妻子を殺された元海兵隊員vs凶悪ギャングによるリベンジアクション!
ジャレッド・コーンが脚本・監督を務めた、2022年製作のアメリカのリベンジアクション映画『ヴェンデッタ』。
戦いから離れ、愛する妻と娘と3人で平穏な生活を送っていた元海兵隊員のウィリアム・ダンカン。ですが、街を牛耳るギャングによる無差別殺戮に遭い、娘を目の前で惨殺されてしまいました。
しかも娘を殺した主犯格のダニーは証拠不十分のため、大した処罰は下らず……。激怒したウィリアムは彼を自らの手で殺しました。
これがギャングたちの逆鱗に触れ、今度は妻を……。すべてを失ったウィリアムは、復讐に身を投じていきます。
映画『ヴェンデッタ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ヴェンデッタ』の作品情報
【公開】
2022年(アメリカ映画)
【監督・脚本】
ジャレッド・コーン
【キャスト】
ブルース・ウィリス、クライヴ・スタンデン、トーマス・ジェーン、マイク・タイソン、テオ・ロッシ、カート・ユエ、ジャッキー・ムーア、マディー・ニコルズ、デレク・ルッソ
【作品概要】
『赤ずきんvs狼男』(2016)や『プレデターvsネイビーシールズ』(2018)などを手掛けたジャレッド・コーンが脚本・監督を務めた、アメリカのリベンジアクション作品。
2022年に俳優引退を表明したアクションスターのブルース・ウィリスが、キャリア最後期に出演した作品の一つです。
『エベレスト 3D』(2015)やテレビドラマ「96時間」シリーズのクライヴ・スタンデンが本作の主演を務めています。
映画『ヴェンデッタ』のあらすじとネタバレ
元海兵隊員のウィリアム・ダンカンは、戦いから離れ、妻のジェンと娘のキャサリンと3人で平穏な生活を送っていました。
そんなある日、ウィリアムがキャサリンのソフトボールの試合の帰りに立ち寄ったメキシコ料理店で、街を牛耳るギャングたちの無差別殺戮に遭い、彼の目の前でキャサリンが惨殺されてしまいました。
キャサリンを殺した主犯格のダニー・フェッターはウィリアムの反撃に遭い逃げ損ね、駆けつけた警察によって逮捕されました。
しかし、ダニーがキャサリンを殺した証拠がウィリアムの目撃情報だけしかなかったため、証拠不十分ですぐに釈放されてしまったのです。
ダニーに死刑または終身刑が言い渡されることを望んでいたウィリアムは激怒し、釈放されたばかりの彼を車で轢き、撲殺しました。
その数日後、ダニーの兄ローリーとその手下ジェイソン・ディットマンがウィリアムを襲撃。しかしウィリアムの反撃によりジェイソンが殺され、あと一歩のところで逃げられてしまいました。
その日の夜。今度はローリーと、ローリーとダニーの父親でありギャングのボスであるドナルド(愛称ドニー)がウィリアムの家を襲撃。ドニーがジェンを、ローリーがウィリアムをそれぞれ撃ちました。
致命傷を負ったものの奇跡的に生き延びたウィリアムでしたが、目の前で妻子を殺された悲しみと絶望感から自殺を考えます。
ダニー殺害事件を捜査する刑事のチェンは、この復讐の連鎖を終わらせるかどうかはお前次第だと彼に告げました。
映画『ヴェンデッタ』の感想と評価
元海兵隊員とギャングたちの血で血を洗う死闘のはじまりは、ギャングのボスの息子ダニーがキャサリンを殺したことから始まりました。
ダニーがキャサリンを殺した理由は、彼女に怨恨があったわけではなく、ただ父の組織に入るためでした。
それが作中、チェンによって明かされた時は、そんなことのために何の罪もない、将来有望の彼女が殺されたのかとウィリアム同様、視聴者も憤慨することでしょう。
しかもキャサリンを殺した狂気である銃は、ローリーたちが持っていったため現場にはなく、ウィリアムの目撃情報だけでは、ダニーが死刑または終身刑になりません。
大事な家族を殺されて、大した罰が下らないとは、あまりに非情です。ウィリアムがダニーにした復讐は当然の権利でしょう。ですが、ダニーにも彼を大事に思う家族がいて……。特にローリーは、弟のことをとても可愛がっており愛していました。
父であるドナルドも、売上金をくすねてばかりのローリーより、ダニーのことをとても大事にしていた様子。それ故に、フェッター親子の復讐も当然の結果でした。
物語の後半、ドナルドはあっさり自分の負けを認め、ウィリアムに自分を早く殺すよう言いました。作中での2人の会話から察するに、ドナルドは同じ子を持つ父親として、ウィリアムの怒りと憎しみが痛いほど分かっていました。
しかもローリーに彼を殺すよう命じた直後のウィリアムの登場だったので、もしかするともうローリーたちは倒されてあとは自分だけ、と考えて白旗をあげたのではないかと考えられます。
ドナルドがあっさり負けを認めた一方で、ローリーは弟を殺したウィリアムをどこまでも追いかけ、追い詰めていきます。たとえ手下が人質に取られようとも、殺されようとも構わずに彼だけを見据えて……。
このウィリアムとローリーの死闘は、ド迫力で手に汗握るアクションとして見事に映像化されました。魅力たっぷりに描かれているため、アクション映画好きでもそうでない人も凄いと感嘆することでしょう。
まとめ
愛する妻子を殺された元海兵隊員と、愛する息子・弟を殺された街を牛耳るギャングたちの血で血を洗う死闘を描いたアメリカのリベンジアクション作品でした。
エンドロール前、「復讐は権利であり、絶対的な義務である」というスウェーデンのジャーナリスト、スティーグ・ラーソンの言葉がテロップで流れていました。
2022年に俳優引退を表明したアクションスター、ブルース・ウィリスは、主人公を苦しめるギャングのボス役として鬼気迫る演技を見せつけ、その圧倒的な存在感が健在であると視聴者に感じさせてくれます。
さらに、主人公の協力者であるダンテ役を演じた『ザ・プレデター』(2018)のトーマス・ジェーンや、その屈強な体格を活かして『イップマン 継承』(2017)や『沈黙の大陸』(2017)などのアクション映画でも活躍し、本作でダンテの長年の友ローチ役を演じた伝説のボクサーのマイク・タイソンらキャスト陣。
しかも本作の製作に携わったのは、マーベルの人気テレビシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のスタントマンや、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のVFXスタッフたち。
出演しているキャストもスタッフも超一流かつ豪華な人たちが揃ったこのリベンジアクション映画、見なきゃ損だと思うほどオススメしたい作品です。