Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2019/05/24
Update

【今野健太インタビュー動画】シアターモーメンツ新作『#マクベス』マルカム役への意気込みと劇団への想いを語る| THEATRE MOMENTS2019⑦

  • Writer :
  • 加賀谷健

連載コラム『THEATRE MOMENTS2019』第7回

©︎Cinemarche

「日本発のワールドスタンダード演劇」をモットーに、これまで精力的な取り組みを展開してきた劇団シアターモーメンツ

2019年5月29日(水)〜6月1日(土)にかけて、最新公演『#マクベス』の上演が控えています。

コラボレーション企画第8弾となる今回は、本作でマルカム役を務め、若々しく力強い演技力をみせる今野健太さんのインタビュー映像を掲載します。

【連載コラム】『THEATRE MOMENTS2019』記事一覧はこちら

マルカム役・今野健太インタビュー映像

最年少劇団員の実直な眼差し

どっしりと安定したマクベスの存在感に対して、若々しく雄々しい姿が鮮やかなコントラストを付けるのがマルカム役のポイントとなります。

父王を家臣に殺害され、復讐心に燃えたぎる若き王子は、まさに最年少の劇団員である今野さんにしか演じられない役柄です。

インタビューでは、演劇への並々ならぬ熱意を感じました。福島県出身の今野さんは、高校三年を前にした春休みに東日本大震災を体験し、この時胸に抱いた心境が現在までの演劇活動の大きな動機になっていると話されます。

こうした体験をテーマにして表現活動を展開することには当然あらゆる困難が付きまといます。しかし、何より被災者としての自分を深く認識し、受け止めようとする今野さんのひたむきな姿勢が、『#マクベス』の舞台上で鮮やかに飛翔してゆく様が今から目に浮かぶようです。

今野健太(こんのけんた)プロフィール

©︎Cinemarche

福島県出身。

高校演劇で演劇に出会う。高校2年生の時に震災を経験し、震災をテーマにした作品を創作するなど精力的にな活動を開始。その後、演劇の可能性を信じて俳優を志します。

新国立劇場演劇研修所を経て、THEATRE MOMENTSに所属。同劇団のマカオ公演やマレーシア公演など海外での公演にも参加しています。

好きな映画:『アバウトタイム~愛おしい時間について~』(2013)

劇団THEATRE MOMENTS(シアターモーメンツ)とは

参考映像:『遺すモノ〜楢山節考より〜』

2004年、佐川大輔と中原くれあを中心に、「日本発のワールドスタンダード演劇の創作」を目的に設立。

小説や戯曲をベースに、俳優とアイディアを出し合うデバイジング集団創作に加え、ルコックやスタニスラフスキーの演劇手法を使い分け、普遍性と演劇性の高い舞台を生み出しています。

そのスタイルは「一人複数役を演じ、常に出ずっぱりの俳優」「アンサンブルによる身体表現」「テーマ小道具の変幻自在な見立て」「前説から本編へのシームレスな導入」など、独自の特徴があります。

2013年の第四回せんがわ演劇コンクールでグランプリ、観客賞、演出賞を受賞。

海外では、2013年マカオフリンジフェスティバル(中国)、2014年メルボルンフリンジフェスティバルなどへ参加。2016年にはマカオに招聘され、海外の劇団では現地初となる3か月連続上演。

本作『#マクベス』もすでに、2019年8月にマカオ公演が決定しています。

THEATRE MOMENTS公演『#マクベス』の作品情報

【日本公演】
2019年
5月29日(水)19:30
5月30日(木)19:30
5月31日(金)14:30 / 19:30
6月1日(土)11:30 / 16:30

【場所】
調布市せんがわ劇場

【料金】
[一般] 前売4,000円/当日4,500円/リピーター割2,500円
[U25割] 前売2,500円/当日3,000円/リピーター割1,500円
[U18割] 前売1,000円/当日1,000円/リピーター割500円
[初日割] 前売3,000円/当日3,500円
[平日マチネ割] 前売3,500円/当日4,000円/リピーター割2,500円
[ペア割] 前売7,400円/リピーター割2,500円(1名あたり)
[3名以上割] (1名あたり)前売3,500円/リピーター割2,500円
[調布市民割・外国人割・ハンディキャップ割] 前売3,000円/当日3,500円/リピーター割2,500円

【構成・演出】
佐川大輔

【原作】
ウィリアム・シェイクスピア『マクベス』

【キャスト】
青木まさと、荒井志郎(青☆組)、池田美郷(O’RAMA Rock’n’Roll Band)、大窪晶(演劇集団円)、今野健太(THEATRE MOMENTS)、ちょびつき雨宮、中原くれあ(THEATRE MOMENTS)、三橋俊平

【作品概要】
THEATRE MOMENTS第23回公演。

「ワールドスタンダードな演劇」を前提として、ウィリアム・シェイクスピアの『マクベス』をTHEATER MOMENTSならではの切り口と小道具と身体を駆使した独自のスタイルで創作される新作です。

また、日本公演以外にも、2019年8月にマカオ公演が決定しています。

構成・演出はTHEATRE MOMENTS主宰の佐川大輔が努めます。

【『#マクベス』チケットのご予約はコチラ】

『#マクベス』のあらすじ

スコットランドの勇将マクベスは、ノルウェー軍との熾烈な戦いに勝利した後、奇妙な出で立ちの魔女たちに出会い、「やがて王になる」という予言を受けます。

その予言を伝えられたマクベス夫人は、夫の出世に魅了されます。

そんな中、勝利の宴がマクベスの城で行われ、スコットランド王のダンカンが訪れることとなり、マクベス夫妻は予言を現実のものとするべく王殺しを企てますが…。

関連記事

連載コラム

『ランディ・ローズ』映画考察評価。没後40年の永遠のギタリストの軌跡をたどる【だからドキュメンタリー映画は面白い75】

連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第75回 今回取り上げるのは、2022年11月11日(金)から新宿シネマ・カリテ、渋谷シネクイントほか全国ロードショーの『ランディ・ローズ』。 80年代 …

連載コラム

『燈火(ネオン)は消えず』あらすじ感想と評価解説。香港映画の夜景を彩るネオンに纏わる夫婦愛をシルヴィア・チャンとサイモン・ヤムが魅せる|映画という星空を知るひとよ179

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第179回 中華圏を代表する映画賞・金馬奨で主演女優賞に輝き、第96回米アカデミー賞国際長編映画賞香港代表作品にも選ばれている香港映画『燈火(ネオン)は消えず』 …

連載コラム

Netflix映画『密航者』ネタバレ感想評価と結末解説のあらすじ。 SF宇宙船の危機に“誰の命を救い誰が犠牲になるのか”を描く|Netflix映画おすすめ33

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第33回 夢があり憧れの対象となる空間でありながら、ひとつひとつの決断が生死を分けるシビアな空間でもある「宇宙」。 選りすぐりの宇宙飛行士で …

連載コラム

『劇場版 バーニング』結末の解説と考察。原作「納屋を焼く」のメタファーから映画のテーマを探る|映画道シカミミ見聞録34

連作コラム「映画道シカミミ見聞録」第34回 こんにちは、森田です。 今回は村上春樹の小説を原作としたイ・チャンドン監督の映画『劇場版 バーニング』を紹介いたします。 原作を大きくアレンジしたことが話題 …

連載コラム

『チック、チック…ブーン!』ネタバレあらすじ結末と感想評価。ミュージカル映画2021おすすめ【tick, tick…BOOM!】をアンドリュー・ガーフィールドが演じる|Netflix映画おすすめ71

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第71回 夢を追う全ての人に捧ぐミュージカル作品『tick, tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』がNetflix配 …

U-NEXT
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学