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Entry 2018/02/19
Update

映画『グレイテストショーマン』あらすじネタバレと感想。ラスト結末の評価も【ヒュージャックマンが歌う代表作】

  • Writer :
  • 桃から生まれた尻太郎

主演ヒュー・ジャックマン!さらにはキアラ・セトルという新たなスターも誕生した『グレイテスト・ショーマン』

米国アカデミー賞作曲賞・歌曲賞など受賞した『ラ・ラ・ランド』の音楽スタッフがふたたび結集し、実在したP・T・バーナムの半生を基に描かれたエネルギーに満ち溢れたミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』をご紹介します。

1.映画『グレイテスト・ショーマン』の作品情報


(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
The Greatest Showman

【監督】
マイケル・グレイシー

【キャスト】
ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ、レベッカ・ファーガソン、ゼンデイヤ、キアラ・セトル、ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世、サム・ハンフリー、エリック・アンダーソン、ポール・スパークス、バイロン・ジェニングス、ベッツィ・アイデム

【作品概要】
映画『ラ・ラ・ランド』のスタッフが再集結して、“地上でもっとも偉大なショーマン”と呼ばれた、19世紀に実在したアメリカの興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル作品。

華麗な歌声を披露した映画『レ・ミゼラブル』のヒュー・ジャックマンを主演に、強烈な印象を残すキアラ・セトルの抜擢が話題を集めています。

バーナムのビジネスパートナーであるフィリップ・カーライル役を映画『ハイスクール・ミュージカル』や『ヘアスプレー』のザック・エフロン、バーナムの妻チャリティを『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズら共演。

2.映画『グレイテスト・ショーマン』のあらすじとネタバレ

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

仕立て屋の息子として貧しい生活をしていたP.Tバーナムは仕えていた屋敷の娘チャリティに恋をしていました。

バーナムは青年になってから職につき、チャリティを妻として迎えにいきます。

ふたりの娘にも恵まれ幸せな生活でしたが、バーナムはその豊かな想像力故に仕事をいくつも転々としてします。

精神的な面では幸せでも金銭的には豊かな生活をさせるというチャリティに交わした約束は果たせないままでした。

そんなバーナムはペテンを使い銀行から多額の融資を受けることに成功します。

ゾッとするものや変わったものを人間はなぜか見たがるものだという考えを基に、さまざまな動物の剥製や処刑器具などを買い揃えました。

バーナムの想像通りの奇妙な美術館はオープンしましたが、どれだけ客引きをしてもチケットはほとんど売れることはありません。

銀行への返済も苦しく頭を抱えていた時、ふたりの娘たちが「剥製じゃだめよ、生きていないと。人魚とかユニコーンとか」と素直な感想を言いました。

これにアイディアを得たバーナムは、町中の変わり者に声をかけました。

小人、巨人、髭の生えた女性、毛むくじゃらの少年、黒人などこれまで蔑みの目を向けられていた個性の強いメンバーで、美術館を劇場に変えショーを始めます。

コンプレックスを魅力へと昇華させたバーナムのショーは、チケットが瞬く間に完売するまでの人気を博しました。

バーナムはついにチャリティや娘たちを金銭的にも豊かにすることが出来ました。

しかし、劇には批判も集まっていました。

批評家は客を楽しませるだけのペテン劇だと称し、町からも変わり者は出て行けと罵倒を浴び続けていたのです。

そんな状況を打開するために、バーナムは上流の演劇や礼儀に生きづらさを感じていた劇作家のフィリップに接触しました。

そしてフィリップを興行収入の10%を渡す契約を結ぶパートナーにしました。

フィリップのコネや繋がりは広く、エリザベス女王に謁見する機会を得てきました。

バーナムのサーカス団は世間の批判的なイメージを払拭するために、エリザベス女王のもとへと全員で向かうのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『グレイテスト・ショーマン』ネタバレ・結末の記載がございます。『フレイテスト・ショーマン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
イメージを払拭するために訪れたバーナム達でしたが、バーナムは同じく女王の元を訪れていた欧州一の女性歌手ジェニーにビジネスチャンスを見出しました。

そして彼女の歌声も聞かないまま、NYでの公演をとりつけてしまいました。

訪れたジェニーのNY公演当日、バーナムは舞台の袖から彼女の歌声を聞き初めて、びっくり芸やペテンではない本物の歌声を感じます。

そして、ジェニーの功績によりバーナムへの評判もどんどんと上がっていきました。

バーナムはジェニーの全米ツアーを計画します。多額の費用を投資し、公演が大成功のまま41公演続かないと利益の出ない計算でした。

パートナーのフィリップは苦言を呈しますがバーナムは夢中です。

いつのまにかバーナムはサーカス団の劇場に見向きもしなくなっていました。

そして、自らの成功のため最愛だった家族さえも家に残し、ジェニーの公演に出掛けてしまいました。

ツアーが始まると、バーナムの読み通りジェニーの歌声は人々に感動を与え公演は大成功の連続でした。

かつて自身を批判していた批評家さえ手放しで褒める記事を書いていました。

しかし、ジェニーはバーナムが家族もサーカス団も捨てて自分のものとなってくれるものと思っており、バーナムに迫ります。

バーナムはそんなつもりではなかったと、慌ててツアーに同行することをやめ元の町に帰りました。

チャリティと娘達が迎えてくれる中、事件は起こりました。

なんとサーカス団が公演をしている劇場が、放火されてしまったのです。

慌ててバーナムは劇場に向かいますがすでに火は空高く伸びていました。

さらに悲劇は続き、公演の最後ステージ上でジェニーにされたキスがスキャンダルとして全米に広がってしまいます。

弁明をしにチャリティの元を訪れたバーナムでしたが、ジェニーが公演を降りたことで借金の返済が出来ず、家は差し押さえられ、チャリティもバーナムに不信感を抱き出て行ってしまいました。

なにもかもを失いどん底にいたバーナムを励ましたのはサーカス団のメンバーでした。

彼らはバーナムが自分たちの居場所を作ってくれたこと、金儲けが理由であれ本当の家族を作ってくれたことを心から感謝していたのでした。

再び目に火を灯したバーナムはチャリティのもとへと向かい、世間的な成功に目をくらませ本当に大切なものをないがしろにしていたことを詫びました。

バーナムは資金の少ない中、持ち前の想像力と突飛なアイディアを駆使し、海辺の砂浜でサーカス小屋を建て、再びサーカス団と共に、観客を楽しませるショーを始めました。

3.映画『グレイテスト・ショーマン』の感想と評価

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

上映時間が105分とミュージカル映画の大作にしては短い本作。

話の展開はとても早く、バーナムの幼少期から青年までが5分ほどで描かれるほどです。

またネガティブなシーンや場面も出来るだけ短く、簡潔に演出されていました。

まるで観客を楽しませることを第一としたバーナムのショーを観ているようで、ずっと楽しく素敵であっという間に時間の過ぎる、とてもエネルギッシュで素敵な作品でした。

そしてこのスピード感で駆け抜けることが出来るのはやはり、音楽の魅力であり、ミュージカル映画ならではだと思いました。

特に印象に残ったシーンを曲名と共にお伝えします。

The Other Side

バーナムが乗り気でないフィリップを口説き落とすバーでのシーンです。

帰ろうとするフィリップにバーナムが酒を渡したり、またフィリップが返したり、バーのカウンターをショットグラスが華麗に滑る非常に楽しいシーンでした。

またバーのマスターがとても良い味を出しています!

バーナムとフィリップの押し問答の影に隠れて、ポーズを決めていたりしていて密かなチャーミングさが炸裂しています!

ちなみにこのマスター最後まで密か〜な存在であり続けます。でも確かにそこにいます。

話が逸れてしまいましたが、「檻から出てこいよ。鍵の作り方なら知ってる」とフィリップをタイトル通り別世界へ引き込む、バーナムのカリスマ性が見られる最高のシーンでした。

This Is Me

映画『グレイテスト・ショーマン』を観たなら語らずにはいられないのがこの曲でしょう。

本作はとても展開が早くめまぐるしく時が進んだりするのですが、気持ちや感情、人間性など大切な部分はちゃんと描写しています。

この歌を歌うレティは、自らのコンプレックスを原因に表の光を恐れていました。

そんな心優しく、隠れて歌を歌うことしか出来ていなかった彼女はバーナムに誘われて変わります。

サーカス団という家族と共に、堂々とステージに立ち蔑まれても誇りは失わない、これが私だと訴えるように歌います。

家族たちと共に踊りながら、自信たっぷりに歌う姿は本当にカッコ良いです。

クヨクヨしている気持ちを吹き飛ばしてしまうような、パワフルなシーンでした。

Never Enough

「Never Enough=満たされることはない」

この曲は欧州一の歌手と称され、上流の人間からも評価をされる劇中の言葉を借りると”本物”ジェニーが歌います。

このジェニーもバーナムと同じ下流階級出身なのですが、奇策やハッタリで戦うバーナムと違い、真っ向勝負で挑んでいます。

どこまで手に入れても物足りない。

歓声を浴びても満足出来ない。

ジェニーは劇中、展開が早いこともあり理解されないような、わがままな様に見えてしまうかも知れません。

しかし、ジェニーもまた孤独であり家族を欲していたと思うのです。

そんなジェニーが立ち向かうように歌う姿に、筆者は1番の鳥肌が立ちました!!

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

4.まとめ

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

スクリーンいっぱいに問答無用の圧倒的エネルギーで、憂鬱な感情などは吹き飛ばしてくれるミュージカル映画です。

家族とでも恋人とでもひとりぼっちでも感動し、勇気づけられること間違いなしです。

そして出来ることなら音響のいいIMAXをお薦めします。

筆者はもちろんIMAXで鑑賞しました!是非、ご覧になって下さい!!

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

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