤードを無事救出します。

以下、『アンジェントルメン』ネタバレ・結末の記載がございます。『アンジェントルメン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

フェルナンド・ポーにあるサンタ・イサベル港。先に現地に到着したヘロンたちは、予想していたより兵士の数が多いことに驚きつつ、自分たちの任務遂行のための準備を進めていきます。

フェルナンド・ポー到着まで15日。ガスたちはアップルヤードの案で、英国軍の軍艦にもUボートにも見つからないことを優先に考え、赤道の北、西アフリカ沿岸を渡るルートでフェルナンド・ポーへ向かうことにしました。

裏ビジネスマンとしての顔を持つヘロンのカジノ・バーにきたナチス・ドイツ軍の士官から、ドゥケッサ号の出航が予定より3日早まったとの情報を手に入れたヘロンたちは、急いでSOEとガスたちにこのことを報告。

ガスたちは急遽、危険を承知の上で最短ルートでフェルナンド・ポーへ向かうことにしました。

フェルナンド・ポー到着まで2日。ガスたちは英国軍の軍艦に見つかってしまい、彼らと口論に。すると偶然、英国軍の軍艦にUボートが接近。彼らがUボートへの対処に気をとられている隙に、ガスたちは軍艦から離れることができました。

ヘロンたちは、ナチスのせいで商売が上手くいっていないフェルナンド・ポーの王子、英国最高峰の寄宿学校「イートン校」出身のキャンプ・ビリー(KB)に協力を求め、タグボートと彼を含めた12名の人手を手に入れます。

ガスたちは、ヘロンたちとキャンプ・ビリー一行と港から20キロの地点で落ち合い、ドゥケッサ号を沈めるための作戦を話し合いました。

準備は着々と進み、あとは実行に移すのみ。でしたが、ガスたちが爆破するはずのドゥケッサ号の船体が鉄板で補強されたという、想定外の出来事が起きたのです。

しかも、マージョリーは島の司令官ハインリッヒ・ルアー大佐を誘惑して情報を引き出すのが任務でしたが、意図せず彼を誘惑するために披露した歌の歌詞でユダヤ人であるとバレてしまい、手錠をかけられ拘束されてしまいました。

ヘロンは予定通り、時限爆弾で港の発電所を爆破。兵士用と士官用の2つのカジノパーティー会場以外の照明を破壊します。そしてヘロンは、急いでガスたちと本部にドゥケッサ号の船体が補強されたことを知らせました。

しかしその直後、本部に裏切り者がおり軍の上層部にオペレーション・ポストマスターのことがバレてしまい、パウンド海軍卿直々に今すぐ作戦を中止するよう命じられてしまいました。

ガスたちはこの命令を無視して打開策を考えました。その結果、ドゥケッサ号を爆破するのではなく、ビリーのタグボートを使ってタグボートもろとも盗み出し、国際水域で英国海軍に引き渡すことにしました。

激闘の末、ガスたちはビリー一味と協力して、港にいる警備の兵士とドゥケッサ号とタグボートの船員を全員倒し、ドゥケッサ号とタグボートを占拠。錨を爆破しました。

さすがに錨を爆破した音で、パーティーを楽しんでいたナチス・ドイツ軍の兵士たちも外の異変に気づきます。ですが既にヘロンが先手を打ち、会場の扉は施錠されているため外の様子を確かめようがありません。

続いてガスたちは、燃料タンクを時限爆弾を使って爆破。これで何者かに襲撃されドゥケッサ号が盗まれようとしていると気づいたナチス・ドイツ軍の兵士たちは、何とかして会場から出て港に集結。

ガスたちは彼らとの激しい銃撃戦の末、ドゥケッサ号とタグボートを盗み出し、射程圏外で無事脱出しました。

ガスたちの予想通り、敵はルアーの命令でSボートに乗り込んで追いかけようとします。その瞬間、フレディが仕掛けた爆薬が起爆し、Sボートを爆破。激怒したルアーは、その怒りをマージョリーにぶつけようとします。

射撃の名手であるマージョリーは、隠し持っていた銃を発砲。ルアーの額に見事命中。そこへヘロンが駆けつけ、ルアーと一緒にいた兵士を倒して彼女を救出。ナチス・ドイツ軍の巡視船を盗んでガスたちと合流しました。

国際水域・西アフリカ沖のラゴス。ガスたちは事前にコンタクトをとった英国海軍に、盗んだドゥケッサ号とタグボートを引き渡し、ビリーたちと別れました。

無事オペレーション・ポストマスターをやり遂げたガスたちでしたが、パウンド海軍卿の命令に背いたとして捕まり、軍刑務所「オールダーショット」に送られました。

4週間後。チャーチル自ら、Mとフレミングと共に彼らのもとを訪れました。

そして遠回しに、ガスたちがオペレーション・ポストマスターを成功させてくれたおかげで米軍の参戦が可能となり、今朝最初の援軍がUボートからの攻撃を受けることなくイギリス本土に到着したことを伝えました。

さらにチャーチルは、ガスたち「非紳士的な戦争省」の処罰は、自分のもとに置くとするといい、彼らの手錠を外させ豪華な食事を食べさせました。

映画『アンジェントルメン』の感想と評価


(C)2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

ガスたちが行った「オペレーション・ポストマスター」。作戦考案時から敵軍はもちろん、味方の英国軍にも見つからず秘密裏に行わなければならない高難度ミッションでした。

裏切り者による軍上層部への密告、ドゥケッサ号の船体が補強され爆破できない、ルアーにマージョリーの正体がバレるなど、ガスたちも予想していなかった出来事・ピンチが次々と起きて観ている側も終始ハラハラドキドキさせられます。

ですがそれも、ガスたちが想定外の出来事やピンチに即座に対応し、策略を練って敵と戦っていく様はとても格好良いです。

また潜入工作員のヘロンとマージョリーの活躍も、派手ではないけれどいかにもスパイといった着々と己に課せられた任務をやり遂げていくところも本作の見どころの一つとなっています。

大まかに描かれたものとは言え、ガスたちが行ったオペレーション・ポストマスターが本当に第二次世界大戦中に実行された特殊作戦で、彼らのナチス・ドイツに対する非紳士的な戦いが戦争の流れを変えただなんて本当に凄いなと感服します。

ガスたちの活躍に、凄い格好良いと惚れ惚れする一方で、敵である島の司令官、ナチス・ドイツ軍のルアーもなかなかの曲者で、彼以外のナチス・ドイツ兵がみんなマージョリーに魅了されるなか、唯一彼女の虜になるどころか自身の虜にさせようとする不思議な魅力があります。

マージョリーのような美女相手でも冷静に、自分のペースで彼女と心理戦を繰り広げたルアーだからこそ、彼女の正体にいち早く気付くことができたのではないかと考察すると、敵ながらあっぱれと称賛せざるを得ません。

まとめ


(C)2024 Postmaster Productions Limited. All Rights Reserved.

「トップガン」シリーズや『ブラックホーク・ダウン』(2001)などの軍事アクションの製作や、映画「バッドボーイズ」シリーズやテレビドラマ『CSI:科学捜査班』(2000~2015)などの数多くの警察ドラマの製作を務めたジェリー・ブラッカイマーと、ガイ・リッチー監督という最強タッグが描く、爽快かつ痛快なスパイアクション作品でした。

第二次世界大戦中、当時の英国首相ウィンストン・チャーチルと英国陸軍の軍人コリン・ガビンズが秘密裏に結成した、史上初の「非公式」な特殊作戦執行部(SOE)。なんと、かの有名な英国諜報機関「MI6」の前身ともいわれています。

そして実は、SOEを設立・指揮したコリン・ガビンズの側近イアン・フレミングは、この本作で描かれる「オペレーション・ポストマスター」を着想としてジェームズ・ボンド小説を執筆したのです。

エンドロール前。オペレーション・ポストマスターの主要人物のその後がテロップで描かれていました。

ガス・マーチ・フィリップス英国陸軍少佐は、殊勲従軍勲章と大英帝国勲章を受章。彼は「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドのモデルと言われています。

ジェフリー・アップルヤード英国陸軍大尉は、数々の作戦を成功に導き、殊勲従軍勲章を受章。授与式で、最後のイギリス皇帝であり初代イギリス連邦元首ジョージ6世から「また君か」と言われました。

グレアム・ヘイズ英国陸軍大尉は、戦功十字章を受章。次の作戦でゲシュタポに拘束されましたが、決して口を割りませんでした。

英国陸軍に所属していたデンマーク軍将校のアンダース・ラッセン大尉は、戦功十字章¥ヴィクトリア十字章を受章。SOEおよびSASの軍人として最多の勲章を獲得しました。

マージョリー・スチュワートは戦時中、SOEに所属。その後、映画女優として転身。オペレーション・ポストマスターの後、マーチ・フィリップスと結婚しました。

「007」シリーズをはじめとするスパイ映画が好きな人はもちろん、そうでない人も観たら虜になってしまうほど面白く格好良い本作を、ぜひ一度ご鑑賞ください。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら




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