殺し屋とボディガードと詐欺師、異質な凸凹コンビに新たな仲間が加わるシリーズ第2弾!
神経質で完璧主義のボディガードが行き当たりばったりの破天荒な因縁の殺し屋と共に巨悪に立ち向かう映画『ヒットマンズ・ボディガード』(2017)。
ド派手なアクションと2人の掛け合いが話題と人気を集めた『ヒットマンズ・ボディガード』の続編が前作よりも大幅にスケールアップして登場しました。
今回はイタリアを舞台に新たな仲間を加えた最強トリオが暴れる映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』(2022)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』の作品情報
【原題】
The Hitman’s Wife’s Bodyguard
【日本公開】
2022年(アメリカ映画)
【監督】
パトリック・ヒューズ
【脚本】
トム・オコナー、ブランドン・マーフィー、フィリップ・マーフィー
【キャスト】
ライアン・レイノルズ、サミュエル・L・ジャクソン、サルマ・ハエック、アントニオ・バンデラス、モーガン・フリーマン、フランク・グリロ、リチャード・E・グラント、トム・ホッパー
【作品概要】
映像化されていない脚本を登録する会員制サイト「ブラックリスト」の人気投票で上位にランクインした脚本を、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)のパトリック・ヒューズ監督が映像化した『ヒットマンズ・ボディガード』の続編作品。
ライアン・レイノルズとサミュエル・L・ジャクソン、サルマ・ハエックが前作から引き続き同役で続投し、『デスペラード』(1995)のアントニオ・バンデラスや『パージ:アナーキー』(2015)のフランク・グリロなどアクション映画で活躍を見せる俳優が新たに加わりました。
映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』のあらすじとネタバレ
かつては一流のボディガードとして名を馳せたものの、日本の要人クロサワを殺し屋のダリウスに殺害されてしまったことで一流の看板を失ったブライス。
4年前、独裁者デュコビッチの暗躍をダリウスと共に止めたブライスでしたが、一流への復帰と言うインターポールとの約束が反故にされただけでなく警護資格の剥奪が審議される状況下となり、カウンセリングに通う日々を過ごしていました。
ある日、カウンセラーから仕事を忘れた休暇を取ることを勧められたブライスは銃と暴力を手放すため、イタリアのカプリ島で静かなバカンスを迎えようとします。
しかし、その場にはダリウスの妻である詐欺師のソニアが地元マフィアと銃撃戦を行いながら現れ、新婚旅行の初日に行方不明となったダリウスの救出をブライスに依頼。
半ば無理矢理ソニアに連れて行かれるブライスは、銃撃戦となっているマフィアはダリウスの件とは全く関係がなく、ソニアが痴漢を惨殺したことがきっかけと知り不安を募らせました。
その頃、ギリシャの国民はEUによる長期間の経済制裁で疲弊しており、その様子を憂う愛国者のアリストテレスは、EUの理事であるフィッシャーを殺害した上で4日後にEUのインフラ網に大規模な攻撃を仕掛けることを宣言します。
クロアチアの町で70人以上が死亡する送電線の電力異常が発生した現場を訪れたインターポールのボニーは、この現象が落雷によるものと考える上層部のクロウリーとは異なり何者かによるサージ攻撃であると考え、マフィアのカルロを情報網とする非合法な手段で情報を集めることにしました。
一方、ダリウスはかつて自身が殺害した男の兄がボスを務めるマフィアに拉致されていましたが、ソニアとブライスが駆けつけたことで助けられマフィアを皆殺しにします。
ダリウスはブライスとの再会を喜ばず2人は険悪なムードとなり、そのままアジトを出たところでボビーに拉致されます。
実はダリウスが殺害したマフィアのボスこそがボビーの情報網であるカルロであり、ボビーは死亡したカルロの代わりとして3人に情報を集めるようにと命じました。
ダリウスとソニアは自身の無罪放免、そしてブライスは無資格仕事の目を瞑ることを条件としてカルロが行おうとしていたEU全体の電力網の中継地点の情報の受け渡し役を担うことになりますが、ボビーが上層部にダリウスたちを利用することを隠していたために現場で捜査員たちと遭遇してしまいます。
捜査員たちを振り切ったものの国際指名手配犯となってしまった3人は、テロを防ぎ汚名を払拭するため情報の受け渡し相手が現れるフィレンツェへと向かいます。
そこにはブライスよりも格上のボディガードのマグヌソンやダリウスよりも若くて腕の立つ日本人の殺し屋ゼントが現れ、情報の入ったカバンを狙い3人を執拗に追跡。
何とか追跡を撒いた3人は隠れ場所を求めて、ブライスの義父のシニアのもとへ身を寄せました。
シニアは伝説のボディガードとして90歳を越えても活躍しており、ブライスがペンナイフを使っていることを冷笑しながらも3人を暖かく迎え入れます。
シニアはソニアとダリウスにブライスが優柔不断な性格ゆえに母親を死なせてしまった過去を持っていることを話すと、母を目の前で失った過去を持つソニアはブライスを心配しました。
3人はシニアによって隠れ家を案内されますが、隠れ家についたところで睡眠薬入りの矢で射られてしまいました。
映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』の感想と評価
スケールアップしたド派手なアクションが魅了する
イギリスやオランダのハーグを舞台に、バイクやトラックによる暴走と激しい銃撃戦で街をめちゃくちゃにした『ヒットマンズ・ボディガード』。
続編となる本作では前作の破壊の数々をさらに上回る、怒涛の暴れっぷりを見せつけてくれます。
舞台を地中海に移した本作では海の美しさを映像によって引き立てる一方で、アントニオ・バンデラス演じるアリストテレスが海を舞台にどす黒い計画を立案。
しかし、主人公のブライスとキンケイド夫妻が美しさもどす黒さも全てを吹き飛ばす銃弾と、爆発の嵐を見せ付けてくれる、勢い重視のアクションエンターテインメント作品となっていました。
命を狙われる殺し屋と精神を疲弊するボディガード
一流ボディガードとしてのキャリアを殺し屋のダリウスに傷つけられて以降、神経質な性格がより際立ってしまったブライス。
進行した心の病の療養のため、地中海で何にも縛られないバカンスを楽しむことにしたブライスのもとにトラブル満載のダリウスの妻ソニアが現れます。
破天荒かつ無鉄砲な殺し屋夫婦と、何事にも計画と推敲を大切にするボディガード。
派手に行動するダリウスの命と、徐々にやけくそになっていくブライスの精神は果たして無事なまま巨悪を打ち破ることは出来るのか。
コメディ要素も前作よりさらパワーアップした本作は凸凹すぎるトリオの掛け合いが楽しめるだけでなく、衝撃的すぎるラストが鑑賞者を笑いに包むこと間違いなしの作品でした。
まとめ
パトリック・ヒューズ監督は「ライアン・レイノルズが演じたブライスが苦しむ姿を見るのは楽しい」と語り、本作のさらなる続編製作とシリーズ化にも意欲を見せました。
得意の罵倒ワードを連発するサミュエル・L・ジャクソン、巻き込まれ型の主人公を演じさせたら右に出るものはいないライアン・レイノルズ、そして人類を優しく見守る『エターナルズ』(2021)の演技とは真逆の罵詈雑言かつ粗野な演技を見せるサルマ・ハエック。
俳優の見たい演技を見せてくれる、笑いもアクションも見応え満載の本作『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』は、エンターテインメントに富んだ映画を観たい人におすすめの作品です。