Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アクション映画

【ネタバレ】ランボー 最後の戦場|あらすじ感想と評価レビュー。帰ってきた英雄・ランボーの圧巻の戦闘シーンから目が離せない

  • Writer :
  • 谷川裕美子

不屈の男ランボーが帰ってくる

ベトナム帰還兵ジョン・ランボーを主人公とした人気シリーズの第4弾。前作から20年ぶりの続編で、スタローン自ら初めて監督・脚本を務めました。

人権弾圧の続くミャンマーを舞台に、人質救出のためにランボーが危険を顧みず激しい戦闘を繰り広げます。

傭兵らと共にNGO救出に向かったランボーが出会ったのは、残虐極まりないミャンマー軍でした。果たしてランボーたちは無事生還できるのでしょうか。激しい戦闘シーンから目が離せない本作の魅力をご紹介します。

映画『ランボー 最後の戦場』の作品情報


(C)2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO. KG IV

【公開】
2008年(アメリカ映画)

【監督・脚本】
シルヴェスター・スタローン

【キャスト】
シルヴェスター・スタローン、ジュリー・ベンツ、ポール・シュルツ、マシュー・マースデン、グレアム・マクタビッシュ、レイ・ガイエゴス、ティム・カン、ジェイク・ラ・ボッツ、ケン・ハワード

【作品概要】
シルヴェスター・スタローン主演によるメガヒットシリーズの20年ぶりとなる第4弾。同シリーズで初めてスタローン自ら監督・脚本を務めました。

ミャンマーの厳しい社会情勢と共に、ランボーの壮絶な戦いを描き出します。

出演はジュリー・ベンツ、マシュー・マースデンほか。

映画『ランボー 最後の戦場』のあらすじとネタバレ


(C)2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO. KG IV

タイのジャングルで暮らすランボー。隣国のミャンマーでは人権弾圧が続いていました。

軍事政権にひどい仕打ちを受けている少数民族カレン族を救おうと、NGOの一団がやってきます。彼らはランボーに船を出してくれる様に頼みました。

一度は断ったランボーでしたが、メンバーの一人であるサラの情熱に負け、一行をミャンマーに送り届けます。

しかし数日後、サラたちは軍に襲撃され、拘束されてしまいます。知らせを受けたランボーは、救出に派遣された傭兵らと共に再びミャンマーに向かいました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『ランボー 最後の戦場』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『ランボー 最後の戦場』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO. KG IV

到着後、同行を申し出たランボーでしたが、傭兵団は彼に見張りを命じてその場に残らせます。NGOのいた村に着いた一行は、想像以上の凄惨な死体の山を前に、行くか戻るかで言い合いになります。

そこにミャンマー兵が戻ってきたため、傭兵らは身を隠します。ミャンマー兵たちが遊びのように捕虜を残酷な方法で殺そうとするのを見ても、息をひそめたままの傭兵たち。

そこにランボーが現れ、あっという間に弓矢でミャンマー兵を全滅させます。怖じ気づいて逃げだそうとする傭兵らでしたが、ランボーの熱い言葉に心動かされて一緒にNGO救出に向かいます。

大雨の降りしきる闇夜の中、ランボーはNGOメンバーを助け出しますが、サラがなかなか見つかりません。やっとサラを見つけ助け出したものの、集合時間に間に合わなかったため、仲間において行かれてしまいました。

二人は敵の襲撃を受けますが、待っていてくれた狙撃兵のスクールボーイに助けられました。

夜が明け、ミャンマー兵が山狩りを始めます。傭兵団のリーダー・ルイスは地雷を踏んで脚を負傷してしまいました。

一方、ランボーは自らが囮になり、サラとスクールボーイを先に逃がします。ランボーは軍用犬を引きつけ、そこに爆弾を仕掛けて追ってきた部隊を壊滅させました。

サラたちがボート近くに到着すると、ルイスらがミャンマー軍に暴行を受けていました。彼らが処刑されそうになったその時、ランボーが現れ、重機関銃で敵を次々に倒していきました。傭兵らも加勢し、激しい戦闘が繰り広げられます。

大勢のミャンマー兵を前に不利な情勢に陥るランボーたちでしたが、カレン族が戦闘に加わったことで、無事勝利をおさめました。

サラが婚約者のマイケルのもとにまっさきに駆け寄って抱きしめる姿を、ランボーは遠くから見ていました。その後、サラはランボーを見つめて涙を流します。ランボーはそのまま静かに立ち去りました。

ランボーはその後帰国し、故郷アリゾナへと戻りました。

映画『ランボー 最後の戦場』の感想と評価


(C)2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO. KG IV

熱き男による大迫力の戦闘シーン

大人気「ランボー」シリーズの、20年ぶり待望の第4作です。ベトナムで地獄を見てきた熱き男ジョン・ランボーが、大勢の敵を次々に倒していきます。

本作で驚かされるのは、容赦ない残酷描写です。地上派放送時には残酷シーンがカットされていることにもうなずけます。カレン族を支配するミャンマー軍の極悪非道ぶりを観て、恐怖におののかずにはいられません。

しかし、この攻めた描写だからこそ、武力による弾圧のリアルな恐怖がダイレクトに伝わってきます

私たちは普段新聞やニュースで上辺だけの情報を得ていますが、現実の殺人行為は酷く恐ろしいものです。スタローンは殺戮が決してかっこいいものでも、きれいに描けるものでもないことを伝えたかったのではないでしょうか。

NGOメンバーの一人であるサラの情熱に押されて、手助けをすることとなったスタローン。ミャンマー軍の残虐ぶりを見てもうろたえることなく、傭兵らを「ムダに生きるか。何かのために死ぬか」と鼓舞します。

地獄のような戦場を指し、「俺たちのような男の仕事はここにある」と話すランボーの見事な生き様に胸を揺さぶられることでしょう。

サラへのひたむきな愛


(C)2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO. KG IV

激しい戦闘シーンと共に、ランボーの抱く、NGOのメンバー・サラへの恋心も見どころです。

NGO一行からミャンマーへ船を出してくれるように頼まれたランボーは、一度は断ったものの、人道的な行動を絶対にするのだというサラの熱い決意に心動かされて手助けします。

その後、ミャンマー軍に囚われた彼女を救出するために、迷うことなく突き進むのです。サラを助けるために、自ら囮となって敵をおびき出すシーンは胸アツです。限られた時間の中で、取るべき行動を即決していくランボーの姿に感動を覚えます

多くの人命を奪うという重い十字架を背負い、サラを守り切ったランボー。しかし、助かった彼女がまっさきに駆け寄って抱きしめた相手は婚約者のマイケルでした。

その様子を見つめるランボーの切ない瞳。彼自身も、もしかしたらこの時初めてはっきり自分の思いに気づいたのかもしれません。

「今の故郷を見たくない?」とランボーに語りかけていたサラ。ランボーはその後故郷アリゾナへ戻り、父の墓の前に立ちます。

サラへの思いを昇華するかのようなラストシーンに胸が熱くなります。

まとめ


(C)2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO. KG IV

20年ぶりに帰ってきた英雄ランボーの無双ぶりを楽しめる圧巻のアクション作品です。ファンにとってはたまらない魅力がたっぷり詰まっています。

どんな敵を相手にしても決して負けることのないランボー。その理由が、彼の強靱な精神性にあることを改めて知らしめる一作です。




関連記事

アクション映画

映画『ザ・マミー』ネタバレ結末あらすじと感想考察。ラストシーンからダークユニバースの見どころを解説

2017年7月28日より公開されたアクション・アドベンチャー超大作『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』。 ユニバーサル・スタジオの礎を築いてきたモンスターたちが蘇る「ダーク・ユニバース」という新たなシリ …

アクション映画

【ネタバレ】クレイヴン・ザ・ハンター|あらすじ感想と結末評価レビュー。悪を狩る最凶ハンターがダークヒーローとしてSSUを締めくくる

悪を狩るため、男は修羅の道へ突き進む 悪人を過激に裁く映画は数多くあれど、「ヒーロー」作品として物語が進むと主人公の「善性」に疑問を覚えてしまい、全力で楽しむことが出来ないことがあります。 しかし、そ …

アクション映画

【ネタバレ】シティーハンターNetflix日本実写|あらすじ感想結末と評価考察。続編も期待!?キャスト鈴木亮平による“高すぎる再現度”とは⁈

『シティーハンター』はNetflixで独占配信中 1985年から「週刊少年ジャンプ」に掲載され、1991年まで連載が続いた北条司による漫画『シティーハンター』。 連載終了から30年以上経過した作品では …

アクション映画

【ネタバレ】ブラックライト|映画あらすじ感想と結末の評価解説。リーアムニーソン主演作品は“フィクサー”ことFBIの“影の任務”の遂行者を描く

リーアム・ニーソンがFBIの“影の任務”の遂行者を演じるクライムアクション! マーク・ウィリアムズが製作・脚本・監督を務め、日本では2023年3月に劇場公開されたオーストラリアのクライムアクション映画 …

アクション映画

映画『2012』ネタバレ結末あらすじと感想解説。マヤの予言である人類滅亡をローランドエメリッヒが描く

地球が滅亡するというマヤの予言を題材にしたディザスター・ムービー! ローランド・エメリッヒが脚本・製作総指揮・監督を務めた、2009年製作のアメリカのディザスター・ムービー映画『2012』。 世界中で …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学