鑑賞後感すっきりさわやかな夏の殺し屋映画
穏やかな生活をしていた元「殺し屋」の人間が、マフィアと絡んでしまったことでかつての自分と対峙するような出来事に巻き込まれていく映画。
「ジョン・ウィック」シリーズや「イコライザー」シリーズなど、このジャンルの作品は常に一定の人気を持ち続けています。
しかし、前述した作品たちは観賞後はすっきりとした気持ちにはなるものの、物語のメインとなる「復讐」の動機がつらく重いものが描かれていることが多いです。
今回はそんなつらく重い気持ちとは基本的に無縁な、どこかふざけながらもしっかりと「家族」と「殺し屋」の要素を充実させたアクション映画『Mr.ノーバディ2』(2025)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
映画『Mr.ノーバディ2』の作品情報

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
【日本公開】
2025年(アメリカ映画)
【原題】
Nobody 2
【監督】
ティモ・ジャヤント
【脚本】
デレク・コルスタッド、アーロン・ラビン
【キャスト】
ボブ・オデンカーク、コニー・ニールセン、ゲージ・マンロー、ペイズリー・カドラス、クリストファー・ロイド、RZA、コリン・サーモン、ジョン・オーティス、ルシウス・オヨス、シャロン・ストーン
【作品概要】
2021年に公開されたイリヤ・ナイシュラー監督による映画『Mr.ノーバディ』(2021)の続編として、『シャドー・オブ・ナイト』(2018)のティモ・ジャヤントが手掛けた作品。
主演のボブ・オデンカークやクリストファー・ロイドなどの主要キャストが続投し、新たに『氷の微笑』(1992)で知られるシャロン・ストーンが本作のヴィランとして出演しました。
映画『Mr.ノーバディ2』のあらすじとネタバレ

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
ロシアンマフィアのユリアンの組織を壊滅させロシアンマフィアたちの共有基金である「オブシャク」に火を放ったハッチは、家族の安全のためにその損害を旧知の仕事仲間バーバーに肩代わりしてもらい、彼に対し莫大な借金を背負うこととなりました。
借金の返済のためバーバーから依頼される「殺し」の任務を請け負うハッチは、仕事に打ち込むあまり家族との間に溝が生まれ始め、息子のブレイクが試合中に負わされた傷にさえ気づかないほどに関係が冷め切ったものになっていきます。
ある日、家族のために時間を取りたいと考えたハッチはバーバーの依頼を断り、幼少期唯一の家族旅行の思い出がある遊園地「プラマー・ビル」への家族旅行の計画を立案。
妻のベッカは家族の仲を深めようと奮起するハッチに信頼を取り戻し始め、ブレイクや娘のサミーと共に「プラマー・ビル」に家族旅行に行くことに決めます。
ハッチは父であるデイビッドも旅行に誘い、家族は「プラマー・ビル」へと辿り着きますが、従業員のやる気を感じられない「プラマー・ビル」はハッチの唯一楽しかった家族の思い出からかけ離れたものに感じられました。
その日の夜、家族はゲームセンターに遊びに行きますが、地元の悪ガキであるマックスに目をつけられサミーを虐められたブレイクがマックスに殴りかかったことでトラブルが発生。
ハッチとベッカはすぐにブレイクを制止しますが、ゲームセンターの店長がマックスを庇いサミーの頭を叩いたことに血が上ったハッチは店長や店員を執拗なまでに殴りつけ、保安官の事務所へと連行されることになります。
保安官のアベルは「プラマー・ビル」の代表であるワイアットに頭が上がらず、またワイアットはマックスの父親だったため、マックスを殴ったブレイクとその親のハッチに強く脅しをかけます。
ハッチは自分の子供が殴られたから怒っただけだとワイアットを宥めると、同じ父であるワイアットは理解を示しアベルに釈放するように命令。
初日から暴力で問題を大きくするハッチにベッカは呆れ果てますが、そんな自身の性格に向き合い家族のことを大事にしようとするハッチのことを見捨てることが出来ませんでした。
ダックボートに乗るために桟橋へと家族と共に向かったハッチは自分たちが尾行されていることに気づき、家族だけをボートに乗せ自身は尾行していた男たちと対峙。
対話を試みようとするハッチでしたが、男たちはアベルがハッチたちを街から追い出すために雇った人間であり問答無用でハッチを襲撃します。
ナイフで手の小指を落とされたハッチは男たちを叩きのめすと、自身の置かれている状況を整理するため電話でバーバーに情報を求めました。
バーバーは「プラマー・ビル」が観光地を隠れ蓑にした犯罪組織の拠点であり、この街を支配しているように見えるワイアットは殺人を意に介さない巨大な犯罪組織の首謀者レンディーナの傀儡にすぎないことをハッチに告げると、この件に関して協力はしないと通告。
一方、「プラマー・ビル」を作り上げた父が負った借金によりレンディーナに駒として扱われ続けていたワイアットは、野球選手を目指す息子のマックスのためレンディーナとの関係を清算しようとしていました。
その行動はレンディーナの反発を買い、見せしめとしてマックスがレンディーナの手下であるアベルに拉致されます。
ハッチは「プラマー・ビル」にはただ家族旅行に来ただけだと伝えるためにアベルを訪ねますが、マックスの拉致現場を目撃してしまったことから衝動でアベルの手下を全員殺害しマックスを救ってしまいます。
その際、レンディーナの工場を意図せず破壊したことで、密輸や麻薬、生物兵器と言ったレンディーナの一大ビジネスの拠点を破壊したハッチは家族もろとも彼女に狙われることとなりました。
映画『Mr.ノーバディ2』の感想と評価

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
死者は多いが心は晴れやか
前作でロシアンマフィアを相手に大暴れをしたことで「殺し」を含む仕事に復帰してしまった主人公のハッチ。
そんなハッチが束の間の「夏休み」を家族と楽しもうとする本作は、殺し屋と犯罪組織の対立をメインにおいた作品ながらコメディタッチな演出も多く、とても明るく前向きな気持ちで見ることの出来る作品となっています。
ブランクを感じさせた前作と異なり、現役に復帰したハッチが強すぎるゆえに、敵との戦いよりも家族との不仲の方に心配が行ってしまうほどであり、「殺し屋」を題材とした作品の陰鬱とした雰囲気が苦手な人に特におすすめです。
もちろん前作よりも研ぎ澄まされたアクションによって、悪人の死体の山は次々と生まれるブラックな作品でもあり、前作の雰囲気が好きだった人にたまらない映画でした。
家族の絆に思わず涙ぐむファミリームービーな一面

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
自身の怒りを発散するために、酔っ払いに対し過度に暴れたことで結果的に家族を巻き込む抗争に発展してしまった前作。
しかし、続編となる本作ではハッチの怒りの理由はすべて「家族」であり、徹頭徹尾ハッチは「家族」を守るために行動し、結果としてまたも抗争となってしまいます。
ハッチは「怒り」によってトラブルを生む自身の悪癖には辟易としており、作中では不器用ながらも家族のために何が出来るかを彼なりに全力で考え行動しています。
そんなハッチにもやもやを抱えながらも家族として大事に思う妻のベッカや、彼の危機に馳せ参じる父のデイビッドと異母兄弟のハリーも含め、それぞれの不器用さに心打たれるファミリームービーとなっていました。
まとめ

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
ブラックな笑いとひと夏の思い出をメインとしたファミリームービー感を味わっていると、あっという間に最後の戦いとなっている体感速度がジェットコースター並みの映画『Mr.ノーバディ2』。
上映時間が90分と短く、本当に一瞬でエンディングまで駆け抜けるようなスピード感も、前作よりさらに進化したアクションも、ちょっとした時間に観るのに最適な作品となっています。
重い映画を観る気がおきないような、そんな日に特に見てほしいさわやかな殺し屋家族映画でした。



































