「すみっコぐらし」を映画化した劇場アニメ第2弾!
大森貴弘が監督を務めた、2021年製作の日本のアニメ映画『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』。
「5年に1度の青い大満月の夜、魔法使いたちがやって来て夢を叶えてくれる」
その伝説の通り、すみっコたちの町にやって来た5人兄弟の魔法使いと、すみっコが好きなちょっぴりネガティブな個性的なキャラクターたちが出会う物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
サンエックス株式会社の人気キャラクター「すみっコぐらし」を映画化した、劇場アニメ第2弾となる映画『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【原作】
サンエックス
【監督】
大森貴弘
【キャスト】
井ノ原快彦、本上まなみ
【作品概要】
「夏目友人帳」シリーズの大森貴弘が監督を務めた、日本のアニメーション作品。
原作であるサンエックスの人気キャラクター「すみっコぐらし」を映画化し、映画『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』に続く劇場アニメ第2弾となる作品でもあります。
ナレーションを務めるのは、前作『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』に続き、「ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARD」シリーズの井ノ原快彦と、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(2016)の本上まなみです。
映画『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』のあらすじとネタバレ
夜空の上にある、魔法使いたちの世界。ここには、星のマークがついた帽子を被り、星の形がついたステッキを持つ5人の魔法使いが住んでいます。
ステッキを振ると、彼らは魔法が使えるみたい。でも、その5人の中には、まだうまく魔法が使えない子もいました。
しっかり者のリーダーのわんと、物知りで頭がいい眼鏡がチャームポイントのつー、いたずらっ子のすりー。食いしん坊で力持ちのふぉーは、魔法を勉強中の一番小さい末っ子ふぁいぶを優しく慰めます。
「だいじょうぶ。いつか、魔法が上手く使えるようになるよ」
わんがステッキを振って星できらめく川をつくり、つーがその川を渡るための星がついたついたスワンボートを出しました。
ふぁいぶはふぉーが乗るスワンボートに乗り、わんたち兄弟と一緒にスワンボートで川を渡って行きました。なんだか不思議なことが起こりそうで、魔法使いたちはワクワクしていました。
夜空の下には、この世界のどこかにある、すみっコでひっそりと暮らしている「すみっコ」たちが暮らしていました。
季節は秋、木々は色づき、少し肌寒くなってきました。二階建ての赤い屋根の家「すみっコハウス」には、沢山のすみっコたちが暮らしています。
暖かい場所を求めて、ふろしきと一緒に北からやって来たしろくまは寒いのが苦手。衣替えするためにタンスの中をごそごそして、パーカーを取り出して暖かくしてほっと一息。
しろくまの横には、残りもの同士で仲が良い2人組がいました。おにく1%、しぼう99%のとんかつのはじっこであるとんかつは、固いから食べ残されてしまったえびふらいのしっぽと一緒に、油のお風呂に入って衣替えしました。
恥ずかしがり屋で優しいねこは、いつもざっそうにお水をあげています。そんなねこは、季節の変わり目で毛が抜け落ちているみたいでした。
抜け毛を気にするねこに、ピンクのたぴおかがコロコロ式粘着シートを使って、コロコロしてくれました。ねこはそのお礼に、ピンクのたぴおかの頭をぷにぷにと撫でてあげました。
黄色・水色・ピンクのたぴおかたちは、ミルクティーだけ先に飲まれて、カップの中に残されてしまったのです。
それを思い出した黒いたぴおかは、ねこたちの近くで「やってらんね」と寝っ転がり、やさぐれていました。
本を読むのが大好きなぺんぎん?は、『海の生き物図鑑』を見て、いつも自分探しをしています。
ぺんぎん?は、自分が何だったか思い出せません。頭におさらがあったような、昔川を流れていたような………。自分はぺんぎんなのか、自信がありません。
とかげは、芸術の秋を楽しんでいました。描いていたのはとかげのお母さんの絵、実はとかげは、きょうりゅうの生き残りなのです。
とかげのお母さんはスミッシーと呼ばれていて、たまに湖「すみっ湖」に現れます。でも、きょうりゅうの生き残りだってことがバレたら捕まってしまうかもしれないから、他のすみっコたちには内緒。とかげのふりをしています。
とかげの秘密を知っているのは、仲良しのにせつむりだけ。にせつむりは、かたつむりに憧れて、殻を被ったなめくじです。
そして秋といえば、食欲の秋。部屋のすみっこで、とかげとねこは魚を、とんかつとしろくまはおにぎり、ぺんぎん?はきゅうりをパクパクと食べていました。
猫缶をいっぱい食べるねこを吊り上げ、どこかに運ぶなぞのアーム。このなぞのアームは、いつもすみっコたちを見守っています。
今日はみんなで、お気に入りのカフェ「喫茶すみっコ」にやって来ました。いつもなら、すみっコたちが店の扉を開けた時の音で気づいてくれる、喫茶店のまめマスターと、アルバイトのおばけは、何かのチラシを熱心に見つめていて気づいてくれません。
店の奥から出てきたほこりに、しろくまがくしゅんとくしゃみすると、やっとまめマスターたちはみんなが来たことに気づいてくれました。
まめマスターたちが熱心に見つめていたのは何か、気になるすみっコたち。それを見たおばけが、すみっコたちにチラシを見せてあげました。
そのチラシは、すみの町商店街の奥にある大きな店「すみっコマーケット」がリニューアルオープンし、それを記念して全品大特価セールをすることが書かれていました。
すみっコマーケットがリニューアルオープンしたことに、喜ぶすみっコたちは、何をしようかアイデアを出し合います。
するとぺんぎん?が、「すみっコマーケットでお買物して、すみっ湖でテントを張ってキャンプをしよう」と提案しました。
秋はお出かけするにもいい季節なので、みんなキャンプすることに乗り気でした。でもその中で、1人浮かない顔をするとかげは、お母さんのことが気になっていました。
それに気づかないぺんぎん?は、のんきに「スミッシーにまた会えるかな?」と言い、首をかしげていました。
実はすみっコたちは、スミッシーに会ったことがあります。それはスミッシーが、とかげに会いに来た時でした。
スミッシーは、すみっコたちと遊んでくれる、とても優しいきょうりゅうです。でも、とかげはみんなに、スミッシーは自分のお母さんであることを言えませんでした。
お母さんに会えるのは嬉しいけれど、またみんなに嘘をつくことになると思うと、とかげは複雑でした。
キャンプのことで盛り上げるすみっコたちは、カフェを出て「すみの町商店街」と書かれたアーチをくぐって、商店街の中に入っていきます。
すみっコたちはすみっコマーケットまでの道のりにある、焼きたてのふかふかのパンが並んでいるパン屋やクリーニング屋、綺麗な花が並んだお花屋さん。駄菓子屋さん、公園に立ち寄って、寄り道を楽しんでいました。
公園の中を抜けた先に、すみっコマーケットがありました。思い思いにカゴを持ったすみっコたちは、何を買うのでしょうか。
ぺんぎん?は、野菜コーナーで大安売りしていた、大好きなきゅうりを箱買い。とんかつとえびふらいのしっぽ、彼らのとこに来た仲良しのあげだまたちとあじふらいのしっぽは、調味料コーナーに陳列されたソースの種類の多さに目を輝かせ、沢山のソースをカゴに入れていました。
とかげとねこは、魚売り場の特売のコーナーへ。大勢の人で混み合う中、ケースのすみっこにあった最後の1パック、魚を無事ゲットしました。
料理上手なしろくまは、袋詰めのウィンナーと野菜をゲット。それぞれ好きなものをいっぱい買ったすみっコたち、がま口財布に入ったお金が足りるか心配でしたが、何とか全部買うことが出来ました。
その後、すみっコたちは買った物を入れたリュックを背負って、電車に乗ってすみっ湖へ向かいました。
到着したすみっ湖には、スミッシーの顔はめパネルにグッズを販売する店があり、湖の前にはスミッシーを写真に撮ろうとする観光客がいました。
その日の夜。キャンプマスターのかわうそが手伝ってくれたおかげで、買った野菜やウィンナー、魚などを焼いてバーベキューを楽しむすみっコたち。
そこには、いつの間にか現れたたぴおかたちや、ざっそうとにせつむり、ほこりたち。おばけもみんな来ていました。
楽しいバーベキューの途中、すみっコたちは夜空に浮かぶ、もうすぐ満月になりそうな青い月を見つけます。
最初に発見したぺんぎん?は、持ってきた荷物の中から『世界七大伝説』という本を取り出し、みんなに見せました。
スミッシーが描かれたページの次に、満月を背にホウキに乗った魔法使いの挿絵があり、そこにはこう記されていました。
「5年に1度の青い大満月の夜、魔法使いたちがやって来て夢を叶えてくれる」
映画『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の感想と評価
すみっコたちの日常は、観ているだけで口元に笑みを浮かべてしまうほど、とても微笑ましく癒されます。
そんなすみっコたちに、新たな出会いが訪れました。青い大満月の夜の日に現れた、ふぁいぶたち魔法使いです。
わんたちが見せる素敵な魔法も、ふぁいぶが見せる失敗ばかりの魔法も、どちらもすみっコたちのように、大人も子供関係なく目を輝かせてしまうほど心躍るものばかり。
夜の森の中で開かれたナイトパーティーも、物語のラストに描かれた星空の散歩も楽しそうで、観ているこちらもすみっコたちの輪に混ざりたくなります。
また、すみっコたちが魔法使いたちに叶えて欲しかった夢は、どれもすみっコたちらしいものばかり。みんなへのお礼として、それを叶えようとしたふぁいぶの奮闘劇は、とても健気で可愛いです。
特に物語のラストで、「お母さんに会いたい」と言うとかげの夢が叶った場面での、スミッシーととかげの嬉しそうな姿に涙が止まりません。
また、ふぁいぶがやっとわんたちに会えた場面と、夢が何か分からなかったふぁいぶがすみっコたちのおかげで、新しい夢が出来た場面も感動します。
短い期間であったものの、一緒に遊んだり買い物したり、美味しいものを食べて過ごした日々は、すみっコたちにとってもふぁいぶにとってもかけがえのない思い出になったことでしょう。
まとめ
この世界のどこかにある、すみっコでひっそりと暮らしているすみっコたちと、魔法使いの世界で暮らす5人兄弟の魔法使いの出会いを描いた、日本のアニメーション作品でした。
本作の見どころは、すみっコたちの夢と日常、すみっコたちと5人兄弟の魔法使いの出会いです。
物語の中盤で、魔法使いの世界に帰れなくなってしまったふぁいぶに、とかげは優しく手を差し伸べ、自身の家へ泊まらせてあげます。
すみっコたちの世界で過ごすふぁいぶの姿と、とかげの家で2人仲良く過ごす姿はもちろん、ふぁいぶがベッドのすみっこに寝返りを打つとかげの背にぴったりくっついて寝る姿は、本作で特に心癒される場面です。
エンドロールには、すみっコハウスでクリスマスツリーを飾りつけをするすみっコたちの姿と、とかげが飾りつけの最後にふぁいぶがくれた星をてっぺんに飾りつけた姿が描かれていました。
世界中で愛されているすみっコたちが、新たな仲間ふぁいぶたちと出会い、友情を育んでいくアニメーション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。