リーアム・ニーソンがFBIの“影の任務”の遂行者を演じるクライムアクション!
マーク・ウィリアムズが製作・脚本・監督を務め、日本では2023年3月に劇場公開されたオーストラリアのクライムアクション映画『ブラックライト』。
FBI長官直々に雇われ、極秘任務で潜入捜査行う秘密捜査官に危機が迫った時、その救出を担うというFBI“影の任務”を請け負う主人公。
しかしある時、国家を揺るがす極秘プログラムの存在を知ったことで陰謀に巻き込まれ、娘と孫が誘拐されてしまいます。
リーアム・ニーソン主演映画『ブラックライト』のネタバレあらすじと作品の魅力をご紹介いたします。
映画『ブラックライト』の作品情報
(C)2021 BL Productions LLC; Allplay Legend Corporation
【日本公開】
2023年(オーストラリア映画)
【原題】
Blacklight
【監督】
マーク・ウィリアムズ
【脚本】
ニック・メイ、マーク・ウィリアムズ
【キャスト】
リーアム・ニーソン、エイダン・クイン、エミー・レイヴァー=ランプマン、テイラー・ジョン・スミス、クレア・ヴァン・ダー・ブーム、ヤエル・ストーン、ジョージア・フラッド
【作品概要】
『ファイナル・プラン』(2021)のマーク・ウィリアムズが製作・脚本・監督を務めた、オーストラリアのクライムアクション作品。
『トレイン・ミッション』(2018)や『ファイナル・プラン』(2021)のリーアム・ニーソンが主演を務め、『アンノウン』(2011)のエイダン・クインや、Netflixオリジナルドラマ『アンブレア・アカデミー』(2019)のエミー・レイヴァー=ランプマンら豪華キャスト陣と共演しています。
映画『ブラックライト』のあらすじとネタバレ
(C)2021 BL Productions LLC; Allplay Legend Corporation
FBI長官ガブリエル・ロビンソンに直々に雇われているトラヴィス・ブロックは、通称「フィクサー」と呼ばれ、極秘任務で潜入捜査を行うFBIの秘密捜査官に危機が迫った際、救出し更生させるという“影の任務”を担っていました。
ある日トラヴィスは、精神的に不安定になり警官4人に暴行を振るって捕まったFBIの潜入捜査官ダスティ・クレインを救出。更生施設までの道中、トラヴィスは孫娘のナタリーを迎えに行く約束をしていたことを思い出します。
トラヴィスはダスティを手錠で拘束し、車から降りてナタリーが通う学校へ。ですが自分が来るのが遅れたせいで、教師がナタリーの母である娘アマンダに電話してしまい、彼女が来るまでナタリーと待つことになりました。
トラヴィスが車に戻った時、助手席にいるはずのダスティの姿がありません。ダスティは下校途中の男の子のバッジを借りて手錠を外し、脱走したのです。
トラヴィスの制止を振り切り、ダスティはゴミ収集車を盗んで逃走。
真の革命を起こそうとホワイトハウス前でデモを起こした直後、ひき逃げ事故に遭って死亡した新人議員ソフィア・フロレスに関する記事を書いたワシントンNC(ニュースサイクル)の記者ミラ・ジョーンズに接触しようとします。
カーチェイスの末、ワシントンNCのオフィス前に停まっていたレッカー車に乗り上げ、ゴミ収集車は横転。
ダスティは運転席から這い出て、オフィスから出てきたばかりのミラに声をかけますが、そこへトラヴィスが駆けつけたことにより、ダスティは再び逃走します。
ダスティを取り逃してしまったトラヴィスは、ロビンソンにそのことを叱責されます。トラヴィスはそろそろこの仕事を引退したいと思っている旨を伝えました。
20年以上、いつどこに派遣されるか分からないこの仕事のせいで家族に迷惑をかけたと、トラヴィスはとても悔やんでいました。
ただ今はナタリーのそばにいてあげたいと訴えるトラヴィスに対し、ロビンソンは「ダスティを連れ戻せたら、今よりもっと孫と一緒に入れるようにしてやろう」と告げました。
翌日。トラヴィスはダスティを捜索中、昨日ナタリーが書いてくれた絵を見て、2人をいつも見ている不審者がいると言っていたことを思い出しました。
トラヴィスはシングルマザーの娘と孫を守るため、2人が暮らす家に防犯カメラを設置。しかし娘と外出先から帰ってきたアマンダは、無許可で設置された防犯カメラを見て父に説教します。
昔から家族を大事に想い心配するあまり、トラヴィスは娘の自転車を頻繁に点検したり、夜中に起きて家の戸締りを確認したり、娘の友達の親の素性を調べたりしていました。その強迫神経症が昔よりさらにひどくなっていることを、アマンダは心配していました。
その日の夜。トラヴィスはミラの自宅を訪れ「君が追っている“ネタ”の件で話がしたい」と言います。ミラが追っている“ネタ”とは、警官への暴行で逮捕されたにも関わらず、逮捕記録がないダスティのことでした。
トラヴィスはミラに「ダスティに関わると君のキャリアは終わる」と警告。それは脅迫だと協力を拒むミラでしたが、トラヴィスに自分のことを調べ尽くされていることを知ってグッと押し黙りました。
3人の子どもと妻と一緒にワシントンD.C.の豪邸で暮らしていたジェームズ・V・ドルンが、秘書と関係を持ち娘を授かったものの、親子の縁を切ったこと。
娘は父親に強制されて仕事ではペンネームを使用していること。狭いアパートで暮らしている30歳の売れない記者であることを、トラヴィスは把握済みでした。
トラヴィスは自身の名刺を渡し、ダスティから連絡があったら知らせろと言ってミラのもとから立ち去りました。
(C)2021 BL Productions LLC; Allplay Legend Corporation
翌日。ダスティからミラに電話がかかってきます。トラヴィスはワシントンNCから出てきたミラの後を追いかけました。そして彼女が向かった近代歴史博物館で、団体客に混ざり話をするミラとダスティの姿を発見しました。
トラヴィスに見られたことに気づいたダスティは逃走を図ります。トラヴィスは必死に追いかけ、柵をよじ登っていた彼を捕まえました。
その時ダスティから、「昨夜僕を殺そうと2人の捜査官をよこしたろ?」と尋ねられます。
何のことだかさっぱり分からないトラヴィスでしたが、自分の言葉に耳を貸さないダスティと格闘戦を繰り広げる羽目に。格闘戦の末、トラヴィスを負かしたダスティは柵の外に出ました。
トラヴィスは柵越しに「奴らに捕まったら始末されるぞ」「記者に何か暴露したら30年は刑務所だ」とダスティを説得しようとするも失敗。
対してダスティはトラヴィスに「FBIが一線を超え善良な一般市民を殺している」「ロビンソンの命令によりある人物を殺した」と、自分が知った真実を知らせます。
にわかに信じがたい話でしたが、そのことをミラにリークしようとしていたダスティは、トラヴィスたちの目の前で殺されてしまいました。
映画『ブラックライト』の感想と評価
(C)2021 BL Productions LLC; Allplay Legend Corporation
トラヴィスとミラが調査の末に突き止めた、FBIが善良な国民を殺す極秘プログラム「オペレーション・U」の存在。
日夜世界各地に散らばり、極秘任務にあたっているFBIの秘密捜査官のことを考えると、それは国家を脅かそうとしている人物を消すためではないかと誰もが思ったことでしょう。
ですがそれは、権力と支配欲に溺れたFBI長官のロビンソンがトップの座を守るために、FBIの捜査官を利用して行ったものだったのです。
他者を思いやる優しさがあるトラヴィスとは対照的に、ロビンソンは同じ組織の人間はおろか、家族同然の存在である彼ですら自分を裏切るのではないかと考え、自己保身のために彼らを捨て駒のように利用する卑怯な男でした。
だからロビンソンは、オペレーション・Uのことを記者にリークしようとしたダスティと、ダスティからそのことを聞いた可能性があるソフィアを始末したのです。
そんな冷酷非道なロビンソンが、最も敵にしたくなかったであろうトラヴィスの手で追い詰められた様は、彼がこれまでしてきたことを考えてとてもスカッとした気持ちになれます。
ソフィアが殺された理由とオペレーション・Uの存在はとても衝撃的なものでした。また映画の終盤で描かれたトラヴィスvsFBIの戦いは、暗闇の中でいつ何が起きるか分からないスリルと、銃撃戦による迫力があって胸が熱くなります。
まとめ
(C)2021 BL Productions LLC; Allplay Legend Corporation
FBI長官直々で陰の任務を請け負う「フィクサー」ことトラヴィスが、極秘プログラムの存在を知ったことで誘拐された娘と孫を救い出すべく、旧友の暴走を止めようと奮闘する、オーストラリアのクライムアクション作品でした。
本作の監督を務めるマーク・ウィリアムズとは、『ファイナル・プラン』(2021)『マークスマン』(2022)に次いで3度目のタッグとなったリーアム・ニーソン。2023年にはついに71歳を迎えましたが、老いを感じさせない激しいアクションを魅せてくれます。
ですが映画作中でもトラヴィスは、孫を溺愛するおじいちゃんな一面も。リーアム・ニーソンの年相応なところも見れてギャップ萌えも感じられます。
また本作には『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)や『スーサイド・スクワッド』(2016)のチャード・ノートン&ガイ・ノリスのチームが参加。
さらに『96時間』(2008)や『フライト・ゲーム』(2014)など過去16本の作品で15年以上もリーアム・ニーソンのスタントを担当してきたマーク・ヴァンスロウ、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)のシェリー・ジョンソンというハリウッドの一流スタントアクションチームが集結しました。
物語の前半で繰り広げられる激しいカーアクションや、物語の終盤で繰り広げられる壮絶な戦闘シーンが誕生し観る人の心を躍らせてくれます。
FBIの“影の任務”を担ってきた男が、極秘プログラムにより善良な市民を殺める巨悪を撃ち抜くクライムアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。