Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2024/01/23
Update

『同感 時が交差する初恋』あらすじ感想と評価解説。韓国ラブストーリー映画《リメンバー・ミー》のリメイクが描く“時を超えた男女”の出会い|映画という星空を知るひとよ189

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第189回

過去と未来、異なる2つの時代に生きる大学生の男女が1台の無線機でつながっていく……時を超えた運命の出会いが導くピュアなラブ・ストーリー『同感〜時が交差する初恋〜』。

本作は、韓国ラブストーリーの金字塔『リメンバー・ミー』(2000)の時代設定を新たにしたリメイク作品である映画『同感〜時が交差する初恋〜』は、2024年2月9日(金)よりシネマート新宿ほかで全国順次公開されます。

1999年に生きる男子大学生ヨンと、2022年に同じ大学に通う女子大生ムニ。1台の古い無線機を通して偶然交信したことから、2人の奇妙な交流が始まります。

時代のズレに最初戸惑う2人ですが、そのうちにお互いの恋の悩みなどを打ち明けるほど親しくなります。甘酸っぱい初恋と胸が痛くなるような嫉妬。ヨンとムニの交流の行く着く先に待っているものとは?

韓国映画『同感〜時が交差する初恋〜』をご紹介します。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『同感〜時が交差する初恋〜』の作品情報


(C)2022 GOGOSTUDIO INC. ALL RIGHTS RESERVED

【日本公開】
2024年(韓国映画)

【原題】
동감(英題:Ditto)

【脚本・監督】
ソ・ウニョン

【キャスト】
ヨ・ジング、チョ・イヒョン、ナ・イヌ、キム・ヘユン、ペ・イニョク

【作品概要】
1999年と2022年、異なる時代を生きる大学生たちの運命の出会いを描く『同感〜時が交差する初恋〜』。『告白』(2021)のソ・ウニョンが監督を務めました。

本作は、日本でも『時の香り リメンバー・ミー』(2001)としてリメイクされたこともある、韓国ラブストーリーの金字塔『リメンバー・ミー』(2000)の時代設定を新たにした作品です。

1999年に生きるヨンを、『王になった男』(2017)「怪物」(2021)などで活躍するヨ・ジング、2022年に生きるムニを『賢い医師生活』(2021)『今、私たちの学校は…』(2022)などのドラマで知られるチョ・イヒョンがを演じています。

映画『同感〜時が交差する初恋〜』のあらすじ


(C)2022 GOGOSTUDIO INC. ALL RIGHTS RESERVED

1999年、大学の機械工学科に通うヨンは、皆既月食の夜、無線機を通じて女子学生ムニと交信を始めます。

彼女が同じ大学の社会学科2年生だと知って、偶然に驚きつつ翌日に大学構内で会う約束をします。しかし、約束の時間を過ぎてもムニは来ません。一方、どしゃぶりの雨の中で待ち続けるムニの前にもヨンは現れませんでした。

その夜、互いに相手のすっぽかしを責めるヨンとムニ。

話が噛み合わないまま、それから何度か交信するうちに、2人は自分たちが違う時代を生きていると気がつきます。

不思議な状況に半信半疑ながらも2人の会話は弾み、ヨンとムニは恋人でもなければ友人でもない、唯一無二の存在となっていきます。

そのうちに、お互いの意中の人の話をしたりするのですが……。

映画『同感〜時が交差する初恋〜』の感想と評価


(C)2022 GOGOSTUDIO INC. ALL RIGHTS RESERVED

過去と未来。住む世界が違う2人の男女の物語『同感〜時が交差する初恋〜』。韓国ラブストーリーの金字塔『リメンバー・ミー』(2000)を、男女の住む時代と年代を新たに設定し直しリメイクした作品です。

2022年に生きる女子学生ムニと1999年の大学生ヨン。ムニの抜群なおしゃれセンスとポンポン飛び出す流行語に、ヨンは驚いたり首を傾げたり……。

また2人は時代が違っていることに当初は気が付かず、会えないことを相手がわざと会う約束を破ったと思い、お互いに本気で怒ります。

積極的なムニに振り回されるヨンの様子をはじめ、知り合ったばかりの複雑な男女の思いもリアルに描かれていて、とても微笑ましく観れます

ヨンはいつしか「自分の好きな人」のことをムニに相談するようになり、ムニもまた「気になる男性」のことを話し始めます。

2人の初恋はうまく行くのでしょうか。

ムニとヨンの互いの恋の行方と同様に気になる本作の結末を、ハラハラしながらも温かい目で見届けてあげたくなることでしょう。

まとめ


(C)2022 GOGOSTUDIO INC. ALL RIGHTS RESERVED

2つの異なる時代を生きる男女の大学生が、古い無線機の交信でつながる。顔も知らない2人ですが、無線でやりとりしていくうちに打ち解け、恋の悩みなど相談するようになりました。

2人の生きる時代の流行語や文化の違いなども盛り込まれ、甘酸っぱい青春時代の初恋もユニークに描かれています

観る人は自分の青春時代を思い描き、主人公たちが辿る奇跡のつながりに、胸をキュンとさせることでしょう。

時を超えた運命の出会いに、主人公たちはどう向き合うのか。青春時代を思い出し、ほろ苦い初恋の味をたっぷりお楽しみください。

映画『同感〜時が交差する初恋〜』は2024年2月9日(金)よりシネマート新宿ほかで全国順次公開

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。





関連記事

連載コラム

韓国映画『EXIT』ネタバレ感想と結末までのあらすじ解説。感動の家族愛と恋するサバイバルなボルダリングアクション!|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー7

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第7回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信サービス【U-NEXT …

連載コラム

『騙し絵の牙』原作小説ネタバレと結末までのあらすじ。塩田武士が大泉洋をイメージして執筆に取り組む|永遠の未完成これ完成である12

連載コラム「永遠の未完成これ完成である」第12回 映画と原作の違いを徹底解説していく、連載コラム「永遠の未完成これ完成である」。 今回紹介するのは2021年3月26日(金)より全国公開予定の『騙し絵の …

連載コラム

ストレンジャーシングス3|ネタバレ感想と結末あらすじの考察解説。ラスト最終回まで死亡者と登場人物相関図を探る|SF恐怖映画という名の観覧車58

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile058 僅か4日でNETFLIX視聴者数を塗り替えたと発表されたドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』。 『ゴジラ キング・オブ・モンス …

連載コラム

韓国映画『神と共に 第二章:因と縁』あらすじと感想。3つのパートを同時進行で描く裁判劇の行方とは⁈|コリアンムービーおすすめ指南12

宿命は千年の時を経て完結する! 韓国の人気ウェブ漫画を映画化。韓国で大ヒットを記録したファンタジー・アクションシリーズの第二章『神と共に 第二章:因と縁』が、6月28日(金)より新宿ピカデリー他にて全 …

連載コラム

【ネタバレ考察】ゴジラマイナスワン|最後の典子の首アザの意味は?“新たな戦争の開始”という皮肉と残酷ד人間のゴジラ化”の歴史的文脈|0-1方程式の名はゴジラ1

「浩さんの戦争は、終わりましたか?」 日本制作の実写ゴジラシリーズ作品としては『シン・ゴジラ』(2016)以来の7年ぶりとなる「ゴジラ」生誕70周年記念作品として、山崎貴監督が手がけた映画『ゴジラ-1 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学