連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile038
皆さま、申し訳ありません。今回のコラムではホラー映画やホラー動画を集めた新配信サービス「OSOREZONE」についてご紹介する予定でした。
しかし、2019年3月1日(金)、映画界での革命児的な作品であるホラー映画『アンフレンデッド』(2014)の続編が公開されることを受け、急遽予定を変更させていただくことにしまいた。
映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』は、2019年3月1日(金) 新宿シネマカリテ、なんばパークスシネマほか全国順次公開となっています。
今回は、「全てのシーンをパソコン画面上で描いた」ホラー映画の続編『アンフレンデッド:ダークウェブ』(2019)をご紹介致します。
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CONTENTS
映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』の作品情報
【原題】
Unfriended: Dark Web
【公開】
2019年(アメリカ映画)
【監督】
スティーヴン・サスコ
【キャスト】
コリン・ウッデル、ステファニー・ノゲーラス、ベティ・ガブリエル、レベッカ・リッテンハウス、アンドリュー・リース、コナー・デル・リオ
映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』のあらすじ
新しいパソコン欲しさに落とし物のパソコンを盗んだマタイアス(コリン・ウッデル)は、そのパソコンの持ち主を名乗る男にFacebookを通じて脅迫されます。
仲間たちとビデオ通話で真相を探るうちに、持ち主を名乗る男が「ダークウェブ」に存在する犯罪集団の一員であることが分かり…。
「ダークウェブ」とは
今作のサブタイトルにもなっている「ダークウェブ」。
これは、GoogleやYAHOO!と言った「検索エンジン」での検索にかからない領域である「深層ウェブ」の一角であり、ある特定の条件下においてしかアクセスできないサイトなどの事を指します。
このダークウェブは実在し、様々なコアな集まりなどに使用されるだけでなく、違法な品物や情報の交換などが日夜行われているとされています。
ダークウェブと『アンフレンデッド:ダークウェブ』
「ダークウェブ」にはある恐ろしい都市伝説があります。
それは「赤い部屋(Red Room)」と呼ばれる領域で、ビットコインなどの「仮装通貨」を使って受注される「殺人や拷問のライブ中継」があると言う噂話です。
『アンフレンデッド:ダークウェブ』ではそんな殺人や拷問のライブ中継を行う危険な犯罪集団との恐ろしい接触が描かれており、ダークウェブの1つの顔を垣間見ることが出来ます。
「赤い部屋(Red Room)」の存在を指し示す証拠は現在、全て否定されていますが、相手はダークウェブ。
何がそこに潜んでいてもおかしくない領域であり、我々の知っている事実ですらあっさりとひっくり返ってしまう恐ろしい場所なのです。
全てのシーンをパソコン画面上で描いた映画
大名作サスペンス『search/サーチ』(2018)。
映画の始まりからラストまで「全てのシーンをパソコン画面上で描いた」作品として大きな話題を呼び、その演出やサスペンスとしての物語の完成度が評価され、SNSやレビューサイトで高評価が相次ぎました。
しかし、実は「全てのシーンをパソコン画面上で描いた」作品は『search/サーチ』よりも前に、『アンフレンデッド:ダークウェブ』の前作に当たる『アンフレンデッド』が既に開拓したジャンルだったのです。
『アンフレンデッド』で製作を担当したティムール・ベクマンベトフが『search/サーチ』にも製作として関っているため単なる二番煎じではなく、ブラッシュアップした作品として『search/サーチ』も魅力的。
パソコンを触る時間が増えた現代だからこそ、様々な点で「あるある」と言いたくなるようなシーンの多さが両者にはあります。
『アンフレンデッド』と『アンフレンデッド:ダークウェブ』
2014年に公開された前作の『アンフレンデッド』では、1年前に自殺した親友が突如仲間同士のビデオ通話に現れ、次々と仲間たちを死に追いやっていく物語が描かれていました。
ここで気になるのは前作と今作で全くと言っていいほど違う2つの要素です。
ジャンル性の違い
参考映像:『アンフレンデッド』予告編
前作が「自殺したはずの友人」が恐怖の対象となっているのに対し、本作は「正体不明の犯罪組織」が恐怖の対象となっています。
そのため前作では心霊ホラーとしての怖さがありますが、『アンフレンデッド:ダークウェブ』で描かれるのはまるで映画『ホステル』(2005)のようなサスペンススリラー。
恐怖の対象が「幽霊」か「人間」かで、これほどまでに「恐怖」の感じ方に種類があるのかと1つのシリーズを通して理解させられます。
「アンフレンデッド」の意味
実は前作と本作ではタイトルである「アンフレンデッド」の意味すら違うようです。
前作では、主人公が自殺した親友のFacebookアカウントを友達解除(Unfriend)をする行動から、親友にリアルな意味での友達解除をされる「恐怖」の意味を指していると考えていましたが、本作では主人公のマタイアスは誰も友達解除をしていませんでした。
なので、今作では「Unfriended」の持つ本来の意味である「友のいない」や「寄る辺ない」と言った「孤立無援」のような意味合いが強く、このことからも2作の大きなジャンルの違いが分かります。
まとめ
『アンフレンデッド:ダークウェブ』に興味はあるけど、前作を観てないし…という方もいるかもしれません。
しかし、今回のコラムでも説明した通り前作と本作では「全てのシーンをパソコン画面上で描いたホラー映画」と言う以外は、細かなジャンルが違うだけでなく、登場人物にも一切の繋がりがありません。
そのため前作知識は一切必要なし!
前作を観ていない方でも気楽に観に行ける、情報社会の闇を描いたホラー『アンフレンデッド:ダークウェブ』は2019年3月1日(金)より全国の劇場にてロードショーです。
次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…
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いかがでしたか。
次回のprofile039こそ、配信サービス『OSOREZONE』をご紹介。
月額500円(税別)で味わうことの出来る恐怖映画体験の世界から、オススメの作品をピックアップ致します。
3月6日(水)の掲載をお楽しみに!