Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

『クルーガー 絶滅危惧種』あらすじ感想と評価解説。サバイバル映画として‟密猟の現実”と共に脱出劇と自然界の掟を描く|映画という星空を知るひとよ94

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第94回

ケニアとアメリカが合作で作り出したサバイバルアクション映画『クルーガー 絶滅危惧種』。

アフリカの広大なサバンナを舞台に、野生の猛獣と非情な密猟者たちに遭遇し、絶体絶命の危機に陥ったある家族の行く末を描き出します。

監督は『サイレントヒル リベレーション3D』(2012)『ローグ』(2021)、テレビシリーズ「死霊のはらわた リターンズ」(2015)の監督としても高い評価を獲得するM・J・バセット。出演はドラマ『シカゴ・ジャスティス』(2017)のフィリップ・ウィンチェスター、「X-MEN」(2000)シリーズのレベッカ・ローミンらが顔をそろえました。

アフリカの大地で繰り広げられる極限の脱出劇を圧倒的なクオリティで映像化した『クルーガー 絶滅危惧種』は、2022年4月8日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー!

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

スポンサーリンク

映画『クルーガー 絶滅危惧種』の作品情報


(C)2021 PHOENIX WALLACE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

【日本公開】
2022年(ケニア・アメリカ合作映画)

【原題】
ENDANGERED SPECIES

【監督】
M・J・バセット

【脚本】
M・J・バセット、イザベル・バセット

【編集】
アンドリュー・マクリッチ

【音楽】
スコット・シールズ

【キャスト】
フィリップ・ウィンチェスター、レベッカ・ローミン、ジェリー・オコンネル、イザベル・バセット

【作品概要】
アフリカのサバンナで孤立した家族に襲いかかる猛獣と密猟者の恐怖を描いた『クルーガー 絶滅危惧種』。

監督は名作ホラーゲームを映画化した『サイレントヒル︓リベレーション3D』(2012)で脚光を浴び、更には人気テレビシリーズ「死霊のはらわた リターンズ」の監督としても高い評価を獲得したM・J・バセット。

主演は、大ヒットドラマ「シカゴ・ジャスティス」(2017)、『ローグ』(2021)などで人気を博すフィリップ・ウィンチェスター。「X-MEN」シリーズのレベッカ・ローミンや、『スタンド・バイ・ミー』(1986)のジェリー・オコンネルら、実力派俳優が脇を固めています。

映画『クルーガー 絶滅危惧種』のあらすじ


(C)2021 PHOENIX WALLACE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

休暇でアフリカケニアのアンボセリ国立公園を訪れたジャックとその家族。

サファリツアーで一家団欒のはずでしたが、密かに会社から休職を言い渡されていたジャックは、ツアー代金を払うことができませんでした。

追い詰められたジャックは苦肉の策で、廃車寸前のバンを借り、護衛もつけずにサバンナを探検することにしました。

スタッフの注意や標識を次々に無視し、出口の検問を突破してサバンナの奥地へ突き進んでいく一家。

サイの親子連れに遭遇したのが運の尽き。子どもの身を案じた母親サイが襲いかかり、車両は横倒しになってしまいます。

助手席にいたジャックが足に大怪我を負い、一刻も早く脱出しようとしますが、彼らが今いるのは、携帯電話の電波も県外で、車の通らない地帯。

広大なサバンナで完全に孤立してしまったのです。

糖尿病をかかえる母のインシュリンのビンも割れてしまい、母は次第に動けなくなります。

一家が孤立するサバンナは、血に飢えた猛獣たちが巣食うだけではなく、人間狩りも厭わない密猟者たちが立ち入る危険地帯でもありました。

動ける長男と長女の彼氏が助けを求めに車から出てサバンナの向こうへ歩き出しました……。

スポンサーリンク

映画『クルーガー 絶滅危惧種』の感想と評価


(C)2021 PHOENIX WALLACE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

ケニアのサバンナで孤立し、助けを待つ間襲ってくる猛獣の恐怖におびえる主人公一家。しかし、本当に恐ろしいのは猛獣ばかりではありませんでした。

サバンナの動物たち、とくに絶滅危惧種でむやみに殺してはいけない動物を密猟する者たちの存在が、一家の運命を左右します。

2021年では、全世界に、37,400種以上もの絶滅危惧種の生き物が存在しているそうです。その中には、動物園や水族館でよく見られる生き物も含まれています。

本作では、高価な象牙を持つゾウはもちろん、工芸品として利用される角を持つサイも密猟者たちから狙われました。

絶滅危惧種が増加する背景として挙げられるのは、弱肉強食の自然界の掟だけでなく、このような人間の活動が大きく関与していると言えます。

金銭的に苦しくどん詰まりの思いを抱える主人公一家も、決して動物たちの味方ではありませんでした。動物たちを甘くみ、ツアーのルールを無視した結果、猛獣に襲われてのサバンナでの孤立という事態を招きます

事故で怪我をする者、猛獣に襲われて九死に一生を得る者、持病を抱えているのに薬が無い者……。

これでもかというほど、猛獣と一緒に不運は襲い掛かって来ました。果たして、孤立無援状態の一家に救いの手は来るのでしょうか? 

密猟者に対する怒りと共に、自然界においてルールを破る怖さも思い知らされることでしょう。

まとめ


(C)2021 PHOENIX WALLACE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

『クルーガー 絶滅危惧種』は、アフリカの広大なサバンナを舞台に、野生の猛獣と非情な密猟者たちに囲まれて絶体絶命の危機に陥った一家の行く末を描くサバイバルアクションです。

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でVFXを手掛けたマシュー・カーニーや、ワイヤーのプロとして名高いトラヴィス・パターソン、ジョー・ストラマー&ザ・メスカレロスのベーシストとして知られるスコット・シールズが音楽を手掛けるなど、超一流のスタッフも集結して作られています。

アフリカの広大なサバンナで繰り広げられる生死をかけた脱出劇が、リアリティあふれる映像で描かれた本作。

主人公一家の行く末と同時に、密猟という行為への警告を社会に強く訴えています

『クルーガー 絶滅危惧種』は、2022年4月8日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー!

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。




関連記事

連載コラム

映画『真実の穴』ネタバレあらすじと結末の感想評価。ラストに待つのは覗き込んだ闇の真相|Netflix映画おすすめ74

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第74回 映画『真実の穴』は2021年12月2日(木)にNetflixで配信開始された、タイのサスペンスホラーです。 母親の交通事故をきっか …

連載コラム

実話映画『ファヒム パリが見た奇跡』感想と考察評価。政治難民の少年がチェスチャンピオンを目指す|映画という星空を知るひとよ10

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第10回 映画『ファヒム パリが見た奇跡』が、2020年8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開されます。 この映画は、パリへ逃れた政 …

連載コラム

【映画ネタバレ】ポストモーテム 遺体写真家トーマス|あらすじ感想と結末の評価解説。ホラー幽霊が彷徨う”死後村”の恐怖を描く!【未体験ゾーンの映画たち2022見破録24】

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2022見破録」第24回 映画ファン待望の毎年恒例の祭典、今回で11回目となる「未体験ゾーンの映画たち2022」が2022年も開催されました。 傑作・珍作に怪作、異色 …

連載コラム

原一男映画『れいわ一揆』感想評価と考察解説。ドキュメンタリー作品でありプロバガンダではない“令和の選挙戦を記録”|だからドキュメンタリー映画は面白い55

連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第55回 怒れる10人の個性的な候補者たちの、令和元年の熱き17日間 今回取り上げるのは、2020年9月11日(金)よりアップリンク渋谷ほか全国順次公開 …

連載コラム

『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』感想と考察評価。実話映画化でピアニスト音楽家ジョアン・カルロス・マルティンス半生を描く|心を揺さぶるtrue story3

連載コラム『心を揺さぶるtrue story』第3回 2020年9月11日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』が全国公開されます。 本作は20世紀で最も偉 …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学