不屈の男ランボーが帰ってくる
ベトナム帰還兵ジョン・ランボーを主人公とした人気シリーズの第4弾。前作から20年ぶりの続編で、スタローン自ら初めて監督・脚本を務めました。
人権弾圧の続くミャンマーを舞台に、人質救出のためにランボーが危険を顧みず激しい戦闘を繰り広げます。
傭兵らと共にNGO救出に向かったランボーが出会ったのは、残虐極まりないミャンマー軍でした。果たしてランボーたちは無事生還できるのでしょうか。激しい戦闘シーンから目が離せない本作の魅力をご紹介します。
映画『ランボー 最後の戦場』の作品情報
【公開】
2008年(アメリカ映画)
【監督・脚本】
シルヴェスター・スタローン
【キャスト】
シルヴェスター・スタローン、ジュリー・ベンツ、ポール・シュルツ、マシュー・マースデン、グレアム・マクタビッシュ、レイ・ガイエゴス、ティム・カン、ジェイク・ラ・ボッツ、ケン・ハワード
【作品概要】
シルヴェスター・スタローン主演によるメガヒットシリーズの20年ぶりとなる第4弾。同シリーズで初めてスタローン自ら監督・脚本を務めました。
ミャンマーの厳しい社会情勢と共に、ランボーの壮絶な戦いを描き出します。
出演はジュリー・ベンツ、マシュー・マースデンほか。
映画『ランボー 最後の戦場』のあらすじとネタバレ
タイのジャングルで暮らすランボー。隣国のミャンマーでは人権弾圧が続いていました。
軍事政権にひどい仕打ちを受けている少数民族カレン族を救おうと、NGOの一団がやってきます。彼らはランボーに船を出してくれる様に頼みました。
一度は断ったランボーでしたが、メンバーの一人であるサラの情熱に負け、一行をミャンマーに送り届けます。
しかし数日後、サラたちは軍に襲撃され、拘束されてしまいます。知らせを受けたランボーは、救出に派遣された傭兵らと共に再びミャンマーに向かいました。
映画『ランボー 最後の戦場』の感想と評価
熱き男による大迫力の戦闘シーン
大人気「ランボー」シリーズの、20年ぶり待望の第4作です。ベトナムで地獄を見てきた熱き男ジョン・ランボーが、大勢の敵を次々に倒していきます。
本作で驚かされるのは、容赦ない残酷描写です。地上派放送時には残酷シーンがカットされていることにもうなずけます。カレン族を支配するミャンマー軍の極悪非道ぶりを観て、恐怖におののかずにはいられません。
しかし、この攻めた描写だからこそ、武力による弾圧のリアルな恐怖がダイレクトに伝わってきます。
私たちは普段新聞やニュースで上辺だけの情報を得ていますが、現実の殺人行為は酷く恐ろしいものです。スタローンは殺戮が決してかっこいいものでも、きれいに描けるものでもないことを伝えたかったのではないでしょうか。
NGOメンバーの一人であるサラの情熱に押されて、手助けをすることとなったスタローン。ミャンマー軍の残虐ぶりを見てもうろたえることなく、傭兵らを「ムダに生きるか。何かのために死ぬか」と鼓舞します。
地獄のような戦場を指し、「俺たちのような男の仕事はここにある」と話すランボーの見事な生き様に胸を揺さぶられることでしょう。
サラへのひたむきな愛
激しい戦闘シーンと共に、ランボーの抱く、NGOのメンバー・サラへの恋心も見どころです。
NGO一行からミャンマーへ船を出してくれるように頼まれたランボーは、一度は断ったものの、人道的な行動を絶対にするのだというサラの熱い決意に心動かされて手助けします。
その後、ミャンマー軍に囚われた彼女を救出するために、迷うことなく突き進むのです。サラを助けるために、自ら囮となって敵をおびき出すシーンは胸アツです。限られた時間の中で、取るべき行動を即決していくランボーの姿に感動を覚えます。
多くの人命を奪うという重い十字架を背負い、サラを守り切ったランボー。しかし、助かった彼女がまっさきに駆け寄って抱きしめた相手は婚約者のマイケルでした。
その様子を見つめるランボーの切ない瞳。彼自身も、もしかしたらこの時初めてはっきり自分の思いに気づいたのかもしれません。
「今の故郷を見たくない?」とランボーに語りかけていたサラ。ランボーはその後故郷アリゾナへ戻り、父の墓の前に立ちます。
サラへの思いを昇華するかのようなラストシーンに胸が熱くなります。
まとめ
20年ぶりに帰ってきた英雄ランボーの無双ぶりを楽しめる圧巻のアクション作品です。ファンにとってはたまらない魅力がたっぷり詰まっています。
どんな敵を相手にしても決して負けることのないランボー。その理由が、彼の強靱な精神性にあることを改めて知らしめる一作です。