『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』は、2025年1月17日(金)より新宿バルト9ほか全国劇場にて公開
かつて無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていた九龍城砦がありました。
香港へ密入国した若者・陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会の組織に追われて九龍城砦に逃げ込みます。そこで住人たちに受け入れられ、絆が深まっていきます。
しかし、運命の因果が九龍城砦を巻き込んだ争いに激化していき、陳洛軍たちは信念を胸に戦いに挑んでいきます。
1950年代頃から香港に移民が大量に流入し始め、そんな移民や行き場のない人々が住み造り上げた九龍城砦は、1993年に取り壊されるまで実在していました。
窓もなく、空気も悪い劣悪な環境でしたが、警察も手出しできぬ無法地帯であったと共に、そこで人々は商売を始め、生活が成り立っていました。
そのような九龍城砦を細部までこだわったセットで再現し、その中で繰り広げられる大迫力のアクション。若手からサモ・ハンを始めとしたベテランまで、豪華なキャスト陣が圧巻のアクションを魅せます。
CONTENTS
映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の作品情報
【日本公開】
2025年(香港映画)
【原題】
九龍城寨之圍城
【監督】
ソイ・チェン
【アクション監督】
谷垣健治
【音楽】
川井憲次
【キャスト】
ルイス・クー、レイモンド・ラム、テレンス・ラウ、フィリップ・ン、トニー・ウー、ジャーマン・チョン、リッチー・レン、ケニー・ウォン、サモ・ハン、アーロン・クォック
【作品概要】
監督を務めたのは、『ドラゴン×マッハ!』(2017)のソイ・チェン。「るろうに剣心」シリーズのアクション監督を始め、『シャクラ』(2024)や『スーパーティーチャー 熱血格闘』(2019)など香港映画も手がける谷垣健治が、アクション監督を務めました。
また、音楽を手掛けたのは、「イップマン」シリーズの川井憲次。
主演は、『SPL 狼たちの処刑台』(2018)のルイス・クー。他にも香港アクションの立役者であるサモ・ハンをはじめ、『コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義』(2017)のアーロン・クォック、『ブレイキング・ニュース』(2005)のリッチー・レンなど豪華キャスト陣が顔をそろえます。
映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』のあらすじ
九龍城砦はかつて、無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていました。戦いの末、九龍城砦を取り仕切っているのは龍捲風(ロンギュンフォン)でした。
80年代、密入国して香港にやってきた若者・陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、黒社会に騙され、追われる身となり九龍城砦に逃げ込みます。
行き場のない陳洛軍に九龍城砦の住人は食べ物を与え、受け入れてくれます。そして、龍捲風を中心に仲間らと親しくなり絆が深まっていた陳洛軍でしたが、黒社会を取り巻く争いに巻き込まれていきます。
それぞれの信念を胸に、戦うことを決意した陳洛軍ですが……。
映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の感想と評価
実在した九龍城砦を豪華セットで再現、大迫力のアクション! アクション! 胸が熱くなる壮大なthe香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』。
息を呑むようなアクションの連続ですが、その中でも目を引くのはやはり龍捲風演じるルイス・クーでしょう。
圧巻の登場シーンはベテランの気迫が漂い、レイモンド・ラム演じる陳洛軍と対比が見事です。更に、サモ・ハン演じる大ボスとのベテラン対決も必見です。
役者として、監督として、香港アクション映画界を牽引してきたサモ・ハンの健在っぷりは、往年のファンにとってたまらないものでしょう。
しかし、本作の魅力はアクションだけにとどまりません。
行き場のない人々に居場所を与える場であった九龍城砦。
所狭しと家が立ち並び、空気も悪く、停電や水道が止まるのもしょっちゅうであった九龍城砦は、決して住みやすい環境とは言えません。
でも、そんなところで陳洛軍が安心してぐっすり眠れたのは、素性の分からぬ陳洛軍にも優しくしてくれた住人の存在があったからです。
良い環境とは言えない九龍城砦には、人々の生きる力、助け合う心があり、それが各地を転々として居場所のなかった陳洛軍を変えたのです。
陳洛軍が変わったきっかけは、龍捲風の存在をはじめ、その部下の信一らと共に過ごす中で絆が生まれたというのもあります。
居場所、仲間を得た陳洛軍は、ここで皆と生きていたいと思うようになります。
しかし、九龍城砦は取り壊しが決まっており、陳洛軍は思いもよらぬ運命の因果に巻き込まれていきます。
陳洛軍は、大切なものを守ることができるのでしょうか。
まとめ
香港で大ヒットを記録したアクション大作『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』。
かつて争いを終結させ、九龍城砦を守ってきた龍捲風は、過去の争いの因果に苦しみながらも、次代へとバトンを託していきます。
義理人情、次代への継承は香港ノワールで描かれてきたことではありますが、その舞台を九龍城砦にし、そこで描かれる様々なモチーフは、九龍城砦だけでなく、今を生きる私たちにもメッセージを投げかけています。
香港に移民が多くやってくるようになった60年代、香港はイギリスの統治によって開かれた港として経済成長を遂げていました。
更に60年代は中国の政治・経済情勢が不安な時期でもありました。政変、経済的な理由で香港に流れ込む移民も多かったのです。
そうした人々が香港を築き上げてきたという背景があるからこそ、中国当局による団結に対し声を上げ、雨傘運動をはじめとした民主化運動に繋がっているという背景もあります。
本作に描かれているのは80年代、九龍城砦の取り壊しが決まり、イギリスと中国の間で香港の返還に対しての交渉が始まっていました。
龍捲風が託したバトンは、きたる香港の新次代を作り上げる世代への継承なのです。
変わりゆく香港で、変わらないもの。それはまさに、九龍城砦という環境の中でも逞しく生き、互いを支え合う人々の姿なのではないでしょうか。