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Entry 2021/08/14
Update

【ネタバレ】ザ・スーサイド・スクワッド極悪党、集結|結末感想とあらすじ内容考察。続編でなくリブートで大きく方向転換を図る!

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

悪党たちの命懸けのミッションを、ジェームズ・ガンがリブート!

DCコミックの悪役が集結し、命懸けの危険な任務に挑む映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』。

お馴染みのハーレイ・クインに加え、スーパーマンを病院送りにした男ブラッドスポートや、平和の為なら手段を選ばないピースメーカーなど、今回も個性の強い悪党が集結しています。

2016年版の設定を継承しながらも、作風は大きく変化させ、生まれ変わった『ザ・スーサイド・スクワッド』は、実は熱いメッセージの込められた作品でした。

作品の魅力を、2016年版との比較も入れながらご紹介します。

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映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』の作品情報


(C)2021 WBEI TM & (C)DC

【日本公開】
2021年公開(アメリカ映画)

【原題】
The Suicide Squad

【監督・脚本】
ジェームズ・ガン

【キャスト】
マーゴット・ロビー、イドリス・エルバ、デビッド・ダストマルチャン、ダニエラ・メルヒオール、ジョン・シナ、ジョエル・キナマン、マイケル・ルーカー、ジェイ・コートニー、ピーター・キャパルディ、ショーン・ガン、ビオラ・デイビス、フルーラ・ボルク、ネイサン・フィリオン、ピート・デビッドソン、メイリン・ン、アリシー・ブラガ、ファン・ディエゴ・ボト、ホアキン・コシオ、ストーム・リード、タイカ・ワイティティ、スティーブ・エイジー、ジェニファー・ホーランド、ティナシー・カジェセ、フリオ・セサール・ルイス、シルベスター・スタローン(キング・シャークの声)

【作品概要】
独裁国家による世界の危機を止める為、囚人たちによるチーム「タスク・フォースX」が出動。さまざまな能力を持つ悪党たちが、世界を危機に陥れる「スターフィッシュ計画」の阻止に挑みます。

監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)で、世界的にその手腕を見せつけたジェームズ・ガン。

出演は、前作に続きハーレイ・クインをマーゴット・ロビーが続投し、『ワイルド・スピード スーパーコンボ』(2019)などの話題作に数多く出演しているイドリス・エルバが、ブラッドスポートを演じています。

ピースメーカー役をプロレス団体「WWE」のスーパースター、ジョン・シナが演じており、なんとシルベスター・スタローンがキング・シャークの声で出演するという、こちらも個性の強い豪華な出演者が揃っています。

映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』のあらすじとネタバレ


(C)2021 WBEI TM & (C)DC

接近戦の達人であるサバント。彼は刑務所の中で退屈な時間を過ごし、嫌気がさしていました。

彼は退屈な毎日から抜け出す為に、危険な任務を遂行する代わりに、自らの刑期を軽減する取引を交わし「タスク・フォースX」に参加します。

通称「ザ・スーサイド・スクワッド(自殺志願者)」と呼ばれる部隊には、指揮を担当するエリート軍人、リック・フラッグの下に、サバントの他にも受刑者が参加してました。

ハーレイ・クイン
美しい容姿と、凶悪な頭脳を併せ持つジョーカーの元カノ。
アクロバティックな戦闘を得意とする。

キャプテン・ブーメラン
さまさまなブーメランを駆使し、悪行を重ねてきたハーレイ・クインの友達。

ジャベリン
強力な槍を使いこなす。

T.D.K
体の一部を取り外し、遠隔攻撃が可能。

ウィーゼル
二足歩行で歩く、全身毛まみれの危険生物。
イタチとも人狼とも言われており、子供を23人襲っている。

ブラック・カード
エネルギーシールドなどを生成する、謎の黒いアーマーを身に着けて戦う。

サバントは「タスク・フォースX」のメンバーと共に、極秘任務を遂行する為、海岸から潜入します。

ですが、パラシュートで降下した際に、泳げないウィーゼルが海に落ちて溺れて死亡。さらに、ブラック・カードが裏切り、敵の組織に情報を漏らしていた為、待ち伏せ攻撃を受けてしまいます。

嵐のような銃攻撃の中で、T.D.K、キャプテン・ブーメラン、ブラック・カードが次々に命を落としていきます。

ジャベリンも体を撃ち抜かれ、近くにいたハーレイ・クインに「この槍を、渡してくれ」と遺言を残しますが、「どこの?誰に?」という情報が無かった為、ハーレイ・クインは困惑します。

「タスク・フォースX」のメンバーが、次々に命を落とす光景を目の当たりにしたサバントは、任務から逃げ出します。

指令室から戦況を見ていた「タスク・フォースX」の責任者ウォラーは、サバントが逃げたことに怒り、サバントに埋め込んでいた爆弾を爆発させます。

「タスク・フォースX」のメンバーは、全員が体の中に小型爆弾が埋め込まれており、任務を放棄したり、ウォラーに逆らった瞬間に、爆発する仕組みになっていました。

リック・フラッグやハーレイ・クインが人質にとられ、部隊は壊滅状態となります。

絶体絶命に見えますが、実はリック・フラッグが指揮していた舞台は「Aチーム」で、他の場所から「Bチーム」が上陸していました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』ネタバレ・結末の記載がございます。『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2021 WBEI TM & (C)DC

任務開始の3日前。

世界最強のスナイパーで、銃火器のエキスパートのブラッドスポートは、あのスーパーマンに重傷を負わせたことのある凶悪犯です。ですが、現在は世界最悪の刑務所として知られる「ベル・レーヴ」に収監され、雑用を担当する毎日を送っていました。

ブラッドスポートの実力に目を付けたウォラーは「タスク・フォースX」に誘いますが、ブラッドスポートはこれを拒否します。ですが、ウォラーはブラッドスポートの娘を人質にとり、強引に「タスク・フォースX」へリーダーとして加入させます。

「タスク・フォースX」のBチームにも、ブラッドスポート以外にさまざまな特殊能力を持つ、受刑者が参加していました。

ピースメーカー
世界有数の射撃の名手。
平和維持の為なら、女性や子供でも容赦なく命を奪う、危険な思想の持ち主。

ラットキャッチャー2
今は亡き父親が開発した、ネズミを操る装置を使う女の子。
礼儀正しいネズミの「セバスチャン」が相棒。

キング・シャーク
サメの神様を先祖に持つ、二足歩行の人食いザメ。
人肉が好物だが、子供のような純粋な心を持っている。

ポルカドットマン
母親の実験により、宇宙ウィルスを体に入れられた危険人物。
母親を憎んでおり、攻撃対象が全て母親に見えてしまう。

「タスク・フォースX」のBチームに課せられた極秘任務は、ある独裁国家で研究されている、危険な生物兵器を破壊し、全ての痕跡を消去することでした。

生物兵器は、独裁国家にある要塞「ヨトゥンハイム」で研究されています。「ヨトゥンハイム」へ潜入するには、研究の責任者である科学者のシンカーを拘束する必要があります。

そして、独裁国家への上陸作戦が決行された当日。

上陸に成功した「タスク・フォースX」のBチームは一度野営をし、次の日にシンカーが通っているナイトバーに行くことにします。

ですが、その夜に寝ていたラットキャッチャー2をキング・シャークが食べようとした為、ブラッドスポートが銃火器を撃ち込みます。

ラットキャッチャー2は森の中に生息するネズミを操り、キング・シャークと戦おうとしますが、ブラッドスポートがネズミ恐怖症であることが発覚します。

ラットキャッチャー2はキング・シャークと「友達は食べない」という約束を交わし、お互いに信頼関係が芽生えます。

次の日、街に出ようとした「タスク・フォースX」Bチームに「捕虜にされたリック・フラッグが、近くの村に拘束されている」という情報が入ります。

ブラッドスポートとピースメーカーが中心になり、敵の軍人を次々に倒し、リック・フラッグの救出に向かいますが、実はこの村は反政府組織で、味方であったことが判明します。

味方の軍人を全滅させたことに、気まずい思いを抱きながらも「タスク・フォースX」Bチームはリック・フラッグと共にナイトバーへ向かいます。

ナイトバーへ向かう車内で、ブラッドスポートとラットキャッチャー2はそれぞれの過去を明かし、親子のような信頼関係が芽生えます。

到着したナイトバーで、シンカーを捕獲したブラッドスポート。ですが独裁国家側も「アメリカの潜入者が国内にいる」という情報を掴んでいた為、ナイトバーに敵の軍人がなだれ込んで来ます。

ブラッドスポートは、シンカーをラットキャッチャー2に託し、ピースメーカーとリック・フラッグと共に軍に拘束されます。

3人は護送される車内で、ハーレイ・クインが生きていることを知ります。相手の隙をついて、護送車からの脱走に成功したブラッドスポート達は、ハーレイ・クイン救出計画を立てます。

一方、敵の軍に捕まったハーレイ・クインは、独裁国家の指導者であるルナ将軍からの求愛を受けます。

一度は、ルナ将軍の想いを受け止めたハーレイ・クインでしたが、「逆らうものは女でも子供でも容赦しない」というルナ将軍の思想が「地雷」となり、ルナ将軍を撃ち殺します。

その後、次期指導者の座を狙うマテオ長官に捕まり、拷問を受けたハーレイ・クインでしたが、相手の隙をついて自力で逃げ出します。

タクシーで街に出ようとしたハーレイ・クインでしたが、リック・フラッグの姿を見てタクシーを降り、自分を救出に来てくれたことに感動します。

ハーレイ・クインも加わった「タスク・フォースX」Bチームは、シンカーに案内させて要塞「ヨトゥンハイム」へ侵入します。

「タスク・フォースX」Bチームは二手に分かれて、「ヨトゥンハイム」へ爆弾を仕掛けていきます。ですが、リック・フラッグがシンカーから衝撃の事実を聞かされます。

「スターフィッシュ計画」と名付けられたこの計画は、実はアメリカと共同で進められていた、生物兵器の開発プロジェクトでした。

ですが開発に失敗したことで、アメリカ側が見切りをつけ、証拠隠滅を図ったのです。

真実を知ったリック・フラッグは、この研究データを公表し、生物兵器の開発プロジェクトを世間に知らせようとします。ですが、「そんなことをすれば、秩序と平和が乱れる」と考えたピースメーカーに邪魔されます。

その時、ブラッドスポートたちが仕掛けた爆弾が、銃撃戦の影響で爆発します。

爆発の衝撃で、生物兵器として研究されていた怪獣「スターロ大王」が目覚めます。

崩壊する「ヨトゥンハイム」の中で、リック・フラッグとピースメーカーは研究データの奪い合いを展開し、遂にはピースメーカーがリック・フラッグの心臓にガラス片を突き刺します。

絶命したリック・フラッグですが、持っていた研究データはラットキャッチャー2の手に渡ります。

ピースメーカーはラットキャッチャー2を追いかけ、容赦なく銃を構えますが、そこへ爆発の衝撃で上の階から落ちて来たブラッドスポートが現れます。

ブラッドスポートはピースメーカーを狙撃し、ラットキャッチャー2を救います。

ブラッドスポートとラットキャッチャー2、ハーレイ・クイン、キング・シャーク、ポルカドットマンは脱出に成功します。ですが、すでに外は独裁国家の軍人たちに包囲されていました。

そこへ、姿を現したスターロ大王は、自身の小型の分身を飛ばし、独裁国家の軍人たちを次々に養分にします。

軍人たちを全滅させたスターロ大王は、そのまま街へと向かいます。

生き残った「タスク・フォースX」Bチームのメンバーは、「研究施設を破壊し、痕跡も残さない」という、当初の任務を完了した為、撤退することを命じられます。

ですが、このままにしておけないブラッドスポートが、スターロ大王を止めに行き、それにラットキャッチャー2とキング・シャークも続きます。

さらに、スターロ大王との戦いを「槍の使命」と勝手に解釈したハーレイ・クインも戦闘に加わり、ポルカドットマンもしぶしぶついて行きます。

「タスク・フォースX」Bチームが命令を無視したことに、ウォラーは怒り爆弾を起動しようとしますが、ウォラーの部下に頭を殴られ気絶。ウォラーの部下はそのまま「タスク・フォースX」Bチームのサポートを開始します。

こうして始まった「タスク・フォースX」BチームVSスターロ大王との戦い。ですが、巨大なスターロ大王に対抗する手立てがなく、ポルカドットマンが踏みつぶされてしまいます。

絶対絶命の状況ですが、この状況を打開したのはラットキャッチャー2でした。

ラットキャッチャー2は街中のネズミを指揮し、スターロ大王の動きを止めます。その間に槍を持ったハーレイ・クインが、スターロ大王の目玉から体内に侵入します。

ハーレイ・クインに続き、次々とスターロ大王の体内に入ったネズミが神経を嚙みちぎります。

スターロ大王の目がみるみる赤くなっていき、スターロ大王は絶命し倒れます。

街の危機を救ったブラッドスポートは「自分達の自由を保証すれば、研究は公表しない」とウォラーと交渉。交渉は成立し、ブラッドスポート達は自由の身となったのでした。

それから数日後。

ウォラーに逆らった部下たちは、ある命令を受けて病院に向かいます。

そこで眠っていたのは、一命を取り留めたピースメーカーでした。

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映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』感想と評価


(C)2021 WBEI TM & (C)DC

『バットマン』や『スーパーマン』で知られる、 DCコミックの悪役たちが、自身の減刑を条件に、危険な任務に挑む映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』

スーサイド・スクワッド』と言えば、2016年にウィル・スミス主演で映画化されています。

今回の『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』は、2016年版のリブート(再起動)となるのですが、何故、続編ではなくリブートなのでしょうか?

それは、 DCコミックを映画化している「DCエクステンデッド・ユニバース」が大きく方向転換したからです。

2016年版は『マン・オブ・スティール』(2013年)『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)の流れで製作されており「それぞれの作品が、同じ世界観を共有している」という、マーベルコミックを映画化した「MCU:マーベル・シネマティック・ユニバース」と同じ方向性でした。

その為、2016年版は、作中にバットマンやフラッシュ、ジョーカーという、DCコミックお馴染みのキャラクターが登場していました。

しかし、2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』が作品的に失敗し、その後の「DCエクステンデッド・ユニバース」は迷走状態に入ります。

そして、新たに「個々の作品は世界を共有せず、それぞれのクオリティを追求する」という方向に転換し『アクアマン』(2018年)や「ワンダーウーマン」シリーズという、大ヒット映画が誕生することになります。

ちなみに『ジョーカー』(2019年)は大ヒットしましたが、「DCエクステンデッド・ユニバース」とは別の企画になっていますね。

そんな流れの中で、新たな方向性に合わせた『スーサイド・スクワッド』が製作された訳です。

2016年版の監督と脚本は、デヴィッド・エアーでした。

2016年版では、政府に使い捨てられる、囚人たちのドラマに重きを置いた作品で、かなりシリアスな雰囲気の作風でしたね。

2016年版と比べ、新たに生まれ変わった『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』は、かなり振り切ったコメディ色の強い作品となっています

本作は、リブートではあるのですが、前作の設定は継承されている続編的な意味合いのある作品です。

なので「タスク・フォースX」は、既に存在している所から始まるのですが、最初にカッコ良く登場した「タスク・フォースX」のメンバーが、いきなり全滅します。

「え?大丈夫?」と、こちらが不安になっていると、今回の主役であるブラッドスポート達が登場するという流れです。

この辺りは、新たに監督と脚本を担当した、ジェームズ・ガンの色がかなり強いですね。

この後も、敵と間違えて味方の反政府組織を全滅させたり、大怪獣スターロ大王との戦いを始めたりなど、悪趣味で悪ノリな展開が続きます、もちろんいい意味で。

特に、スターロ大王の分身に寄生された人達が、街を徘徊する光景は、ゾンビ好きのガン監督らしい、悪ノリ場面です。

本作は、どちらかというとガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』よりは『スーパー!』(2010)に近い作風ですね。

こう書くと、ただの悪ノリ映画に感じるかもしれませんが、本作『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』は、「個々が信頼し、チームになるまで」を自然に描いているという点で、かなり完成度の高い作品であると言えます

スーパーヒーロー作品において、チームを組んで戦うという展開は、非常に熱くなるのですが、同時に個々のキャラクターの能力や性格、背景を描いて、観客に理解させるという難しさがあります。

「アベンジャーズ」シリーズのように、個々のキャラクターが主役の作品があれば話は別ですが、『スーサイド・スクワッド』の場合、それぞれが悪役で、ハッキリ言えば日本で知名度の低いキャラクターばかりです。

今回も、有名キャラクターはハーレイ・クインのみとなっています。

これらのキャラクターを説明し、チームを結成させ、さらにチームとしての絆が生まれるまでを描くのは、そうとうの技量が無いと2時間前後で収まらないでしょう

2016年版『スーサイド・スクワッド』では、そこに苦労し、キャラクター説明に時間を割いた為、話がなかなか進行しなくなってしまいました。

そこに、バットマンやジョーカーを登場させないとならないので、デヴィッド・エアーの苦労は相当なものだったと思います。

『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』では、キャラクターの背景を車での移動中に語らせたり、チームとしての絆が生まれた様子を、ナイトバーでの何気ない場面で見せたりと、物語の進行を止めずに、キャラクターを説明するという、ジェームズ・ガンの手腕が光っています

流石は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で、チーム結成の流れを自然な展開で見せたジェームズ・ガンですね。

新たに生まれ変わった『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』は、終始ハイテンションで進む、本当に面白い作品です。

ただ、そこには物語を進行させつつ、キャラクターをキッチリと見せるという、高い技術も感じた作品でした

まとめ


(C)2021 WBEI TM & (C)DC

『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』は、2016年版と比べて「タスク・フォースX」を裏で操る、政府側の組織の描かれ方が変わっています

2016年版では「タスク・フォースX」のメンバーを、明らかに使い捨てにしているかなり酷い組織で、どんな手を使ってでも従わせる辺り、下手をすると囚人よりタチの悪い組織に見えました

今回の『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』では、「タスク・フォースX」の誰が生き残るか?の賭けをしたり、ウォラーが極秘任務より議員とのゴルフの心配をしたりというような、意図的に、おもいっきりタチの悪い、さらに無能な組織として描かれています。

しかし、そこには、今作に込められたメッセージに繋がる部分があります。

本作に込められたメッセージ、それは「真の平和とは何か?」という部分です。

平和と言えば、今作で登場したピースメーカーは「平和と秩序の為なら、女性や子供の命も奪う」という、恐ろしい思想の持ち主です。それが引き金となり、リック・フラッグとの戦いになった訳ですが、ピースメーカーの思想は、誰が見ても独りよがりですね。

それでは「真の平和とは?」と言うと、それはラストのスターロ大王との戦いの場面で語られます

銃火器すら通用せず、対抗する手立ての無いスターロ大王を倒したのは、無数のネズミ。次々にネズミがスターロ大王に向かっていく中で、ラットキャッチャー2の回想が始まります。

幼き頃のラットキャッチャー2に「何故、ネズミなの?」と質問された父親は、「ネズミは最下層で生きる、弱い生き物だからだよ」と答えます。しかし、世界の脅威となったスターロ大王を倒したのは、本来なら無力なはずのネズミたち。

ラットキャッチャー2は言います。「この街は、彼らの街なの」

つまり、真の平和とは、政府組織やピースメーカーの一方的な思想ではなく、小さな力でも、皆が団結した時に訪れるということです。

巨大ヒトデのスターロ大王に、無数のネズミが群がるクライマックスは、ビジュアル的には最悪に近く、苦手な人には我慢できないかもしれませんが、そこに熱いメッセージを込める辺り、流石はジェームズ・ガンですね。

ちなみに、エンドロール後ですが、ウォラーの部下が意識を失ったピースメーカーを訪問する場面で終わります。これは、ピースメーカーを主役にした、テレビドラマシリーズの製作が決まっているからなのですが、彼は成長するのでしょうか?

どんな展開になるのでしょうね?





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