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Entry 2024/11/20
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ベトナム短編映画『自由を求めて』あらすじ感想と評価レビュー。“籠の中の鳥”に心を重ねた少年が知る現実とは⁉︎|トーキョー・スキヤキ・シアターズ2024へようこそ1

  • Writer :
  • 谷川裕美子

唯一無二の《異種格闘技》な映画祭「トーキョー・スキヤキ・シアターズ」が新たに誕生!

世界各国で制作されたインディーズ映画を紹介する、唯一無二の《異種格闘技》な映画の祭典「トーキョー・スキヤキ・シアターズ2024(Tokyo Sukiyaki Theaters 2024)」。

2024年11月に「todoiF」動画配信サイトにてオンライン開催、同年12月には東京・高円寺シアターバッカスでリアルイベントを開催というハイブリッドな映画祭です。


(C)2024 Tokyo Sukiyaki Theaters

本特集コラムでは、2024年12月に初開催を迎える同映画祭の上映作品を紹介。第1回は、「トーキョー・スキヤキ・シアターズ2024」で最優秀短編映画賞を獲得したベトナム映画『自由を求めて』です。

2024年12月7日(土)・8日(日)高円寺シアターバッカスにて上映される本作。高圧的で暴力を振るう父と、怯えて泣く母と暮らすひとりの少年が、ひたむきに自由を求めるさまを淡々と描きます。

連載コラム『トーキョー・スキヤキ・シアターズ2024へようこそ』記事一覧はこちら

映画『自由を求めて』の作品情報


(C)2024 Tokyo Sukiyaki Theaters

【上映】
2024年(ベトナム映画)

【監督・脚本】
ヤコブ・ザジャック

【キャスト】
グエン・チー・バオ、グエン・ディン・ハイ、アンディ・グエン、グエン・ビック・ラン、ホアン・ゴック・ナム

【作品概要】
監督・脚本をポーランド出身のヤコブ・ザジャックが務めた短編映画。抑圧されて生きるひとりの幼い少年が、鳥かごの鳥に自身を重ね合わせる純粋な瞳が印象に残ります。

出演は主人公の少年を演じたグエン・チー・バオほか、グエン・ディン・ハイなど。

映画『自由を求めて』のあらすじ


(C)2024 Tokyo Sukiyaki Theaters

気に入らないことがあると怒鳴って家族に手をあげる父と、ただ泣いて謝るばかりの母をおいて、ひとりの少年が部屋を飛び出してきました。

彼は、廊下にかかっている鳥かごで鳴く鳥たちをじっと見つめます。

市場では男が鳥を売っていました。ある母子が鳥かごの中の一羽を買う様子を、少年は見ながら通り過ぎます。

しばらくすると、鳥を売っていた男は横になって眠ってしまいました。それを見た少年はとある行動に出ますが……。

映画『自由を求めて』の感想と評価


(C)2024 Tokyo Sukiyaki Theaters

わずか9分の間に、主人公の少年の感情の起伏を映し出す秀作です。

少年は威圧的な父と泣くばかりの母との暮らしに息苦しさを抱えていました。その現実は、父親の怒鳴り声と母の泣き声、そして鳥かごの鳥を見つめる少年のまっすぐな瞳だけで語られます。

簡素な住宅、雑然とした市場。その中で売られている、鳥かごの中の鳥たち。その中の一羽が買われていくのを凝視する少年の目に、不穏な光が宿ります。

求めた自由の先には、歓喜があるはずでした。しかし、少年は想像すらできなかった現実を知ることになります。

自由とは何か、その代償とは何か誰もが幸せになる方法はあるのか、それとも存在しないのか……思わず考えさせられる作品です。

まとめ


(C)2024 Tokyo Sukiyaki Theaters

ひとりの少年の瞳を通して世界が描かれる短編映画『自由を求めて』じっと外の世界を見つめるまっすぐな瞳が印象的な作品です。

鳥かごの中で鳴き続ける鳥の声、市場の喧噪の中で、少年が自由のために何かを為そうともがく様に胸が締めつけられます。

「トーキョー・スキヤキ・シアターズ」最優秀短編映画賞『自由を求めて』は、2024年11月には「todoiF」動画サイトで全世界オンライン上映後、2024年12月7日(土)・8日(日)東京・高円寺シアターバッカスにて上映されます。

トーキョーに集いし、世界の才能煌めくインディーズ映画をお見逃しなく。

連載コラム『トーキョー・スキヤキ・シアターズ2024へようこそ』記事一覧はこちら



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