Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

映画『ランボー3怒りのアフガン』ネタバレあらすじと感想評価。ギネスブック認定の“最も暴力的な作品”|すべての映画はアクションから始まる20

  • Writer :
  • 松平光冬

連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第20回

日本公開を控える新作から、カルト的評価を得ている知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を網羅してピックアップする連載コラム、『すべての映画はアクションから始まる』。

第20回は、1988年公開のシルヴェスター・スタローン主演作『ランボー3/怒りのアフガン』です。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら

スポンサーリンク

映画『ランボー3/怒りのアフガン』の作品情報

【公開】
1988年(アメリカ映画)

【原題】
Rambo III

【監督】
ピーター・マクドナルド

【脚本】
シルヴェスター・スタローン、シェルドン・レティック

【キャラクター原案】
ディヴィッド・マレル

【製作】
バズ・フェイシャンズ

【製作総指揮】
マリオ・カサール、アンドリュー・ヴァイナ

【撮影】
ジョン・スタニアー

【音楽】
ジェリー・ゴールドスミス

【キャスト】
シルヴェスター・スタローン、リチャード・クレンナ、マーク・ド・ジョング、カートウッド・スミス、スピロス・フォーカス、サッソン・ガーベイ

【作品概要】
シルヴェスター・スタローン主演の『ランボー』(1982)、『ランボー/怒りの脱出』(1985)に続くシリーズ第3作として、88年に製作されたアクション映画。アフガニスタンを侵攻中のソビエト軍に捕えられた、元上官にして友人のトラウトマンを助けるべく、ランボーが戦いを挑みます。

脚本は前作に続きスタローンが兼任し、監督は本作が長編デビューとなるピーター・マクドナルド。2020年には、シリーズ第5作にして完結編となる『ランボー ラストブラッド』が公開予定です。

映画『ランボー3/怒りのアフガン』のあらすじとネタバレ

ジョン・ランボーは、これまての戦いを通して受けた心の傷を癒すべく、タイ・バンコクの小さな仏教寺院に隠遁していました。

そこへ、トラウトマン大佐がアメリカ国務省のグリッグスと共に姿を現します。

トラウトマンは、政府がソ連軍が侵攻しているアフガニスタンのジュルム地区へ、地元のアフガン民兵たちに弾薬と支援物資を供給しようとしており、ランボーにその協力を求めてきたのです。

しかし、戦いの最前線に立つのに疲れきっていたランボーは、それを固辞するのでした。

数日後、今度はグリッグスだけがランボーを再び訪れ、アフガンに向かったトラウトマンがソ連軍に捕まるも、極秘任務だったため救出に行けない現状にあると伝えます。

政府の協力が一切望めないことを承知で、ランボーは救出に向かうことを決意。

国境に近いパキスタンのペシャワールに向かったランボーは、そこでアフガンゲリラのモーサと落ち合い、アフガン入りします。

一方、囚われの身となったトラウトマンは、ソ連軍の司令官ザイセンによる尋問・拷問を受けていました。

ランボーはモーサと共に、民兵が潜む村に向かい、そこで両親をソ連軍に殺されたという少年ハミドと出会います。

ランボーに興味を示したハミドは、先のベトナムでの捕虜救助作戦で息を引き取った女性コー・バオの形見のペンダントを欲しがるのでした。

ソ連軍から脱走してきた仲間から、軍の基地の情報を得たランボーが単独で向かおうとするも、元兵士のマソードに止められます。

マソードは、ソ連軍によるアフガン侵攻の惨状を訴えた上で、トラウトマン救出に協力すると誓うのでした。

マソードの案内により敵の基地内に侵入したランボーは、捕らわれていたトラウトマンを助けようとするも、両親の仇を討とうと後を尾けていたハミドが姿を見せたことで失敗。

ソ連軍によりハミドは足を撃たれ、ランボーも腹部を負傷してしまいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ランボー3/怒りのアフガン』のネタバレ・結末の記載がございます。本作をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

一時退却したランボーは、ハミドにバオのペンダントを渡し、マソードと共に逃がします。

そして、弾薬の火で腹部の傷を応急処置し、再び基地へと向かいます。

拷問を受けていたトラウトマンとアフガン人を助けたランボーは、無線機でザイセンに宣戦布告し、追ってくるソ連軍兵士を次々と殲滅。

しかし多勢に無勢となり、なんとかパキスタン国境付近まで逃げるも、包囲されて絶体絶命のピンチに。

そこに、騎馬隊を組織した大勢のアフガンゲリラ兵たちが現れます。

兵たちがソ連軍をかく乱している隙に戦車を奪ったランボーは、ザイセンが乗ったヘリと対峙。

戦車とヘリが正面衝突し、両方とも大破するも、生き残ったのはランボーでした。

アフガンを勝利に導いたランボーは、別れを惜しむハミドにペンダントをそのまま託し、トラウトマンと去っていくのでした――

スポンサーリンク

映画『ランボー3/怒りのアフガン』の感想と評価

参考:シルヴェスター・スタローンのツイッター

ギネスブックにも登録されたシリーズ第3作

本作『ランボー3/怒りのアフガン』は、前作『ランボー/怒りの脱出』の大ヒットを受け、満を持して製作されました。

1979年に始まったソ連のアフガニスタン侵攻を反映し、前作『怒りの脱出』でも敵だったソ連軍を、本作ではさらに顕著にしています。

シルヴェスター・スタローンは、ソ連軍に抗っていたアフガン側に肩入れすべく、ランボーが彼らと共闘するという、分かりやすいほどの愛国心に満ちた脚本を執筆。

アクションシーンも前2作よりもパワーアップさせた結果、劇中で108人もの死者を出したとして、1990年度のギネスブックに「最も暴力的な映画」として認定されています。

ランボーが手助けしたアフガンゲリラのその後

参考:シルヴェスター・スタローンのツイッター

本作を語る上で外せないのが、アフガンゲリラ兵の存在でしょう。

自国に平和を取り戻すべくソ連と戦う彼らをヒロイックに描き、クライマックスでは騎馬隊勢として、孤軍奮闘するランボーとトラウトマンの救援に駆けつけるという、テンションが爆上がりする場面が用意されています。

極めつけは、ラストでの「この映画をすべてのアフガン戦士たちに捧げる」というテロップで、彼らを称えました。

現実では、本作公開の数週間前に和平協定が結ばれ、アフガンからソ連軍が撤退します。

これについて監督のピーター・マクドナルドは、「この映画のあらすじが先に知られていたことが、アフガン撤退の一助になっていたら嬉しい」と語っています。

しかしながら、ソ連を追い出したゲリラ兵たちはその後、過激派イスラム主義組織タリバンとなってアメリカで9.11テロを起こすことに。

そのためスタローンは、「ランボーがアフガンゲリラを助けたから9.11が発生した」という、風評被害に近い非難を浴びることとなります。

不評に終わるも映画界にブームを呼んだ『怒りのアフガン』

参考映像:『ホット・ショット2』(1993)

見せ場もスケールもはるかに大きくなったシリーズ第3作『ランボー3/怒りのアフガン』でしたが、興行成績は前作を大きく下回った上に、スタローンはゴールデンラズベリー賞の最低主演男優賞に選出。

敵が前作と同じソ連軍だったために新鮮味を欠いたことや、全米公開がソ連がアフガンから撤退した直後というタイミングが、かえって興行に響いたと見られています。

ただ、ネームバリューの高さゆえに、本作が映画界に及ぼした影響は小さくありません。

例えば、ランボーが無線でソ連軍司令官のザイセンに言う「俺はお前の最悪の悪夢だ(I’m your worst nightmare)」。

セリフ自体は、『48時間』(1982)でエディ・マーフィが発したのが最初とされますが、ランボーの口から出たそれはインパクト大として、ちょっとしたブームに。

『ラスト・アクション・ヒーロー』(1993)や『リーサル・ウェポン4』(1998)、『デッドプール』(2016)などなど、その後のいろんな映画で引用されました。

有名なところでは、あらすじをまるごとパロディにしたチャーリー・シーン主演のコメディ『ホット・ショット2』(1993)も作られています。

もっともスタローン本人は、自作をパロディ扱いされることには寛容、というか慣れている様子。

トラウトマン大佐を演じたリチャード・クレンナが、『ホット・ショット2』にセルフパロディ的な役で出演した際、スタローンに筋を通そうと話をしたところ、彼は笑って認めてくれたそう。

また、インタビュアーに「『ランボー4』を作る予定は?」と聞かれ、「チャーリー・シーンに主演を頼もうかと思っているよ」とジョークを飛ばしたりもしています。

そのジョークは2008年、シーンならぬスタローン主演の『ランボー/最後の戦場』として現実となります。

次回の連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』もお楽しみに。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら



関連記事

連載コラム

NETFLIXおすすめ映画『バードボックス』ネタバレ感想と結末までのあらすじ|SF恐怖映画という名の観覧車65

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile065 莫大な資本力によって映像化困難とされてきた脚本を次々と映像化してきたNETFLIXオリジナル映画の世界。 2018年には配信からわずか1 …

連載コラム

Netflix映画『デンジャーゾーン』ネタバレ感想評価と結末までのあらすじ解説。アンソニーマッキーが魅せる SF近未来アクションのハイテクなメカ格闘戦|Netflix映画おすすめ14

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第14回 映画『デンジャー・ゾーン』はNetflixで1月15日に配信開始された近未来アクション映画です。 主演は『アベンジャーズ』シリーズ …

連載コラム

映画『Mankマンク』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。デヴィッド・フィンチャーを考察解説|Netflix映画おすすめ8

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第8回 今やハリウッドだけではなく、鬼才として世界の映画ファンから注目を集めるデヴィッド・フィンチャー。 その作品『Mank マンク』が、N …

連載コラム

『マローボーン家の掟』感想と解説。ラストまでホラー映画と青春ファンタジーが融合した秘密とは⁈|サスペンスの神様の鼓動16

サスペンスの神様の鼓動16 こんにちは、映画ライターの金田まこちゃです。 このコラムでは、毎回サスペンス映画を1本取り上げて、作品の面白さや手法について考察していきます。 今回取り上げる作品は、201 …

連載コラム

ポランスキー初期短編映画の感想とレビュー評価【殺人 /微笑み /タンスと二人の男】ほかの内容紹介|偏愛洋画劇場20

連載コラム「偏愛洋画劇場」20 今回の連載でご紹介するのは、名匠ロマン・ポランスキー初期短編集に見る才能の片鱗。 2019年11月10日から23日まで、二週間にわたって開催されたポーランド映画祭での上 …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
映画『哀愁しんでれら』2021年2月5日(金)より全国公開
映画『写真の女』
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学