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【ネタバレ】ガーディアンズオブギャラクシー3|結末あらすじと感想評価。ラスト完結編は“ヴィランは最凶!”笑って泣けるシリーズに注目!

  • Writer :
  • 糸魚川悟

銀河の守護者たちが挑む最後の戦い

“アベンジャーズ”シリーズことMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)内で唯一「スペースオペラ」をメインジャンルとしたシリーズとして高い人気を誇る「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。

1作目として2014年に公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)は出演陣や原作者たちからも「マーベル史上最高の映画」と評価され、続く『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)も興行的に大成功を収めました。

今回はそんな大人気シリーズの「完結編」と銘打たれ公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の作品情報


(C)2023 Marvel

【日本公開】
2023年(アメリカ映画)

【原題】
Guardians of the Galaxy Vol. 3

【監督】
ジェームズ・ガン

【脚本】
ジェームズ・ガン

【キャスト】
クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、カレン・ギラン、ポム・クレメンティエフ、ヴィン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー、ショーン・ガン、マリア・バカローヴァ、ウィル・ポールター、エリザベス・デビッキ、シルヴェスター・スタローン、チュクウディ・イウジ

【作品概要】
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を手掛けてきたジェームズ・ガンが再び監督を務め、シリーズのキャストも続投で製作された「完結編」かつMCU32作目に当たる作品。

デトロイト』(2018)での高い演技力で話題となったウィル・ポールターが新キャラクターのアダム・ウォーロックを演じ、『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)に出演したチュクウディ・イウジが本作のメインヴィランを演じました。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』のあらすじとネタバレ


(C)2023 Marvel

‟ノーウェア”の‟ガーディアンズ”本部、サノスとの戦いで恋人のガモーラを失ったクイルは酒浸りの毎日を過ごしていました。

ネビュラやマンティスはクイルのメンタルを気にしてはいましたが、傭兵アライグマのロケットはそんなクイルにも食って掛かります。

そんな‟ノーウェア”に‟ガーディアンズ”と敵対するソヴリン人のアイーシャが作り出した人造人間アダム・ウォーロックが突撃。

アダムは‟ガーディアンズ”と戦闘を繰り広げながら暴れまわり、ネビュラによって腹部を刺されると”ノーウェア”から撤退していきます。

クイルとマンティスは重傷を負ったロケットの治療に当たろうとしますが、何者かによって改造され高い知能を持ったロケットには情報流出を阻止する”キル・スイッチ”が組み込まれており、手術をすることが出来ませんでした。

クイルは瀕死のロケットを助けるため、ロケットを改造した組織‟オルゴ・コープ”の研究所へと向かいます。

その頃、重傷を負ったアダムを回収し任務の失敗を”創造神”と呼ぶハイ・エボリューショナリーに伝えるアイーシャは、ハイ・エボリューショナリーからロケットを回収する任務を失敗したらソヴリン人ごと消滅させると脅迫を受けました。

“オルゴ・コープ”の施設兼惑星‟オルゴ・スコープ”が目前となった‟ガーディアンズ”の前に傭兵集団‟ラヴェジャーズ”が現れます。

実はネビュラが潜入のためのバックアップを”ラヴェジャーズ”に依頼しており、現地案内として今は”ラヴェジャーズ”に所属している別の宇宙のガモーラと合流。

クイル、ガモーラ、ネビュラ、マンティス、ドラックスの5人は”オルゴ・スコープ”へと乗り込むと、ロケットの研究データを盗みグルートの助けを借りて脱出を成功させます。

しかし、研究データはクイルたちの行動を先読みしていたハイ・エボリューショナリーによって”キル・スイッチ”のパスコードが消されており、残されていたのはロケットの受けた改造手術のデータのみでした。

【過去】

研究用のアライグマとしてハイ・エボリューショナリーから手術を受けたバッチ59の”P13″は、同じ檻に入れられたカワウソとウサギとセイウチと出会います。

4匹はそれぞれ高知能を与えられる手術を受けており、4匹は徐々に友達としての仲を深め、ハイ・エボリューショナリーの作る‟完全な世界”に共に行くことを夢見るようになります。

“P13″はどんどんと知能を高めていき、ハイ・エボリューショナリーが見抜くことの出来なかった研究上のミスを指摘し、そのことで小動物を人型に急進化させる研究が成功しました。

檻の中で新しい名前を望んだ4匹はカワウソが‟ライラ”、セイウチが”ティーフス”、ウサギが”フロア”、そして‟P13”はいつか4匹で空を飛ぶためのロケットを操縦することを考え‟ロケット”と名乗ります。

しかし、ロケットによって研究が次の段階に進んだことを確信したハイ・エボリューショナリーは、翌朝にバッチ59の4匹を焼却処分することを命令。

自分たちが‟”完全な世界”へと行けない単なる実験台であることを悟ったロケットは、秘密裏に盗んでいたガラクタで檻の鍵を解除するカードキーを作り4匹で逃げ出そうとしますが、脱出を予見していたハイ・エボリューショナリーによってライラが射殺されてしまいます。

怒りからハイ・エボリューショナリーに飛びつき顔を引き裂いたロケットは駆け付けた警備員を射殺しますが、流れ弾がティーフスとフロアに命中し死亡。

失意のうちにロケットは何とか脱出のための船を盗み出し、ひとりでハイ・エボリューショナリーの船から脱出しました。

【現在】

ロケットの過去を知り、パスコードをハイ・エボリューショナリーの側近が持っていることを知ったクイルたちは、ハイ・エボリューショナリーが待ち構える惑星‟カウンター・アース”へ向かうことにします。

ハイ・エボリューショナリーの危険性を知るガモーラは”ガーディアンズ”との共闘を拒否し、自身のみ‟ラヴェジャーズ”に戻ろうと考ますが、戻る時間も与えられず船は‟カウンター・アース”へと到着。

クイルとネビュラとグルートがハイ・エボリューショナリーのもとへ向かい、ドラックスとマンティスとガモーラはロケットを守るため船に残りました。

“カウンター・アース”は地球とそっくりな文明を持ち、ハイ・エボリューショナリーによって進化させられた動物たちが文化を営んでいました。

ハイ・エボリューショナリーはクイルとグルートのみを自身の本拠地に招き入れると、”完璧な生命”の創造という使命を語りロケットを引き渡すように命じます。

ハイ・エボリューショナリーはロケットを取り逃がしたミスから自身に手術を施し重力を操る能力を手にしており、クイルとグルートを圧倒。

一方、ハイ・エボリューショナリーはクイルたちが船に残したロケットを攫うべく改造人間を送り込んでいましたが、手柄を求めるアダムによって阻止されていました。

アダムはガモーラが連れて逃げたロケットを追いますが、ハイ・エボリューショナリーは奪還の成功を確信し本拠地を地上から離脱させ、‟カウンター・アース”の内部に仕込んだ爆弾を起動し”カウンター・アース”の崩壊を開始します。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』のネタバレ・結末の記載がございます。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2023 Marvel

大規模な虐殺を目にするクイルに対しハイ・エボリューショナリーは”完璧な生命”のために既存の失敗作を崩壊させるだけだと言い放ち、クイルたちを警備員で取り囲みます。

しかし、銃器を隠し持っていたグルートから武器を受け取ったクイルは警備員たちを倒すと、パスコードを持つ側近と共に離脱を始めた船から落下。

グルートがパラシュートのように身体を変形させたことで不時着したクイルは側近からパスコードを奪い、迎えに来たガモーラの船に乗り込み脱出しました。

パスコードを使いロケットの手術を始めるクイルでしたが、パスコードによる解除が間に合わずロケットは心停止してしまいます。

泣き叫ぶクイルが必死の蘇生活動を繰り返すと、ロケットは今わの際でライラやティーフス、フロアと再会します。

ライラたちに死なせてしまったことを謝罪するロケットはライラたちと共に行こうとしますが、ライラはまだやるべきことがあるとロケットに言い、ロケットは目を覚ましました。

一方、ハイ・エボリューショナリーの船内にクイルがいると誤解したネビュラとマンティスとドラックスは、ハイ・エボリューショナリーの船内に乗り込んでいました。

ロケットの復活とクイルが既にハイ・エボリューショナリーの船内にいないことを通信したネビュラでしたが、3人はハイ・エボリューショナリーに捕らえられ、彼は3人の命をロケットと引き換えにするとクイルを脅迫。

ハイ・エボリューショナリーは記憶力や生命力に優れた人造人間を作り出していましたが、‟ひらめき”という能力を持ったのはロケットのみであり、それ故にロケットに固執しているのでした。

クイルはロケットとグルートと共にハイ・エボリューショナリーのもとへ向かおうとすると、妹のネビュラを救出するためガモーラも追随。

クイルは‟ノーウェア”に残るクラグリンに協力を求めると、クラグリンは惑星兼巨大な船でもある‟ノーウェア””ごと駆け付け、ハイ・エボリューショナリーの船を攻撃します。

‟ガーディアンズ”は‟ノーウェア”の攻撃によって崩壊を始めたハイ・エボリューショナリーの船へと突入すると、そこに”カウンター・アース”の崩壊に巻き込まれ母を失ったアダムが現れますが、ロケットによる攻撃でアダムは小型船の爆破に巻き込まれます。

一方、ネビュラたちは処刑用の巨大生物を従えたマンティスの活躍により独自に檻からの脱出を果たしており、進入路でクイルたちと再会。

クイルはこのままハイ・エボリューショナリーの船を去ろうと考えますが、ネビュラたちが目撃した実験台の子供たちを救うために、崩壊する船の中に突入することにします。

大量の敵が待ち構える廊下に突撃した‟ガーディアンズ”は、それぞれの持ちうる力を発揮し敵を殲滅すると、崩壊する船を”ノーウェア”に接続し、全員を避難させようと考えます。

“ノーウェア”ではヨンドゥから受け継いだ‟ヤカの矢”を扱えるようになったクラグリンと、念力を持つ犬のコスモが敵を殲滅しており、”ノーウェア”と船のドッキングを扇動。

実験台の子供たちを避難させたクイルたちでしたが、そこにロケットがいないことに気づきます。

ロケットは船の奥で実験台として捉えられているアライグマを見つけ、”あの日のカードキー”を使ってアライグマたちを檻から出していました。

そこにハイ・エボリューショナリーが現れ、重力を使ってロケットを追い詰めますが、ロケットは‟重力発生ブーツ”を使ってハイ・エボリューショナリーに一撃を喰らわせると、駆け付けた‟ガーディアンズ”の総攻撃を受けハイ・エボリューショナリーは地面に倒れました。

ロケットは自分が‟ガーディアンズ”であることからトドメを刺さないと言うと、クイルたちに実験台の動物たちも助けることを望み、大量の動物たちが”ノーウェア”に乗り込みました。

クイルは途中で音楽プレーヤーを落とし、それを拾おうとしたことで脱出に失敗してしまいますが、船の崩壊からグルートに助け出されことで改心したアダムによって救われます。

全てが終わり、クイルは自身が愛したガモーラではないことを受け入れ、ガモーラが‟ラヴェジャーズ”へ戻っていく姿を見送ります。

‟ガーディアンズ”を集めたクイルは自分自身と向き合うために地球に戻ることを告げます。

自分自身の道を見つけるためにマンティスも脱退を願い出て、ドラックスやネビュラは子供たちで賑わう”ノーウェア”を守ることを優先するため”ガーディアンズ”のリーダーを辞退。

“ガーディアンズ”の解散を悲しむロケットでしたが、クイルは次の船長にロケットを指名し、そこにいる全員が新たな船長を祝福しました。

地球に戻ったクイルは8歳の頃から一度も会っていない祖父と再会し、失った時間をもう一度歩み始めます。

時が経ち、クラグリンやコスモ、アダムや新たな少女”ファイラ”を加えた‟ガーディアンズ”を率いるロケットは、とある惑星の住民を守るために新たな戦闘に乗り出していました。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の感想と評価


(C)2023 Marvel

いつも通りのノリで迎える‟ガーディアンズ”の完結編

本作は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の「完結編」と銘打たれて製作され、実際にドラックスを演じたデイヴ・バウティスタなどの出演陣もMCUからの卒業を明言していました。

学生を題材にした作品の完結が卒業にあるように、明確な区切りのある物語の「完結編」は展開の想像が難しくありませんが、”サノス”という明確な敵を倒し終えた”ガーディアンズ”の物語の「完結編」には暗く重い展開を想像してしまい、「いつものような明るい”ガーディアンズ”映画として楽しめるのか」と言う不安の声がファンたちの間で飛び交っていました。

しかし、本作はあまりにも重い題材を扱っていながらも、間の抜けたセリフや掛け合いによって暗い展開が中和されており、いつもの”ガーディアンズ”映画として楽しめるような演出となっています。

仲間を「家族」とも呼び合う“ガーディアンズ”の完結編だからこそ、”いつもの”ノリで魅せてくれるジェームズ・ガンの腕前が光る作品でした。

シリーズのヴィランに通じる‟エゴ”


(C)2023 Marvel

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に登場したクイルの父親であり星そのものである”エゴ”は、己の孤独を満たすために宇宙全体を飲み込む野望を実行に移し、クイルたち”ガーディアンズ”によって滅ぼされました。

“エゴ”の名を冠するだけある清々しいほどのエゴイストだった前作のヴィランに対し、本作に登場するハイ・エボリューショナリーは、種の進化を名目に悍ましい実験を繰り返すヴィランとなっています。

社会的正義を名目にし虐殺を正当化していたサノスに方向性こそ似てはいるものの、実験台にした動物を容赦なく殺害し、時に惑星規模の虐殺を繰り返すハイ・エボリューショナリーには共感できる要素をほとんど感じません。

“完璧な生命”を創造すること自体が目的でしかなく、そのためには全てを切り捨てるハイ・エボリューショナリーもまた”エゴ”の塊。

自由を謳歌する”ガーディアンズ”の面々が悍ましい”エゴ”を打ち砕く、本作もまた、シリーズの他作と同じ気持ちよさのある作品です。

まとめ


(C)2023 Marvel

発展のために動物を実験台にし、用済みとなった動物は始末する。

ハイ・エボリューショナリーの行動にはとても気分が悪くなる一方で、私たちもまた薬の開発や宇宙実験などで小動物を実験台とし今の文明を発展させてきました。

ハイ・エボリューショナリーと自分たちの文明の違いを考えさせられるメッセージ性も含めながら、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの完結編として、観たいものを観ることが出来る大満足の作品でした。



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