信じる心が道を切り開く。
その先にある平和な世界を信じて一緒に進もう。
ディズニーの新たなヒロインが誕生しました。
ひとりぼっちの救世主・ラーヤ。彼女はバラバラになった世界を救うため、姿を消した最後の龍をよみがえらせる旅に出ます。
果たして、聖なる力を持つ龍は復活できるのか。そして、再び世界に平和は訪れるのか。
人々が互いに信じる心を無くしてしまった世界で、人を信じることが出来なくなってしまった孤独なラーヤが、仲間と出会うことで成長し、道を切り開いていく冒険ファンタジー。
孤独感や不安が蔓延する世の中に、ディズニーが贈る希望の物語『ラーヤと龍の王国』をご紹介します。
映画『ラーヤと龍の王国』の作品情報
【日本公開】
2021年(アメリカ)
【監督】
ドン・ホール、カルロス・ロペス・エストラーダ
【キャスト】
ケリー・マリー・トラン、オークワフィナ、ジェンマ・チャン、ダニエル・デイ・キム、サンドラ・オー、ベネディクト・ウォン、アイザック・ワン、タライア・トラン、アラン・テュディック
【作品概要】
ディズニー・アニメーションの最新作となる『ラーヤと龍の王国』。監督は、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した『ベイマックス』のドン・ホールと、実写映画『ブラインドスポッティング』のカルロス・ロペス・エストラーダ。
アニメ製作はリモートで行われ、400人以上のスタッフがそれぞれの自宅で作品を完成させるというかつてない取組みとなりました。
ディズニーの新ヒロイン・ラーヤの声を担当するのは、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』等で、レジスタンスの整備クルー・ローズ役を演じたケリー・マリー・トラン。情熱あふれる強いヒロイン・ラーヤを見事に表現しています。
日本語吹替版では、吉川愛が声優初挑戦でヒロイン・ラーヤの声を担当。孤独なヒロインが仲間と共に成長していく姿を生き生きと演じます。
映画『ラーヤと龍の王国』のあらすじとネタバレ
むかしむかし、人々は聖なる龍たちに守られ平和に暮らしていました。その楽園の名は「クマンドラ」。
ある日、クマンドラに心を持たない魔物「ドルーン」が現れます。ドルーンは闇の力で人々を石に変えてしまいました。
龍たちは、ありったけの力をひとつの石に込め、最後の龍・シスーに想いを託します。その聖なる力で、ドルーンは消え去り人々は蘇りますが、龍たちは石の姿のままでした。
それから500年後。龍のいなくなった世界で人々は、互いに信じる心を失い、大地は「ハート」「テイル」「タロン」「スパイン」「ファング」の5つの国に分裂。争いの続く世の中となっていました。
ハートに住む少女・ラーヤは、代々「龍の石」を守ってきた一族の娘です。ラーヤの父・ベンジャは、5つの国が互いに手を取り合い、再び平和に暮らせる楽園「クマンドラ」の復活を目指していました。
ベンジャはハートに他国の代表を招き、交流を深めようと考えます。やってきた者たちが、いがみ合いを始める中、ラーヤはファングの国の姫・ナマーリと仲良くなります。
龍が好きだというナマーリは、最後の龍シスーの絵をラーヤに見せ、ペンダントをくれました。ラーヤはお返しに、龍の石の場所にナマーリを招き入れます。
その時でした。ナマーリの国ファングの軍が攻め入ってきました。ナマーリは、龍の石を手に入れるためラーヤをだましたのです。
抵抗するハート軍でしたが、争いに気付いた他国の者たちも押し寄せ、龍の石の奪い合いが始まります。手から手へと渡る龍の石。とうとう転がり落ち、割れてしまいました。
グラグラグラ。大きな揺れと共に、大地の水が引き、砂漠がやってきます。邪悪な魔物ドルーンです。人々が次々に石に変えられていきます。5つに割れた龍の石の欠片を、それぞれの国の長が持ち帰りました。
ドルーンはハートの国を飲みこんでいきます。父ベンジャもまた、龍の石の欠片をラーヤに託し、石に変わってしまいました。
水は渡れないドルーン。川に落とされたラーヤは助かりましたが、信じた友達に裏切られ、父親を失くし心に深い傷を負いました。
そして6年が経ち、成長したラーヤは、唯一の相棒トゥクトゥクと共に「最後の龍シスー」を探す旅に出ていました。壊れた世界を再び蘇らせ、石にされた父ベンジャを取り戻すためです。
孤立した砂漠の国テイルで、枯れた川の上流を目指すラーヤ。わずかに流れる水に祈りを捧げます。「お願い助けて、シスー」。
辺りに蒸気がたちこめ、その中から光り輝く水色の龍が姿を現しました。「シスー!」。状況が飲みこめないシスーは、「あれ、他の仲間は?500年も経ってるの?えっ、石を割っちゃったの?」パニックです。
強力な魔力を持つ伝説の水龍と伝えられてきたシスーでしたが、実際は天真爛漫でおしゃべり好き、本人曰く「最高じゃない方の龍」なのだとか。
テイルの国で手に入れた龍の石の欠片で、シスーは人の姿に変身できるようになります。ドルーンを消すためには、龍の石に宿った仲間の龍の力が必要だと分かったラーヤとシスー。他の欠片も集めることにします。
道中、ラーヤの動きを止めようと宿敵ナマーリが邪魔に入ります。追ってから逃れ船に駆け込むラーヤとシスー。そこには少年船長・ブーンがいました。
ブーンは、ひとりで食堂と船長を切り盛りする陽気な少年でしたが、ドルーンによって家族を石にされていました。家族を取り戻すため、ラーヤとシスーに協力します。
次に向かった国はタロン。水の上に立つタロンは、ドルーンの被害も最小に食い止められていましたが、スリと詐欺師がはびこる国となっていました。
長に直談判に向かったラーヤでしたが、迷子の赤ちゃんを助けたところ、まんまと騙され石を奪われてしまいます。赤ちゃんのノイと3匹のオンギによる泥棒一味の仕業です。
どうにか取り戻し、龍の石の欠片も手に入れたラーヤ。シスーは霧の魔力が加わりました。母親を石にされひとりぼっちだったノイも、仲間に加わります。
次に向かうは、雪に覆われた山の国スパインです。ラーヤは、旅に同行することになったブーンやノイのことを信用出来ずにいました。
6年前、ナマーリを信じたばかりに父を石にしてしまった経験を持つラーヤは、人を信じる心を失くしていました。今ではもう、人々が信じあえる世界「クマンドラ」を諦め、父さえ戻ってくれればいいと思っていました。
そんなラーヤと正反対に、シスーは人を疑うことを知りません。話し合えば分かり合えると信じるシスーは、何度だまされても懲りません。
シスーはラーヤに身をもって教えようと、スパインの門を真っ向から訪ねます。しかし、あっさりと罠にはまり、トングという大男に捕まってしまうシスーとラーヤ。
荒くれものの巨人が揃うスパインの国でしたが、ドルーンの前では力及ばず、助かったのはトングのみでした。
強がっていても孤独に耐えられなかったトングは、龍の石の欠片を渡し仲間に加わることを約束します。シスーは、雨の魔力が加わりました。
一行は最後の国、ファングを目指します。ナマーリが行く手を阻みます。ラーヤはみんなを逃すため、ナマーリに1対1の勝負を持ち掛けます。
ナマーリは、母の言いつけを守り、ファングの国を守るために戦っていました。ピンチに陥ったラーヤを助けに、シスーが龍の姿を現します。伝説の龍の登場に驚きを隠せないナマーリ。
「小さい頃から憧れていた龍、シスーは本当に存在していた。シスーの力で世界がひとつになれる日が来るかもしれない」。ナマーリもまた「クマンドラ」を望んでいる一人でした。
映画『ラーヤと龍の王国』の感想と評価
世界中が待ち望んだディズニーの新ヒロインが登場です。今回のヒロインは、人を信じることをやめてしまった孤独な少女・ラーヤ。
人と人との心の距離が希薄にならざる得ない現代社会に向けて、信じあう心の大切さを唱えます。
邪悪な魔物によって「信じあう心」を失った世界で、再び平和を取り戻すため旅にでるラーヤ。彼女の心の葛藤に感情移入する人も多いと思います。
「信じる心は大切」と頭では分かっていても、実生活ではどこか信じることにセーブをかけているかもしれません。
裏切られた経験がある人はもちろん、自分が傷づきたくないから人を信用しない。防御が上手くなることが大人になることのように、純粋な気持ちは薄れていきます。
そんな大切な心について、真っ向から取り上げ、ぶれない姿勢で善を解く。ディズニーだから成せる技です。そして、ディズニーの世界を体験することで、大人は純粋な心を取り戻し、子供たちは未来に必要な教訓を学べるのです。
ディズニー・アニメーションの素晴らしさのひとつに映像のクオリティがあげられます。今作は、東南アジアを舞台にしたイメージですが、なかでも龍の住む国「クマンドラ」の美しい景色は圧巻です。
さらに、剣士でもあるラーヤの格闘シーンにも魅せられます。スピード感ある武術の連発に、身軽な身のこなしで世界を走り抜け、邪悪な魔物ドルーンからの逃走と、手に汗握るシーンが満載です。
水の龍シスーの色彩の美しさには、終始驚かされます。
角の先から尻尾の先までブルーのグラデーションで彩られた美しい龍。たくさんの龍が登場するシーンでは多くの色が光を放ち、まるでアトラクションの中に迷い込んだ錯覚に陥ります。
また、ディズニーでは欠かせない愛すべきキャラクターたちも続々登場します。ラーヤの相棒トゥクトゥクは、アルマジロのような愛くるしい容姿で頼もしい仲間です。
始めは手のひらに乗るほど小さかったトゥクトゥクが、成長しすぎてダンプカーのようになるのも愛嬌。甲羅がある背中を下に転んじゃうと一人で起き上がれないという茶目っ気たっぷりの癒しキャラです。
そして、最後の龍として伝説と呼ばれたシスー。水の龍ということで、体は綺麗な発光ブルー。人の姿になると髪の色がブルーになります。
威厳のある龍かと思いきや、想像を裏切る「おしゃべりおばちゃんキャラ」。ラーヤとは反対に人を信じやすい性格で、何度だまされても懲りません。
シスーの明るい性格は旅を楽しくさせ、純真な心は大切な仲間を集めてくれました。ラーヤも次第に人を信じる心を取り戻していきます。
人を信じられず疑ってばかりだったラーヤが、最後に取った勇気ある行動に、ハッとさせられ涙があふれることでしょう。
まとめ
龍と人々が共に住む世界を舞台に、少女の戦いと成長を描くディズニーの長編アニメーション『ラーヤと龍の王国』を紹介しました。
ディズニーのヒロインたちは、私たちに、希望を信じ勇気を持ち続ければ、運命は変えられることを教え続けてくれます。
そして今作では、ひとりぼっちじゃ世界は変わらない、互いを信じる心が道を切り開くと、力強いメッセージが込められています。
いまこそ、バラバラになった国同士が、互いを信じあい協力して平和な未来「クマンドラ」を創っていく時なのかもしれません。